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ネモ「‥‥ガーゴイル。」
ガーゴイル「とうとう来たな、ネモ。」
ネモ「この二人は、貴様が殺したのか?」
ガーゴイル「そうだ。今、この場には、不要な存在だろう?」
ネモ「‥‥‥‥。」
ガーゴイル「あれから、13年‥‥長かった。だが、それも今日で終わる。」
ネモ「決着をつける時が来た。」
ガーゴイル「フ‥‥死ぬのは貴様だ、ネモ!」
エレクトラ「船長!!」
銃を撃つガーゴイル。ネモを庇うエレクトラ。
エレクトラ「うっ。」
ネモ「エレクトラ!!」
ジャン「エレクトラさんっ!」
ガーゴイル「チッ。」
ネモ「エレクトラ‥‥。」
エレクトラ「あ‥‥船長‥‥。」
ネモ「喋るな。」
エレクトラ「‥‥いいんです‥‥当然の報いですわ‥‥私は−−うっ!」
ネモ「エレクトラ、しっかりしろ!」
エレクトラ「船長‥‥覚えてらっしゃいますか?‥‥私が、貴方に拾われた、あの日のこと‥‥。」
ネモ「ああ‥‥覚えているとも。」
エレクトラ「あの日の貴方が、どんなに大きく見えたことか‥‥。私にとって、貴方は、全てでした。‥‥貴方が、バベルの塔を暴走させたのだと、知った後も。‥‥憎かった、貴方が。知らなければよかったと、何度、運命を呪ったか‥‥でも、それでも、自分の気持ちを抑えることはできなかった‥‥。」
ネモ「エレクトラ‥‥私は−−」
エレクトラ「いいんです‥‥船長。たとえ、貴方が、私をナディアの代わりにしか思っていなくても‥‥。‥‥でも、だからこそ、私は怖かった。‥‥ナディアが現れて、貴方の心が、私から離れていくことが‥‥。」
ネモ「‥‥‥‥。」
エレクトラ「でも、貴方は変わらなかった。決して、自分から名乗ろうとはせず−−うぐっ!」
ネモ「エレクトラっ!!」
エレクトラ「はぁ、はぁ‥‥‥‥ネモ‥‥貴方を‥‥‥‥愛しています‥‥。」
ネモ「‥‥エレクトラ。13年前、バンデルガンド王国の王は死んだ。私は−−ノーチラスのネモは、お前を−−」
エレクトラは、人差し指を、そっとネモの唇(くちびる)に押し当てた。
エレクトラ「くすっ。‥‥いけませんわ、ナディアの前で‥‥。」
ネモ「エレクトラ‥‥。」
エレクトラ「でも‥‥わがままを、一つ、聞いて下さいますか‥‥?」
ネモ「ああ‥‥。」
エレクトラ「‥‥キスを‥‥下さい‥‥。」
エレクトラをキスするネモ。そして、エレクトラは息絶える。
ネモ「‥‥‥‥。」
ジャン「エ、エレクトラさーんっ!!」
ガーゴイルに怒りをぶつけるジャン。
ジャン「ちくしょう‥‥ガーゴイル!ナディアを‥‥ナディアを離せえっ!!」
ガーゴイルに食ってかかるジャン。
ガーゴイル「ネモ。お前は罪な男だ。お前の周りには、死者の山が築かれる。ほら、このように−−」
再び銃を撃つガーゴイル。その弾がジャンに当たってしまう。
ジャン「え‥‥?」
ナディア「ジャンっ!!」
ジャン「ナ‥‥ディア‥‥。」
地面に倒れこむジャン。
ナディア「ジャン!ジャン!!嫌あああっ!!離してえっ!!」
泣きながらジャンに近づくナディア。
ナディア「ジャン、しっかりして!ジャン!!」
ネモ「ナディアー!」
ナディアを庇うネモ。
ネモ「ぐっ‥‥!」
ナディア「お‥父‥‥さん‥‥?」
ネモ「ナ‥ディア‥‥生きろ‥‥生きるのだ‥‥。」
ネモは死んでしまった。
ナディア「あ‥ああ‥‥。」
ガーゴイル「フフフ‥‥安心しろ・すぐに君も、みんなの所(世界)に送ってあげるよ。」
ナディア「‥‥どうして‥‥どうしてこんな酷いこと!!」
ガーゴイル「ネモが悪いのだよ。私の考えに、理解を示さなかった。」
ナディア「だから、殺したの!?お父さんや、罪のない、多くの人たちを!」
ガーゴイル「‥‥人間のことを言っているのかね?フッフッフッ‥‥ハッハッハッハッ!‥‥こいつはお笑いだ!‥‥見るがいい。」
ナディア「!」
ガーゴイル「この仮面は、私にとっては、この醜い、目の傷を隠すための物さ。‥‥ネモは、かつて、私の親友だった。彼は、人間達の向上心と情熱の素晴らしさを私に良く語った−−彼は、時々、国を抜け出して、人間達を見に行っていたからね。」
ナディア「‥‥‥‥。」
ガーゴイル「私は、彼の情熱に打たれ、妻と、生まれて間もない娘を連れて、人間の世界を見に行ったのだ。‥‥ある、山で、私達は、人間の男達に襲われた。‥‥妻は、私の目の前で、なぶり者にされ、あげく、娘共々殺された‥‥私は、崖下に投げ落とされたが、奇跡的に助かった−−左目を引き換えにしてね。−−私は、誓ったのだ!!全ての人間を根絶やしにするまで、殺戮を続けると!それが、人間共の当然の報いなのだ!!」
ナディア「‥‥狂ってる。」
ガーゴイル「何度でも言うがいい。ブルーウォーターさえあれば、ネオ=アトランティスは復興できる。さあて、お別れですな、姫。」
銃を撃つガーゴイル。突然青い光は現れた。弾が青い光に跳ね返され、ガーゴイルに命中した。
ガーゴイル「ぐあっ!!」
ナディア「‥‥‥‥?」
ガーゴイル「馬、鹿な‥‥。」
ナディア「ブルーウォーターが‥‥‥‥守ってくれたの‥‥?」
ガーゴイル「そ‥うか‥‥。おの‥れ‥ネモ‥‥死して、なお、私の‥邪魔をする‥の‥‥か‥‥。」
ガーゴイルは息絶えた。ガーフィッシュから脱出するグラタン。大爆発を起こすガーフィッシュ。

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