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ドラゴンクエストZ オルゴ・デミーラの歩み 第3章

私はこれほど人間を恨んだことは無かった・・・・。
りゅうおうに続いて、ハーゴン、そしてシドーまでがやられたのだからな・・・。
だが、他にも魔王はいる。頼りにもしている。そして、仲間でもあった。そう思いたかった・・・。
今では、信頼すらできなくなってしまったのだ・・・。
魔王が人間に敗れる。このことに、大きな怒りを感じていたのだ・・・。
とにかく、人間どもをこの世から消したい気持ちだった・・・。
そんな時、しびれをきらしたのだろうか、また、一人の魔王が動き出した。
様子をうかがってみたが、なんと戦闘準備をしている!魔物を集め、自らの装備も整え・・・。
私の気持ちが通じたか、それとも人間どもを消したいからか。
まあ、そんなことはどうでもよかった。
この魔王は、闇の大魔王「ゾーマ」である。
昔から、その名に恥じない働きをしていた。期待はしているが、やはり信用ができなかった。
この時、人間たちの風景は変わっていた・・・。
幼い子供だろうが、年老いたじいさんだろうが、「職業」を持ち始める者が、大勢いたのだ。
戦士、魔法使い、僧侶、舞踏家、吟遊詩人・・・・。
我々にとって、最もやっかいな人間どもが増えてきた・・・。
しかし、ゾーマはそんなことはお構い無しと言わんばかりに、大勢の魔物を世界に送り込み、
ゾーマは、「はっはっは!人間どもは、この私がかたずけようぞ!オルゴ・デミーラさま!」
と、言い残してどこかへ行ってしまった・・・。
うぬぼれていたようだが、一応期待はしている。
そして、世界はあっという間に、魔物に埋め尽くされてしまった・・・。
さすがは、闇の大魔王。腕は確かだった。
「うむ、ゾーマよ。よくやった。世界中を魔物達に支配させたそうではないか。」
そう言うと、ゾーマは、
「いやいや。光栄に思います、オルゴ・デミーラ様。
今頃は、魔物達が、人間どもの町を破壊しているころでしょう!」
この一言を聞いて、ふと、いやな胸騒ぎがした。そこで、ゾーマにこう言った。
「と言うと、人間どもはまだ生きていると言うことか?魔物達に地道に殺させると言うのか?」
「その通りです。もちろん、私も戦うことを考えています。まあ、そんなことは無いとは思いますが。」
だが、万が一のことを考えると、ゾーマには戦闘準備を試みたほうがいいと考えた。
そこで私は、ゾーマを人間世界へ送り込み、どこかの城で待機するように言った。
それから数日後、いやな胸騒ぎが的中する事件が起きてしまった。
魔物達が支配する町は、どんどん解放されていき、魔物達は死んでいってしまった、と言うことだ。
これを聞いた私は、すぐに怒りに包まれた。
この事件の元凶は、人間どもだとだいたい想像もついた。
すぐに、ゾーマにこう言った。
「お前が支配した町は、人間どもに解放されつつある。お前の所へくるのも時間の問題だ。
すぐ、戦闘準備をしろ!!」

こうして、運命のときは来てしまった。
すべての町は解放され、人間どもはついに、ゾーマのもとへとたどりついた。
激戦は、始まりを迎えた。りゅうおうやハーゴンの時とは、比べ物にならないほどであった。
ゾーマは、あらゆる攻撃で人間どもを苦しめ、絶望のふちに追いやることはできたが、
なかなか倒せない。
そして、ついにはゾーマも敗れてしまったのだ・・・・。
闇の大魔王が、敗北・・・。とても信じがたい結果で終わってしまった・・・。
人間世界は元に戻り、ゾーマの遺体も無残にも消えうせていた。
遺体もろとも、あの世へ行ったのだろうか・・・・。

このできごとから、私の心に第2の痛恨の心が芽生えた。
我が心が、痛恨の心でつつまれるのも、そう遠くは無いであろう・・・。
                                  第3章 完

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