ドラゴンクエストⅦ すべての始まり
ここは、とある人間世界。なんと平和だろう・・・。城があったり、大きな町小さな町・・・。
当時、まだ魔王たちが目をつけていない時代だった・・・。
ここは、とある魔界。魔王「オルゴ・デミーラ」を首領とし、活気のある生活に満ちあふれていた。
魔王は一人ではなかった。オルゴ・デミーラの部下として、「りゅうおう」、「ハーゴン」、「ゾーマ」や、
大臣役の「バラモス」、「ミルドラース」、「エスターク」、「ダークドレアム」「デスタムーア」がいる。
それぞれの仕事をこなす、万能なる者たちだった。
人間世界に目をつける前は、普段どういうことをしているか？魔王たちの普段の様子を見せてやろう。
？「あーあ、なんで魔界ってこんなに広いんだろうね、ハーゴン？」
ハーゴン「今になって何を言うんだ？りゅうおう。いろいろな土地を我ら魔王が占領し、
奪っていって、ついにはこれだけ広くなったんじゃないか。」
りゅうおう「ああ、そうだっけ？」
ハーゴン「・・・バカ。お前は本当に魔王か？」
りゅうおう「おまえこそ、本当に魔王か？大神官とか言ってるけど・・・。」
ハーゴン「邪悪な大神官だぞ、私は。」
りゅうおう「しかしそのおかげで魔界が広くなったのはいいが、あの時ほとんど何もしなかったような・・・。」
ハーゴン「それは、お前だけだ。お前の力をオルゴ・デミーラ様は、認めておられないと思うぞ？」
りゅうおう「いくらなんでもひどいぞ・・・。」
？「いや、その通りだと思うぞ！」
りゅうおう「なに？誰だ！無礼者め！」
？「無礼者？この私によく、そう言えるな。」
りゅうおう「なんだと！・・・あ、貴様はゾーマか！」
ゾーマ「いかにも！よくもあんな暴言をはいてくれたな・・・。」
ハーゴン「図に乗り過ぎだぞ、ゾーマ。」
ゾーマ「バカめ、この俺が図に乗ってるとでも思ってんのか？」
りゅうおう「どう考えても、そうにしか思えん！」
ゾーマ「仮にもお前達は、俺と同じ魔王の位として存続している。
だが、実力は俺のほうが上だ。つまり、俺よりお前らの方が下っ端ってことよ！お分かりかな？」
りゅうおう「ぐう・・・！」
ゾーマ「はっはははは！まあ、せいぜいがんばるんだな！！」
りゅうおう「・・・あの野郎！いやみったらしい魔王め！」
ハーゴン「こっちだって、頭にきたぞ！あとでイオナズンでもぶつけてやるか・・・。」
これが、部下達の日常だった・・・。一方、大臣側は・・・。
？「ふう、忙しい・・・。大臣役として働いているのは光栄だが、こんなにも忙しいとは・・・。」
？「バラモス、お前は大臣役としてなりたてなのはしょうがないが、愚痴を吐くんじゃないぞ」
バラモス「おっと、失礼しました。ミルドラース様。」
ミルドラース「分かればよろしい。さあ、さっさと仕事を片付けなければ・・・。」
バラモス「ミルドラース様も、吐いているのでは？」
ミルドラース「ばれたか・・・。」
・・・まあ、こんなものです。え？大臣役が五人いるはずなのに、二人しかいないって？
ははは、わからないのも無理はない。他の三人は、オルゴ・デミーラの近くで働いていたのだよ。
その様子は、まあこんなものだ。
？「ダークドレアム、デスタムーア、エスタークよ。他の魔王や、都民の様子はどうだ？」
ダークドレアム「部下の魔王たちは、異常ありません。」
デスタムーア「他の大臣役の魔王たちも、着々と仕事をこなしています。」
エスターク「町の様子は、とくに変わり無し・・・。魔界が広いおかげで、満足している者も上昇中・・・。」
オルゴ・デミーラ「よかろう。報告は終わったな。よし、下がっていいぞ。次の占領地を探すが良い！」
ダークドレアム・デスタムーア・エスターク「ははっ！」
お分かりいただけただろうか？人間世界に目をつける前の魔界も平和そのものだったろう・・・。
そして、すべての始まりは数年だったある日のことだった・・・。
デスタムーア「オルゴ・デミーラ様！」
オルゴ・デミーラ「なんだ、騒々しい！なにがあったのだ！？」
デスタムーア「次の目的地を選びましたぞ！」
オルゴ・デミーラ「な、なんだと！？それは、本当か！？」
デスタムーア「次の目的地は、人間世界です！」
オルゴ・デミーラ「人間世界だと？」
デスタムーア「そうです。人間世界は、広さは我々の魔界と比べると見劣りしますが、
町の様子などは、魔界よりは上ですぞ！」
オルゴ・デミーラ「よくぞ発見した！！さすが、長年大臣役を務めていたデスタムーアよ！」
デスタムーア「はっ、ありがとうございます。」
オルゴ・デミーラ「さて、そうと決まったら準備するのだ！！！」
デスタムーア「ははっ！！承知しました！！」
オルゴ・デミーラ「ふふふ・・・人間世界の征服か・・・。」
このデスタムーアの人間世界発見が、すべての幕開けだった・・・。
今これより、魔王オルゴ・デミーラの魔の手が、人間世界に忍び寄ったのであった！！！
完