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 明かされた真実(アルベド=ホーム)


ワッカ「ここはもうだめだな……」

 炎に包まれているホームを見てつぶやくワッカ。 

リュック「そだね……ダメだね……」
「アルベド族には ふるさとがなかったんだ。むかし住んでたとこは『シン』にやられちゃったからね。
一族はばらばらになって みんなあちこちで暮らしてた。
でも オヤジが一族を呼びよせたんだ。みんなで力を合わせて いっしょに新しいふるさとをつくろうってね。
うまくいってたんだよ。みんながんばったんだよ。なのに どうしてこんななるかなあ」

ワッカ「リュック……」

 新たにモンスターがあらわれる。

ワッカ「チッ!好き勝手暴れやがって。グアドはなにがしてえんだ!?」

〜〜〜戦闘〜〜〜

ルールー「ねえリュック 召喚士の部屋ってなに?」

リュック「アルベドは召喚士を保護してるの。死なせたくないから

ワッカ「んで さらったってワケか」

リュック「うん。わかってもらえないかもしれないけど……」

ワッカ「理屈はわかるけどよ……」

ティーダ「オレはイマイチわかんないんだよな」 階段を下りながらティーダは疑問を口にする。
「旅で死ぬかもしれないからって 誘拐はやりすぎじゃないか?だって召喚士が旅をしないと『シン』は倒せないんだろ?
心配なのは分かるけど ガードもついてるしさ。ガードがしっかり守っとけば 召喚士は死なないって!」

ティーダ「なあ!」

ワッカ「・・・」
ルールー「・・・」
アーロン「・・・」

ティーダ「なあ!」

リュック「・・・」
キマリ「・・・」

 誰も口を開かない。
 
 しばらくして、キマリが口を開いた。

キマリ「静かになった キマリは行く」(BGM「ザナルカンドにて」)

 キマリに続き皆が去っていく(スローモーション)

 最後にリュックとティーダの二人が残る。リュックはしばらくティーダをみつめると、階段を下りていった。

 一人取り残されるティーダ。(BGM「ザナルカンドにて」終わり)

ティーダ「・・・」


リュック「おねがい ユウナん ここにいて!」


 扉を開くと、『召喚士の部屋』もすでに炎につつまれていた。アルベド族が何人か倒れている。

リュック「っ!」

キマリ「ユウナ!!」

ドナ「ここにはいないわ」 キマリの言葉に返事を返したのはドナだった。そこにはドナとイサールが立っていた。
「ひさしぶりね だけど話は異界送りが済むまで待って」

イサール「彼らは……僕らを守って犠牲になった……せめて僕らの手で送らねば 申し訳が立たない」

 二人はそういうとアルベド族の亡骸の前に立ち、異界送りを始めた。
 イサールの傍にいたパッセが、ティーダのもとへ駆け寄ってくる。

パッセ「ねえ……イケニエって なに?」
「召喚士はイケニエだって アルベドの人が言ってたんだ。召喚士は 旅をやめなきゃいけないんだって」

ティーダ「召喚士のことはガードにまかせろよ……」

 下を向きながら小声でつぶやくティーダ。

ティーダ「むりやり旅をやめさせるなんてさあ……」

リュック「やめなきゃダメなんだよ!」
「このまま旅をつづけて……ザナルカンドに行って……『シン』をやっつけても……その時……ユウナんは……」

 搾り出すように声をだすリュック。しばらくためらった後、リュックの口から出た言葉は衝撃の真実だった。


リュック「ユウナん死んじゃうんだよ!」 (BGM「明かされた真実」へ)


リュック「キミ知ってるよね? 召喚士は究極召喚を求めて旅してるって! ユウナんから聞いたよね?
究極召喚なら『シン』に勝てるよ? だけど……だけど! あれ使ったら 召喚士は死んじゃうんだよ!
『シン』を倒しても いっしょにユウナんも死んじゃうんだよ!」

 一息に喋り終えると、リュックはその場にすわりこんだ。

ティーダ「知らなかったの……オレだけか?」

 その声は少し震えていた。

ティーダ「知らなかったの オレだけかよ!」 すわりこんでいるリュックの肩をつかみ、はげしく揺さぶる。
「オレだけか! なんで隠してたんだよ!」

ワッカ「隠してたんじゃねえ」

ルールー「言葉にするのが……恐くてね」

アーロン「・・・」
キマリ「・・・」

ティーダ「あぁっっっ!!」 床を拳でたたくティーダ。
「ルールー ユウナのこと ユウナのこと 妹みたいに思ってたんじゃないのかよ!
ワッカもそうだよな! どうして止めないんだ?」

ルールー「止めなかったと思うの!? ユウナの……意志なのよ」

ワッカ「あいつは みんな承知の上で召喚士の道を選んだんだ。『シン』と戦って死ぬ道をよ!」

リュック「そんなの絶対おかしいよ! みんなの幸せのためだからって……召喚士だけが 犠牲になるなんて!」


〜〜〜モンスターが二匹登場〜〜〜


イサール「犠牲とは心外だな」

ドナ「あなただって 『シン』の恐怖は知ってるでしょう」

イサール「『シン』のいない世界。それこそが すべてのエボンの民の夢だ。
たとえそれが僕の命と ひきかえでも 迷いはしないさ!」

 そう言いつつ二人はモンスターを倒すためヴァルファーレ、イフリートを召喚する。

ティーダ「んんんっっっ!」 耐え切れなくなったのか、後ろへ走り出すティーダ。
 ヴァルファーレの胸に寄りかかり、拳を叩きつけながら言葉を吐き出す。

ティーダ「オレ……オレ ユウナに言っちゃったぞ! 早くザナルカンド行こうって! 『シン』を倒そうって……!
倒した後のことも いっぱい いっぱい! あいつの気持ちも なんにも知らないでさあ!
なのに……ユウナ…… あいつ……笑ってた」

 最後は涙声になるティーダ。座り込むティーダをヴァルファーレが翼でやさしくつつむ。


〜〜〜回想〜〜〜

ユウナ「見て見て」

 ティーダの前で指笛を吹くユウナ。

ティーダ「あっ!」

ティーダ「そんだけ吹ければ上出来だな」

ユウナ「元気ないね」

ティーダ「……かもな」

ユウナ「叫ぶ?」

ティーダ「そういうのとはちょっとちがうかな」

ユウナ「あのさ」

ティーダ「ん?」

ユウナ「自分で言うのもヘンだけど……召喚士とガードていうのは スピラの希望の光 なんだよね。
いろんな人が わたしたちに注目してる。だから 落ち込んでるところとか 元気ないところとか……見せたく ないんだ」

ティーダ「うん わかる……気がする」

ユウナ「はい じゃあ笑顔の練習!」 明るく言うユウナ。


 二人で腰に手をあて、海に向かって何回も大きな声を出して笑う。


ユウナ「笑いながら……旅 したいんだ」

〜〜〜回想終わり〜〜〜


ティーダ「ユウナに あやまらなくちゃ……」
「助けるんだ!」



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