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「おらぁ!」
「迦楼羅の型!」
「小太刀二刀流、陰陽双打(おんみょうそうだ)!」
霊山にやってきた一行であったが、捜索中に熊に襲われてた。
しかしそれは、輝、佐之助、蒼紫の連係によりあっというまに倒されたのであった。
熊は断末魔を上げて倒れた。薫と弥彦は熊が倒れる様を見てあ然とした。
「…………あいつら、……すごすぎねえか?」
「……ええ、…………熊一匹ですらあの有様だから……。」
「佐之助と蒼紫は分かるけどよ、……輝はどうかと思うぜ。」
「ホント…………、普通の強さじゃないわ……輝さんって。」
「ああ……。」
「でも、たかが熊一匹にそこまでやらなくても……。」
「今回ばかりは、やられた熊に同情するぜ……。」
2人が冷や汗をかきながら会話してた後輝たちが2人に近寄ってきた。
「やれやれだぜ。……嬢ちゃんがやっかいなことするからこうなっちまったんだよ……。」
「私のせいなの!?」
「だってよう、ちょっとばっかし別行動をしてたら悲鳴がして、駆けつけてみたら、熊に襲われてたんだぜ。」
どうやらこの騒動は薫が起こしたようであった。
「だって、誰だって熊を見たら悲鳴あげて逃げるじゃない!?」
「……熊は普段、人との接触を嫌うが、背を向けて逃げるものをエサと思い追いかける。
 もし熊に出会ったら、後ずさりをすることだな。」
「死んだふりはダメなのか?」
「熊は雑食ですから、死んだふりは絶対にダメです。なにせ死肉だって食べますからね。」
弥彦の質問には何故か輝が答えた。
「そうなのか!?……って、なんで輝がそんな事知ってるんだ?」
「村を出る前に、村のマタギ(猟師のこと)から聞いたんです。『熊には気をつけるんだよ』って忠告を受けて。」
「そうなんだ。へぇ〜。」
「ともかく、嬢ちゃんが慌てて逃げるなんてことしなきゃ、こんな厄介ごとはなかったんだぜ。」
「……………………。」
佐之助のツッコミに薫はうなだれるのであった。
「……念の為、熊よけの鈴を身につけて行動しましょう。」
「どうしてだ?」
「蒼紫さんが言ったように、熊は人との接触を嫌がってますから、鈴の音を聞くと、怖がって逃げるそうなんです。
 これも、マタギから聞きました。」
「……そうだな。」
「仕方ないわね。」
「ともかく別々に行動するのは危険だ。ここからは固まって行動した方が良い。」
「そうですね。根津なんかの手下なんかよりも熊の方が厄介ですからね。」
そして一行は再び霊山の捜索を開始するのであった。
山に入ってからいきなり天狗の面を被った者が現れ「立ち去れ、立ち去らなくば死より恐ろしい目に遭うぞ。」という
脅しを受けたが、そんなことはお構いなく進むのである。
こんな危険な所に一体何があるのかという疑問を抱きながら。

第11話 破戒の兄弟

「こんな危険な所であいつら、一体なに仕出かしてんだ?」
「それは、あれにあると思う。」
蒼紫が指差した先には山頂に建つ寺があった。
「なるほどな。あそこに何かあるってわけだ。」
佐之助は納得した。
「あの寺か……。」
「見たところ普通のお寺だけど、もしかしたら前みたいなことがあるかもね。」
「ええ、つらいでしょうけど行ってみましょう。」
一行は山頂の寺を目指して歩き始めた。途中休憩をしたり、狼などに襲われたりしたが
やはり問題なく解決していった。

やっとのことで山頂の寺に着いたが、中はいたって普通の寺のようであるが少し暗い。
「なんにもなさそうだな……。」
「辺りをくまなく調べてみましょう。」
「ここはあまり危険はない。……別々に行動してもいいだろう。」
そうして5人は別々に辺りをくまなく調べた。
…………数分後。
「……ちぇ、鍵がかかってらあ。」
弥彦は鍵がかかった扉を見つけたが、どうあっても開かないので新たに散策を始めた。
「!」
輝が壁を触れ続けて調べてたら壁がへこみ、近くで音がするとなんとそこから隠し通路が現れた。
「輝さん!」
音を聞きつけて薫たちがやってきた。輝は何も言わずコクンとうなづいて通路を通った。
その先には鍵が大事そうに置かれていた。
「鍵……ですね。」
「なあ、それってあの扉に使うんじゃねえのか?」
「あの扉?」
「さっき鍵がかかってる扉を見つけたんだ。……もしかしたら……。」
弥彦が言うように輝たちは鍵を手にその扉へと向かい鍵穴に先程見つけた鍵を差し込むと
カチャリという音が鳴った。そして扉を開けるとそこは洞窟のようになっていた。
「こんな寺にこんなモンがあるなんて……。」
「とにかく行ってみましょう。」
一行は階段を下がり寺の地下へと向かって行った。
地下はさらに深くなっておりいかにも何かを隠しているという感じがしてきた。
すると途中で別れ道にあった。
「どっちに行けばいいんだ?」
「私、右から見てみます。
 ……………………行き止まりみたいですね。」
「ホントか!?」
「……輝の言うと通り、右側は行き止まりのようだ。岩が道を塞いでいる。
 左には突き当たりに通路の入り口らしきものがある。」
「じゃ、そっちに行っていようぜ。って、なんで輝の言ってる通りなんだ!?」
「かなり目が良いんだ……。」
薫は驚いた。蒼紫は御庭番衆ゆえ物を見る訓練をするため視力は良い方である。(作者推測)
となれば御庭番衆でもない輝が遠くを見れることに薫たちはますます輝に対して疑問を持ってしまったのである。
しかし記憶喪失の人に聞いても意味ないため質問するのをやめた。
当の本人はもちろん答えを出せないし、前にも言ったように無理に考えれば頭痛が起こるため考えなかった。
そして一行は空洞へと入っていった。
その先には見たこともない花が当たり一面に咲き乱れていた。
「わあ、きれーい(ハート)こんな地下に、花が咲いてるなんて。」
「でも、なんでこんな所で花なんて……。」
輝は花に疑問を持ち、薫は花に見とれていたその時
「なっ、何をしているのですっ!」
突然槍を持った坊主に声をかけられてた。
「あっ……ごめんなさい。」
「うう……、隠しておいた鍵まで見つけて、この地下庭園にまで来るなんて……、生かして返すわけには行きませんっ。」
「そのアセリ方……尋常じゃねえな。この花には、何か秘密でもあるってか。」
「ななっ、そっ、そんなっ!」
「図星かい。」
「うっ、うるさーい!かかれーーーーっ!」
坊主の掛け声と共に天狗の面を被ったものやカギツメを持った男どもが現れた。

「せい!、ぐお!」
天狗の面の男の攻撃を輝はかわしスキあらばかかと落しを決めて倒した。
「次っ!やあ!」
さらに2人目の面を叩き切った後蹴りを決めて倒した。
「はあ!」
「……甘いな!」
カギツメの男の攻撃は蒼紫には当たらず逆に小太刀で切りつけられて終わった。
「くうっ!」
「ふん!」
相手に隙を与えず蒼紫はもうひとりのカギツメの男も倒した。
「ううっ……。」
「次はてめえの番だ!」
「この!くらえ!」
坊主は槍で佐之助を切りつけるがいとも簡単に受け止められてしまった。
「へっ、穴山の方が強かったぜ!おらあ!!」
佐之助は豪快に槍を持ち上げ坊主を地面におもいっきり叩きつけた。
「うっ……ううっ……。!?」
坊主が槍の先を見てみるといつのまにか柄をバラバラに刻まれていて槍は使い物にならなくなっていた。
どうやら輝が切ったようだ。
「これでおしまいよ!」
「ひぃぃぃ……!」
坊主は打つ手がなくなり怯えた。
「それにしても、この地下庭園のことで襲いかかって来るなんて……。」
「こんなにアセるってことは、こいつも根津や穴山の仲間なのか。」
「それにしても、この花畑とどういう関係があるっていうのよ。」
「私もそう思いました。こんな所で作ってること自体を疑問に思ってましたし……。」
「さあな。そいつに直接、聞けばいい。」
「そうだな、おい!」
佐之助は坊主の怒鳴りつけた。
「い、いえませんっ!」
「ホウ、もっと痛い目にあいたいってんだな?」
口を割ろうとしない坊主に対して佐之助は指をポキポキ鳴らす。
「ひぃぃぃ!い、いいます!こ、この地下庭園の花には幻覚作用があるんです。
 わ、私たちは、この花を栽培するのが仕事なのですぅ。」
「なんですって!?それで、この花を増やして、どうするの!?」
「こ、工場に持っていって、加工して……、より純度の高い、強い作用を持つ薬を作るそうです。」
「工場って、どこにあるの?」
「ひっ!わ、私は知りませんっ!ご主人様なら、きっと知っているでしょうが……、私は知らないんですっ。」
「主人だと?そいつぁ、この近くにいるのか?」
「い、いますともっ!も、もう許してください。これ以上はしゃべれませーんっ。」
坊主はすたこらさっさと逃げていった。
「十分だな。」
「そうですね。」
蒼紫の意見に輝たちは賛同した。
「じゃあ、一応、花を摘んでいこうぜ。」
「ええ、あとで恵さんに見てもらいましょう。」
薫は花を一輪摘んで大事にしまった。
「さて、ご主人様とやらを探しに行くか。」
そして一行は地下庭園を出た。
「!」
地下庭園を出た後またしても輝と蒼紫が遠くから何かを見た。
「どうしたんだ、輝?」
「向こう側、前は行き止まりだったのに、岩が動いていて通路があらわになっているわ。」
「……となると、あいつらそこへ逃げていったんだな。」
輝たちは地下庭園とは正反対の方向の通路へと向かった。
その先はさらに地下へとつながっていた。花を隠して栽培する為だけでなくアジトとしての目的も兼ねて利用しているようだ。
「結構入り組んでるんだな。」
簡単なようで複雑な洞窟を進み抜き、輝たちはさらに地下へと降りていく。
そして輝たちが先に進んで橋のようになっていて下は断崖絶壁となっている所に出るとそこには背丈が大小分かれている
男2人がいた。
「なんだ?てめえらは!?」
大男は輝たちに怒鳴りつける。
「ハハア、根津のいってたのは、おまえらのことだな。愚僧達をかぎ回る怪しいヤツ!」
「あの坊さんのいってた主人ってのは、おまえのことだな!」
「てめえら根津の仲間だろ?ケッタイな花作りやがって……、いったい、何を企んでやがるんだ!?」
すると小男はほくそえみながら言った。
「クックック……わが名は清海(せいかい)。そして弟の伊三(いさ)だ。
 我らが望むのは、我らが生きていた時代を再び取り戻すことのみ。」
「てめえらが生きていた時代だと?」
佐之助は少々驚いた。
「あなた達が生きていた時代ってなんなの?」
「オシャベリは終わりだ!いくぞ、兄者!」
「くっ!」
訳を聞かせてくれないまま戦闘へと入っていった。

「デカイのは任せろ!」
「じゃあ、清海は私が!」
清海は輝、伊三は佐之助が戦うことになった。
清海は体に巻きつけてある数珠を駆使して輝に攻撃を仕掛けてきた。
背丈は弥彦より僅かに小さいが、巧みな動きを駆使して襲い掛かってくるのであるが輝は苦もなく過ごしていく。
一方伊三は巨体を生かした力強い攻撃を仕掛けてくる。しかし動きが遅いためか佐之には簡単にかわせるのであった。
しかし動きが遅い分、破壊力は申し分なかった。
「ちっ!あの金棒に当たったら骨が砕かれちまうぜ!」
「回転跳飛弾(かいてんちょうひだん)!」
「なんの!回転には回転よ!吉祥の型!」
輝と清海の技がぶつかりあった。結果は……
「ぐわ!」
輝が勝利する。柔軟なためか回転の勢いが清海の技を上回っていたのである。
「兄者!……おのれ!!」
伊三は怒りに身を任せ佐之助に思い切り金棒を振った。しかし簡単にかわさた。
「遅えんだよ!おぉらあぁぁ!!」
佐之助の渾身の正拳が伊三の顔面を直撃し、その勢いで伊三は体制を崩した。
「うお……。……ぬおおっ!こ……これしきのことでぇっ!」
しかし伊三はすぐに体制を整える。しかし自棄になっているのか金棒をものすごい勢いで振り回し駆け込んでくる。
「危ねえ!」
「…………………………。」
弥彦と蒼紫はさっと攻撃をかわすと伊三は勢い余って壁に激突した。
「や……やめんか、伊三!おまえの巨体が、こんな洞窟の中で暴れまわったら……。」
清海は伊三をなだめるが伊三に言葉は届かず再び暴れる。
「ぐおおーーーーっ!」
「きゃあ!」
「おっと!」
薫と佐之助も攻撃をかわした。
「落ち着け、伊三!」
「がああーーーーっ!」
再び清海は伊三をなだめるがまったく聞き分けない。そして
「っ!」
輝が伊三の突進攻撃をかわすと伊三は足をくずして崖へと落ちていこうとしていた。
「うおおっ!?」
しかし伊三は自我に戻り崖に手をかけていった。
がしかし崖は伊三の体重を支えきれず崩れていき、そして伊三は谷底へとまっ逆さまに落ちていく。
「伊三ーーーーっ!!」
清海の雄たけびは空しく谷底へ響いていくだけであった。
「い、伊三…………バカめが。」
「さあ、工場の場所を教えなさい!あなた1人では私たちには勝てないわ!」
「何を言うか!我ら十勇士の邪魔をしたこと、きっと後悔させてくれる!」
清海はとっさに逃げていった。
「逃がすかぁ!」
輝たちは清海の後を追っていく。

「あいつめ!どこに行きやがったんだ?」
通路の出口付近まで来たものの清海の姿は見えずそのままでようとしたその時
「!」
「輝、どうしたんだ?……!」
出口の方を振り向くとそこには清海とカギツメを持った男達がいた。
「クックック……待っていたぞ。今度こそ、おまえらの最後だ。」
「最後だと?フザけんな!そっくりお返ししてやるぜ!」
「それはどうかな?」
すると突然輝たちの後方から炎があがり辺りは火の海と化してしまった。
「な!?」
「このままだと、おまえらは焼け死ぬ。いや、窒息するのが先かもしれんな。」
「……ヤロウ!!」
「ともかく、我々を倒さなければ、おまえらに未来はない!」
火の海の中激しい戦闘が始まろうとしていた。

「おっと!でえい!」
カギツメの攻撃をかわし弥彦はカギツメの男1をキツイ面で倒した。
「これしきのことで負けるものですか!」
薫も攻撃を受け流した後見事に胴打ちで倒した。
佐之と輝もなんの問題もなくあっというまに片付けた。
「残りはオマエだ。」
「くっ……おのれ!」
清海は蒼紫に怒涛の攻撃を仕掛けるもまったく命中しなかった。
「くっ!」
清海はいったん蒼紫から距離を置いたが蒼紫はすかさず構えを取った。そして
「小太刀二刀流、陰陽発刺(おんみょうはっし(字が違ってたら御免なさい))!」
小太刀を重ねて投げ飛ばした。清海は数珠で防御するも隙を突かれ蒼紫から拳をくらう。
「うっ!」
蒼紫は小太刀を抜き再び構えを取る。
「おのれ!おのれ!!伊三の敵を取らせてもらう!大回転強襲撃(だいかいてんきょうしゅうげき)!!」
「……小太刀二刀流、陰陽双打!」
蒼紫の技と清海の技がぶつかりあった。
結果は蒼紫は無傷で清海は数珠を切られてしまった。もう数珠は使い物にならなくなってしまった。
「か、勝てぬとは……だが、おまえらはどのみち未来はなかったようだな!」
「!?」
戦いで気付かなかったが炎は激しくなり、もはや脱出不可能となっていた。
「(!)……いいえ!未来は自分で切り開くものだからそうはいかないわ!」
すると輝は構えを取り炎に向けて
「はああ……やあ!!」
刀を振った。するとものすごい剣圧を放ち炎の一部が消えていった。
「なに!?」
あまりの光景に清海は驚いた。
「すげえ!」
「なんだかわからんがすげえぜ、輝!」
輝はたち続けて剣を振り次々と炎を消していく。
そして、辺り一面を覆っていた炎はすっかり消火された。
「……くっ!もうダメだ……に、逃げるしか……。」
清海は勝てないと知ってか逃げ出すが、どこからともなく小柄が飛んできてそれが清海に命中した。
「ぎゃああっ!」
「なにィ!?」
清海は即死してしまった。輝たち(蒼紫は除く)はあまりの出来事に少し困惑した。
「誰かいるのか!」
輝たちは辺りを見渡すが、人の気配すら感じることはなかった。
「……気配がしないわ。誰だか知らないけど、もういないみたいね。」
「チイッ!」
悔しがる佐之助をよそに蒼紫はつぶやいてきた。
「……あの男、清海……といったか。」
「おう、それがどうしたのかよ。」
「清海と、その弟伊三……。穴山、由利、そして根津……。すべて分かってきた。」
「まって!その名前、聞き覚えがあるわ。確か、真田……。」
「そうだ。真田十勇士(さなだじゅうゆうし)……。」
「なんだとぉ?真田十勇士っつったら、何百年も前の話じゃねえか。
 そんなヤツが、この明治の世にいるわけねえだろう!」
「でも、あいつら……『我らの生きていた時代を取り戻す』っていってたぜ。」
「ケッ!再び戦国時代に逆戻りしようってか。くだらねえ。
 単なる偶然っヤツに決まってらあ。」
「……ならば、いいがな。」
思わぬ敵の正体に疑問と不安を一行は感じた。それをよそに弥彦は清海の死体の辺りを見るとそこから
「何か落ちてるぜ。」
割符を発見した。そこには山が近い町が記されていた。
「清海達の割符ね。」
「ひょっとして、工場の位置が、のっているんじゃねえか!?」
「そうみたいね。図からすると、山が近くて関東の中間辺りの町といったら、……下妻町ね。」
「それだ!確かに下妻町ってのが怪しいぜ。」
「さっそく行ってみたいトコだが……いったん体制を整えた方が良いと思うが……。」
佐之助は蒼紫のほうを見た。神谷道場に戻って休みたいのだが、蒼紫がどう答えるか不安だからである。
「……蒼紫さん。」
「………………好きにするがいい。」
蒼紫は輝の顔を見て答えた。
「いいんですか?ホントに東京に一旦戻ることになりますけど……。」
「……オマエの顔にそう書いてあるからな。」
「えっ?」
「……行くぞ。」
蒼紫は先に洞窟を出るため歩き始めた。輝達も蒼紫の後を追うように洞窟を出て行った。

東京へ向かう途中輝は疑問を思い浮かべた。内容は炎を消したあの剣撃のことであった。
(あれは、なんだったのかしら?あれはもう少しで何かを掴めそうな気がしたんだけど……。
 わからない……。もっと凄い剣圧みたいだったような気がするわ……。)
そんな疑問を短い時間で考え終えて輝は歩き続けるのであった。

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