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炎神戦隊ゴーオンジャーの第49話


(炎神スピードルのナレーション)

ついにガイアークの総裏大臣、ヨゴシマクリタインが現れた!
軍平と範人、ガンパード、バルカ、キャリゲーター、
そして大翔と美羽、トリプター、ジェットラス、ボエール、
古代炎神までが、ヨゴシマクリタインの必殺技・正義解散の前に
露と消えてしまった!
このぉっ! ヒューマンワールドはどうなるんだ!?


ヘルガイユ宮殿。
ヨゴシマクリタインがグラスを手にして座している。

ヨゴシマクリタイン「もはや、ゴーオンジャーなど取るに足りない敵と成り果てたナリナ。お前たちもグラスを取るナリナ」
キタネイダス「えぇっ!?」
ケガレシア「あぁ……は、はい!」

慌ててグラスを用意し始める2人。

ケガレシア「正直言って、罷免されるかと思っていたでおじゃる」
キタネイダス「ケッテイバンキで失敗したのに、さすが心の広い総裏大臣閣下ゾヨ」
ヨゴシマクリタイン「何を言うナリナ? ここまでやれたのはお前たち、優秀な部下のお陰ナリナ」

その言葉に喜ぶ2人。一同がグラスを合わせる。

一同「ルネッサ〜ンス!」
ヨゴシマクリタイン「いよいよ、ヒューマンワールド殲滅作戦の始まりナリナ」

壁面の巨大な歯車が、轟音とともに回り始める。


朝。海岸の砂浜に停められたギンジロー号。
ヨゴシマクリタインの前に消滅した大翔(ひろと)たちのデータを、ボンパーが解析している。

ボンパー「大翔が遺したデータ…… 正義解散は、一瞬のうちに膨大な次元パワーを消費している。でも、こんなのわかっても、みんなが戻ってくるわけじゃないよ」

外では朝食のテーブルが広げられている。

スピードル「みんな消えちまった。炎神(えんじん)の仲間は、もう俺たちだけだ」
ベアール「せやな。こんなことになるんやったら、ウイングスの連中とも、もちっと仲良くしとくんやったな」
バスオン「べらぼうめ、泣けてきやがる……」
早輝「はぁ…… もう、みんなと一緒に朝ごはんを食べることもできないのね……」

食の進まない様子の早輝。

連「あれ? 今朝のオムレツ、まずかったっスか?」
早輝「消えたみんなのこと考えると、食べることができなくて……」
走輔(そうすけ)「うるせぇっ! 今だけは、みんなのことを忘れろ!」
スピードル「そんなこと、できるわけないぜ! 相棒!」
走輔「バカっ! 今この世界を守れるのは、俺たちだけなんだぞ!? みんなへの想いは、腹ん中へしまいこめ! 飯と一緒にな」

走輔がガツガツと朝食を食べ始める。

連「早輝、そうっスよ。今は食べて元気つけるっス。戻るっスよ。サーキットで出会った、あの日の3人に」

初めてのガイアークの襲撃で、3人が出会ったときの思い出。

早輝「そうだね……あのとき、3人で世界を守ろうって、決心したんだもんね。私も、がんばらなきゃ!」

早輝も元気を取り戻し、朝食を食べ始める。

スピードル「そうだ、俺たちの目的は、この世界を守ることだったな!」
バスオン「めそめそしてる場合じゃなかったぜ!」
ベアール「みんなのことは、胸の中にしまわせてもらうわ。ガイアークに勝つまでな!」
ボンパー「ボンボン! 蛮ドーマの群れが、接近しているよ!」
走輔「来やがったか…… よぉし、マッハで出撃だ!」


GP
49
最終ケッセン


街中。蛮ドーマの大編隊がビル群を破壊していく。
そこへ巨大化した炎神たちが、ゴーオンジャー3人を乗せて駆けつける。

スピードル「奴ら、いっぱい群がってやがる」
ベアール「まかしとき〜! ブイブイ!」
イエロー「いっくよー! ベアールアタック!」
バスオン「てめぇら! 1機だって逃がしゃしねぇ!」
ブルー「オーライ! バスオンミサイル!」
スピードル「よぉし、その意気だぜ!」
レッド「スピードル、スカイハイアタックだ!」
スピードル「ドルドル──ッ!」

3体の攻撃で、蛮ドーマが次々に撃破されてゆく。

レッド「OK! これで蛮ドーマは全滅だぜ!」

しかし、バスオンのコクピットのレーダーが蛮ドーマの反応を示す。

ブルー「いや、まだいるっス!」
イエロー「えぇ!? しつこい!」
ベアール「倒しても倒しても、出てくるやなんて……」
スピードル「どうなってんだ?」
バスオン「一気にやるしかない!」
レッド「よぉし、炎神合体だ!」
一同「炎神合体!!」
スピードル「ドルドルドルドル──ッ!」
一同「エンジンオー・チューンナップ! ゴーオン!!」


3体の魂と、3人の心が一つとなるとき、
巨大なる炎神の王・エンジンオーが降臨するぜ!


ヨゴシマクリタイン「このデウス・ハグル・マギアからは、蛮ドーマ軍団を無限に生み出すエネルギーが、取り出せるナリナ」
ケガレシアたち「えぇっ?」
ヨゴシマクリタイン「ヒューマンワールドの全てをゴミと化すまで、爆撃を続けられるナリナ」
キタネイダス「こ、これは、こんなすごいモノだったゾヨ?」
ケガレシア「えぇっと、これは確か、ヨゴシュタインが?」
ヨゴシマクリタイン「うむ、我が設計を忠実に装置としたようだ。だが奴は、これの本当の力を理解してなかったナリナ。我らも、地獄と化す世界を見に行くナリナ!」

圧倒的な数の蛮ドーマに押されるエンジンオー。

スピードル「走輔、俺たちが巨大でいられるのは、あと20秒だぜ」
レッド「このぉっ!」
3人「ゴーオングランプリ!!」

エンジンオーの振るうゴーオンソードが、蛮ドーマたちを全滅させる。

レッド「どうだ! これで全滅だぜ!」
スピードル「おぉっと! 時間がきちまったぜ!」

炎神の合体と巨大化が解除され、3人は地面に放り出される。

レッド「何だったんだ、あのいつにない大群は?」

そこへ、ガイアーク3大臣が現れる。

ヨゴシマクリタイン「これで終わりではないナリナ」
レッド「お前ら!」
ヨゴシマクリタイン「ガイアーク総裏大臣、ヨゴシマクリタイン!」
キタネイダス「ガイアーク害気大臣、キタネイダス! フフフ……」
ケガレシア「ガイアーク害水大臣、ケガレシア!」
キタネイダス「蛮ドーマ軍団は無限に出てくるゾヨ」
ケガレシア「さっさと白旗を上げるでおじゃるよ」
ヨゴシマクリタイン「さもなくば、ここがお前たちの墓場になるナリナ」
レッド「そうはいくか、俺たちはまだまだ元気だぜ! マッハ全開! ゴーオンレッド!」
ブルー「ズバリ正解! ゴーオンブルー!」
イエロー「スマイル満開! ゴーオンイエロー!」
3人「正義のロードを突き進む! 炎神戦隊ゴーオンジャー!!」

名乗りを決める3人。

ヨゴシマクリタイン「捻り潰すナリナァ!」
キタネイダス「行くゾヨ!」
ケガレシア「おじゃる!」
レッド「行くぜ!」
ブルー・イエロー「OK!」

ケガレシアたちが突進。ゴーオンジャーも武器を構えて迎え撃つ。

ブルー「ガレージランチャー!」
キタネイダス「効かぬゾヨ」
ブルー「ランチャースターター! ゴーオン!」
キタネイダス「わが真の実力を見せるゾヨ!」

キタネイダスがブルーの攻撃を軽々とかわし、逆にブルーに攻撃を浴びせる。

ブルー「さすが大臣、1対1だと簡単じゃないっス!」
キタネイダス「必殺、害気アタック!」
ブルー「うわあっ!?」

ブルーが攻撃を食らい、爆煙に包まれる。

イエロー「レーシングバレット! バレットクラッシュ!」

ケガレシアがイエローの攻撃をたやすく受け流す。

イエロー「レーシングバレットが!?」
ケガレシア「か弱い攻撃でおじゃるな。例え女性でも、戦士は強くなければならんでおじゃるよ」
イエロー「なんですって!?」
ケガレシア「お手本を見せるでおじゃる。ハッ!」

ケガレシアの強烈なキックが次々にイエローに決まる。

イエロー「うぅっ……ケガレシア、なんて強さなの!?」
ケガレシア「もっと悲鳴をお上げ。苦しげなその声こそ、最高の音楽でおじゃる!」
イエロー「きゃあっ!?」

イエローもケガレシアの猛攻を浴びる。
レッドもゴーオンソードでヨゴシマクリタインに挑むものの、強烈なパワーの前に吹き飛ばされる。

ヨゴシマクリタイン「フン! 所詮その程度の力か? 地獄へ落ちるナリナ」
レッド「そのまま返すぜ! ロードサーベル・サーベルストレート! ゴーオン!!」

必殺の剣技もまったく通じず、またもや吹き飛ばされる。

ヨゴシマクリタイン「フハハハハハ!!」
ケガレシア「いいザマでおじゃる。そろそろ終わりでおじゃるな」
キタネイダス「ついにガイアークの勝利のときが来たゾヨ」
ヨゴシマクリタイン「所詮3人で抵抗など無理ナリナ」
レッド「俺たちは……俺たちは3人だけじゃねぇ!」

力を振り絞って立ち上がる3人。レッドが自分の胸を指す。

レッド「大翔も美羽(みう)も軍平も範人(はんと)も、みんなここにいる! 俺たちは、みんな一緒に戦ってるんだ!」

レッドのバックルから、カウルレーザーとブリッジアックスがブルーとイエローのもとへ転送される。

レッド「連、早輝、受け取れ! 軍平と範人の力!」
ブルー「走輔、やっぱりみんなのこと、忘れてなかったっスね!」
イエロー「さすが走輔、って分かってたよ。最初から!」
レッド「そうかよ! 俺は大翔と美羽の力、ロケットダガーで行くぜ!」
ケガレシアたち「何ぃ!?」
イエロー「範人! あなたの想いをぶつけて!」
ブルー「軍平! 君の根性を見せてやるっス!」
レッド「大翔、美羽! お前たちのオンリーワン、借りるぜ!」
3人「ゴーオン絆スピリッツ!!」

3人がそれぞれの武器を交差し、攻撃を放つ。
すかさずヨゴシマクリタインは、ケガレシアたちを掴み、自らの盾とする。
まともに攻撃を浴びるケガレシアとキタネイダス。

キタネイダス「な……、何するゾヨ!?」
ケガレシア「殺生でおじゃる〜!」
レッド「なんだと!?」
ヨゴシマクリタイン「クグツカイライ政権ナリナ」
ケガレシアたち「あぁ〜!?」

ケガレシアとキタネイダスがヨゴシマクリタインにより意識を奪われ、単なる機械同然と化す。

ヨゴシマクリタイン「行け! 命を賭して我のために!」
ケガレシアたち「カ・シ・コ・マ・リ」
ヨゴシマクリタイン「行けぇい!」

ヨゴシマクリタインが、ケガレシアたちを火の玉と化して撃ち出す。

3人「何ぃ!?」「うわぁぁ──っ!?」

爆炎が上がり、3人の変身が解除される。

ヨゴシマクリタイン「砕けろ!」
走輔「このままでは……」
ヨゴシマクリタイン「必殺・定額給付弾!!」

目の前にケガレシアたちがいることも構わず、ヨゴシマクリタインが攻撃を放つ。
再び巨大な爆炎。爆炎がやんだあとに、走輔たちの姿はない。

ヨゴシマクリタイン「フハハハハハ! 尻尾を巻いて逃げたナリナ!」
キタネイダス「あ……ああ? これはどうしたことゾヨ?」
ケガレシア「痛痛痛痛痛! 全身が、ちぎれるように痛いでおじゃる」
ヨゴシマクリタイン「また、無限の蛮ドーマ軍団を出撃させるナリナ」

去って行くヨゴシマクリタインを、ケガレシアたちがふらふらと追う。

一方で走輔たちもギンジロー号へ退却する。

ボンパー「みんな、大丈夫?」
走輔「平気だ。それよりその後、正義解散の分析はどうなった?」
ボンパー「うん、大翔たちが消える瞬間、特殊な波動が検出できたんだけど、それが一体何を意味するかは……」
ベアール「なぁ、奴らは『蛮ドーマが無限』とか言うてたけど」
早輝「そうだね。ベアールたちの戦える時間には、限界がある」
バスオン「あんなの限りなく作られりゃ、たまらねぇぜ」
スピードル「エネルギーを無限に生む装置でも敵の本拠地にあるってのか?」
連「本拠地? ……そうだ! ボンパー、ガイアーク探知機のエリア値を、最大に広げるっス」
ボンパー「最大エリア? 負荷で探知機が、短時間で壊れちゃう!」
連「短時間に蛮ドーマ出現が予測できる今こそ、使える作戦っス。遠くても、出現地域が特定できれば!」
走輔「そこが敵の本拠地……? そこの装置を破壊すれば!?」
早輝「うん」
ボンパー「よし、やってみるよ。ボンボン!」


ヘルガイユ宮殿に戻った大臣たち。

キタネイダス「あぁ……我らの意識を奪い、盾にするとは……」
ケガレシア「あまりに無常ななさりようでおじゃる」
ヨゴシマクリタイン「フン、お前たちを、使い捨てのウガッツ以上に思ったことはないナリナ」
2人「な、何をおっしゃる!」
ヨゴシマクリタイン「我一人いれば、この世界をゴミの山にできるナリナ!」
キタネイダス「あ、あれが……我らの総裏大臣ゾヨ? 情けの深いヨゴシュタインとは正反対ゾヨ」
ケガレシア「我らを捨て駒としか思わぬ、冷酷な方でおじゃるとは……」

2人の恐れを意にも介さず、ヨゴシマクリタインはゴミ箱のゴミを口に放り込む。

ヨゴシマクリタイン「回れ回れ、デウス・ハグル・マギアよ。無限蛮ドーマ軍団、再出撃ナリナ!」

再び無数の蛮ドーマ軍団が出撃する。

ギンジロー号に警報音が響き、蛮ドーマ軍団が映し出される。

走輔「あいつら……現れやがった!」
ボンパー「ボンボン、わかったよ! 蛮ドーマは全部、このエリアで出現しているよ」
連「ズバリその中心が、ガイアークの本拠地!」
早輝「そこを攻撃すれば、蛮ドーマを止められるってことね」
走輔「よぉし、行こうぜ。マッハでぶっ潰す!」

傷の手当を終えたばかりの3人が、ゴーオンジャケットに身を包む。

走輔「行くぜ、スピードル!」
連「バスオン!」
早輝「ベアール!」
3体「OK!」

海岸に立つ3人。

早輝「これ……片道切符の出撃にならないよね?」
走輔「怖いんなら、残ったっていいんだぜ」
早輝「行くわ。ヒューマンワールドを守るために、3人でがんばるのよ!」
連「俺たちの命は、あのサーキットで炎神に助けられなきゃ、なくなってた命っス」

かつてガイアークの襲撃を受けた3人が、炎神とボンパーによりゴーオンジャーに選ばれたときの回想。

早輝「そう。あのときから、連と走輔と、生きるも死ぬも、一緒なんだから」

早輝が差し出した手に、連と走輔が手を重ね、固く握り合う。

走輔「俺たち……ずっと、最高の仲間だぜ!」

決意の表情の中にも、それぞれ笑顔を交わす。

3人「チェンジソウル・セット! レッツ・ゴーオン! メットオン!」

3人が変身し、エンジンオーで海中を突き進む。
そしてついにヘルガイユ宮殿。

ブルー「よし、見えたっス!」
レッド「あれがヘルガイユ宮殿か!」

3人がヘルガイユ宮殿内へ突撃。

ブルー「蛮ドーマを作っているエネルギー源は、この奥にあるはずっス!」

早速ウガッツたちが迎撃に現れる。

レッド「来やがったな! ロッドモード! 行くぜ!」
2人「おぅ!」

次々に襲い来るウガッツを、3人がマンタンガンでなぎ払いつつ、突き進む。

レッド「ほらよ! 邪魔だ! どけぇっ!」

宮殿奥からヨゴシマクリタインの唸り声と、ゴミを齧る音が響いてくる。

イエロー「奥から何か聞こえてくるわ」
レッド「よぉし、行くぞ!」

奥へと進む3人。そこにはヨゴシマクリタイン、ケガレシア、キタネイダスがいる。

ヨゴシマクリタイン「よくぞ、ここまで乗り込んできたナリナ。敵ながら、その勇気は一応、賞賛しておいてやるナリナ」
ブルー「お前に褒められても、嬉しくないっス!」
イエロー「すぐに蛮ドーマの攻撃をやめなさい!」
ヨゴシマクリタイン「望むなら、己が力で止めてみせるがいい!」
レッド「やってやろうじゃねぇか! マッハで止めてやる!」

3人がマンタンガンを撃つ。

ヨゴシマクリタイン「クグツカイライ政権ナリナ!」
キタネイダス「ま、またゾヨ!?」

またもやキタネイダスに盾にされたケガレシアたちが、攻撃をまともに浴びる。

ケガレシア「ああぁ〜っ!? おやめください、ヨゴシマクリタイン様!」
ヨゴシマクリタイン「盾としてゴーオンジャーとともに散るなら、お前らも本望ナリナ!」

ヨゴシマクリタインの放った攻撃がケガレシアたちを貫き、ゴーオンジャーを直撃。

ケガレシアたち「うぅっっ!?」
レッドたち「わあぁぁ──っ!!」

レッドたち3人のヘルメットが転がり、素顔が露わになる。
ケガレシアとキタネイダスも、体から煙を吹いている。

走輔「野郎……!」
ヨゴシマクリタイン「貴様らを、正義解散で仲間のもとに送ってやるナリナ! 我が滅ぼした3つのワールドのゴミの持つ次元パワー、あと一口で撃てるナリナ……」

ヨゴシマクリタインが手にしたゴミ箱を、すかさずケガレシアが鞭で絡め取る。

ヨゴシマクリタイン「うぉ!? 何っ!?」
ケガレシア「キタネイダス!」
キタネイダス「わ、わかったゾヨ!」

ケガレシアの放ったゴミ箱を、キタネイダスが叩き壊す。

ヨゴシマクリタイン「バカな!?」
キタネイダス「これで、正義解散のパワー源は断ったゾヨ」
ヨゴシマクリタイン「お前たち、どういうつもりナリナ!?」
キタネイダス「ガイアークに、独裁者はいらないゾヨ!」
ケガレシア「わらわたちが目指したのは、蛮機族全員が気持ち良く暮らす理想のゴミ世界。仲間を踏みにじるお前に、そんな世界は作れないでおじゃる!」
キタネイダス「作れないゾヨ!」
ヨゴシマクリタイン「死にぞこないの世迷い言を!」

体から煙と火花を散らすケガレシアたちに、さらにヨゴシマクリタインの猛攻が炸裂。

ケガレシアたち「あぁぁ──っ!!」
走輔たち「あ……!?」

ヨゴシマクリタイン「我が本当の力を見せてやるナリナ!」

ケガレシアたちを倒し、ヨゴシマクリタインが去って行く。
走輔たちが駆け寄る。すでにケガレシアたちの体は無残に砕け、火花が激しく飛び散っている。

走輔「ケガレシア! キタネイダス!」
キタネイダス「デウス……ハグル……マギアを……」
走輔「何だ、それ?」
ケガレシア「奥の……へ、部屋にある……巨大な歯車でおじゃる……」
早輝「え?」
ケガレシア「それを壊せば……蛮ドーマは消えるでおじゃるよ……」
連「えぇっ?」

ゴーフォンからボンパーの声が響く。

ボンパー「ボンボン、それだ! その装置を壊せば、範人やみんなが、戻って来るかもしれない!」
走輔「あいつら、死んじまったんじゃねぇのか?」
ボンパー「みんなは、究極の揺らぎに変えられ、ヒューマンワールド内に波動レベルで存在してる」

その頃、範人たち4人は実体を持たない波動となり、虚空の中を漂っていた。

範人「ねぇ、僕たち、まだ死んでないんだね……」
美羽「でも、みんな私たちの存在に気づいてくれるかしら?」
大翔「きっと……ボンパーが解明してくれるはずだ」
軍平「そして走輔たちが、絶対元に戻してくれる!」

ボンパー「波動状態を、その歯車装置のエネルギーが維持しているんだ。だから装置を壊せば!」
連「みんなが……実体として、戻って来るっスね!」
ケガレシア「仲間と……再会できるの……? 良かったでおじゃるね……」
早輝「ありがとう。でも、あなたたち……」
キタネイダス「我らも……仲間の……ヨ、ヨゴシュタインの……待つ世界へ……」
ケガレシア「うん……共に……手を、携え……旅立つで……おじゃ……る……」

ケガレシアとキタネイダスが、震える手を互いに伸ばす。
あとわずかで触れ合う寸前、その手が床へと落ちる。

動かなくなったケガレシアたち。走輔たちが言葉を失い、見下ろす。
早輝が優しく、ケガレシアとキタネイダスの手をとり、重ねさせる。
そして改めて決意を固めるように、レッドとブルーのヘルメットを拾い、走輔たちに投げ渡す。

早輝「走輔、連!」
連「ズバリ、エネルギー源を破壊するっス!」
早輝「うん!」
走輔「よぉし、マッハで行くぜ!」

3人がついに宮殿最奥の部屋に突入。
ヨゴシマクリタインの前で、デウス・ハグル・マギアが轟音を上げて回転している。

レッド「あれか!」
ヨゴシマクリタイン「デウス・ハグル・マギアのエネルギーが満ちるこの部屋で、我は3倍の強さになるナリナ」
イエロー「それがどうしたっていうの!?」
ブルー「その歯車は何がなんでも破壊するっス!」
レッド「俺たちがいる限り、てめぇの好きにはさせねぇぜ!」

3人がマンタンガンを構える。
デウス・ハグル・マギアのエネルギーを受け、ヨゴシマクリタインの体に不気味な力が漲ってゆく。


いよいよ最終決戦だぜ!
走輔、連、早輝! 悪魔の装置をぶっ壊して、
必ず世界を救ってくれよ! ドルドル!


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