戻る TOPへ

・・自由都市マイア
ジャドから脱出した一行はこのマイアにやってきた。
「着いた〜。」
「さて、どうする?」
「とりあえず、このままフォルセナに行こうぜ。」
「そうか。デュランはそこの出身だったよね。」
「ああ。一回、英雄王様に会ってみようぜ。」
「・・。」
「アンジェラしゃん?」
「えっ!?」
「どうしたんですか?」
「アタシ・・アルテナの出身でしょ?なんか、行きにくくて。」
「別にいいと思うよ。そんな事言うなら、僕だって国籍不明なんだし。」
「イクスの言うとおりだ、英雄王様はそんなの気にしないお方だ。」
「俺も、行ってみたい。」
「・・なあ。その前にいくつかに別れて、情報集めないか?」
「そうだね。じゃあ、三つに別れよう。」
「OK。」
というわけで、
デュランとアンジェラ、ケヴィンとシャルロットとホークアイ、イクスとリース
三組に別れて行動した。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
聖剣伝説 〜神龍の皇子〜
第四話 地底での戦い
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

・・十分後
「どう?なんかわか・・どうしたの?シャル。」
いつの間にかあだ名が付いた。
「うう・・おじいちゃんが・おじいちゃんがぁ・・。」
シャルロットは大泣きしてた。
「司祭様が倒れたんだって。」
「えっ!?」
「結界を張り直した事で体に反動が来たそうだ。」
「そう・・。」
「イクス達は?」
「いい情報じゃないけど、この先の家で、移動用大砲作っている人が居るんだ。」
「はあ?」
「あの、デュランさん達は?」
「まだだけど・・。」
「おーい!大変だ!!」
二人が走ってきた。
「どうした?そんなに慌てて。」
「アルテナが・・アルテナの兵がフォルセナに向かってるって。」
「!?」
「なんだって!?」
「まずいね・・魔法は距離があっても使えるから剣じゃ不利だよ。」
「とにかく、フォルセナに急ぎましょ。」
「急ぐ。」
「意義無し。」
こうしてイクス達はフォルセナへ向かった。

・・大地の裂け目
「ここを渡れば、フォルセナはすぐだ。」
「・・ねえ、あれって。」
「!!アルテナ兵!?」
「奴ら、ここまで来てたか。」
「アンジェラ王女。理の女王様より、貴方に抹殺命令が出ています。」
「そんな!?」
「実の娘を・・。」
「・・。」
「お前達も仲間だな。おい、魔兵器を使う。橋に閉じ込める結界を張れ!」
『はっ!!』
アルテナ兵が離れて、ロボットが出てくる。
「な、なんだ!?」
「あれは・・マシンゴーレムR!?アルテナで開発された魔法兵器よ!」
「ヤルっきゃ・・。」
「無いみたいだね。」
全員が武器を取る。
「イクス、作戦は?」
「デュラン、ホーク、シャルは右を。僕とリース、ケヴィンは左だ!」
「アタシは?」
「アンジェラは魔法で援護。」
「OK♪」
『馬鹿な!?王女は魔法が使えないはず!』
結界の外のアルテナ兵が動揺する。
「今までのアタシと思わないでよ!ホーリーボール!!」
シュゥゥゥゥィィィィン!!
マシンゴーレムR達が吹っ飛ぶ。
「行くよ!」
『オーー!!』
イクス達が二手に別れる。アンジェラは魔法を連射する。
「この!!」
バキッ!
デュランの斬撃でMゴーレムRがふらつく。
「シャル、行くぞ!」
「でち!!」
ドカッ!!ズバッ
ドサーーン!
「まず一体!」
・・一方、
「ウォォォォォォォ!」
ドカッ!バキッ!!
夜のため、変身したケヴィンが猛攻撃をしていた。
「ケヴィンどいて!・・乱射!!」
シュパパパパ・・
ドドドド・・
イクスが放った無数の矢がMゴーレムRの間接部を貫く。
「今だよ!リース!!」
「はい!!」
ズバーーン!!
「やった♪」
ピコン、ピコン・・
「なんだ?」
『まずい!?爆発するぞ!全員退避!!』
「ば、爆発!?」
ドカーーーーン!!
ヒュゥゥゥゥ・・
「イタタタ・・みんな、無事?」
「大丈夫です。」
「・・橋が!!」
そう、フォルセナとマイアを繋ぐ橋が落ちてしまったのだ。
「今の爆発だな。」
「この距離じゃ向こうに渡るのは不可能だね。」
「ごめんね・・アタシのせいで・・。」
「・・お前は気にするな。」
「デュラン・・。」
「デュランの言うとおりだ。他にも方法があるはずだ。」
「とりあえず、マイアに戻りましょう。」
「そうだね。今ので、かなり体力を使ったから・・。」
「さんせいでち。」
「俺・・疲れた。」
「行こう。」
「(フォルセナ・・俺達が到着するまで、もってくれよ。)」

翌日
・・マイア
「それで、どうする?」
「とにかく、イクス達が帰るのを・・。」
ガチャッ
「どうだった?」
「うん、協力はしてくれるって。」
「本当か!」
「うん。・・ただ。」
「ただ?」
「大砲に使うドワーフの『ニトロの火薬』が無いからとってきてくれだって。」
「『ニトロの火薬』ってどこにあるんだ?」
「聞いたんですけど、大地の裂け目付近の洞窟に入り口があるそうです。」
「あの洞窟か。・・よし、行こうぜ。」
「そうだな。」

・・大地の避け目
イクス達は洞窟で入り口を探す。
「入り口なんて、どこにもないぜ。」
「変ですね・・。」
「(オレにお任せッス。)」
「ウィスプ?」
ウィスプが出てくる。
『ここは岩に混ざった宝石の光の屈折を利用して幻をみせてるんッスよ。』
「そうなんだ。なんとかできる?」
『お任せッス♪』
ヒュォォン・・
『じゃーん!これが真実の姿。ドワーフのトンネルへの入り口ッス。』
「よし、行こう。」
『あっ、それとここにはノームが居るッス。』
「ノームが?・・なら、なおさら行かないとね。」

・・ドワーフのトンネル
「・・あっ、あそこに誰か居る。」
「アイツに『ニトロの火薬』の事を聞こうぜ。」
イクス達はドワーフに近づく。
「すいません。『ニトロの火薬』って誰が持ってるんですか?」
「おお、それならワッツが持ってるだ。」
「そのワッツさんは何処に?」
「この奥にいると思うで。ほれ、今、ここさ、あけてやっから。」
カン、カン、カン、ボンッ!!
「なんだ?だらしのない連中だ。じゃあ、気をつけるだ。」
ドワーフは帰っていった。
「イタタタ・・みんな、大丈夫か?」
「え、えぇ。」
「なんとか・・な。」
「俺、平気。」
「ひどいひとでち。」
「・・とにかく、これで先に進めるね。」
「そうだな。行こう。」

・・ダンジョン
「これ・・何?」
ツンツン
イクスは何やらボールの様な物を弓で突っついている。
「おい・・それ。」
「ん?」
ムクッ
「モールベア・・モンスターだ。」
「へっ?」
ギロッ
ガリガリガリ・・
「ギャーーー!!」

・・数分後
イクスの顔、傷だらけ。
・・しかも後ろに串刺しのモールベア
「イッタ〜。」
「ヒールライトでち。」
キララララ・・
「ありがとっ。」
「それにしても、ワッツはどこにいるんだ?」
「みなしゃん、こっちでし。」
「シャル、どうした?」
「あしあとでち。」
「足跡?・・ホントだ。」
「こっちに行ったみたいですね。」
「よし、行こう。」

・・空洞
「あっ、居た。」
そこにいたのは、ドワーフのワッツだった。
「なんだべ?アンタ達。」
「ワッツさんですよね?」
「んだ。」
「すいません、『ニトロの火薬』ありますか?」
「『ニトロの火薬』?ああ、持ってるべ。・・5000ルクでどうだ?」
「金取るのか!?」
「やっぱり商人だね。」
「でも、そんなにもってないでち?」
「なら3000でどうだ?」
「・・。」
「ならまた今度出直すだ。」
「チッ(コイツ、絞めちまおうか?)。」
「(そしたらマズイでしょ!)」
「ところでワッツさん。ノームって知ってる?」
「ノーム様はここにいるはずだったのにいらっしゃらない。」
「何ーー!?」
「だから、探しにいくべ!」
ワッツはそのまま奥に行ってしまった。
「どうする?」
「おいかけよう。何が何でも『ニトロの火薬』ゲットしなきゃな。」
「ホークの言うとおりだね。行こう。」

・・一番奥の部屋
「随分広い場所に来たね。」
「どうしたんですか?」
「こ、こんな場所、昔はなかったはずだ。」
「えっ?じゃあ、どうして・・。」
グォォォォォォ・・
「ヒィィ!?い、今の聞いただか?は、早く逃げるだ!!」
ワッツは一目散に逃げた。
ガコンッ
「閉じ込められた!?」
「なんか、前にもこんなパターンが・・。」
「そんな事言ってる場合じゃありません・・来ますよ!」
ジュエルイーター出現!
「モールベアの・・お父さん?」
「違うんじゃねえか?似てるけど・・。」
「ボヤボヤ言ってる場合じゃないわよ!」
「・・確かに。」
グォォォォォォォォォ!!
「なんか・・おこってるでし。」
「大方、寝ていたのを起こされて機嫌が悪いんだろ?」
「・・俺、気持ち分かる。」
「んな事言っとる場合かーーー!」
グォォォォォォォォォ!!
「あ、あれ?」
「体が・・。」
ケヴィンとホークアイの動きが遅くなった。
「しまった!『スピードダウン』か!?」
「何それ?」
スピードダウン・・補助魔法の一種で動きが一時的に遅くなる呪文である。
「まずい・・アンジェラは魔法で二人の援護、他の皆は攻撃だ!」
「なんでアタシだけ?」
「頼りにしてるよ。」
「ま、任せなさい♪」
どうやら頼られる事が嬉しいらしい。
「(デュラン、彼女の援護宜しく。)」
「(・・おお。)」
密かにデュランに頼んでるし・・。
「ハッ!」
ヒュン・・ザクッ!
ジュエルイーターの腕にイクスの矢が刺さる。
「でちでち!」
ドカッ!
「エイッ!」
ズバッ!
グォォォォォォォォォ!!
『ぶちかまし』発動!
「キャァァァ!?」
「アンジャラ!」
バッ・・
デュランはアンジェラを抱えて横に避けた。
「あ、ありがとう。」
「気を付け・・ホークアイ!?ケヴィン!?」
時既に遅し・・二人は吹き飛び、気絶していた。
「二人も戦闘に参加して!」
「分かった(わ)!」
ドカッ!バキッ!ズバッ!
グォォォォォォォォォ・・ズゥゥゥゥゥゥン!
ジュエルイーターはそのまま崩れ落ちた。
「フゥ〜〜、なんとか倒したな。」
ググググ・・
ジュエルイーターはまた起き上がろうとする。
「しぶてぇな・・とどめ・・。」
「待って!」
イクスがデュランを止める。
「なんで止めるんだ!」
「・・あれ。」
「えっ?」
ウゥゥゥゥゥゥ・・
ジュエルイーターを庇いながら、威嚇する小さいジュエルイーター達
「この子達、子供?」
「コイツ等・・。親を助けようと・・。」
「・・」
ヒュィィィィィン!
光龍石が輝き出す。
「・・来て・・オードリューク!」
ヒィィィィィィィィン!
現れたのは赤いマントを羽織った一角獣だった。
「イクス!?」
『ライヴホーン・・』
パァァァァァァ・・
オードリュークの角が放った光がジュエルイーターを癒した。
ググ?
「ありがとう。」
フッ・・
光を放った後、オードリュークは幻だった様に消え去った。
「お前・・子供を守ってたんだな。」
ジュエルイーターの頬を撫でるイクス。
・・ヒャッヒャッヒャッ・・中々面白い小僧じゃわい・・
「誰!?」
ポンッポンッ
穴の奥から老人の様な精霊が現れた。
「貴方がノーム?」
『そうじゃ。こやつはジュエルイーターと言ってのぉ。
千年に一度しか生まれんのじゃが、なぜか子供が産まれたのじゃよ。』
「それでこの子達の世話を?」
『ドワーフ達はこの子達を怖がっておるからのぉ。』
「そうだったんですか。・・ゴメンね、傷つけちゃって。」
グルルルル♪・・ペロッ、ペロッ・・
ジュエルイーターはイクスを舐める。
どうやらジュエルイーターはイクスに懐いてしまった様だ。
「アハハハ♪くすぐったいよ。」
『お前さん達、カワイコちゃんの仲間じゃろ?ワシの手伝うぞい。』
「ありがとうございます。」
『それじゃ早速。ワシの力を授けよう。』
・・・ヒュ〜〜〜ン・・・
アンジェラは≪ダイヤミサイル≫を覚えた。
『そしてこれがワシの龍晶石『土龍石』じゃ。』
ノームの龍晶石は茶色で半透明な水晶だった。
「これには何が入っているの?」
『コイツにはの、土の守護獣『グルジエフ』と剣の守護獣『エクイテス』
が封じられておる。』
「これで二つ目だ。」
「・・また、何も感じません。」
リースは自分には何も与えられない事を悩んでいる。
『嬢ちゃんや兄ちゃん達にも力は与えた。きっと使える様になるわい。』
「・・分かりました。」
グルルルル・・
バキッ!
ジュエルイーターが塞がった岩を砕いてくれた。
「ありがとう。」
グルルルル♪
「ア、 アンタ!ジュエルイーターを懐かせちまった上に
ノーム様を仲間にしただか!?」
「まあね。この子は、子供を守りたかったんだよ。
・・今度は迷惑かせさせないからね。」
「そんな凄い方とは知らず、失礼しました!
さっ、これが『ニトロの火薬』だす。」
ワッツはイクスに『ニトロの火薬』を手渡す。
「えっ?・・でも、お金は。」
「いいんだす!ノーム様のお仲間からお金もらえないだす!
さっ、入り口まで送りま・・。」
グルルルルル・・
「この子が送りたいって。」
「・・分かっただす。」

・・大地の避け目
ボコッ!!
入り口の隣に大穴が開く。
「ヨッと。」
その穴からイクス達が出てくる。
「ありがとう。子供達やドワーフ達と仲良くしてね。」
グルル
ジュエルイータ−は頷いて棲み家に帰っていった。
「さてと・・行きますか!」
「オウ!」
「俺、頑張る。」
「まっ、気楽に行くさ。」
「アルテナを止めなきゃ。」
「がんがんいくでち。」
「行きましょう。」
七人はマイアへ足を急いだ。

inserted by FC2 system