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勇者指令ダグオンの第47話
 

夜明け前

エンの影が自転車で海岸にやってくる。

エン「お―――い!」

マリア「あのバカ、やっと来た……あんた、こんな時まで……」

エン「わりぃわりぃ」

マリア「ったく……」

エン「ライアン……お前が戻ってきてくれた時俺、本当にうれしかったぜ。今度こそ必ず、剣聖の仲間を見つけろよ!」

ライアン「ありがとう……」

エン「ガンキッド!」

ガンキッド「ん?」

エン「お前には随分手を焼いたが、もう立派に一人前だな……」

涙目のガンキッド。

エン「いいな!? ライアンの力になってやれよ!」

ガンキッド「エン、エン……」

ゲキ「バ、バカモン! こんなめでたい火に泣く奴が……泣く奴があるか!!」

カイ「そうだとも。剣聖再建に向けて、ライアンとガンキッドの新しい門出の日だ」

朝日が昇る。

ライアン「美しい……この美しい地球の光景を、俺は忘れない。そして……すばらしい地球の友のことも」
 

燃えろ! 炎の勇者エン
 

ライアンとガンキッドが飛び去る。

エンたちはそれを見上げる。

シン「行っちまったな……」

ヨク「寂しくなりますね」

リュウ「帰るのか!? お前も……」

ライ「はい。本部から新しい命令が届き次第……」

リュウ「そうか」

カイを見つめるルナ。

マリアはそんなルナを心配そうにする。

マリア「カイ!」

カイ「ん?」

マリア「ほら、ルナさんも疲れてるみたいだし、送ってってあげなさいよ!」

ルナ「ま、マリア……私なら1人で」

マリア「いいからいいから……ねぇ、カイ!」

カイ「あ、ああ。そうだな……ルナはけが人だし、それに……」

マリア「don`t say! 4or5!! ほら……」

2人はマリアに押されて照れる。

カイ「い、行こうか……」

去る2人。

ライ「じゃあ僕、ダグベースに戻ります……」

リュウ「俺も、途中まで付き合おう」

ライとリュウも去る。

エン「どうする? ゲーセンにでも行ってみるか!?」

シン「ん? ゲーセンね……」

ゲキ「悪いエン……」

エン「……?」

ゲキ「ワシはシンと約束があったんじゃ。そうじゃろ? シン」

シン「約束!?」

ヨク「見てください! この珍しい貝は、額面を……」

ゲキ「お主も来るんじゃよ!」

ゲキはヨクを持ち上げる。

ヨク「あっ!」

ゲキ「な!」

ヨク「はぁ!?」

マリア「あ……違うの!」

ゲキ「失礼します!」

ヨク「あああ……」

エン「お、おい……ちょっと! ちょっと待て!! 何だ一体!?」

マリア「さあ……」

エンは背中をマリアに向ける。

マリア「ありがとう……」

エン「え?」

マリア「ありがとう。無事に戻ってきてくれて」

エン「当たり前だ。おめぇに借金だって残ってるし……そうだ、借金!」

マリア「返済は明日……」

エン「え?」

マリア「覚えてる? 約束……」

エン「あ、ああ……」

マリア「言ってみて」

エン「え?」

マリア「早く」

エン「しょうがねぇな。明日12時、山海橋のそばの大時計がある銀行の前……だろ!?」

マリアは頷いたあと、走り去る。

エン「おい!」

マリア「お昼ご飯と映画と、それからカラオケも忘れるな!!」

エン「お前なぁ……」

マリア「遅刻厳禁だからね!」

エン「全く……」

ダグベース

ライがコンピューターを操作。

するとセンサーが反応する。

ライ「ん? エネルギー反応!?」

ライはダグベース前に行ってみるが、何もなかった。

ライ「何もない……」

後ろから掃除機ロボットが現れる。

それにはジェノサイドが取り付いていた。

ジェノサイド「我はジェノサイド……」

掃除機ロボットが爆発。

ライ「うわあっ!!」

吹き飛ぶライ。

ライ「ジェノサイド……」

ジェノサイドがファイヤージャンボに憑依。

ライ「何!?」

ファイヤージャンボが起動し、発進してしまう。

カイ「何!?」

ヨクたちもそれに驚いてしまう。

ゲキ「どうなっとるんじゃ一体!?」

ビルの窓ガラスが次々と割れていく。

エン「ファイヤージャンボ!!」

ファイヤージャンボからファイヤーラダー、レスキューが飛び出す。

ファイヤージャンボがファイヤーダグオンのボディに変形。

両腕にファイヤーラダー、レスキューが合体。

ファイヤーダグオンが完成する。

ダグベース

カイたちがモニターでファイヤーダグオンを見ていた。

カイ「あの時、奴は言った……ジェノサイドの目的は」

回想

ジェノサイド「地球との融合……」

ダグターボ「融合!?」

ジェノサイド「地球という器に乗り移り、私は新しい星として生まれ変わる……」

現在

エンがファイヤーダグオンの元に駆けつける。

エン「バカな……こんなバカな!」

ファイヤーダグオンの顔がジェノサイドとなる。

ジェノサイド「我が名はジェノサイド―――絶対にして完璧な存在……」

顔が元に戻る。

するとファイヤーダグオンはエネルギーを集め始める。

ファイヤーダグオン「うおおお―――っ!!」

エネルギーは見る見るうちに巨大化し始める。

エンはそれを避けようと逃げ出す。

エン「くそぉ……」

リュウ「エ―――ン!!」

そこへリュウの乗るシャドーホークが飛来。

エンを乗せて飛び去る。

ダグベース

ライ「地球と、ジェノサイドが融合していきます……」

ヨク「まさに、超生命体……」

ゲキ「ち、地球が……」

ルナ「ダグ光波バリア、全開始動! ライ!!」

ライ「え? ダグ光波バリア、全開!」

ダグ光波バリアが発動。

シャドーホークは何とかその中に入る。

地球の周りが紫に包まれていく。

しかし、ダグベース付近以外は無事だった。

ゲキ「かろうじてここだけは無事じゃった……」

ヨク「外の人たちは、どうなったんでしょう!?」

ルナ「多分、融合して……」

ライ「僕たちも時間の問題です! ダグ光波バリアが、いつまで持ち応えるか……」

モニターにファイヤーダグオンが映る。

ファイヤーダグオン「もはや一切の抵抗は無意味……」

ライ「あ……!?」

ファイヤーダグオン「いずれお前たちも私の一部となる……私は地球と完全に1つとなる。その瞬間、私は新しい星に生まれ変わる―――」

ライ「あ……!?」

シン「どうしたライ!?」

ライ「人がいる。ダグ光波バリアの中にまだ人が残っています!」

ゲキ「なんじゃと!?」

カイ「よし。その人々をバリアの中央に避難させるんだ!! 手分けして校舎に誘導する」

ゲキ「うん!」

カイ「ライ、お前はダグベースを頼む。今は、地球最後の砦だ!」

ライ「はい!」

街中

ジェノサイドと融合した人々が男を捕らえてエネルギーの中へ引っ張り出す。

男「やめろ……助けて!! ああ―――っ!!」

男の色が紫に染まっていく。

男「来るな―――!!」

男は気を失う。

男「我こそは絶対にして完璧なる存在……我こそは……」

人々「絶対にして……」「完璧なる存在……」

人々が凶器を持って前に進む。

男「に、逃げろ―――!!」

他の人々は逃げる。

人々「うわああ―――っ!!」

エン「山海高校だ。みんな、山海高校へ逃げるんだ!!」

エンは人々を誘導。

マリア「エン!」

エン「マリア……お前も早く校舎へ」

マリア「エンは!?」

エン「……行け!」

エンはマリアを突き放して逃がした後、走り出す。

マリア「エン!! 気をつけて……」

山海航行付近ではターボカイたちがジェノサイドに融合された人々を近づけないようにしていた。

カイ「シールドストーム!! 相手は人間だ。絶対に傷つけるな!!」

シン「わかってるって!」

ヨク「校舎に急いで!!」

リュウ「たあっ!!」

子供たち「ありがとうダグオン!!」

ファイヤーダグオン「無駄だ……地球上の全ては我が手の内にある―――」

ファイヤーダグオンの操る戦闘機がミサイルを発射。

周辺が爆発。

もう1発発射され、校舎に当たる。

一同「うわあっ!!」

スーパーライナーダグオンが縦となっていた。

マリア「ダグオン……」

前方から次々とミサイルが発射される。

ライナーダグオン「校舎に命中させるな!!」

シャドーダグオン「おう!!」

一方ガクは、家の方に逃げ込んでいた。

しかし、爆風に吹き飛んでしまう。

ガク「うわああっ!!」

隅の岩で猫が鳴いていた、

前には凶器を持つ人々がいた。

ガク「うわああっ!!」

ガクは走り出し、猫を助け出すが、人々に囲まれてしまう。

ダグベースでは、ダグ光波バリアに限界が近づいていた。

ライ「ジェネレーターが……このままじゃバリアが持たない!」

校舎の屋上に逃げ込むガク。

しかし、前は行き止まりでもう逃げられない。

するとそこへエンが人々を気絶させてしまう。

ガク「ああっ……エン! エン……俺たちどうなっちまうんだよ!?」

エン「顔を上げろ」

ガク「地球はどうなっちまうんだよ!?」

エン「ガク!! お前はそれでもダグオンか!?」

ガク「俺が……ダグオン!?」

エン「ダグオンってのは、勇者を意味する言葉なんだ。お前の勇気が、小さな命を救ったじゃないか……」

ガク「俺が、ダグオン!?」

エン「例えそれがどんな困難だろうと、最後まであきらめるな! それがダグオンだ!!」

ガク「エン……」

エン「見ていろガク……ダグオン最後の戦いを!」

ガク「え?」

エン「トライダグオン!」

エンがファイヤーエンにトライダグオン。

エン「ファイヤーエン!!」

ガク「エンが……ダグオン!?」

エン「ファイヤーストラトス!!」

ファイヤーストラトスが屋上を登る。

その後、エンを乗せてどこかに向かう。

シャドーダグオン「何をする!? エン!」

ライナーダグオン「ジェノサイドにどうかされるぞ!!」

エン「これが青春だ! 融合合体!!」

ファイヤーエンがファイヤーストラトスとダグファイヤーに融合合体。

ダグファイヤー「ダグファイヤー!! 剛力合体!!」

パワーダグオンにダグファイヤーが合体。

パワーダグオン「パワーダグオン!!」

パワーダグオンがファイヤーダグオンの前に立つ。

ファイヤーダグオン「愚かな」

パワーダグオン「でやああ―――っ!!」

パワーダグオンが後ろからファイヤーダグオンを抑える。

パワーダグオン「今だライ! 超火炎合体だ!!」

ライ「超火炎合体!?」

パワーダグオン「早く! バリアが破られる前に……」

ライ「で、でも……そんなことをすれば先輩が!!」

パワーダグオン「考えてる暇はねぇ!!」

校舎のガラスが破られ、ジェノサイドの人々が入ってくる。

パワーダグオンの足も紫に染まり始める。

ガク「頑張れ! エン!!」

パワーダグオン「ライ、早く!」

ライ「わかりました。やります!」

ダグベースが光り出し、浮上。

スーパーダグ光波が発射。

ファイヤーダグオンとパワーダグオンに浴びせられる。

パワーダグオン「超火炎合体!!」

パワーダグオンとファイヤーダグオンがスーパーファイヤーダグオンに超火炎合体。

ファイヤーダグオン「スーパーファイヤーダグオン!!」

ダグベースが大爆発。

サンダーライが脱出。

それによりジェノサイドのオーラが校舎に迫ってきた。

ジェノサイドに操られた人々が止まる。

ファイヤーダグオン「うおおお―――っ!!」

ジェノサイドの周りの空間が消えてしまう。

スーパーファイヤーダグオンの心の中

2人のスーパーファイヤーダグオンが現れ、ジェノサイドとエンの姿に変わる。

ジェノサイド「何の真似だ!?」

エン「地球をお前の好きにさせはしない!」

ジェノサイド「それで勝ったつもりか!?」

エン「いいや! 俺とお前は今や一心同体。勝負はこれからだ!!」

スーパーファイヤーダグオンが飛び立つ。

ライナーダグオン「エン!!」

シャドーダグオン「エン!」

ガク「エン!」

マリア「エ―――ン!!」

スーパーファイヤーダグオン内

ジェノサイド「無駄だ」

ジェノサイドが消える。

ジェノサイド「お前の心を支配するなど、容易いこと……」

エン「黙れ! 俺はお前などに支配されない。支配されてたまるか!!」

ジェノサイド「愚か者め!!」

エンがジェノサイド内に吸収される。

ジェノサイド「大人しく私に従え……そして私は新しい星に生まれ変わる」

エン「誰が貴様なんかに!」

ジェノサイド「逆らうな!!」

エン「うわああっ!!」

エンが眠る。

ジェノサイド「逆らうな……降伏すればお前はその苦痛から解放される。私に跪け!!」

エン「うわああっ!! ぐっ……嫌だ! 俺の心は……俺の、者だ……誰の、物でもない」

ようやく地上に戻るエン。

ジェノサイド「人間の正式など所詮弱いもの……さあ、お前の心を味わわせ!!」

エン「人間を、甘く見るな!!」

スーパーファイヤーダグオンの胸のパーツが爆発する。

ファイヤーダグオン「(ジェノサイド)下等生物の分際で、私を受け入れるのだ!!(エン)嫌だ……」

パワーダグオンの装甲パーツが次々と爆発していく。

ファイヤーダグオン「(ジェノサイド)お前は新しい星の支配者になれるのだぞ!?(エン)ふざけるな!!(ジェノサイド)やめろ―――!!」

スーパーファイヤーダグオンは高い大空に到着した。

ファイヤーダグオン「(ジェノサイド)やめろ……お前も死んでしまうぞ!?(エン)望むところだ……(ジェノサイド)何!?「エン」貴様を、貴様を地獄に送ってやる!!(ジェノサイド)バカな!!」

スーパーファイヤーダグオンが再び飛び立ち、大気圏に突入する。

ファイヤーダグオン「(ジェノサイド)我こそは絶対にして完璧なる存在……(エン)俺は……(ジェノサイド)我こそは……(エン)俺は……(ジェノサイド)我こそは絶対にして……(エン)俺は……(ジェノサイド)完璧なる……存在のはずだ!!」

スーパーファイヤーダグオンが大爆発。

そこからダグファイヤーが現れる。

ダグファイヤー「俺は、ダグオンだぁ―――!!」

最後にダグファイヤーも大爆発。

地球は守られた。

果たして、エンの運命は!?
 

(続く)
 
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「アニメ、漫画、特撮の最終回」の「や行」から
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