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-FINALFANTASY X-   AFTER ED


5年後のスピラにて…Vol.5


*この話は,FINALFANTASY]INTERNATIONALの付録,アナザーストーリー『永遠のナギ節』を
全く無視した内容になっています。




お久しぶりッス!

元気?オレは毎日…ぼちぼちってとこかな…。
なんでって、毎日毎日、ハゲたおっさん(ベベルのじいさん)達に
「ザナルカンドー」だの「機械文明ー」だの質問攻めで、ユウナにもろくに会えない。
あぁぁ―――――っっっ!!これじゃぁ、スピラに帰ってきた意味ないじゃないッスかぁ―――っ!!


ンで、まずなんでオレがスピラにいるのか、説明しなくちゃいけないッスね。
実は………オレにもよくわかんない!ははは〜〜♪♪
異界にいたオレが…。どうやって戻ってこられたのか?
なんか突然、親父が「元気出せよ〜!んな?ブリッツでもやろうゼ!」
なぁんて言い出してサ。そんな気分じゃないから、
ぼーーっとしてたら、急に親父が、
「てめぇなんざ、スピラに戻っちまえっっ!!!」
ってオレのこと、崖から突き落として!
そん時、どーせ死んでんだから、どぉってこと無いと思って…、
ほら!なにしても、痛くないって言うか、異界って、そういうとこなんスよ。
で、そのまんま落ちてって、そのうち、訳わかんなくなって、
で、指笛が聞こえたような気がして目が覚めたら、水ン中で…。
あっ!オレの話、わかる?
そんで、そこが幻光河だって気づくのに、13分くらいかかったんスよ。
でも、シパーフ見た時、やっぱりココはスピラなんだ…って気が付いて…。
もうそん時は、なんでココにいるんだ?ってコトより、とにかく誰かと話がしたくて…。
ほら、異界にいる時は、話掛けても誰にも聞こえなかったじゃないッスか。
それで、とにかく話がしたくて…。
ユウナに、…ユウナに会いたくて。

最初に驚いたのは、アレ?ビサイドって、こんなに近いんだっけ?ってこと。
まぁ、ユウナがシンを倒して、モンスターが出なくなったからだと思うんだけどサ…。
あっ…という間にビサイドに着いて、皆と会って…。
ワッカなんか、まるっきりオレのこと、幽霊扱いだもんな。
ま、似たようなもんだけど…。
だけど、その時のユウナの顔は、一生忘れない。
オレのこと、ぎゅってつかんで、
「本当にキミなんだよね。幻じゃないよね?」
って…泣くんだ。
後からルールーに聞いた。ユウナ、オレがいなくなってから一度も泣かなかったって…。
でも、そんなこと、オレだって知ってた。
オレは、すぐそばで、いつもユウナを見ていたから…。
だから、泣くユウナをみるのは、ほんとに5年振りで…つい、オレもつられて
…思いっきり、泣いた。
あ!ワッカには、内緒ッスよ。


「失礼します。」
「ん?あぁ、なんスか?」
「メップ様がお呼びです。」
「んあぁぁ!?またぁ!!!」
あぁ、今オレはベベルにいるんスよ。んで、さっきも言った通り、おっさん達に色々聞かれてて…。
んで、メップっていうハゲの…じゃなかった、偉い人が取り調べ役で。
「今日は忙しいの!何回言ったら分かるかなぁ!!」
「はぁ、でも結婚式のご相談がしたいとか…。」
「………………なんでそれを早く言わないんスかぁ〜♪」
それならそうと、早く言ってくれりゃあいいのに♪♪
え?誰の結婚式かって??
誰って、その…ええっと、
…オレと…ユウナの…いや〜、照れるッス!!!
「大召喚師様の結婚式とあらば、このベベルで盛大にやらせていただきたい。」
なぁんてハゲが、じゃないメップさんが言うんだけど、
ユウナは、どうしてもブラスカさんと同じ、ビサイドで式を挙げたいんだって…。
そんなユウナの気持ち、大事にしたい。


「結婚式の相談というのは…嘘だ。」
「………は?」
「いや、そうでも言わないと、君は部屋から出てきてくれないと思ってね。」
「………………は??」
「早速だが、ザナルカンドの統制について教えてもらいたいんだが…。」
―――――――――ぷちん。
「もう何にも教えない!!ぜーんぶ忘れた!んじゃ、さいならっっ!!」
「あぁ、キミ!!待ちたまえっっっ!!」

ったく、なぁにがあなたの見方だ!なぁにが私はあなたのキモチが分かるだぁ!!
さすが、元キーリカの坊さんブリッツプレイヤー。
相変わらず、姑息な手、使うんだな。
オレ、今わかった、キーリカ・ビーストが弱かったわけ…。
一人で浮かれてたオレが馬鹿みたいじゃないッスかぁ―――っっ!!


オレは、それから、必死にザナルカンドへ向かった。
今日はそこでユウナと待ち合わせ…。あぁ、これじゃぁ遅刻だ―――っっ!!
このことが、もしルールーにでもバレたら…!
サンダガじゃすまないかもしれない。


「ユウナっ!!」


ユウナはオレのことを見て、安心したような顔をした。
オレが、またどこかへ行っちゃうんじゃないかって、心配なんだろ?
大丈夫、もう、どこにも行きゃしないって…
ずっと…、ずっとユウナのそばに、いるって…

「遅かったね。」
「わりぃ…,ほらさ?ベベルの連中が,なかなか行かせてくれなくてさ?
もうサ,早くユウナに会いたくて,これでも飛んで来たんスよ!!」
スマイル、スマイルっと!


そう。ココは、ブラスカさんとアーロンと親父、そしてオレの墓があるところ、って??
まだ、あったんだ、オレの墓。
異界にいる時、ブリッツボールぶつけて、よく、アーロンに怒られたっけ。

「親父の隣だし…。」
「そういうこと言わないの!」


…なんて言ったらいいんだ?
結婚の報告…なんて。
どうせ、3人して、その辺にいるんだろ?
オレたちのこと、見てるんだろ?
まぁ、とりあえず、大っ嫌いだ。
いつもオレを一人にして、母さんを独り占めして…。
それで美味しいとこ持っていって、勝手にいなくなって、勝手に死んで、
勝手に、突き飛ばして…。

もしかして、知ってたんだろ?
オレを、スピラに戻してくれたんだろ…?
…やっぱり、オレ、親父には、勝てないのかな。

さようなら…。そして、ありがとう……。


こんなんでいいんスかね。ヘヘ、なんかオレらしくないかな…?

そして、ブラスカさん、…いや、お義父さん。
ユウナはオレが、オレが必ず、スピラで一番幸せにして見せますっっっ!!!
スピラの人の幸せを願ってきたユウナが、
…今度はユウナが、幸せになる番ッス。

ユウナのことは、オレに任せてください。

親父のこと…頼みます。





「リュックが迎えに来るって 言ったんだろ?」
「うん。でもいいよね?マカラーニャの森まで行っても。」
「いいッスけど…じゃ,待ってて。チョコボ借りてくるから。」
「いいの!!…歩いていこ?…,手,つないで…。ネ?」
「えっ?だって,遠いッスよ…。」
「…歩きたいの…2人で……。」

「………了解ッス!!」


あの頃は、このナギ平原を、ユウナと手をつないでのんびり歩くなんて、
想像もつかなかったな。
緑がこんなにきれいだなんて、気付かなかったし…。
先へ、進まなきゃいけないってわかってても、
できれば、この平原が、
永遠に終わらなければいいと、
本気で、そう思ったりしてた。
ユウナの顔…見られなかった。
笑ってるのはわかってたけど、
ソレ見るの…
たまんなかった。
今は、ほら!
こーんな近くで、ユウナの顔見たって、
全然、平気ッス!

「えっ?…なあに?」
「ん?あぁ…ユウナの顔、かわいいなぁーと思ってサ…」
「もう、からかわないで…!」

ホントだって!
オレ、今、サイコーの気分!
で、でも、疲れる…
はぁ〜、チョコボ、借りればよかった…。


結婚式まで、一ヶ月か…。
結構、お金がかかるんだな結婚式って。
ん?!
オレ、なんか、忘れてないか?
あーーーーーーーーーー!!
忘れてる…オレ、仕事、な、ない!

ブリッツのプロプレイヤーっても、
ブリッツは、しばらく実戦から遠ざかってるし…。
チョコボレーサーには、なれそうもないし…。
ちょ、ちょっとだけ、モンスター出て来い!ってわけにはいかないし…。

まずい、ルールーに知れたら、アルテマが…!


ドッカーーーーン


(ひゃ〜!)
「ご、ごめんなさい、ごめんなさい!オレ、頑張るから!ユウナのためなら、
オレ、なんだってやるからぁ〜」


「…あ、花火!…きれい!」


「ヘェ?」



-THE END-



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