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未来戦隊タイムレンジャーの第49話
 

どこかの部屋で眠っていたユウリ、アヤセ、ドモン、シオンが目を覚ます。

クロスチェンジャーもなかった。

アヤセ「ここは……!?」

ユウリがコンピューターを操作。

窓が開く。

外を見るとそこは31世紀の世界だった。
 

Case File 49
千年を越えて
 

ドモン「帰って、きたのか……」

(竜也『未来へ帰れ!!』)

4人が未来に送り返されるときの記憶が甦る。

ドモン「くうっ……あいつ、勝手なことしやがって!」

ユウリ「シオン!」

シオンが出ようとすると、そこにいたのは隊長・リュウヤだった。

アヤセ「隊長……」

リュウヤ「どこへ行く!?」

シオン「21世紀へ戻るんです。大消滅を止めないと……どいてください!!」

するとリュウヤがシオンに雷撃を浴びせる。

シオン「うわあっ!!」

ユウリ「シオン!」

ドモン「てめぇ、何すんだ!!」

リュウヤ「ようこそ。というべきならば、今は西暦3001年……お前たちにとって新しい世紀だ」

ユウリ「3001年……」

アヤセ「俺たちが20世紀に行ってから、1年後か……」

リュウヤ「そうだ。だがお前たちがいた30世紀とは……同じつながりではない。Gゾードを排除したことによって、歴史が修正された」

ドモン「30世紀の消滅がなくなったってことか!?」

リュウヤ「それだけではない……お前たち4人の歴史もだ。たとえば10年前……ドルネロが命令した、ある捜査官の家族が暗殺……あの事件は救われた」

ユウリ「え?」

リュウヤ「お前の家族は生きている……」

ユウリ「まさか……」

リュウヤ「ドモン……お前はいつでもグランプリの世界に戻れる。追放ではなく、1年の出場停止に過ぎないからな」

ドモン「え……?」

リュウヤ「それからオシリス症候群……1年前に治療方法が発見された。今から十分な……お前たちの新しい世界は、これだ」

リュウヤが立体映像を映し出す。

映っているのはユウリの家族だった。

メイ「父さん!」

ユウリの父「ほら」

ユウリ「父さん……母さん……メイ……」

一方、隊員2人がタックをゴミ捨て場に捨ててしまう。

隊員「ナビゲーターロボの処分……戻ってきたレンジャー連中の面会禁止……どうなってるんだ!?」「さあねぇ……今回の時間移動は、全部リュウヤ隊長の仕切りだからな。実は……歴史が変わっちまったって噂だ」「うそだろ!?」「噂だよ噂……」

隊員が去る。

タックが目を覚ます。

タック「みんな……」

リュウヤたちのいる部屋

シオン「本当なんですね。全部……」

リュウヤ「全てがあるべき姿の戻っただけだからな。ただし異星人であるお前は、地球の歴史に干渉されない……ハバード星唯一の生き残りであることと同じだ」

シオン「……」

リュウヤ「混乱するのも無理はないが、それも今日までだ……お前たちの記憶を書き換える。修正前の歴史の記録は残らないがな……それに、1年前強制にインプットした20世紀の情報も、そろそろ消える頃だ……あの時代の記憶も一緒に消去する」

シオン「そんな……」

リュウヤ「その処置をするまでは、ここから1歩も出すわけにはいかない。処置は明日……準備が整い次第始める。安心しろ……これまでずっといい人生になれる」

シオン「ちょっと待ってください! 竜也さんはどうなったんですか!? それに、直人さんは本当に……」

リュウヤ「お前たちは31世紀の人間だ。そんな小さなことにこだわるのはよせ……確かなのは大消滅起きたことだけだ。ちょうど千年前の明日……2月4日にな」

リュウヤは部屋を後にする。

ユウリ「父さんたちが……生きてる!?」
 

西暦2001年2月3日
 

竜也が直人を運んでいた。

竜也「大丈夫か!?」

直人「ああ……」

ギエンの操るネオクライシスが暴れる。

人々が逃げまとう。

ギエン「ははは! 破壊だ。ハハハ!!」

空に広がる渦にビル群が吸い込まれる。

竜也「このあたりに救援があったはずなのに……そうだ! シティガーディアンズの本部の行けば」

直人「これ以上俺に構うな……早く、仲間んとこに戻れ」

竜也「ユウリたちなら……未来に帰った……この時代に残すしかないからな。行こう!」

しかし直人は竜也から退ける。

直人「構うなって言ってんだろ……」

竜也「そんな傷、ほっとけるわけないだろう!! 意地でも連れて行く!」

抵抗を続ける直人。

直人「ああっ!!」

竜也「直人!」

直人「俺はシティガーディアンズを外された……俺が戻れば、Vコマンダーを取り上げられるだけだ。うっ! ボイスキーを解除されたからな」

竜也「え?」

直人「勘違いするな……これでつながるつもりはない!」

2人「うわあっ!」

2人の周辺が火を噴く。

ゼニットたちが現れる。

直人「うおお―――っ!!」

直人が銃を発砲。

竜也もゼニットに挑む。

するとゼニットが直人を抑える。

直人「ぐ……ああっ!」

竜也「直人!!」

竜也はゼニットを遠のける。

竜也「直人、逃げるぞ!!」

(タック『ブイレックスのパイロットは……今日死亡した』)

竜也「死ぬな! 何もかもが歴史通りじゃない!!」

ネオクライシスの猛攻が続いている。

ギエン「この手応え……う―――ん! なんとも言えん!!」

「皆さん! 避難は核地下を使ってください。地下の方が安全です!!」

人々が逃げまとう。
 

第三総合研究所
 

浅見「隊の県庁は!?」

秘書「かなり被害が出てます……残りの班は避難の指示に当たっています」

そこへ社員が1人入ってくる。

社員「ご報告します! 滝沢直人がVコマンダーを持ったまま逃走しました。ブイレックスは町で自己再生状態です……引き続き、滝沢の捜索を……」

浅見「よせ! 今はそんなことに、単位をあける余裕はない!!(滝沢……お前は急ぎすぎた)」

一方、竜也と直人は避難所に向かっていた。

竜也「しっかりしろ!」

竜也が目にしたのは避難所の看板だった。

竜也が直人を中に引きずる。

町ではネオクライシスの動きが止まってしまう。

ギエン「何だ? 少し暴れすぎたか……ネオクライシス、いったん引き上げる。楽しみは長く続いたほうがいい……フフフ」

ネオクライシスが去る。

避難所では直人が応急処置を受けてベッドで寝ていた。

竜也も座り込む。

竜也「よかったよ。歴史が決めたとおり死ぬほど、お前が素直じゃなくて……」

直人「よりによってお前が命の恩人とはな」

竜也「……まだ続けるのか!? ユウリが言ってた。お前には終わりが見えてないかって……力を手に入れた先に、何があるか……」

直人「確かにな……力だけじゃ生きられないって、そう言ってた奴がいたなお前の仲間に。お前には見えてる」

竜也「え……?」

直人「俺が力を持ってるだけなら、お前は浅見という地から逃げてるだけだ……逃げて、逃げてその先に何がある!?」

竜也「……結局俺たちは同じってことか。力にこだわりすぎて」

直人「いまさら生き方を変えられない……後悔はしていない」

そこへ男が避難所に走ってくる。

男「この先の町にロンダーズが暴れている! 外へ出るな。ロンダーズだ!! 出るなよ!」

竜也がロンダーズの元に向かおうとしている。

竜也「生き方を変えられるはずだ……決めるのは自分自身だがな。俺、変えるよ……生き残ったらな」

竜也が戦場に向かう。

すると直人の口から血が流れる。

直人(お前は生き残って、きっとそうするんだ……その根拠はないのに確かな自身……相変わらずおめでたくてバカバカしくて……俺は昔からずっと……力を追い続けた先か……もし、生き残れるなら……)

戦場ではタイムレッドがゼニットに挑んでいた。

31世紀

リュウヤコンピューターを操作。

「データの入力をどうぞ」

リュウヤ「Case File 48! 2001年2月3日……タイムレンジャー4名・ユウリ、アヤセ、ドモン、シオンは、31世紀に帰還。そして同日……ブイレックスのパイロット滝沢直人、死亡……」

「Warning! パイロットの名前が、基本データと一致しません……」

リュウヤ「基本データが間違っている! 修正しろ」

「パイロット名・滝沢直人……了解しました」

21世紀

直人が助けた少女が鳥籠を持って避難所にやってくる。

眠っていた直人が目を覚ます。

少女「助けてくれてありがとう……」

籠を除くと鳥がいなかった。

直人「鳥……戻ってこないのか!?」

少女が頷く。

後ろを振り向くとそこには少女の飼っていた鳥が止まっていた。

だが、すぐに飛び立つ。

少女「あーっ!」

直人が点滴を外す。

直人「貸して」

直人は外に出て鳥を探す。

鳥が手すりに止まっていた。

ふらつきながら階段に登る直人。

直人の心に竜也の言葉が甦る。

(竜也『直人……お前も帰られるはずだ!!』)

そこへゼニット1体が現れる。

直人は鳥を捕まえようとしていた。

31世紀

「Case File 48、保存します……修正はありませんか!?」

リュウヤ「ない。歴史は全て正しいほうに進んでいる……」

リュウヤはデータを保存。

21世紀

直人が鳥を捕まえる。

ゼニットが銃を発砲。

鳥籠が落ちる。

直人の口から再び流れる。

直人が階段から落ちる。

夕方

戦いを終えた竜也が直人を探していた。

竜也「直人!!」

竜也が目にしたのは倒れている直人だった。

竜也「直人……直人!!」

竜也は直人を抱きかかえる。

竜也「直人、しっかりしろ!!」

直人「よう……」

竜也が振り向くとそこにあったのは鳥の入った鳥籠だった。

竜也「直人……」

直人「浅見……お前は、変えてみせろ……」

直人はVコマンダーを取り外し、竜也に渡す。

直人の手が落ちる。

竜也「直人! なんだよ……なんで死ななきゃいけないんだよ!? 何で? うわああっ! 直人!! わあっ!!」

31世紀

ユウリが空を見上げる。

ユウリ「竜也……」

21世紀では、竜也がゼニットの方に走り出す。

竜也「でやああっ!!」

ドモン「あいつ……俺たちを助けるためにたった1人立っちまったんだよな……」

(竜也『未来は変えられなくたって、自分たちの明日ぐらい変えようぜ!』)

アヤセ(俺たちの明日は変わった……けど……あいつの下は……)

シオン(アヤセさんたちも今を守りたい……でも……)

ユウリの心に竜也との思い出が甦る。

(竜也『ユウリ……新しいお前の見つかり、きっと……』)

ユウリ「竜也……」

TR社

竜也が帰ってくる。

ロボター「竜也……みんな帰ってこないタイム……」

竜也「ああ……」

竜也は直人の形見のVコマンダーを握き、みんなの写真を見つめる。

竜也(シオン……アヤセ……ユウリ……)
 

西暦2001年2月4日
 

ギエン「フフフ……今日こそ私が破壊の神となる日だ。ハハハ!」

ギエンがネオクライシスに乗り込む。
 

西暦3001年2月4日
 

用兵ロボットが現れる。

ロボット「1人ずつ処置を施す。最初はシオン、お前だ……」

21世紀

ギエン「行くぞ……」

ロボットがシオンを連行する。

竜也の前にゼニットたちが立ち塞がる。

アヤセがロボットから杖を奪って放電する。

竜也「俺は最後まで戦う……来い! ブイレックス!!」

ロボットが倒れる。

シオン「アヤセさん……」

アヤセ「俺は……どんなにいい時代だろうと、このまま受け入れられない」

ドモン「でも、お前……」

アヤセ「俺のことは気にするな。お前も、選びたい道を選べばいい」

ドモン「俺は……」

ドモンの足がロボットを踏みつける。

ドモン「こういうことだ」

ロボット1体が起き上がる。

ユウリのキックが炸裂。

ユウリ「私も行くわ」

ドモン「ユウリ、お前は残って……」

ユウリ「竜也や……竜也たちの時代を犠牲になんて、違う。本当は理由なんてない……ただ……行かなきゃいられないの!! シオン、戻りましょう……21世紀へ」

21世紀

竜也「行くぞ!!」

竜也がタイムレッドに変身。

31世紀

4人は21世紀に向かおうとしていた。

レッド「DVディフェンダー!!」

ギエン「虫ケラがいるようだな。踏み潰してしまえ!」

ブイレックスとネオクライシスが激突。

レッド「はあっ!!」
 
 
 

Case File 49
2001.Feb.4.
 

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