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    ハンター×ハンター エンディング            
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ジンにやっと出会えたゴン。
だが、そこには幻影旅団のクロロもそこにいた。
ジンは、無惨にも血を吐きながら無力に倒れた。
クロロはゴンを見つめながら、静かに消えた。
ゴンは、ジンに走って近寄り、静かに抱いた。


一筋の涙が

僕の頬を静かに伝った

ジンは笑顔だった


でも



笑い返すことさえもできなかったゴンは

ただ、泣いていることしかできなかった




『 ・・・・ ジン ・・・・・ 』

『 おい・・・ゴン泣くなよ。 せっかく会えたんじゃないか・・・』

『 だって・・・・だって・・・・。』




当てもない旅

ただ、伝えること

ただ、出会えると言うこと

ただ、信じること

それだけがゴンの役目

それだけがゴンの支えだった・・・。



でも、せっかく出会えた親子が今また、離れてしまおうとしている。

そう・・・・永遠に。




『 ジン・・・嫌だよ! せっかく会えたのに! 』

『 また会えるさ・・・。 そう信じてろ 』

『 そんなの嘘だ! そうやっていつまでも子供扱い・・・・。』

『 ゴン・・・・。 』


真剣眼差しでゴンを見つめるジン。
その、真剣な眼差しにゴンは言葉に詰まった。


『 ・・・・・・・うん 』

そう信じたいゴン。 だが、死へのカウントダウンは刻一刻と近づいている。
出血の多さがそれを物語っていたからだ。



『 ゴン・・・最後の母さんの事だが・・・。』

ジンは本当の事をゴンに伝えるつもりだった。
これが最後の言葉かも知れないからだ。


『 お前の母さんは・・・・ 』

『 俺の母さんはミトさんしかいないから・・・・。』

突然のゴンの意外な発言に戸間だったジンはしばらく言葉が出なかった。


『 ・・・・そっか。 お前らしい答えだ!』

『 うん・・・・・』

『 ・・・・ゴホゴホ・・・・』

ジンが咳をする度に口から血を流すのだった。
無理もない。 幻影旅団の団長クロロの念能力を喰らったお陰で、
ジンの体内に大量の念菌が繁殖していたのだった。
この念菌によって、数時間後には死ぬと言う能力だ。


『 ジン・・・・死なないで・・・・。』

『 ・・・・・・・』

ジンは言葉が出なかった。
言葉にするともうそこから会えなくなる気がしたから。


『 ジン・・・・今俺の友達に医者がいるんだ。 きっと治してくれる。』

『 ・・・・・・そうか・・・。』

『 きっと良くなるからね。』
ゴンはもう助からないと思っていたが、何かしないとこの気持ちを落ち着けられなかった。
ジンもまた、自分の命が尽きてしまうことは念能力者である以上分かり切っていることだった。
それでも、頑張るゴンの姿を見ていると気持ちが楽になった。


『 ゴン・・・・俺の命はもう残りわずかだと分かってるんだろ?』

『 ・・・・・・・ 』
ゴンは無言のまま、話を聞いていた。


『 俺を・・・楽にしてくれないか? 』
思いがけない発言にゴンは我を疑った。


『 えぇ・・・・? 』
何かの間違いか、聞き間違いかもう一度確かめるように、
そして、間違いであって欲しいと願うように再度確かめた。


『 俺を・・・殺してくれ 』
ジンの声が耳の奥に響き渡った。
と同時に、目の前が真っ白になってしまった。


『 ・・・・そんなこと出来ないよ・・・。 』
当たり前のように、再び涙を流しながら答えた。


『 俺がこの後苦しみながら死んでいけ! っと言うのか?』
すっかり笑顔の消えたジンは勇ましかった。 
ゴンは涙をこすり、首を激しく横に振った・・・。


『 そんなこと出来ない! 』
弱音の吐いたゴンは、弱々しく今にも壊れてしまいそうだった。
そんなゴンを見ていられないジンは再び重い口を開けた。


『 やれ・・・ 頼む。 俺が息が出来なくなるまで時間が待てることが出来ない・・・』
念能力者たる者、念菌にかかった人物は肺が直ぐにやられ次第に呼吸が出来なるなるのだ。
それに加え、強制的に絶状態にさせるため、一切の念も使えなくなるのがこの恐ろしい
能力なのだ。 徐々に呼吸が乱れ、必死に息を吸おうと惨めに苦しみ死んでいく。
除念師であれば、除念もたやすいが発症から数時間程度で死んでしまう、
この能力は、有望な除念師であっても、時間がないのだ。


『 頼む・・・・ 』
ゴンの目から幾多の涙がこぼれ落ちた。
ゴンからの返事はなく、ただ泣くばかりであった。


『 ねぇ・・・ジン・・・・母さんはどんな人だったの?』
泣きながらの突然のゴンの質問に笑顔で答えた。
母の事を考えると、ジンは自然に笑顔になった。


『お前の母なぁ・・・凄い優しくて、美人で、一緒にいて一番楽で・・・・・』
ゴンは笑顔のジンの首を静かに折った・・・。
鈍い音が耳に残った。 最後までジンは笑顔で死んでいった。
脱力したジンの重さが、一層重くなる。
押さえきれないゴンの気持ちは、大粒の涙となって流れていった。
この涙は、きっと様々な色をしていたのだろ思う・・・。




今、この瞬間、世界では誰かが泣いている。

小さな涙・大きな涙・怒り・悲しみいろんな色の涙を流している。

そんな、涙決して無駄にはしたくない。

だから、今小さな事から始めよう。

小さな事が、僕らには一番必要としているんだ。




END...。

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