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ドラゴンクエストZ オルゴ・デミーラの歩み 第6章 後編

クックック・・・いくら犠牲が出ようとも、人間どもを破滅の道に追いやることには変わり無し・・・。
そう・・・その犠牲とやらは・・・。
ミルドラース、デスタムーア、エスターク・・・。多少のコストは構わん。
もうすぐ、人間どもの世界を支配できるのだからな・・・。
そして・・・ただ一人、我がしもべ「ダークドレアム」しか残らないとしてもだ・・・。
「オルゴ・デミーラ様は、とてつもなく邪悪な考えをしておられる・・・。」
「ダークドレアムよ・・・、そなたもその邪悪なる考えをしている者の下にいるではないか?」
「それはそうですが・・・。それで・・・あの3人には、この作戦の内容を知らせてあるのですか?」
「いや、知らせていない。知らせる気も無い。」
「じゃあ、何も知らない3人は、捨て駒に過ぎないと言うのですか!?」
「捨て駒ではない。最終兵器と言え・・・。人間どもも、この最終兵器で、ひざまづくことになる。」
「しかし・・・、あまりに無謀であります!いくら魔王と言えど、そのようなやりかたでは・・・。」
「黙れ! ダークドレアムよ。この無謀な作戦のために、これまで何人の犠牲者を出したか・・・。
人間世界の支配のために、自分の命をかけて戦った英雄達を、数えたことはあるか?」
「そ、それは・・・。」
「・・・だろうな。お前は、いつもそうだ。タダで犠牲者を出すくらいなら、何かをしてから死ぬと言うのが、
道理であろう?そう・・・、この最終兵器のために・・・。」
「・・・わかりました。作戦実行まで、待機させてもらいます・・・。」
「うむ。・・・ん?この気配は・・・。」
死の気配を感じ取った。人間どもにやられたか・・・やったか・・・。
「・・・やられた、か・・・。」
3人の誇り高き魔王達は、捨て駒となった。すなわち、「死」と「破滅」を意味する。
「計算通りだ・・・。やはり、あいつらでは倒せなかったか・・・。だが、これで良いのだ・・・。」
「死」とは、あの3人の捨て駒を、「破滅」とは、人間どもを意味するのだ。
そう・・・、私の最終兵器とやらが、今、動いた・・・。
「では、ダークドレアムよ。見るがいい・・・。」
私は、邪悪なる祈りをささげた・・・。最終兵器を動かすために・・・。
「今こそ、人間どもが破滅の道を歩む時!我らに、新たな道が開かれる!!
邪悪なる神々よ!魔界の魔物どもよ!!暗黒の魂どもよ!!!
我に・・・我に力を!!!」
祈りと共に放った呪文。それは、邪悪に染まり尽くされた「悪」である。
みるみる私の体に、邪悪なるエネルギーが入り込んでいく!!
邪悪なるエネルギーは、この邪悪な祈りと、そして死んでいった勇敢な魔王どもの魂である・・・。

・・・完成・・・。これが私の最終兵器・・・。
私の真の姿・・・。
・・・我が名は、魔王オルゴ・デミーラ・・・。万物の長にして、魔界を束ねる者・・・。
魔族の王にして、絶対無比の存在なりき・・・。
「オルゴ・デミーラ様!」
「・・・む?」
「そのお姿は・・・。」
「ダークドレアム・・・。そなたの力もいただくぞ・・・。」
「え?今、なんと・・・。」
「はああああああ!!!」
「お、お待ちください!あたなは、以前のオルゴ・デミーラ様では無いのですか!?
自分のことを「私」と呼んでいたのに、「我」と呼ぶようになった・・・。」
「我は、以前のオルゴ・デミーラと違う。以前のオルゴ・デミーラは死んだ。これが、我の本当の姿なり・・・。」
「そんな・・・。オルゴ・デミーラ様!」
「さらば、ダークドレアムよ・・・。我の体の中で、大いなる力を分けてくれ・・・。」
「オ、オルゴ・デミーラ様!お止めください!気が狂ったのですか!?」
「狂ってなどいない。我は至って正常な心しか持たん。」
我は、ダークドレアムの力をみるみる奪い取っていく・・・。新たに力を得るために・・・。
「オルゴ・デミーラ様・・・。もう・・・あなたは・・・人間世界を支配するまでは・・・
止まらないの・・・です・・・か・・・。うう・・・!」

ダークドレアムは、息絶えた。だが、我の体の中では、生きている。我に、力を分けている。
これで人間どもに、この恐るべき力を発揮することができる・・・。
しかし、すぐに支配してやるのは面白くない。
まずは、平和をたっぷりと味合わせ・・・その後に、一生続く絶望を感じさせるのだ・・・。
クックック・・・我に、不可能は無し・・・。
                                第6章 完

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