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忍者戦隊カクレンジャーの第48話


(サスケのナレーション)

いよいよ 大魔王との最後の戦いが始まった



前回のハイライト──


鶴姫の実父・義輝こと白面郎が、石像と化したまま、魔力で操られて地上で暴れ回る。
妖怪大魔王の妹・ヤマンバが鶴姫に、白面郎の暴挙を食い止める唯一の手段として、解呪の剣を託す。

ヤマンバ「その剣で、白面郎の心臓を突き刺すのだ! そうすれば魔力は解け、白面郎は永遠の眠りに就く」

実父を手にかけようとする鶴姫をカクレンジャーが止めようとするが、花のくノ一組が阻む。

レッド「やめろ鶴姫──っ!!」

剣を手にした鶴姫が洞窟の中へ向かう。白面郎が眠っている。
白面郎に対峙した鶴姫の目から、涙がこぼれ落ちる……



大団円!! 父と


ヤマンバとくノ一組の攻撃の前に、カクレンジャーのスーパーへんも解ける。

サスケたち「うわぁ──っ!!」
ヤマンバ「ハハハハ! おしまいだな、カクレンジャー!」
サスケ「くっ……鶴姫ぇ……!」
ヤマンバ「親を手にかけた人間は、絶望の淵に立ち、永久に救われない……やれ、鶴姫!」


洞窟の中。

白面郎目掛け、鶴姫が剣を向ける。

鶴姫「許して、お父様……許して……」


サスケ「やめろぉぉ──っっ!!」
ヤマンバ「ついでにお前たちも、地獄へ行くのだ!」

生身のサスケたちに、ヤマンバとくノ一組が迫る。
絶体絶命──そのとき、2匹の犬が飛び出し、ヤマンバに襲い掛かる。
鶴姫と兄妹同様に育った青年忍者、太郎と次郎が大魔王の呪いで犬に変えられた姿だ。

ヤマンバ「わぁぁっ!?」

そこへ三太夫の弟子、ブン少年が駆けてくる。

ブン「兄ちゃぁん! 早く、早くお姉ちゃんを!」

襲い来るくノ一組に、サスケたちが果敢にも生身で応戦する。

ジライヤ「サスケ、早く行け!」


洞窟の中。

鶴姫が白面郎目掛け、剣を振り上げる。
そこへ駆けつけるサスケ。間一髪で鶴姫を取り押さえる。

サスケ「やめろ、鶴姫!」
鶴姫「離して、サスケ! こうするしか、こうするしかないの! 離して!!」
サスケ「鶴姫!!」
鶴姫「サスケ、離して! 離して!!」
サスケ「馬鹿野郎!!」

思わずサスケが鶴姫を殴り飛ばす。
我に返った鶴姫が、サスケを、白面郎を見つめ返し、剣を地面に落とす。

涙のこぼれる瞳でサスケを見上げる鶴姫。サスケが無言で頷く。
鶴姫が泣きじゃくりながら、サスケに抱きつく……


そのとき、巨大な足音が唸る。


洞窟の外ではヤマンバが巨大化を遂げている。

ヤマンバ「ハハハハハ! 起きろ白面郎! 鶴姫を倒すのだぁ!」


洞窟の中。

白面郎の目が開かれ、剣を手にする。

鶴姫「お父様!?」
サスケ「鶴姫、今は逃げるんだ!」
鶴姫「お父様!」

サスケが鶴姫の手を引き、駆け去る。


ようやくサスケたちが洞窟を脱出したとき──
既に目の前には、白面郎が先回りしている。

白面郎が剣を振るい、鶴姫に襲い掛かる。
必死にかわす鶴姫。
サスケが白面郎を取り押さえようとするが、白面郎はサスケを吹き飛ばすと、執拗に鶴姫を襲う。

鶴姫「やめて、お父様!」
サスケ「待て! 鶴姫!」
ヤマンバ「やれ、白面郎! 鶴姫の命を奪うのだ!!」


生身のサイゾウたちを、ヤマンバの攻撃が襲う。


白面郎から逃げつつ、鶴姫はとうとう、崖淵まで追い詰められてしまう。
依然、白面郎は剣を向けて迫る。鶴姫にもう逃げ場はない。

鶴姫「お父様……やめて、お父様! やめて……!」

そのとき。
犬の姿の太郎と次郎が飛来。元の人間の姿に変わり、白面郎を取り押さえる。

太郎「殿!」
次郎「やめて下さい!」
鶴姫「太郎、次郎!?」
太郎「逃げるんだ、鶴姫!」

白面郎は2人の拘束を振り解き、なおも鶴姫目掛けて剣を振り下ろす。
咄嗟にかわす鶴姫。
太郎と次郎が白面郎に飛び掛り、白面郎もろとも崖下へ転落──

鶴姫「お父様!! 太郎!! 次郎!! お父様……」


そこへサスケたち4人が駆けつける。

サスケ「鶴姫!」
鶴姫「お父様と、太郎と次郎が!」

ヤマンバの攻撃が炸裂。

サスケ「おのれヤマンバ……行くぞ、みんな!」
一同「おぅ! スーパー変化!」
鶴姫「ドロンチェンジャー!!」

5人がカクレンジャーにスーパー変化。

一同「隠流・超忍獣の術!」
ホワイト「ゴッドカーク!!」

ニンジャホワイトが超忍獣ゴッドカークに乗り込み、他の4人も続いて超忍獣に乗り込む。

レッドたち「五神合体! 隠大将軍、推参!!」

超忍獣が隠大将軍に合体。続いて無敵将軍も出現する。

無敵将軍「無敵将軍、参上!!」

聖忍獣ツバサマルも飛来、隠大将軍と合体する。

レッドたち「翼合体! スーパー隠大将軍!!」

さらに筋斗雲に乗ってニンジャマンも飛来。

ニンジャマン「待った待った待った待った待ったぁ! カクレンジャー、俺がいるのを忘れてもらっちゃ困るぜ!」

三神将とニンジャマンが勢揃い。まさに総力戦だ。

レッド「やいヤマンバ! よくも白面郎を使って大勢の人を傷つけ、鶴姫を苦しめてくれたな! お前だけは、絶対に許せねぇ!」
ヤマンバ「黙れ! たとえ三神将だろうがニンジャマンだろうが、この私に勝てると思ってるのか!? 見るがいい!!」

空に突如、暗雲が立ちこめ、稲妻の如く降り注いだエネルギーがヤマンバへ注がれる。

ヤマンバ「力が漲る……フハハハハ!!」
レッド「何!?」
ヤマンバ「行くぞ、カクレンジャー!!」

戦いが始まる。
3対1という不利さから、さすがにヤマンバがダメージを受け、膝をつく。
しかし、空の暗雲からエネルギーがヤマンバへ注がれ、たちまちヤマンバが精気を取り戻して立ち上がる。

無敵将軍「火炎将軍剣!!」
レッドたち「鉄拳フライングフィニッシュ!!」

神将たちの2大必殺技がヤマンバに炸裂。
ヤマンバの最期かと思われたとき、またもや暗雲からエネルギーが注がれ、ヤマンバが立ち上がる。

ヤマンバ「フハハハハ!! 馬鹿め! 人間に憎しみと怒りと絶望がある限り、私は不死身だぁ! ワハハハハ!」

宙を舞うガイコツ城から、妖怪大魔王がその様子を眺めている。

大魔王「その通りだ! もっと暴れろ、我が妹ヤマンバよ! 人間は汚い……」

満員電車の中。
老婆が立っているのに、目の前で若者が平気で椅子に掛けている。

大魔王「いつも自分のことしか考えず……」

集団暴行に走る若者たちの姿。

大魔王「理由もなく人を傷つけ……」

ダンボールに入れられた捨て犬が、川を流されてゆく。

大魔王「命さえも平気で奪い取る……それらがすべて妖怪のパワーとなり、人間がいる限り、我々妖怪が滅びることがないのだ!! フハハハハ!!」


ヤマンバの猛攻が次々に炸裂。
翼合体も解け、無敵将軍、隠大将軍、ツバサマル、ニンジャマンが倒れる。

ブラック「サ……サスケ……」
イエロー「本当に俺たちゃ、奴に勝つことができないのか!?」
レッド「そんなはずはない……そんな!」
ヤマンバ「フハハハハ!!」

ふと、レッドの目に一輪の花が映る。
荒涼とした岩場の隙間に咲く、可憐な花……

レッド「何て美しい花だ……みんな、あの花を見てくれ!」

一同もその花を目にする。

レッド「こんな荒れ果てたところでも、逞しく生き延びる力を持っている! 俺たちだって、負けるはずがねぇ!!」
神将「その通りだ、サスケ!」
ホワイト「その声は、三神将!?」
神将「鶴姫、サイゾウ、セイカイ、ジライヤ! 街の人々を見よ!」

先の満員電車の中。
1人の乗客が、老婆の前に座っていた若者を戒めて立たせ、老婆を椅子へ座らせる。

ホワイト「正しいことをしようとする勇気……」

川に流されていた子犬を、1人の少女が拾い上げる。

イエロー「命を大切にする気持ち……」
ブルー「そして、愛情と……」
ブラック「未来に対する希望……」
神将「人は、どんなに辛いことがあっても、諦めたりはしない……その人たちのために立て、カクレンジャー!! 人々に、愛と、希望と、勇気の光を与えるのだ!!」
レッド「そうだ、その通りだ! 俺たちゃそういう人たちに支えられ、今まで戦ってきたはずだ!!」
ホワイト「そうよ!!」
イエロー「よっしゃあ!!」
ブルー「おぅ! やるぞぉっ!!」
ブラック「OK!!」

空を埋め尽くしていた暗雲が消え去り、青空が広がる。

ヤマンバ「こ、これは!?」
ニンジャマン「力が……力が戻ったぁ!」
ヤマンバ「馬鹿な……!?」

三神将とニンジャマンが立ち上がる。
無敵将軍と隠大将軍のパンチがヤマンバに炸裂。

レッド「ヤマンバ! 貴様のパワーはもうない……覚悟しろ!!」
ヤマンバ「やかましい、青二才め!」
ニンジャマン「ちょっと待てぇ! 青二才だとぉ!? 俺は怒ったぞぉぉ!! 怒り爆発!!」

ニンジャマンがサムライマンに変化。

サムライマン「サムライマン、見参!!」

サムライジャベリンがヤマンバを切り裂く。

ヤマンバ「ぐわぁっ!?」

無敵将軍「超忍者合体・スーパー無敵将軍!!」

ツバサマルが無敵将軍に合体、スーパー無敵将軍となる。

無敵将軍「無敵キャノン一斉射撃!!」
レッドたち「鉄拳ゴッドフィニッシュ!!」

スーパー無敵将軍と隠大将軍の連続攻撃が炸裂。

ヤマンバ「うわぁっ!! うっ……この私がやられるなんてぇ……兄者ぁぁ──っっ!!」

ヤマンバが爆死──

大魔王「おぉっ、ヤマンバ!?」


スーパー変化を解いた鶴姫たちが、白面郎たちが転落した崖下へ駆けつける。

鶴姫「お父様! 太郎! 次郎!」

そこへブンが現れる。

ブン「ここだよ、お姉ちゃん!」

白面郎、太郎、次郎が倒れている。

次郎「鶴姫……」
鶴姫「はっ、太郎、次郎!」
太郎「つ、鶴姫……」
次郎「僕たちは、もう死ぬ……大魔王の魔力で、今度人間に戻れば、死ぬことが運命づけられていた……」
鶴姫「嫌よ! そんな……!」
太郎「鶴姫……僕たちは……鶴姫を守れたことだけで……幸せだった」
次郎「聞いてくれ、鶴姫……鶴姫が正義を貫くために、父上を手に掛けようとした気持ちはわかる……」
鶴姫「次郎……」
太郎「愛する人の命を……最後の最後まで、守り通す方が……もっと大切なんだ……」
鶴姫「太郎……」

泣きじゃくる鶴姫の肩を、サスケが抱く。

サスケ「その通りだ、鶴姫……2人は身をもってそのことを教えてくれたじゃないか! お前のために2人は……」
太郎・次郎「うぅっ……!」
鶴姫「太郎、次郎!?」
次郎「お別れだ……鶴姫……」
鶴姫「嫌ぁ! しっかりして!」

太郎と次郎が、最後の力を振り絞るように、白面郎の方へと這って行く。

太郎「父上を……大切にな……」

太郎と次郎が、白面郎に手を触れる。
やがて2人の姿が光となり、空の彼方へと飛び去っていく。

鶴姫「太郎……次郎……」

サスケたちも、太郎と次郎が消えていった空を見上げる。

鶴姫 (ありがとう……あなたたちの気持ち、一生忘れない……あなたたちの分まで、お父様を大切に生きていく……)
サスケ「鶴姫!」

鶴姫が振り向くと、白面郎から魔力が抜けていき、石像から元の人間の姿へ──鶴姫の父・義輝へと戻る。

サイゾウ「元へ戻ったぞ!」
義輝「……!? はっ……鶴姫!」
鶴姫「お父様!」

鶴姫が義輝に駆け寄り、父娘が抱き合う。

義輝「鶴姫ぇっ!!」
鶴姫「お父様ぁっ!! お父様……」

サスケ「太郎と次郎が……自分たちの命と引き換えに……鶴姫の親父さんにかけられた魔力を解いてくれたんだ!」

義輝がサスケたちの方へ向き直る。

義輝「サスケ! ジライヤ! サイゾウ! セイカイ! みんな……本当にありがとう! 私のために、君たちが今までどれだけ苦しんできたか……すまなかった……この通りだ!」

頭を下げる義輝。

サイゾウ「何言ってんのよ……あなたのせいじゃない。何もかも、大魔王が悪いんだ!」
ジライヤ「大魔王のヤツ……!」

そのとき、大地を振るわせるほどの轟音。
大魔王を乗せたガイコツ城が飛来して来る。

大魔王「フハハハハ!」
サスケ「大魔王!?」
大魔王「よくも我が妹ヤマンバを倒してくれたな、カクレンジャー。こうなったら私が相手だ……最後の決着をつけてやる!」
サスケ「黙れよ大魔王……お前にはもうパワーはない。愛と希望と勇気で、あの憎しみの雲を吹き飛ばしたんだ!!」
大魔王「愛だと? 希望だと? 勇気だとぉ!? そんなもの、私の前では無力に等しい……」

大魔王の振るった杖から光線が放たれ、サスケたちを襲う。

大魔王「フハハハ、馬鹿め……お前たちにはまだ私の本当の姿がわかってないのだ」
セイカイ「何だと!?」
大魔王「地獄へ行けぇ!!」

ガイコツ城がそのまま、サスケたち目掛けて急降下してくる。

セイカイ「どういうつもりだ!? 突っ込んで来るぞぉ!!」
サスケ「危ない!!」

ガイコツ城が炎の塊と化し、地面目掛けて突撃。


大爆発──


大魔王「これでカクレンジャーもおしまいだぁ……ワハハハハ!!」


つづく


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