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ドラゴンクエストZ オルゴ・デミーラの歩み 第4章 前編

「なぜ我ら魔王が、あんな人間どもに次々とやられなければならないのだ!!」
怒りのせいか、そんな言葉をはなった私であった。
この怒りの意味が分かるか?第1章から読んでいる者ならわかるだろう。
おっと、無駄口たたいている場合ではない。それでは、教えてやろう。この怒りの意味を。

今からちょうど1年前だろうか。闇の大魔王「ゾーマ」が倒されたのだ。こいつで、3人目の犠牲者だ。
ゾーマが敗れるような条件も、確認できなかった。
大魔王でありながら、こぞかしい人間どもに負けたのだからな。

そして、ある日の事だ。
力と野望のためにすべてを捨てた魔王、「デスピサロ」が現れた。
彼は、今まさに完全体と化していた。
「オルゴ・デミーラ」さま、この私に人間どもの討伐をやらせてほしい。」
デスピサロは、いきなりそう言ったのだ。さらに、
「私の他に、もうひとり魔王を加えてもらえませんか?」
「もうひとり?」デスピサロは、魔王二人の戦力で人間どもを一気にたたく、と言うことらしい。
そこで、デスピサロに尋ねてみた。
「一体誰に頼むと言うのだ?今となっては、我が戦力はわずかしかないと言うのにか・・・。」
デスピサロは、意外な答えを放った。
「太古に封印されし魔王、「エスターク」をよみがえらせ、戦力として加えるのです。」
「な、なんだと!?」
余りに意外すぎた答えに、驚いてしまった。
あのエスタークをよみがえらせると言うのだ。だが、どうやって?
しかし、人間どもが滅びるならどんな方法でも良かった。そこでデスピサロに、
「復活の儀式の準備をするのだ!エスタークをよみがえらせろ!」
「わかりました!」

こうして私は、エスタークがいまだ封印されていると言う土地へ、向かった。
どんな場所に封印されたかと思ったが、あんな廃墟に封印されていたとは・・・。
なんらかの争いによって、封印されたとみた。廃墟の建物は、あまりにひどい事になっていた。
建物のほとんどが、内部までをも破壊されていた。
それほどの力を持つエスタークがなぜ封印されたのか・・・?
とにかく復活させねば・・・。私は、そう思っていた。
そして、ついに儀式が行われた。
「太古に封印されし魔王エスタークよ!今こそ目覚める時だ!
その邪悪な力を人間どもに思い知らせてやるのだ!
我ら魔王の天下にするために、そなたの力を借りたいのだ!
さあ、いざよみがえろ!魔王エスターク!!!」

私がそう言った後、激しい地響きが起こった。地響きの後に、地面から何かが現れた!
「グウオオオオ・・・!」
何かのおたけびが聞こえた。それは、まぎれもなくエスタークの声だった。
エスタークはよみがえったのだ!
「エスターク。・・・エスターク!・・・私だ。・・・魔王オルゴ・デミーラだ。」
私が呼びかけると、エスタークは反応してくれた。
「・・・我を目覚めさせたのは、・・・誰だ?・・・ここは、どこだ・・・。」
「ここは何百年も経った、お前が破壊させた土地だ。」
「・・・人間どもは?やつらは、我と共に絶滅したはずでは・・・。」
「いや、人間どもはいまだ生きている。そのために、お前をよみがえらせた。
今こそお前が、もう一度力を使う時だ。」
「人間どもが、いまだ生きている・・・?我の力を使う時・・・。」
「そうだ。お前の力があれば、人間どもを世の中から消すことが出来る!」
「・・・人間が生きていると分かった以上、行動を開始しなければならぬ・・・。」
エスタークはそう言うと、いきなり人間どもの土地へ歩き始めたのだ・・・。
「・・・人間どもを消さなければ・・・。・・・我の気は・・・おさえられん!」
エスタークは何を考えているのか・・・。とても、想像できたものではなかった・・・。
「オルゴ・デミーラさま、この先どうすればいいのですか?」
「デスピサロよ。とりあえず、お前は戦闘準備だ。
エスタークのことだ。すぐに、人間どもの町を支配していることだろう・・・。」

どうやらこの小説は、少々長くなりそうだ・・・。
この小説を前編とし、この続きは後編に書くとしよう・・・。

                                第4章 完

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