戻る TOPへ

〜あらすじ〜

記憶の失った少年イクス
彼はローラント王女リースとウェンデルを目指すが、結界に阻まれてしまう。
仕方なく、アストリアで一晩を過ごすが・・、
謎の光がアストリアで輝き、目を覚ますのだった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
聖剣伝説 〜神龍の皇子〜
第二話 出会い
――――――――――――――――――――――――――――――――――

バンッ!
勢いよく外に出るイクスとリース
しかし光は、ラビの森に向かって進んでいった。
「どうしましょうか?」
「追うよ。正体知りたいしね。」
二人は追いかけた。
・・道中、モンスターが出現したが、瞬殺したのは、言うまでも無い。

・・ラビの森最南端
光が弱まり、現れたのは・・。
「「妖精!?」」
妖精・・フェアリーだった。
「大丈夫?しっかりして!」
フェアリーは、うずくまるが、再び飛び上がった。
「・・はぁ・・はぁ・・もう大丈夫。あなたは?」
「僕?・・僕は、イクスだけど・・。」
「私はローラントの王女、リースです。」
「イクスとリースね。・・この際、しょうがないか。・・よし、決めた。」
「「???」」
イクスとリースの頭上に?マークが浮かぶ。
「お願い、私をウェンデルに連れてって。」
「えっ?・・僕達もウェンデルに行きたいけど・・。」
「結界で、先に進めないんです。」
「それは、私が居ればたぶん大丈夫よ。
さあ、急いで!マナの聖域に異変が起こっているの・・。」
「マナの聖域?・・なにそ・・。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・
「なっ、何!?」
「アストリアの方です!」
「行きましょ!・・イクス、貴方の中に入るけど、気にしないでね。」
「えっ!?ちょっと、どうゆう事・・。」
ヒュイ〜ン
「さあ、行きましょ。」
「「!!?フェアリー!?」」
「何してるの!?早く!」
「・・分かったよ。」

・・アストリア
急いで戻った二人
しかし、村は焼け、廃墟となっていた。
「ひどい・・。」
「誰がこんな・・。」
「(ビースト兵におそわれたようね。)」
「・・酷過ぎるよ。」
「(急いでこの事を司祭様に・・ウェンデルが危ない!)」
「リース、滝の方に急ごう!」
「はい!」
二人は、滝の方に駆け出した。

・・滝の洞窟手前
「・・ん?誰か居ます。」
「獣人かもしれない。僕が先に行くよ。」
「気をつけて・・。」

・・向こう側の二人
「誰か来るわ。」
「ここにいろ。俺が見て来る。」
イクスは背中の弓を構え、向こうの男も剣を構える。
「ハッ!」
ビュンッ!
イクスは狙いを定め、矢を放った。
シャッ
「クッ!?」
イクスの放った矢は剣士の肩をかすめるが、気にせず斬りかかる。
「くらえっ!!」
ザクッ
「!?」
剣士の剣がイクスの右足を斬り付けた。
「イクスさん!?」
「デュラン!?」
二人の少女が叫んだ。
「・・あれ?・・獣人・・じゃない?」
「アンタこそ違うのか?」
どうやら、人間だったようだ。

・・五分経過
「悪かったな。・・大丈夫か?」
「僕こそすまない。」
「いいじゃないの。お互い死ななかったんだから。」
「そうですね。・・そういえば、まだ自己紹介していませんね。」
「そうだな。・・俺はデュラン。フォルセナの傭兵だ。」
「アタシは、アルテナ王女のアンジェラよ。」
「私は、ローラントの王女リースです。」
「ローラントって、確かナバールに・・。」
「ええ・・そういえばアルテナとフォルセナは確か・・。」
「ちょっと訳有りでな。・・で、お前は?」
「僕はイクス、・・記憶喪失だから、出身国は分からないけど・・。」
「へ〜、記憶ないのか。」
「まあね・・で、二人はなんでウェンデルに?」
「ああ、実は・・。」

「ふ〜ん。つまりアンジェラはアルテナの王女でありながら魔法が使えず、女王である母親に生け贄として殺されかけたけどなんとか逃げ出して、
呪文を使えるようにはどうすればいいのか聞きたくて司祭様に・・。」
「ええ・・。」
「デュランは、そのアルテナの『紅蓮の魔導師』に負けて、強くなるには
『クラスチェンジ』が必要だから、方法を聞きに行くんだね?」
「そうだ・。」
「リースは国の復興と弟の行方を知りたいために、行くのね?」
「ええ・・。」
「で、イクスはどうしてだ?」
「記憶の手がかり探しと・・フェアリーの頼みで、だよ。」
「「フェアリー?」」
「あっ、そうか。まだ紹介してなかったよね?」
「そうでしたね。」
「フェアリー、出てきなよ。」
イクスから、フェアリーが現れる。
「「!!?」」
「・・実はさ・・。」

「へ〜、あの時の光はコイツだったのか。」
「まあね、それじゃあフェアリー、頼むよ。」
「もう、せっかちねぇ!ちょっと待ってて。今、結界を解くから・・。」
バチィィィン!!
「さあ、これでOKよ。」
「おっしゃ、行きますか。」

・・滝の洞窟
中は、魔物の巣だった。
「うわ〜、いっぱい居るな〜。」
「・・どうする?」
「そうだねぇ。
・・アンジェラとリースはバットム、僕とデュランがマイコニド。いい?」
「いいぜ。」
「分かったわ。」
「はい。」
「戦闘開始!」

シュッ・・ズバッ!!
ヒュン!・・ドスッ!!
ガンッ!・・ドカッ!!
ザクッ!!
デュランは直接斬りかかり、イクスは遠距離から矢で正確に貫く。
アンジェラは杖で叩き、リースは槍で突き刺す。

・・滝の見える通路
「キャーーッ!!だれかーー!!」
「ん?なんだ?」
「あっ!?あそこ!?」
前を見ると、女の子が落ちかけていた。
「ほら、捕まって!」
イクスは手を差し伸べ、少女を助けた。
「ひゅ〜、しぬかとおもったでち。
ど〜も、ありがとさんでちた。あたちはシャルロット。
このさきの、うぇんでるにすむ、びしょうじょでち。」
「美少女ねぇ。・・なんで、その美少女がこんな所にいるんだい?」
「うぅぅぅ・・だって・・・だって・・。」
シャルロットは理由を話した。

「つまり神官のヒースが心配で追いかけたけど、変な奴に連れていかれて、
帰る途中に道を間違えて落っこちたと。」
「・・みなしゃんがもうすこしおそかったら、いまごろ・・ううう・・・
なんて、かわいそうなシャルロット・・・。」
「ほら、泣くのはやめて。
僕達も光の司祭様に会いにウェンデルへ行く所だから、送って行くよ。」
「なぁんだ。あんたしゃんたちウチのおじいちゃんに、
ごようだったんでちたか!」
「・・おじいちゃん?」
「こうみえてもシャルロットは、ひかりのしさいのおまごしゃんでちから!」
「へ〜、孫娘なんだ?」
「そうでち、でもここからだったら、うぇんでるはめとはなのさきでちから、
べつにいいでち。ではでは、ばいび〜!!」
そう言って、シャルロットは去っていった。
「あのガキャー!!」
「落ち着いてよデュラン。あの子の言うとおりだとしたら、
ウェンデルはもうすぐって事だよ。」
「(急ぎましょう。)」
「おっ、おう。」

・・聖都ウェンデル
「ここが、・・ウェンデルか。」
「まだ、獣人達は来てないみたいだな。」
「(じゃあ、早く司祭様に会いにいきましょう。)」
「けどよ、もう暗いから司祭に会うのは明日にしようぜ。」
「そうだね。・・洞窟でかなり体力を消費したから。」
「それでは、宿屋に行きましょう。」
こうして、長い一日が終わった。

・・翌日
光の神殿:光の司祭がいる部屋
「あなた方が、マナの女神様の祝福を得られますように・・。」
「ありがとうございます司祭様・・。」
・・・・・・。
「・・じゃなかった!?司祭様、一大事です!ジャドとアストリアが
獣人軍に襲われました!・・アストリアは、完全に壊滅しました。」
「何!?何ということじゃ・・。」
「あのさ、司祭さんよぉ。俺達の話も聞いてくれよ。」
デュラン・アンジェラ・リースと話始めたが、
・・全滅だった。

フッ・・
フェアリーが姿を現す。
「ごめんね!私にも話させて!!司祭様、私はマナの聖域から参りました。世界からマナが減少し、聖域のマナの樹が枯れ始めています。」
「何と!大変じゃ!マナの樹が枯れれば、
マナストーンに封印されし神獣達が目覚め、世界は滅んでしまう!」
「ちょっとタンマ!?フェアリー!どういう事だよ!?」
イクスは少し混乱している。
「ごめんなさい。この世界では、誰かに取り憑いていないと死んでしまうの。
・・イクス達が来なければ今頃・・。」
「そうなのか?でも、もう平気みたいだから僕より司祭様に移ったら?」
「残念じゃがフェアリーは一度人間に憑くとその人間が死ぬまで離れんぞ。」
「えっ!?冗談じゃないよ!僕にだっていろいろ用事があるのに・・。」
「あら、ローラントを取り戻したいんなら、マナの剣があれば楽勝よ。」
「えっ!?」
突然の言葉に驚くリースと図星を言われたイクスは顔を赤らめた。
「勝手に心を読まないでよ。・・なんなの?マナの剣って・・マナの剣・・。」
「イクス?」
「マナの剣・・黄金の杖・・マナストーン・・八大精霊・・神獣・・!?」
ガクッ・・
「おい!イクス!?」
イクスは、突然膝をつき頭を抱えた。
「あ、頭が痛い・・なんで僕は・・こんな事を・・腕のあざが!?」
腕にあるあざがフェアリーに反応して輝いている。
「!!君、イクスと言ったか?ちょっとその腕を見せなさい。」
「えっ・・はい。」
イクスは、司祭に腕を見せた。
「・・やはりか。」
「なんですか?」
「・・イクス君。・・君の出身国は、『ルシフェリオス』じゃ。」
「ルシフェリオス?」
「・・かつて、マナの聖域を守護していた一族が築いた王国じゃ。」
「かつて?」
「・・その国の今の名は、『ドラゴンズホール』」
「!?・・まさか!?」
「そうじゃ。数年前まで、竜帝が支配していた場所じゃ。」
「そんな・・じゃあ、イクスさんは魔族なのですか?」
「いや・・イクス君はおそらく、ルシフェリオス王家の生き残りじゃ。」
「ルシフェリオス王家・・。」
「そうじゃ・・。」
司祭は、後ろを向いた。
「ルシフェリオスは、精霊と竜の力を持つマナを守護する一族じゃった。」
「へぇ〜。」
「じゃが、およそ百年程前にある竜により、その一族は滅ぼされてしまった。」
「その竜が・・『竜帝』?」
「うむ。・・その際、第一王子が脱出した噂があったのじゃが・・。」
「それが・・僕?」
「そうじゃ。その腕の刺青は間違いなくルシフェリオス王家の証じゃ。」
「僕が・・ルシフェリオスの王子・・。」
イクスは、自分の腕のあざを眺めた。
「ちょっとタンマ!なんで百年も昔の奴がここにいるんだ!?」
デュランがもっともな質問をした。
「・・確かに・・僕って本当はすごいお爺さんなんじゃ・・。」
イクスの後頭部に大きな汗が垂れる。
「心配は無い。おそらくイクス君は時空を越えたのじゃろう。
ルシフェリオスにはその様な秘術があると聞いた事があるからの。
そして、ルシフェリオスでも珍しい『龍人』なのじゃろうな・・。」
「龍・・人?」
「龍の力が特に濃い血筋を持つ者の事じゃ。」
「つまり・・僕は、化け物なんですか?」
「いや、『龍力』と呼ばれる能力以外は人間と同じじゃから安心しなさい。」
「・・よかった。」
「司祭様、『龍力』とは何なのですか?」
リースが質問した。
「すまないが、それは分からない・・。」
「そうですか・・。」
「・・『龍力』・・かぁ。」

・・司祭の説明後
「・・聖域に行くには、やはりマナストーンの力が必要じゃ。」
「マナストーン?」
「世界のマナを集める8つのエネルギーポイントの事じゃ。」
「それじゃあ、そのマナストーンを使えば・・。」
「・・・残念じゃが、マナストーンをコントロールする術は『禁呪』。
もはや失われた呪文なんじゃ。」
「そんな・・。」
「くそっ、お手上げかよ・・。」
「・・ちょっと待って!マナストーンの近くには、必ずその属性の精霊が
いるはずよ。彼らの力を借りれば、聖域への扉を開けるかもしれない。」
「その手があったか!お主達が通ってきた滝の洞窟の上には、
光のマナストーンがあると言われている。洞窟で光の精霊
『ウィル・オ・ウィスプ』を見たという者も多い。」
「よし、それじゃ、その洞窟に行きますか。」
「私も行きます。・・一人より二人の方がいいですよね?」
「ありがとう、リース。」
「なあフェアリー。
そのマナの女神に頼めば、俺も『クラスチェンジ』できるのか?」
「もちろん。世界最強の剣士にだってなれるわよ。」
「よっしゃ!なら俺も行くぜ!イクス。」
「うん、頼むよ。」
パンッ・・
デュランとイクスは手と手を打ち合った。
「・・ねえ、それならアタシも魔法を使えるようになる?」
「ええ。精霊達を仲間にできれば、きっと使える様になるわ。」
「やった〜。それなら、アタシも行く♪」
「そうですね。・・目的は違っても、行き先は同じです。がんばりましょう。」
バタッ!!
「ちょっとまつでち!」
扉が勢いよく開き現れたのは・・
「シャルロット!?いったい今まで何処にいたのじゃ!!」
司祭は、モンスターも真っ青な大声を出した。
「!!???!?・・司祭様、できればもう少しお静かに。
・・フェアリーも気絶しちゃいますよ。」
フェアリーは、耳を塞いで気絶しかけていた。
「ん?・・おお、すまんの。」
「ごめんでちおじいちゃん。
・・でもヒースがへんなおやじにさらわれちゃったんでち!」
「なんじゃと!?ヒースがさらわれたじゃと!」
「・・司祭様。シャルロットは、僕達が預かります。」
「イクス!?」
「どうせ、行くなといっても彼女は行くでしょう。・・それなら。」
「・・分かった。孫を頼む。」
「はい。・・そんじゃ、みんな行こう!」
「「「「オーーー(でち)!!」」」」
こうして、一行は『滝の洞窟』に向かうのだった。

イクス達がウェンデルを去った少し後
「ここがウェンデルか・・。」
「早く・・司祭に会う。」
「そうだな。」
すれ違いで、盗賊と獣人が到着したのだった。

第三話に続く

inserted by FC2 system