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〜エボン=ドーム 祈りの間〜

リュック「なんか出てくるよ!?」
ユウナ「ユウナレスカ様……」
ユウナレスカ「ようこそザナルカンドへ。長い旅路を越え よくぞ たどりつきました。大いなる祝福を 今こそ さずけましょう。我が究極の秘儀……究極召喚を」
「さあ……選ぶのです」
ユウナ「えっ・・・」何のことかわからず戸惑うユウナ。
ユウナレスカ「あなたが選んだ勇士をひとり わたしの力で変えましょう。そう……あなたの究極召喚の祈り子に。」
息を呑む一行。 
ユウナレスカ「想いの力 絆の力 その結晶こそ究極召喚。召喚士と強く結ばれた者が 祈り子となって得られる力。ふたりを結ぶ想いの絆が『シン』を倒す光となります。
1000年前……わたしは 我が夫 ゼイオンを選びました。ゼイオンを祈り子に変え 私の究極召喚を得たのです。
恐れることはありません。あなたの悲しみは すべて解き放たれるでしょう。究極召喚を発動すれば あなたの命も散るのです。
命が終わるその時に 悲しみは消え去ります。あなたの父 ブラスカもまた 同じ道を選びました」



そこには10年前のブラスカ、ジェクト、アーロンの姿が浮かび上がる。(BGMが「明かされた真実」へ変わる)
アーロン「まだ間に合う。帰りましょう!」
ブラスカ「私が帰ったら誰が『シン』を倒す。ほかの召喚士とガードに同じ思いを味あわせろと?」
アーロン「それは……しかし 何か方法があるはずです!」
ジェクト「でも 今はなにもねぇんだろ。決めた。祈り子にはオレがなる。ずっと考えてたんだけどよ……」
「俺の夢は ザナルカンドにいる あのチビを 一流の選手に育て上げて…… てっぺんからの ながめってやつを見せてやりたくてよ。
でもな……どうやらオレ ザナルカンドにゃ帰れねぇらしい。アイツには……もう会えねえよ。となりゃオレの夢は おしまいだ。
だからよ オレは祈り子ってやつになってみるぜ。ブラスカといっしょに 『シン』と戦ってやらあ。そうすればオレの人生にも 意味ができるってもんよ」
アーロン「ヤケになるな!生きていれば……生きていれば無限の可能性があんたを待っているんだ!」 必死で力説するアーロン。
ジェクト「ヤケじゃねぇ!オレなりに考えたんだ」
否定した後に、腕組みをして遠くを見るような目つきになる。
「それによ アーロン。無限の可能性なんて信じるトシでもねぇんだ 俺は」
ブラスカ「ジェクト」
ジェクト「なんだ? とめても無駄だぞ」
ブラスカ「すまん……いや ありがとう」
ジェクトはブラスカの肩をたたきながら
ジェクト「ブラスカにゃまだ『シン』を倒すって大仕事が残ってる」
そして向きをかえ、アーロンの横にくる。
ジェクト「オレのぶんまでブラスカを守れよ」
「んじゃ いくか!」
背後でそういい残し、ブラスカとともに去っていく。
アーロン「ブラスカ様!ジェクト!」
二人が部屋を出て行くのに耐え切れなくなったのか、アーロンが叫ぶ。
ジェクト「まだなんかあんのかぁ?」
アーロン「シンは何度でもよみがえる。短いナギ節のあとでまた復活してしまうんだ! この流れを変えないと ふたりとも無駄死にだぞ!?」
ブラスカ「だが 今度こそ復活しないかもしれない。賭けてみるさ」
ジェクト「ま アーロンの言うことももっともだ」
うなずくジェクト。
ジェクト「よし オレがなんとかしてやる」
アーロン「なにか 策があるというのか?」
ブラスカ「ジェクト?」
ジェクト「無限の可能性にでも期待すっか!」
ジェクトの高笑いがこだまする。
 ズウゥゥン・・・扉が閉まる音がして、アーロンが崩れ落ちるように座り込む。



アーロンが10年前の自分の所まで歩み寄り、剣を構える。
アーロン「あぁっ!」
叫びながら、我を忘れたように10年前の自分をひたすら斬りつける。

気が済んだのか、アーロンは呼吸を整えるかのように一息つき、剣を下ろす。そしてうなだれたまま、呟く。

アーロン「そして……なにもも変わらなかった」

ティーダ「オレたちが変えてやる」
ワッカ「どうやって! 作戦なんて なにもねぇんだろ?」
ルールー「誰かが祈り子になる必要があるなら……私 いいよ」
ワッカ「オレもだ ユウナ!」
ティーダ「それじゃオヤジたちといっしょだろ! ナギ節がつくって……そんだけだ! また復活しちゃうだろ!」
ワッカ「あのな……『シン』を倒してユウナも死なせねえ そんで『シン』の復活もとめたいってか? 全部かなえば最高だけどよ!」
ルールー「よくばりすぎたら……全部失敗するわ」
ティーダ「いやだ よくばる」
ワッカ「青くさいこというなよ!」
ティーダ「青くてもいい! オトナぶってかっこつけてさ 言いたいことも言えないなんて絶対イヤだ! そんなんじゃ なにも変えられない!
オレ……この青さはなくさない。あぁ どうしたらいいかなんてわかんないよ。でも 10年前のアーロンがいってたこと……オレも信じるっス」
リュック「無限の……可能性?」
頷くティーダ。
ティーダ「オレ 行ってくる。ユウナレスカに話聞く」
リュック「聞いたら なんとかなるのかなぁ?」
自信なさげにつぶやくリュック。
ティーダ「さあな わかんないけど……俺の物語……くだらない物語だったら ここで終わらせてやる!」
ユウナ「待って。ねえ……私にとっては 私の物語なんだよ。ふりまわされてちゃ ダメ。ゆらゆらゆれてながされてちゃ ダメ。
どんな結末だって きっと後悔する。そんなの……イヤだ。わたし……決める。自分で決める」
決心したように頷くユウナ。(BGM[明かされた真実」終わり)


奥の部屋へ入っていく。


ユウナレスカ「祈り子となる者は決まりましたか。誰を選ぶのです」
ユウナ「その前に 教えてください。究極召喚で倒しても 『シン』は絶対に よみがえるのでしょうか」
ユウナレスカ「『シン』は不滅です。『シン』を倒した究極召喚獣が 新たな『シン』になりかわり……かならずや復活をとげます」
ティーダ「それでオヤジがシンかよ……」
苛立った声でティーダが呟く。
ユウナレスカ「シンはスピラの背負った運命。永遠に変えられぬ宿命です」
ワッカ「永遠にって……」
驚くワッカ。
ワッカ「でもよ!人間が罪を全部つぐなえば 『シン』の復活はとまるんだろ? いつかは きっと なんとかなんだろ?」
祈るように叫ぶワッカ。
ユウナレスカ「ひとの罪が消えることなどありますか?」
答えに詰まるワッカ。
ルールー「答になっていません! 罪が消えれば『シン』も消える エボンはそう教えてきたのです! その教えだけが……スピラの希望だった!」
絞り出すように声を出すルールー。
ユウナレスカ「希望は……なぐさめ。悲しい定めも あきらめて 受け入れるための力となる」

ティーダ&アーロン(10年前)「ふざけんな!」「ふざけるな!」 (←ほぼ同時)

剣を携え斬りかかろうと突進したティーダの前を、10年前のアーロンが同じように突進していた。驚いて立ち止まるティーダ。
気づけばそこは再び過去の映像が映し出されていた。


アーロン「ただの気休めではないか! ブラスカは教えを信じて命を捨てた。ジェクトは ブラスカを信じて犠牲になった!」
剣を振りまわしながら叫ぶ10年前のアーロン。
ユウナレスカ「信じていたから みずから死んでゆけたのですよ」
アーロン「うおぁーーーーーっ!」
叫びながらユウナレスカに斬りかかる。しかし目の前の空間がゆらめくと、アーロンは吹き飛ばされていた。

カシィィィン・・・しばらくして、アーロンの剣がゆっくりと地面に突き刺さる。(このとき画面が再び現実へ切り替わり、BGM「明かされた真実」へ)


ユウナレスカ「究極召喚とエボンの教えは スピラを照らす希望の光。希望を否定するのなら 生きても悲しいだけでしょう?
さあ 選ぶのです。あなたの祈り子は誰? 希望のためにささげる犠牲を」
ユウナに問いかけるユウナレスカ。
ユウナ「……いやです。」
「死んでもいいと思ってました。わたしの命が役にたつなら……死ぬのも こわくないって」
「でも……究極召喚は……なにひとつ変えられないまやかしなのですね」
目尻をつり上げ怒ったように言うユウナ。
ユウナレスカ「いいえ 希望の光です。あなたの父も……希望のため犠牲となりました。悲しみを忘れるために」
ユウナ「ちがう。父さんは……父さんの願いは! 悲しみを消すことだった。わすれたり ごまかすことじゃない……」
ユウナレスカ「消せない悲しみに逆らって なんの意味があるのです」
ユウナ「父さんのこと……大好きだった! だから……父さんにできなかったこと わたしの手でかなえたい。悲しくても……生きます。
生きて 戦って いつか! 今は変えられない運命でも いつか……かならず変える! まやかしの希望なんか!いらない……」
力強く言うユウナ。
ユウナレスカ「あわれな……みずから希望を捨てるとは ならば……あなたが絶望に沈む前にせめてもの救いを与えましょう。
悲しい闇に生きるより 希望の光にみちた死を。すべての悲しみを忘れるのです」
ユウナレスカの周りの空間が突然揺らめき始め、黒くなっていく。(BGM「明かされた真実」終わり)

突然のユウナレスカの異変に戸惑う一行。
アーロン「さあ どうする!」
「今こそ決断する時だ!死んで楽になるか 生きて悲しみと戦うか 自分の心で感じたままに 物語を動かす時だ!」
皆へ問いかけるアーロン。彼は10年間、この瞬間を待っていたのだ。
キマリ「キマリが死んだら 誰がユウナを守るのだ」
リュック「あたし やっちゃうよ!」
ワッカ「ユウナレスカ様と戦うってのか? 冗談キツイぜ……」
ルールー「じゃあ逃げる?」
ワッカ「へっ!」
「ここで逃げちゃあ……オレぁ オレ自身を許せねえよ。たとえ死んだってな!」
ルールー「……同じこと考えてた」
嬉しそうにいうルールー。
ティーダ「ユウナ!」
「いっしょに続けよう 俺たちの物語をさ!」
うなずくユウナ。

〜〜〜ユウナレスカとの戦闘〜〜〜

ユウナレスカ「わたしが消えれば……究極召喚は失われる。あなたがたは スピラの希望を消し去ったのです」
ティーダ「だから ほかの方法を探すんだよ!」
ユウナレスカ「愚かな……そのような方法など ありません。たとえあったとしても……
万一『シン』を倒せても……永久に生きる『エボン=ジュ』が 新たな『シン』を生み出すのみ」
ティーダ「『エボン=ジュ!?』」
ユウナレスカ「ああ ゼイオン……許してください。希望の光を失って スピラは悲しみの螺旋に落ちる……」

消滅するユウナレスカ。

ユウナ「とんでもないこと……しちゃったのかな」
ティーダ「もっと とんでもないこと しよう」
リュック「どんな?」
ティーダ「『シン』を倒す。究極召喚なしでしかも復活させないように」
少し走って上を見上げたあと、皆のほうを向き、話しかける。
「『どうやって』って 聞くなよな」



アーロン「話がある」
ティーダ「なんだよ」
ティーダとアーロン二人だけになる。
アーロン「そろそろ はっきりさせておこうか」
ティーダ「……そっか。やっぱ あんたも……」
アーロン「ああ オレも死人だ。もっと驚くと思ったが?」
ティーダ「なんか……そんな気してたんだ。ユウナレスカにやられたんだろ」
アーロン「ブラスカが『シン』と戦い 命を落としたあとでな。納得できなかったんだよ。あいつらのかたきを討つためにもう一度ここに来て……
……返り討ちだ。なんとか一命をとりとめて ガガゼドを はいおりたが……ベベルの途中で力ききてな。その時会ったのが キマリだ。
ユウナをまかせて オレは死んだ……それ以来 異界にも行かず こうしてさまよっている」
ティーダ「アーロン……」
アーロン「そんな顔をするな こういう体で得したこともある。『シン』に乗って おまえのザナルカンドにも行けたしな」
ティーダ「そんで……ずっとオレのこと 見守ってくれたのか……どうしてそこまでするんだよ あんた!」
アーロン「こういうことはな 口では説明できんのだ。いいだろう。みせてやる。俺の記憶だ」
ティーダの前に進み出てしゃがみこみ、何かを念じた後、右手を横にかざすアーロン。

すると、アーロンの記憶が映し出された。

(BGM「ジェクトのテーマ」、カメラワークはアーロンの視点)
ジェクト「最後に……いっこだけ いいか」
扉を前にして、振り返らずに言う。
ジェクト「あのよ……わりぃ やっぱ やめとくわ」
アーロン「いいから言えよ!」 
ジェクト「そっか。じゃあ言っちまうぞ」
アーロンの方へ向き直り、一息に喋る。
ジェクト「息子を 頼む」
アーロンは息を呑み、視線が一瞬足元を泳ぐ。
ジェクト「ザナルカンドの あいつをたのむ。あいつ……泣き虫だからな。誰かついててやんねえと 心配で心配でよ」
「だからよ……たのむわ」
アーロン「しかし ザナルカンドなんて どうやって行けば……」
突然の意外な申し出に戸惑うアーロン。
ジェクト「なんでえ なっさけねえなぁ! おめえのいう『無限の可能性』ってヤツでなんとかしてみろよ!」
アーロン「……ああ! やってやろうじゃないか! 約束しよう。あんたの息子は 俺が守る。死んでも……守ってやる」
ジェクト「すまねえな、アーロン」
ジェクトが扉に向き直り、最後に一言だけ呟く。(←このときから映像が消えていく)
ジェクト「おめえはカタブツ野郎だが……そういうとこ キライじゃなかったぜ」

アーロン「こういうことだ」

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