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シュバルツ『ドモンよ…いいか…デビルガンダムを倒せるのは今しか無い! 
      さあ早く撃て! 私とキョウジのような悲劇を二度と繰り返させないために!
      撃て! 撃つんだぁぁぁぁッ!』
ドモンの渾身の石破天驚拳がデビルガンダムのコックピットに炸裂した!
ドモン『兄さぁぁぁぁぁぁぁんッ!!』
そして、島に眩い閃光がほとばしる!
チボデー『!!あれは・・・!』
チボデー、ジョルジュ、サイ・サイシー、アルゴの四人とそのサポーター達は、デビルガンダムの崩れ落ちる姿を見つめていた。
東方不敗も放心状態でその様を見つめていた。
そしてウォンも、放心状態になりながら椅子にへばりついた。
ウォン『な、なんという事だ・・・!』
炎に包まれるデビルガンダムの姿をドモンは放心状態で見つめていた。
ドモン『兄さん・・・。』
ドモンは地面に倒れこんだ。
ドモン『兄さん!!』
ドモンは涙を流しながら炎を見つめていた。

ストーカー『皆さん。遂にデビルガンダムは倒されました。
      ですが、その為に兄キョウジと、シュバルツ・ブルーダーの二人を、
      犠牲にしなくてはならなかったドモン・カッシュ。
      その心境はいかばかりのものでしょう。
      ・・・ですが、非常にもガンダムファイトはまだまだ続くのです。
      そう、東方不敗マスターアジアと、ドモン・カッシュの正真正銘の決戦として!
      それでは!ガンダムファイト最終決戦!レディ――・・・ゴォ―――ッ!!』


                   45話『さらば師匠!マスターアジア、暁に死す』

東方不敗は炎に包まれるデビルガンダムを、怒りに震えながら見つめていた。
東方不敗『ワシの、ワシのデビルガンダムが・・・許さんぞ・・・許さんぞ、ドモォォン!
     貴様は自分が何をしたのか分かっておるのかぁーッ!』
ドモン『黙れッ!マスターアジア!』
東方不敗『何ぃ!?』
ドモン『デビルガンダムを使って、世界を我が物にせんと企む悪党がッ!』
東方不敗『たわけがッ!ワシがいつ、そんな物を欲しいと言った!』
ドモン『ウォンと手を組みながら、まだシラを切るつもりかッ!』
東方不敗『ワシはヤツの力を利用しただけだ! その力でデビルガンダムが復活できれば、それでよし!』
ドモン『ならッ!何故デビルガンダムが必要だ!?』
東方不敗『フフフ・・・知りたいか?ならば『勝負』の二文字をもって教えてくれよう!』
ドモン『望むところだ!ガンダムファイトォ!!』
東方不敗『レディ―――――――ッ!』
ドモン『ゴォォォォ――――――――ッ!!!』
ゴッドガンダムとマスターガンダム、二つのガンダムの壮絶なファイトが始まった!

サイ・サイシーは、ゴッドガンダムとマスターガンダムのファイトを見つめていた。
サイ・サイシー『あ・・・アニキ・・・アニキが戦ってる!』
バニー『ねぇ、早く助けにいかなくっちゃ!』
チボデー『引っ込んでろ!』
チボデーがバニーを制止した。
チボデー『この戦い、恐らくガンダムファイト史上に残る、最大の戦いになるだろう。見ろ!』
ドモンと東方不敗、二人の拳と力が互いにぶつかり合っている!
チボデー『見ろ。かつての師匠と弟子が、死力を尽くして雌雄を決しようとしているんだ。
     これはもう、俺達が入れる世界じゃない・・・!』
ドモンの拳が、マシンガンの如く放ち、東方不敗に炸裂した!
ドモン『東方不敗マスターアジア・・・覚悟ぉぉぉッ!』
東方不敗『つけあがるなぁ!!秘技ッ!十二王方牌大車併ッ!』
マスターガンダムの分身技、十二王方牌大車併が、ゴッドガンダムに炸裂した!
東方不敗『帰山!笑紅塵ッ!!』
分身がマスターガンダムの体へ戻った!
ゴッドガンダムは地上に倒れた!
東方不敗『どうだ!これほど痛めつけてもまだ貴様には分からんのか!このバカ弟子がぁーッ!』
ドモン『な、何を・・・!』
東方不敗『貴様も見たはず!ネオホンコンの裏の姿を!』
ドモン『・・・!!』
ドモンは、荒廃したネオホンコンの街を思い浮かべる。
東方不敗『そうだ。世界がガンダムファイトとうつつを抜かしておる間にも、あのような場所が地球の至る所に広がっておる!
     ローマを見なんだら・・・パリも!ロンドンも!貴様の祖国ネオジャパンの京都ですら、
     滅びの一途をたどっておるのを忘れたかぁッ!
     ドモンよ・・・貴様は、地球の断末魔の光景を前に、何も学ばなんだのか!』
ドモン『・・・。』
東方不敗『ならば!地球をこんな目にあわせているのは誰かという事も気づくまい!』
ドモン『!!』
東方不敗『ワシはな、それに気づいた時、こんな地球の姿を傍観しておれんようになった。
     そこで、ある誓いを立てた。何があろうと、この地球を自然の溢れる元の姿に戻して見せるとなぁ!』
ドモン『な、何だって・・・!』
東方不敗『ヌフフフフフフ・・・。』

ウォンは、モニターでファイトの様子を見ていた。
ウォン『何を、今更。ですが、初耳といえどもこれならまだ打つ手はある!先生!東方先生!』
東方不敗『ん?』
ウォンから通信が入り、東方不敗もそれに気付く。
ウォン『いやいや、地球再生とはご立派なお志し・・・。』
東方不敗『この悪党めが!今更ぬけぬけと、今度は何を企んだ!?』
ウォン『これはまた手厳しいお言葉ですな・・・いや、お叱りはごもっとも。
    ですが、東方先生に是非ともガンダムファイトで優勝してもらいたいという気持ちに嘘・偽りはありません!
    なぜなら、今一度ネオホンコンに4年間の主導権をもたらして頂きたいのです!
    そして、デビルガンダムを人と地球に優しいガンダムに蘇らせれば・・・。』
東方不敗『笑わせるなッ!貴様、『優しい』という言葉を勘違いしておるのではないか?この政治屋めッ!』
ウォン『ッ!?』
東方不敗『よいか?ワシの目的はな、この地球人類の抹殺なのだぞッ!』
ウォン『な、何ですと!?』
ドモン『き、貴様!デビルガンダムをそんな事の為にッ!!』
東方不敗『いや、それこそデビルガンダムの意思なのだ。』
ウォン『何だと!?』
ドモン『そんなバカな!?』
東方不敗『ドモンよ。デビルガンダムが元々は地球再生のために作られたものだという事は、
     シュバルツから聞いたであろう。』
ドモンは、デビルガンダムに変異する前の『アルティメットガンダム』の事を思い浮かんだ。
東方不敗『だが、地球に落下したショックで異変が生じ、地球再生のための3大理論を飛躍させ、ある答えを導き出した。
     それこそが人類抹殺よ。』
ドモン『な・・・ッ!アンタ・・・!』
東方不敗『分からぬか?地球を汚す人類そのものがいなければ、自然はおのずと蘇る!
     そして最強の力を持ったデビルガンダムさえいれば、もう誰も地球へ降りられなくなる。』

回想。地球の大自然の中で東方不敗は高笑いした。
東方不敗(回想)『フッハッハ・・・フッハッハッハッハ・・・フハハハハハハハハ!
     そうだ!それがいい!それが一番だ!その為ならば、人類など滅びてしまえ――――ッ!
     ハァ――――――――ッハハハハハハ!』

ドモン『し、師匠・・・?』
ウォン『く、狂ってる・・・狂ってるぞ・・・!』
ウォンが東方不敗のやり方に恐怖感を抱えていたその時!
首相官邸に大きな振動が起こった!
ウォン『何事だ!?』
そこには、レインの乗るライジングガンダムとアレンビーの乗るウォルターガンダムが同時に戦っていた!
ウォン『何ぃ!?』
ウォルターガンダムはビームキャノンを撃つが、ライジングガンダムはそれを回避した!
そしてそのビームは、市街地のビルなどの建物に当たった!
DG細胞によって豹変したアレンビーは、狂気の如くレインに攻撃を仕掛けた!
アレンビー『うあああああああああああああああッ!!』
ウォン『アレンビー!まだこんな所でウロウロしていたのか!』
ウォルターガンダムは突撃をかけるが回避され、首相官邸に激突した!
そしてウォルターガンダムはビームキャノンの発射体制に入った!
ウォン『や、やめろ!アレンビー!』
ビームキャノンのエネルギーを溜め、ウォンに向けて発射した!
ウォン『た、助けてくれ〜ッ!!』
官邸は大破し、辺りが煙に包まれた!
レイン『アレンビー!もうバーサーカーシステムは切れてるのよ!どうして正気に戻らないの!?』
アレンビー『うあああああああああああああああッ!!』
レイン『アレンビー!』
二機は屋根に激突し、地面に叩きつけられた!
レイン『アレンビー・・・あなたを救うにはもうこの方法しかないわ!』
レインは必殺技、『必殺必中ライジングアロー』の発射体制に入った!
レイン『来なさいッ!!』
ところが、ウォルターガンダムの牙がライジングガンダムの左手に噛み付いた!
レインはダメージを受けながらも、懸命に踏ん張る!
レイン『行くわよッ!!』
ライジングガンダムはビーム状の矢を形成し、構えた!
レイン『必殺必中ッ!!ライジング・・・アロォォォォォ――――――ッ!!!』
矢はウォルターガンダムの機体を貫き、アレンビーは元に戻った!
そして機体は爆発した!

レインはコックピットから降り、アレンビーの元へ駆けつけた。
すでにアレンビーは意識が無かった。
レイン『ごめんなさい・・・。私には、あなたを助ける事は出来なかったわ・・・。許して・・・。』
ミカムラ博士『いや、まだ間に合うよ。レイン。』
レイン『え!?』
そこにいたのは、レインの父、ミカムラ博士だった。
ミカムラ博士『この娘は、まだDG細胞に犯されきってはおらん。』
レイン『・・・。』
ミカムラ博士『レイン・・・娘にこんなマネまでさせて、私は最低の父親だ・・・。』
レイン『お父様!』
ミカムラ博士『私は・・・事の真相を告白して、カッシュ博士の無罪を証明するつもりだ。そうだ、全てを償おう!』

東方不敗『ハハハハハハハハ・・・そうだ、償いだ。犯した罪は償わなければならぬ!この手でな・・・。
     そう、宇宙に浮かぶ大地、森、山、そして湖!
     全てが偽者の世界の中で生きている事も気づかぬ、愚か者共から!この地球を取り戻す!』
ドモン『だからと言って!人間を抹殺していいはずが無いッ!』
東方不敗『まだ分からんのか!』
マスターガンダムは、マスタークロスでゴッドガンダムに攻撃をした!
東方不敗『何がガンダムファイトだ!何が理想的な戦争よぉーッ!
     我が身を痛めぬ勝利が何をもたらす!所詮はただのゲームぞ!』
ドモン『だがッ!むやみに人が死ぬよりははるかにいいッ!』
東方不敗『だから!お前はアホなのだぁーッ!!』
ゴッドガンダムとマスターガンダムの右手が交互に握り合う!
東方不敗『ダァァ――――クネスッ!!』
ドモン『ゴォォッド!!』
ドモン・東方不敗『フィンガァァァァァァァ―――――ッ!!!』
相殺する二つの必殺技!
だが、ドモンは何かを感じていた!
ドモン(・・・!!こ、これは・・・拳から深い悲しみが伝わってくる!東方不敗の拳が、拳が泣いている・・・!)
ドモン『な、何故だぁ!』
東方不敗『うるさいッ!!うあぁぁぁぁッ!!』
ドモン(俺の心に、悲しみが響く!そうだ・・・己の拳は、己の魂を表現するものだと、教えてくれたのはこの人だ!
    ならば!これが東方不敗の魂の叫びなのか・・・!?)
東方不敗はせき込んだ!
東方不敗『ゴホッ!ゴホッ!ええい、この身体さえまともならなんの苦労もなかったものを・・・。
     ワシ自らがデビルガンダムのパーツになれたはず・・・それが悔しいわッ!』
ドモン『アンタは!』
東方不敗『・・・?問答無用ッ!!』
東方不敗は、流派東方不敗奥義『超級覇王電影弾』の体制に入った!
体の周辺に熱気が溢れる!
ドモン『ならばッ!』
ドモンも同じく超級覇王電影弾の体制に入った!
東方不敗『超級!!』
ドモン『覇王ッ!!』
東方不敗『でぇぇぇぇん!!』
ドモン『えぇぇぇぇぇぇい!!』
ドモン・東方不敗『だぁぁぁぁぁぁぁんッ!!』
二つの気弾はぶつかり合い、竜巻状になった!!

一方、ランタオ島の崖で四人のシャッフル同盟達は、ドモンと東方不敗のファイトを見ていた。
ジョルジュ『聞こえますか?』
アルゴ『ああ・・・。』
チボデー『悲しくも美しい、魂の響き・・・。』
サイ・サイシー『オイラ、この勝負一生忘れない!!』
四人『これこそ、ガンダムファイト!!』

ゴッドガンダムとマスターガンダムの拳が互いにぶつかり合った!
東方不敗『ドモン!まだ分からんのか、このワシの気持ちが!!』
ドモン『ああ!アンタのやろうとしている事は人殺しに過ぎんッ!!』
東方不敗『ドモン・・・。』
東方不敗は手を差し伸べるが、ドモンの拳がそれを弾き出した!
東方不敗『こ、この虚け者がぁ――――ッ!!』
二つのガンダムは交互に着地した!
ドモン『東方不敗!アンタは間違っている!!』
東方不敗『何?』
ドモン『何故ならば、アンタが抹殺しようとする人類もまた、天然自然の中から生まれたもの!言わば地球の一部!
    それを忘れて、何が自然の・・・地球の再生だッ!そう、共にいき続ける人類を抹殺しての理想郷など・・・愚の骨頂ッ!!』
東方不敗『フン!ならばワシが正しいかお前が正しいか、決着をつけてくれるわぁーッ!』
ドモン『おうッ!キング・オブ・ハートの名に懸けてッ!!』
ドモンは気力を溜め、全身が金色になった!
ゴッドガンダムも金色になり、ハイパーモードになった!
東方不敗も同じく、全身が金色になった!
マスターガンダムも金色になり、ハイパーモードになった!
金色のオーラがほとばしる!
ドモン『行くぞぉーッ!!』
東方不敗『おおーッ!!』
二機は、流派東方不敗最終奥義『石破天驚拳』の体制に入った!
ドモン『ハァァァァァァ・・・流派ッ!』
東方不敗『東方不敗が・・・!』
ドモン『最終・・・!』
東方不敗『奥義・・・!』
二つの光が、ランタオ島の崖に見えた!
チボデー『来るぞッ!!』
ドモン『石ッ!!』
東方不敗『破ッ!!』
ドモン・東方不敗『天驚けぇぇぇぇぇぇぇぇぇんッ!!!!』
二つの石破天驚拳が交互にぶつかり合う!!
そして、眩い閃光が崖に迫る!
バニー『チボデー!!』
チボデー『俺たちは、ここを動かねぇ!』
アルゴ『最後まで見届けるッ!!』
ジョルジュ『何故ならこれが!!』
サイ・サイシー『オイラ達が、一年間夢見た瞬間だからッ!』
ゴッドガンダムの拳にヒビが入り、ドモンは苦しみだした!
東方不敗『そこまでか!貴様の力など、そこまでのものに過ぎんのかッ!それでもキング・オブ・ハートかぁーッ!』
ドモンはゆるんだ!
東方不敗『足をふんばり、腰を入れんか―――ッ!そんな事では、悪党のワシ一人倒せんぞぉ!このバカ弟子がぁーッ!』
ドモンは地面に膝をついた!
東方不敗『何をしておる!自ら膝をつくなど!勝負を捨てた者のする事ぞぉ――――ッ!!』
東方不敗の石破天驚拳が一気にドモンに迫る!
東方不敗『立て!立ってみせぇぇいッ!!』
ドモン『う、うるさいッ!!今日こそは俺はアンタを越えてみせるッ!!ハァッ!!』
ドモンは右手に力をこめて、東方不敗の石破天驚拳を押さえ出す!
そして、ドモンの石破天驚拳がマスターガンダムに炸裂した!
チボデー『行けーッ!!』
ジョルジュ『ドモォォーンッ!!』
サイ・サイシー『とどめをぉーッ!!』
アルゴ『撃てぇーッ!!』
ドモン『おおうッ!!』
ゴッドガンダムのマルチプライヤーから、キング・オブ・ハートの紋章が浮き出た!
ドモン『石破天驚ッ!!!ゴォォォッド!!フィンガァァァァァァァ――――ッ!!!!』
究極のゴッドフィンガー、『石破天驚ゴッドフィンガー』が発動!
大きな手が迫り、東方不敗の身体を締め付ける!
ドモン『ヒィィィィィトッ!!エ――――――――・・・。』
ドモンがヒートエンドでとどめを刺そうとしたその時!
東方不敗『よぉし・・・。』
ドモン『えッ!?』
東方不敗『今こそ、お前は本物のキング・オブ・ハート・・・。』
東方不敗は笑顔でキング・オブ・ハートの紋章が輝く右手をドモンに見せ付けた。
そして―――――――――。
大爆発。
ドモン『し・・・・・・師匠ぉぉぉぉぉぉぉぉ―――――――――ッ!!!!』
かつての師匠として、そしてライバルとして戦った思いがフラッシュバックで甦り、ドモンは涙を流した・・・。
レインもドモンの叫びを感じた。
そして、地球を覆ってたビームリングが消え、ガンダムファイトは終わりを告げた・・・。

東方不敗は死の世界を彷徨っていた。
???『マスター・・・マスター・・・マスターアジア・・・。』
東方不敗の名を呼ぶ声が聞こえる。
何と、そこに現れたのは旧シャッフル同盟の四人の幻だった。
ブラック・ジョーカー『お迎えに参りました・・・。申し訳ありません・・・。
           私達こそ、もっと早く気づくべきだったのです。そう、ガンダムファイトが正しい戦いかどうか・・・。
           それを確かめるため前回の戦いに出場したあなたは、闘って、闘って、闘い抜いて頂点にたった時、
           自分の後ろに広がる廃墟を見て、ガンダムファイトの弊害を己自身で演じていた事に絶望し、
           その憤りが全ての始まりとなったのでしょう・・・。』

回想。荒廃した地球を見て、東方不敗は絶叫する。
東方不敗(回想)『何がシャフル同盟よ!何がキング・オブ・ハートよ!
         うおおおおおお――――――――ッ!!』

ブラック・ジョーカー『すみません・・・。あなた一人に全てを押し付けてしまったようです・・・。
           その償いの方法を間違ったのでしょう・・・。ですが、私たちも正しいとは言えません。
           誰もが間違った道を歩もうとするこの時代、後は新しいシャッフルの者達を信じましょう。
           それだけが、私達のできるただ一つの事なのではないでしょうか・・・。』
そして、幻は消えた。

ランタオ島の浜辺。
東方不敗はゆっくりと目を覚ます。
シャッフル同盟の四人とそのサポーター達もドモンの近くに来ていた。
東方不敗『なあドモン・・・お前には教えられたよ・・・。人類もまた自然の一部。それを抹殺するなど自然を破壊するも同じ・・・。
     ワシはまた、同じ過ちを繰り返すところであった・・・。』
ドモン『し・・・師匠・・・ッ!』
東方不敗『ワシをまた、『師匠』と読んでくれるのか・・・?』
ドモン『俺は今の今になって、初めて師匠の悲しみを知った・・・。
    なのに俺は、アンタと張り合うことだけを考えていた・・・話を聞こうともしなかった!
    なのにアンタは最後まで、俺の事を・・・。』
東方不敗『何を言う・・・。所詮ワシは大罪人よ・・・。だがな・・・見てくれ!』
東方不敗は装束を開いた。
東方不敗『ワシの身体は一片たりとも、デビルガンダム細胞に犯されてはおらん・・・。』
ドモン『分かっていた!分かっていたのに・・・ッ!』
東方不敗『ああドモン・・・。お前と新宿で出会わなければ・・・お前がガンダムファイターになどならなければ・・・、
     こんな・・・こんな事にはならなんだのに・・・。』
東方不敗は大粒の涙を流した。
そして、朝日が昇り始め、太陽が輝く。
東方不敗『美しいな・・・。』
ドモン『はい!とても美しゅうございます!』
東方不敗『ならば・・・。』
二人『流派ッ!東方不敗はッ!』
ドモン『王者の風よぉッ!』
東方不敗『全新・・・。』
ドモン『系列ッ!!』
二人『天破侠乱ッ!!見よッ!!東方は紅く燃えているぅッ!!!』
二人が流派東方不敗の言葉を唱えたその時。
東方不敗『あぁ・・・ッ。』
東方不敗の手が倒れた。
ドモン『・・・ッ!!師匠・・・?』
もう反応は無い。笑顔で、武道家として・・・そしてガンダムファイターとしての人生を送った彼の命は、終焉を迎えたのであった・・・。
ドモン『師匠・・・ッ!!師匠ぉぉぉッ!!!師ぃぃぃ匠ぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!!!』
ドモンは獣の如く叫んだ。


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石破天驚 看招!血染東方一片紅!>>

45話 完

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