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忍風戦隊ハリケンジャーの第50話
 

天空神がサタラクラにしがみつく。

サタラクラ「何!?」

シュリケンジャー「御前様の敵を……この星を……未来を……頼むぞ。ハリケンジャー! 頼むぞ。ゴウライジャー!!」

サタラクラ「ぐわああっ!!」

天空神とサタラクラがシュリケンジャーもろとも大爆発。

鷹介たちが岩の上に立っていた。

鷹介「行こう……シュリケンジャーが……命と引き換えに、遺してくれたんだ!!」

七海「戦う意味と……」

吼太「戦う意味のルートを……」

一甲「応えられるのは……」

一鍬「我らしかいない!」

センティピード

タウ・ザントが呪文を唱えていた。

ジャキュームガンにシュリケンジャーのボールがめり込んでいた。

タウ・ザント「怒りと嘆きのエネルギーよ……我に力を与えよ―――」

ジャキュームガンが反応。そこからエネルギーがタウ・ザントに浴びせられる。

タウ・ザントの瞳に2つのメダルが映し出される。

一方、レッドたちはハリケンホークでセンティピードに向かっていた。

レッド「行くぞ!!」

シュリケンボールのスイッチを押すと野球ボールが反応する。

サンダール「何!?」

ハリケンホークは一気にセンティピードの前に到着。

レッド「見えた!!」

ブルー「あれが……」

カブト「ジャカンジャの要塞」

クワガ「センティピードだ!」

センティピード

サンダール「次元シールドが……破られるとは……」

レッド「カラクリ忍法・火炎鷹!!」

ハリケンホークが体に炎を包み、センティピードに突入。
 

巻之五十
暗黒と新世界
 

突入した影響で5人のシノビチェンジが解けていた。

鷹介「成功だ!!」

一同「うん……」

一鍬「かつて、我らが……この中にいた」

一甲「あの時、タウ・ザントに引導を渡していれば……」

見上げると緑色の光が反応していた。

一鍬「タウ・ザントだ……」

鷹介「行こう……案内してくれ。一甲、一鍬!」

一甲・一鍬「うん……」

2人はハリケンホークから降りる。

ウエンディーヌ「ハリケンジャーたちがやってくるわ……」

タウ・ザント「500年前……このタウ・ザントも知った。強大にして究極力「アレ」の存在を―――そして今……邪悪なる意思の真の野望を知った。「アレ」の闇―――宇宙の全てを取り込み、消滅させた後……闇より出でて、新たな支配者として君臨しようとしている―――」

鷹介「何!?」

おぼろ研究所

おぼろ「邪悪なる意志の真の野望!?」

館長「この宇宙を消滅させる?」

センティピード

タウ・ザント「いいか……邪悪なる意志よ―――我らジャカンジャが、その野望を叶えてやる。そしてともに、新たな宇宙の支配者となろう」

サンダール「やはりそういうことか……」

フラビージョ「宇宙の支配者……」

ウェンディーヌ「う―――ん、悪くないかも。邪魔されたくないわねぇ、ハリケンジャーたちに……」

鷹介たちの前にマゲラッパが立ち塞がる。

一鍬「どけ!!」

一甲「邪魔だ!!」

鷹介たちがマゲラッパに挑む。

一甲「みんな!!」

一同「おう!!」

ジャキュームガンが落ちる。

タウ・ザントにエネルギーが満ちる。

広間に鷹介たちがやってくる。

鷹介「タウ・ザント!!」

ウェンディーヌ「ようこそセンティピードへ……」

フラビージョ「初めてじゃない人たちもいるみたい……」

サンダール「だが一足遅かったようだな……見るがいい!」

鷹介「しまった!!」

タウ・ザントが巨大化。

サンダール「遂に……」

ウェンディーヌ「きゃああっ!! センティピードが……」

フラビージョ「壊れちゃう……」

一甲「脱出だ!!」

鷹介「みんな!!」

センティピードが沈んでいく。

鷹介たちはハリケンホークに乗って脱出。

ウェンディーヌやフラビージョも海岸に降り立つ。

ウェンディーヌ「サンダール……間に合わなかった!?」

フラビージョ「タウ様は!? あっ!!」

2人の前に降り立ったのは究極体としてのタウ・ザントだった。

2人「タウ様……」

鷹介たちもやってくる。

鷹介「あっ!?」

おぼろ研究所

おぼろ「あ、あれは……」

館長「タウ・ザント!?」

タウ・ザント「怒りの矢と嘆きの弓よ……」

タウ・ザントの手に怒りのやと嘆きの弓が装備される。

鷹介「しまった!!」

タウ・ザント「今こそ……」

七海「あっ!?」

吼太「ああ……」

タウ・ザント「今こそ……遂に時は来たり―――「アレ」を……今こそ―――」

おぼろ「あっ!?」

館長「や、やめろ!!」

タウ・ザントは矢を海に放つ。

矢が海底に突き刺さり、水柱が立つ。

おぼろ「「アレ」は……水がなければ生まれないっちゅうのはこういうことやったんや!」

館長「おぼろ……」

おぼろ「わかってる。「アレ」が生まれる前に……」

おぼろはコンピューターでデータを分析。

タウ・ザント「まもなく「アレ」が生まれる……ん?」

サンダール「でやあああーっ!!」

サンダールの剣がタウ・ザントの眉間を突き刺す。

タウ・ザント「ぐおおお―――っ!!」

サンダールが降り立つ。

サンダール「フッ……」

タウ・ザント「おのれサンダール……うおおお―――っ!!」

サンダールの前にウェンディーヌとフラビージョがやってくる。

ウェンディーヌ「サンダール……あんたって奴は!」

サンダール「フッ。所詮我らにとって奴は捨て駒……だったらこちらも……「アレ」の力で高みに上るのは……このサンダール! タウ・ザントでもサタラクラでも、ましてサーガインでもない……」

サーガインがサンダールに敗れたときの記憶が甦る。

ウェンディーム「やっぱりあんたがサーガインを……」

フラビージョ「うそ……」

サンダール「フッ。お前たちも同士の元へ送ってやる……」

サンダールは刃を2人に向けて歩みだす。

タウ・ザントは海中へと沈み、「アレ」が生まれようとしている。

館長「まずい……あの渦巻きが臨海に達したとき、おそらく「アレ」が……急げよおぼろ!」

おぼろ「わかってる……」

一方、サンダールに迫られるフラビージョとウェンディーヌだが……。

2人「あっはっは!!」

ウェンディーヌ「面白いじゃない……」

フラビージョ「傑作傑作」

サンダール「何がおかしい!?」

ウェンディーヌ「自分以外誰も信用しないというわけね。でも……」

フラビージョ「とりあえず、あと2人味方につけたほうが有利だよ!?」

サンダール「ほう……化成しようというのか!?」

ウェンディーヌ「ただし……あいつらを始末したあと、誰がトップに立つか」

フラビージョ「それはその時、改めて決めようよ……」

サンダール「いいだろう……」

鷹介たちの前にウェンディーヌたちが現れる。

フラビージョ「お待たせー!」

ウェンディーヌ「いくわよ。ドキュン!」

フラビージョ「ドカン!」

一同「うわああっ!!」

サンダール「宇宙忍法・自在縄!!」

サンダールの自在縄が鷹介たちを翻弄する。

サンダールたち「フッフッフ……」

吼太「負ける、もんか……俺たちは!!」

七海「あの人たちから……受け継いだのよ!」

一甲「思いを……!!」

一鍬「力を……!!」

鷹介「絶対に……負けて、たまるか!!」

サンダール「ほざけ!!」

一同「シノビチェンジ!!」

鷹介たちがシノビチェンジを遂げる。

レッド「宇宙統一忍者流の名の元に……」

カブト「超忍法・5人影の舞!!」

5人の「影の舞」の連続攻撃がサンダールたちを翻弄する。

レッド「ビクトリーガジェット! 五重連!!」

ハリケンガジェットとゴウライガジェットがビクトリーガジェットに合体。

一同「ビクトリーガジェット!!」

クワガ「とどめだ!」

レッド「チャージ!!」

一同「ビクトリー!!」

ビクトリーガジェットの砲撃が炸裂。

フラビージョ「きゃああっ!!」

ウェンディーヌ「ああっ……」

フラビージョとウェンディーヌは炎の中へと消える。しかし。サンダールだけは吹き飛んだだけだった。

サンダール「かああっ……」

地面に2人の肩身の武器が突き刺さっていた。

カブト「サンダール……」

レッド「覚悟しろ!!」

サンダール「虫ケラどもがいつまでもちょろちょろと……邪魔はさせん! 宇宙忍法・巨大身の術!!」

サンダールが巨大化。

一同「シノビマシン!!」

5機のシノビマシンが出動。

レッドたちはそれぞれ自分たち専用のマシンに乗り込む。

ハリケンジャー「忍風合体!!」

ゴウライジャー「迅雷合体!!」

それぞれのマシンが旋風神や轟雷神に合体。

レッド「流派超越!」

一同「風雷合体!!」

旋風神、轟き雷神、風雷丸が轟雷旋風神に合体。

風雷丸「轟雷旋風神、推参!!」

レッド「行くぞ!!」

一同「おう!!」

轟雷旋風神が前に突き進む。

サンダール「見せてもらおう。地球忍者のカラクリ巨人の性能とやらを……」

レッド「食らえ!!」

轟雷旋風神は拳を前に突き出すが、サンダールの剣がそれを交わし、轟雷旋風神を翻弄する。

一同「うわあっ!!」

轟雷旋風神が倒れる。

サンダール「貴様らの力はその程度か!?」

レッド「ならば……必殺奥義!」

一同「ローリングサンダーハリケーン!!」

サンダール「当たらなければどうということはない!」

ローリングサンダーハリケーンが全て交わされる。

イエロー「ローリングサンダーハリケーンが効かない!」

レッド「これならどうだ? カモン! リボルバーマンモス!!」

レッドのニンジャミセンの演奏でリボルバーマンモスが出動。

轟雷旋風神が背中に乗り込む。

レッド「必殺究極奥義!」

一同「サンダーハリケーンストライク!!」

サンダール「宇宙忍法! 縄頭蓋!!」

縄頭蓋とリボルバーマンモスが激突し、大爆発。

轟雷旋風神が吹き飛び、旋風神と轟雷神に分離してしまう。

一同「うわああっ!!」

レッド「強い……」

カブト「どうすればいいんだ!?」

海水がどんどん跳ねる。

館長「ええい、まだかおぼろ!?」

おぼろは必死で分析を続ける。

サンダール「遂に「アレ」が生まれる……新しい宇宙が誕生する。このサンダールが支配者になるとき、新しい世界が生まれるのだ。ハッハッハ……」

旋風神と轟雷神が立ち上がる。

レッド「もう1度、轟雷旋風神で行くぞ!!」

カブト「我らが奴らの懐にいた時、奴らを倒していればこんなことには……」

クワガ「兄者……サンダールは我らの手で……」

カブト「一鍬……」

クワガ「兄者……」

カブト「一鍬!」

クワガ「おう! シノビメダル、セット!」

轟雷神の胸からソードスラッシャーが出現。

クワガ「ソードスラッシャー!!」

轟雷神はそれを構え、サンダールに突き進む。

レッド「一甲、一鍬!」

ゴウライジャー「うおおお―――っ!!」

ソードスラッシャーがサンダールを切り刻む。

サンダール「ぐあっ!!」

轟雷神がサンダールの後ろに回る。

サンダール「何? 放せ!!」

イエロー「離れろ! 一甲、一鍬!!」

カブト「鷹介……七海、吼太! こいつは我らが!!」

クワガ「お前らは「アレ」を!!」

ゴウライジャー「この星を守れ! ハリケンジャー!!」

ソードスラッシャーがサンダールと轟雷神の胴を貫通。

レッド「一甲!!」

ブルー「一鍬!」

イエロー「ああ……」

おぼろ「ああ……」

2体の体からスパークが流れる。

サンダール「無念……だが、この星も終わる。宇宙も終わる……滅びるのだ!」

胴から、轟雷神のコックピットが火を噴く。

ゴウライジャーのシノビチェンジが解除。

一甲「うお―――っ!!」

一鍬「はあ―――っ!!」

サンダール「があ―――っ!!」

轟雷神とサンダールが一甲や一鍬もろとも大爆発。

ブルー「いやあ―――っ!!」

ブルーが旋風神から飛び出す。

レッド「七海!」

ブルーが駆けつけた頃には、もうすでに火の海だった。

レッドとイエローが追いつく。

イエロー「七海……」

レッド「二度と……二度と陰にはならないって……一緒に、戦い続けるって……誓ったじゃないか。バカヤロー……バカヤロー!!」

おぼろ研究所

おぼろ「一甲ちゃん……一鍬ちゃん……」

館長「はぁ……ん? おぼろ!」

おぼろ「あっ!」

竜巻が起こり、怒りの矢とタウ・ザントが吸い込まれる。空が暗くなる。

おぼろ「あの穴や。あの穴が……」

館長「「アレ」か?」

灯りが点滅。

おぼろ「何や一体!? うわっ!!」

地震

おぼろ「一体どないしたらええんや?」

穴から落雷が落ちる。

鷹介たち「うわああっ!!」

落雷は町にも落ちていく。

レポーター「世界各地に……同じ現象が起きています。破滅です……終末です……私たちの星は、地球は……一体どうなってしまうのでしょうか!?」

「アレ」の影響で研究所が揺れる。

館長「うわああっ! おぼろ……」

おぼろ「う―――ん……こんな方法しかないんか!? みんな……聞いて。「アレ」は、怒りと嘆きの弓矢で打ち出されたもんや……そうするには、同じことを逆手順で」

館長「な、なんじゃと!? つまり……」

3人は「アレ」を見上げる。

レッド「あの穴の向こう側から、弓矢を打つ!」

おぼろが館長を手に取る。

おぼろ「けど……例え矢を打てたとしても、「アレ」の向こうには邪悪なる意志が……」

落雷で研究所が揺れる。

おぼろ「うわあっ!!」

研究所が崩壊し始める。

おぼろ「無事に戻ってこれ保証は……」

館長「おぼろ、危ない!!」

おぼろ「え?」

天井からおぼろ目掛けて落ちる。

おぼろ「うわああっ! お父ちゃん!! うわっ!!」

通信が途絶える。

イエロー「どうしたんですかおぼろさん?」

ブルー「館長……」

レッド「おぼろさんや、館長までも……とうとう、俺たち3人だけに……」

ブルー「みんな……みんないなくなっちゃった……」

ブルーがイエローとレッドにしがみつく。

ブルー「怖いよ。めちゃくちゃ……」

イエロー「俺だって……」

レッド「どうしたらいいんだ? 俺たち……」

ブルー「誰も助けてくれない……」

イエロー「誰も決めてくれないんだ……」

レッドの心に消えていった者たちの姿がよぎる。

一甲「鷹介……吼太……」

一鍬「七海……」

シュリケンジャー「ハリケンジャー……」

覚羅「ハリケンジャー……」

頷く館長とおぼろ。

レッドが目を開ける。

レッド「七海……吼太……俺たち弱音はいてる場合じゃねぇよな!」

ブルー「うん……この星を……宇宙を救えるのは、私たちしかいないんだもんね!」

イエロー「ああ……こんなところでくじけてたら、仲間に……笑われるよな!!」

レッド「よぉーし! みんな、気合い入れていこうぜ!!」

ブルー・イエロー「おう!!」

レッド「よーし! みんな、気合い入れていこうぜ!!」

ブルー・イエロー「おう!!」

穴から落雷が再び3人の下に落ちる。

レッドたち「うおおお―――っ!!」

レッド「空忍・ハリケンレッド!!」

ブルー「水忍・ハリケンブルー!!」

イエロー「陸忍・ハリケンイエロー!!」

レッドたち「忍風戦隊ハリケンジャー!!」

レッド「いくぜ!!」

ブルー・イエロー「おう!!」

レッドたち「はあっ!!」

3人は旋風神に乗り込む。

旋風神が嘆きの弓を手にする。

レッド「行くぞ! 「アレ」の向こうに!!」

ブルー・イエロー「おう!!」
 

つづく
 

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「アニメ、漫画、特撮の最終回」の「な行」から
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