戻る TOPへ

ドラゴンクエストZ オルゴ・デミーラの歩み 第5章 後編

我ら魔王の戦力は、バラモス、ミルドラース、そして、復活したエスターク、この者達である。
今、人間世界も我らの支配下にある。今は、な。
支配しても、人間どもが解放してしまう。その時が来るのも、もはや時間の問題となった・・・。
もう、いつものごとくと言って良いだろうか・・・。
一応、戦闘態勢も整っている状態だ。人間どもが攻め込んできても、返り討ちにもできる。
今言えるのは、人間どもに対する戦略をどうするかだ。

そして・・・やはりだ。やはり、人間どもは迫って来た。
我らの支配下である人間世界を解放している・・・。
部下である魔物も、簡単に倒されていた・・・。簡単にな・・・。
簡単・・・人間どもは我ら魔王を超える異常な力をつけている事・・・。
人間どもの力も異常だが、人間どもに倒されたあいつらも異常とも言える・・・。
いったい、どちらが異常なのか?・・・考えていたら、頭が痛くなってきた・・・。複雑だ・・・。
「オルゴ・デミーラ様!」
「なんだ、バラモスか。何の用だ。」
「人間どもが・・・人間どもが、ついに世界の4分の1を解放しました!!」
「な、なんだと!?」
「それも我々が人間世界を支配してから、間もありません!あっと言う間です!」
「具体的に言うと、何日でそれだけ解放したのだ?」
「それが・・・たったの3日です!支配してからたったの3日で解放されてしまったんです!」
「むう・・・支配されても、なお攻めて来る人間どものしぶとさはわかっていたが、これほどまでに至っていたとは・・・。3日で、4分の1・・・。ぬぬぬ・・・!」
「オルゴ・デミーラ様!どう処理いたしましょうか!?」
「お前らにまかせる!今はどう処理するにしろ、お前の話を聞いて考える能力も欠如した!」
「す、すいません!私のせいで・・・。」
「もう良い!バラモス!ミルドラースとエスタークを呼び、ただちに戦闘態勢を整えよ!今はそれだけしか言いようが無い!頼んだぞ!!もう時間が無い!!」
「ははっ!ただちに対策をねります!」
・・・人間どもは、おぞましいほどの力つけている・・・。いや、つけすぎている!!
人間世界の支配・・・ここまで来たからには、なんとしても成功させねば・・・。
私の痛恨の心も、一刻も早く解き放たねば・・・!

そして、10日が経った・・・。長いと言うか、短いと言うか・・・それでも聞きたくない情報を聞いた。
「オルゴ・デミーラ様!大変でございます!」
「む、ミルドラースか。大変なことだと?言ってみろ。」
「ついに人間どもは、全世界を解放しました!!」
「やはりな・・・。人間どものことだ。一応予測はしていたが・・・。」
「え!オルゴ・デミーラ様はあらかじめ予測していたんですか!?」
「私を誰だと思っている。」
「さすがでございます!オルゴ・デミーラ様!と言うことは、解放された後のシミュレーションも考えているんですよね?」
「当たり前だ。だが、自信がない・・・。人間どもの力は異常すぎる・・・。もしや、お前も・・・。」
「オルゴ・デミーラ様、ご安心を!すでにバラモスが、人間どもに攻撃をしかけています!」
「な、なんだと!?もう、攻撃をしかけているのか!?」
「バラモスが戦っている間に、この私が最後の攻撃を加えるのです!」
「なんと言う戦法だ・・・。そういえば、エスタークはどうしたのだ?」
「それが・・・どこかへ行ってしまいました。いったい何を考えているのか・・・。」
「まあ良い。あとはまかせたぞ!!」
「わかりました!かならずや、人間どもを抹殺してやります!!」

そして、エスタークが行方不明により戦闘能力が落ちてしまった・・・。
なんとかなるのだろうか・・・。
太古の魔王とは言え、いまだにわからん・・・。奴の考えが・・・。

2時間が経った。戦いも終わりを告げる頃だ。しかし、成功ではなかった・・・。
バラモスも、ミルドラースも、人間どもに倒されたらしい・・・。奴らの「気」は、感じ取れなくなった・・・。
エスタークの「気」も感じ取れなくなった・・・。どこかで死んだか、どこか遠い場所をさまよっているか・・・。
エスターク・・・謎に包まれた魔王・・・。そして、この私の痛恨の心・・・。
なんとかして、解き放たねば・・・。私のこの怒り・・・!人間どもを必ず消さなければならぬ!!!
                                第5章 完

inserted by FC2 system