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轟轟戦隊ボウケンジャーの第42話
 

ナレーション「アシュ・オウガに石に変えられた映士の魂は、次元の狭間へと迷い込んでいた。一方、クエスターが4つのプレシャスを集め、最強の人工生命体・ホムンクルスを作り出す。その圧倒的な力の前にアルティメットダイボウケン、そしてダイボイジャーまでもが、敗北するのだった……」

ガイ「俺たちを止められる者はいなーい!!」

レイ「ああ。俺たちの時代だ!」

クエスター「フハハハハ!!」
 

task.42
クエスターの時代
 

明石たちが司令室で手当てをしている。

蒼太がギターを手に取り、弾く。

ボイス「ひどいもんだねぇ……アルティメットダイボウケン、及びダイボイジャーは大破。ボウケンジャーの全員が負傷……ズバーンはしばらく行動不能……そしてシルバー君は石化。君たちが命令違反さえしなければ、こんなことにはならなかったのにさ。あーあ……」

ボイスが消える。

菜月「何よ、あの言い方……」

真墨「少しは生きて帰ってきた来たことを喜べってんだ!」

さくら「チーフ、これからどうするつもりですか!?」

蒼太「どうするも何も、アルティメットダイボウケンも……ダイボイジャーも破壊されてしまったんですから」

真墨「このまま指を加えて見てろってのかよ!?」

蒼太「そうは言ってない! けど、ゴーゴービークルの修理が完了しないとホムンクルスに対抗できない!」

菜月がアクセルラーを手に取る。

菜月「牧野さん……お願い、急いで」

牧野「今、必死にやってます! でも、ズバーンまでは手ェ回りませんよ……」

ボウケンパーキングでは、ビークルの修理が行われていた。

さくら「どちらにせよ、何も対策を立てないままでは……動けません。チーフ……」

明石が立ち上がる。

明石「ビークルの修理を待つ。それまでは総員待機だ……」

この一言に真墨がグラスを投げて割る。

菜月が立つ。

菜月「映ちゃん……」

異次元空間

映士とケイが食事を取っていた。

映士脳裏にボウケンシルバーになった時のことなどが甦った。

回想

さくら「じゃああなたは、ボウケンジャーに!?」

映士「しょうがねぇだろ!?」

一同「ボウケンジャー!!」

現在

映士が立ち上がり、外を見る。

現実世界

ホムンクルスが町の真ん中に立って攻撃を繰り出す。

ガイ「さあ人間よ、世界よ!!」

レイ「俺たちに跪け!!」

ビル郡がどんどん破壊されていく。

その様子を明石たちが見ていた。

真墨「出てきやがった!」

蒼太「しかも、あんな町の真ん中に……」

真墨「クエスターめ……」

菜月「このままじゃ世界中がめちゃくちゃにされちゃうよ……」

蒼太「見ていることしかできないなんて……」

さくら「どうにかしないと……」

すると明石がノートパソコンで何かをやっていた。

さくら「チーフ、どうかしましたか!?」

パソコンをを閉じ、どこかに行こうとする。

さくら「どこへ行くんですか!?」

明石「ちょっと牧野先生の様子を見てくる」

エレべーターに乗って下に降りる明石。

町では、ホムンクルスが攻撃を続けていた。

ガイ「だーはっはっは!! 破壊だ。全てを焼き尽くしてやる!!」

その時、銃撃が炸裂する。

ガイ「何!?」

現れたのはゴーゴーファイヤー、エイダー、ポリスだった。

『合体シフトオン! サイレンフォーメーション!!』

3機のビークルがサイレンビルダーに合体。

ガイ「サイレンビルダー!!」

レイ「バカな……高丘はオウガによって石になったはずだ!」

「クエスター、これ以上好きにはさせない!」

レイ「その声は、ボウケンレッド!!」

ビルダーにはレッドが乗っていた。

レッド「使わせてもらうぞ、映士……」

サージェスミュージアム

菜月「チーフ!」

真墨「明石のやつ、抜け駆けしやがった!」

蒼太「サイレンビルダーを、乗りこなせるなんて……」

さくら「どうして1人で……!?」

さくらがパソコンで何かを調べる。

戦場

レイ「ボウケンレッド、何度挑もうが同じこと!」

レッド「それはどうかな!?」

ビルダーが猛スピードでホムンクルスの攻撃を交わしながら走り出す。

そしてパンチ攻撃が炸裂。

ガイ「食らえ!!」

レッド「ジャッキダウン!!」

ビルダーがしゃがみ込む。

ガイ「しゃらくせェ!!」

レッド「ジャッキアップ!!」

今度はジャンプして後ろに回る。

レッド「性能さは腕でカバーする!」

ガイ「なめるなよ、ボウケンレッド!!」

異次元空間では、映士が外に出ようとしている。

ケイ「どこへ行くつもり!?」

映士「お袋……いや、ちょっと」

ケイ「私を置いて行くつもりなの!? 映士……」

映士「違う、そうじゃない! この世界で調べれば、一緒に戻る方法だってあるかもしれないだろ!?」

ケイ「無理よ、私はこの世界から逃れられないのよ! お願い、ずっとここに一緒にいて……もう1人はいや!」

ケイが映士に抱きつく。

映士「お袋……」

するとケイが不可解な笑みを浮かべる。

現実世界・戦場

レッド「ダブルウォーターシュート!!」

ダブルウォーターシュートとホムンクルスの攻撃が激突。

ビルダーが吹き飛ばされる。

レッド「うわああっ!!」

レイ「ふっ、やはり戦力さは歴戦の様だな」

ガイ「無駄な抵抗はやめてとっととおねん寝しなちゃい、レッドちゃん!?」

レッド「戦力さは歴戦か……確かにその通りだが、まだ方法はある!」

サージェスミュージアム

蒼太「チーフはビルダーのオペレーションデータを確認したんですね!?」

さくら「そうなんですけど……」

真墨「おい、明石が山間部へホムンクルスをおびき寄せたぞ!」

菜月「でも、そこから先はどうするの!?」

真墨「どうするったって……」

蒼太「状況は厳しいままだ。ビルダーだけであのホムンクルスを倒せるとは……」

菜月「チーフ、何か考えがあるのかな!?」

パソコンのモニターにハリミッター解除の映像が写されていた。

さくら「そんな……まさか!」

さくらがこける。

真墨「おい、さくら姐さ……あっ!」

さくら「チーフ、応答してください! チーフ!!」

しかし、レッドの返事はない。

さくら「お願いです、返事をしてください! チーフ、お願いです。応答してください! チーフ、チーフ!!」

レッドはコックピットを操作し、ボタンを出す。

ホムンクルスの攻撃が続く中、ビルダーは反撃をしてこない。

さくら「チーフ、チーフ!!」

蒼太と真墨がさくらを取り押さえる。

蒼太「さくらさん!」

真墨「おい、落ち着け。さくら姐さん!」

菜月「さくらさん!」

さくら「チーフ! チーフ!!」

山間部

シズカとヤイバが現れる。

シズカ「あ―――っ! もう、クエスターやられちゃえばいいのに。でも、ボウケンジャーを応援するのもなんか複雑……」

ヤイバ「ボウケンジャーを倒してもらうのは構わんが……」

リュウオーンも後から現れる。

リュウオーン「あのホムンクルス、先々我々の邪魔になる!」

その後ろにガジャも登場。

ガジャ「願わくば、互いに潰し合ってくれれば良いのだが―――」

レッドがビルダーの状況を見る。

レッド「後は臨界点を超えるのを待つだけだ……」

レイ「ボウケンレッド、そろそろ決着をつけようじゃないか……」

レッド「奇遇だな、俺もそう思っていたところだ。行くぞ、クエスター! はあああ―――っ!!」

ガイ「生意気なんだよ」

ビルダーとホムンクルスが激突。

するとビルダーのボディが光り出す。

レイ「何のつもりだ!?」

レッド「ネオパラレルエンジンを臨界点まで加速させる。臨界点を越えたエンジンはやがて暴走し、爆発する……」

レイ「自爆するつもりか!?」

ガイ「うそぉ! 放せ、放しやがれ!!」

レッド「皆……後のことは、映士のことは、頼む……」

レッドがボタンに手をかける。

「やめてください、チーフ!!」

ゴーゴーフォーミュラー、ジャイロ、ドーザー、マリンが現れる。

ブラック「自爆なんて、絶対させねぇからな!!」

ブルー「僕たちを巻き込んじゃ、1人で来た意味はないでしょ!?」

イエロー「1人で来るなんて、ひどいよチーフ!」

ピンク「私たちは、チームのはずです……」

レッド「しかし、他に方法は……」

ピンク「方法ならあります」

ブラック「俺たち全員で!」

イエロー「力を合わせて」

ブルー「全力で戦う!」

レッド「皆……」

4人「うん……」

ボタンの蓋を閉じる。

ガイ「脅かしやがって……」

ホムンクルスの強力なパンチにビルダーが倒れる。

レイ「お前たちにもう勝ち目はない……」

ホムンクルスのビームがビークルに炸裂。

4人「それはどうかな!?」

ゴーゴーフォームラー、ジャイロが猛反撃。

レッド「皆すまなかった。おかげで目が覚めた……俺たちはチームだよな!? 常に全員があきらめず、精一杯の力を出す。俺たちはいつもそうしてミッションを達成してきた……」

イエロー「わかればいいの、わかれば」

レッド「映士だって必ず戻ってくる。あいつはボウケンシルバーだ! 奴の冒険はまだ終わらない……」

4人「うん!」

牧野「皆さん、お待たせしました。ゴーゴービークル全機発進可能です! ただ、あくまで応急処置のため、アルティメットダイボウケンにはなりません」

ブラック「へっ、上等だ」

ピンク「チーフ、指示を……」

レッド「総員、全力でホムンクルスを殲滅する。アタック!!」

異次元空間

映士「悪い。やっぱり俺、行かないと……」

ケイ「え?」

映士「いつかまた会いに来る。だけど今は、仲間たちが待ってるんだ。だから……短い時間だったが、うれしかったぜ。お袋……」

ケイ「どうしても、行くと言うの!?」

映士「ああ。あいつらと知り合う前だったら、ずっとここにいたのかも知れねぇ……だが俺は、あいつらとの冒険をしちまった」

ケイ「行かせない……お前はこの次元の狭間で生涯さまよい続けるのだ!!」

ケイがなんとオウガの姿に変わる。

映士「オウ……」

空間も砂漠に変わる。

オウガ「決して逃がしはしない……」

映士「オウガ……貴様!!」

オウガ「フン!」

現実世界では、ビルダーの他にダイボウケン、ダイタンケンも立っていた。

レッド「皆、行くぞ!!」

ダイタンケンにはブラックが、ダイボウケンには他の3人が登場していた。

ブラック「おう!!」

3人「了解!!」

3体のロボがホムンクルスに挑む。

だが、ホムンクルスの方が有利だった。

ガイ「まとめていくぜ!!」

ホムンクルスの突風が炸裂。

レッド「うわああっ!!」

ブラック「ぐわあっ!! 敵わねぇのか!?」

ピンク「やはり、応急処置だけでは……」

ブルー「力を発揮しきれない!」

レッド「三方向より一斉攻撃!」

合体攻撃が炸裂。

異世界

オウガが映士に斬りかかる。

オウガ「逃がしはしないぞ、絶対に!!」

映士「何勘違いしてやがんだ!?」

オウガ「何!?」

映士「俺は逃げるんじゃねぇ、いるべき場所へ戻るだけだ!!」

映士は肘でオウガを押す。

「そうよ、映士……」

謎の光が錫杖に変わる。

オウガ「何!?」

映士「これは……」

映士が錫丈を手に取る。

映士「はあああ―――っ!!」

そしてオウガの銅を貫く。

オウガから魂が抜け始める。

映士「高丘流……アシュ魂滅!!」

オウガ「ケイ!!」

オウガが消滅。

今度はケイの魂が現れる。

ケイ「映士……」

映士「お袋……」

映士がボウケンジャケットの姿になり、ケイに飛び込む。

そしてサージェスで石化から元に戻ると目が覚める。

映士「お袋……ありがとう」

3大ロボは、ホムンクルスの猛攻に苦戦する。

一同「うわあああ!!」

レイ「ここまでのようだな」

ガイ「これで終わりだ」

シルバー「いや、まだ終わらない……」

ボイジャーキャノンの砲撃が炸裂。

ガイ「何!?」

レイ「まさか……」

ボウケンジャー5人が振り向く。

ゴーゴーボイジャーが戦場に到着。

研究室では牧野が額に冷えピタを張っている。

牧野「はぁ―――っ、間に合いましたか……あっ、ズバーン!!」

戦場

シルバー「明石、俺様のビルダー、もうちょっと大事に扱えよ」

レッド「シルバー……」

イエロー「映ちゃん、お帰り!」

シルバー「待たせたな、皆!」

ブラック「全く、心配かけさせやがって……」

シルバー「悪かったな……だがもう大丈夫だ!!」

ブルー「帰ってくるって、信じてたよ」

シルバー「俺様は不死身ってことだ」

ピンク「これで全員、揃いました」

シルバー「ああ!」

レッド「総攻撃だ!」

一同「了解!!」

レッド「トリプルリキットボンバー!!」

ブラック「ボウケンフラッシュ!!」

シルバー「ボイジャーキャノン!!」

ブルーたち「アドベンチャードライブ!!」

4つの技が一気にホムンクルスに炸裂。

ガイ「てめぇら……」

レッドとブラックがダイボウケンのコックピットに乗り込む。

レッド「ボイジャーダイボウケンでいく。いいかシルバー!?」

シルバー「ああ!」

ダイボウケンがジャンプしてゴーゴーボイジャーに乗り込む。

一同「ボイジャーダイボウケン、搭乗完了!!」

シルバー「飛ばすぜ!」

ゴーゴーボイジャーが猛スピードでホムンクルスに向かう。

レイ「おのれ……」

轟轟剣がホムンクルスの攻撃を交わす。

シルバー「うおおお―――っ!! 行くぜ! ガイ、レイ!!」

レッド「これが俺たちの本当の力だ。ズバーン!!」

ダイボウケンの手に聖剣ズバーンが装備される。

一同「スーパーライディングアドベンチャードライブ!!」

ダイボウケンが聖剣ズバーンを振り下ろす。

クエスター「ぐわああ!!」

レイ「脱出するぞ、ガイ!!」

クエスターがメリクリウスの器を持って脱出。

ホムンクルスが大爆発し、四散する。

シルバー「やったぜ!」

牧野「はああぁぁ……よかった……」

一方、クエスターは……。

ガイ「俺たちの……最強のホムンクルスを……」

レイ「大丈夫か!?」

ガイ「ああ……」

ガイがレイの手を借りて立ち上がる。

レイ「このメリクリウスの器さえあれば、また新たなホムンクルスを作り出すことができる」

ガイ「へっ、そうだな」

映士「残念だが、そのチャンスはないと思うぜ」

ガイ「高丘の……」

映士「そのプレシャスは、ボウケンジャーが手に入れる!」

映士の他にも明石たちが駆けつける。

明石「クエスター、これ以上お前たちの好きにはさせない!」

映士「決着を……つけようぜ」

ガイ「へっ、望むところだ!」

レイ「返り討ちにしてやる……」

映士「ゴーゴーチェンジャー!!」

明石「レディー!!」

一同「ボウケンジャー! スタートアップ!!」

明石たち6人が決戦前にボウケンジャーに変身。

レッド「熱き冒険者・ボウケンレッド!!」

ブラック「迅き冒険者・ボウケンブラック!!」

ブルー「高き冒険者・ボウケンブルー!!」

イエロー「強き冒険者・ボウケンイエロー!!」

ピンク「深き冒険者・ボウケンピンク!!」

シルバー「眩き冒険者・ボウケンシルバー!!」「果て無き冒険スピリッツ!!」

一同「轟轟戦隊ボウケンジャー!!」

ボウケンジャーがジャンプ。

レッド「行くぞ!」

レッドたち5人がレイに挑む。

ガイ「高丘の!!」

シルバーがサガスナイパーを抜く。

シルバー「ガイ、勝負だ……」

ガイ「上等だ!!」

シルバーとガイが閃光となりぶつかり合う。

レイの剣がレッドに斬りかかる。

レイが剣をライフルに変形させ、発砲。

そんな中、レッドもサバイブレードで斬りかかる。

レッド「はああっ!!」

レイ「うわあっ!!」

崖の前でガイとシルバーがそれぞれ銃口を向ける。

シルバー「俺は飽き飽きしちまったぜ。お前らのしつこさにな!」

ガイ「何!?」

シルバー「だからもう、お前らとのことは終わらせる!」

ガイ「へっ、終わらせる!? お前にそんなことできんのかよ!?」

シルバー「ああ、できるとも。そして俺様は、仲間たちと新たな冒険を始めるんだ!!」

2人はジャンプし、それぞれ銃を乱射。

ガイに乱射が命中し、落ちる。

ガイ「野郎……」

シルバーがガイを持ち上げる。

シルバー「オウガが地獄で待ってるぜ……」

サガスナイパーがサガスピアに変形し、ガイを斬り裂く。

そして銅を貫く。

シルバー「さらばだ……ガイ!!」

サガスピアを振り下ろす。

胸のゴードムエンジンが破壊される。

ガイ「高丘の―――ぐおおお―――っ!!」

ガイが崖から落ち、大爆発する。

爆炎からその魂が抜け出し、消える。

レイ「ガイ!!」

後ろではレッドたちがデュアルクラッシャーを構えている。

レッド「これで終わりだ、レイ!」

レイ「終わるものか!」

レッド「ゴー!!」

ドリルヘッドがレイに炸裂。

レイ「う……ぐ……ああ―――っ!!」

レイも大爆発し、ガイ同様に爆炎から魂が抜け出し、消える。

ついにクエスターは最期を遂げた。

イエロー「やった!」

レッド「グッジョブ、映士……」

クエスターとの最後の戦いも終わり、映士はガイとレイの墓を作っていた。

さくら「プレシャス回収完了です……」

明石「ご苦労だった」

真墨「何であいつらのために墓なんて作ってやるんだ!?」

映士「奴と俺様は長い付き合いだったからな。これぐらいしてやってもいいだろう……」

菜月「映ちゃん、優しいね……」

蒼太「とうとう、クエスターを倒すたんですね……」

明石「だがまだ終わったわけじゃない。そうだろ映士!?」

映士が立ち上がる。

映士「ああ、世界にはまだたくさんのプレシャスが眠っている。お前らと一緒にやる冒険は、まだいくらでもあるぜ」

さくら「帰りましょう……」

6人は墓を後にする。
 

(続く)
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