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-FINALFANTASY X-   AFTER ED



5年後のスピラにて…Vol,3


*この話は,FINALFANTASY]INTERNATIONALの付録,アナザーストーリー『永遠のナギ節』を全く無視した内容になっています。


オレの名前はワッカ。げーっごっほっほっほ……。
ちょいと昔までは、天才ブリッツプレイヤー!!―…んだったんだが、
今は、大召喚師様の天才ガードとして名を残している。
げほげほげほ…。ちぃと今は風邪ひいてるがな?

「ちょっとワッカ、大丈夫?」
お!ルー!!
ルーは今や、オレの可愛い奥さんで、子供だっている。
チャップって言うんだ。…へへ、弟の名前だがな?
「おぅ、なんとか…。げほっげほっ」
「はい、薬。いくら息子のためとはいえ、そんな格好で雪遊びするなんて。
まったく、子供じゃないんだから…。」
そうは言っててもルーは、ちゃぁんとオレのことを心配してくれている。
いやぁ、いい嫁さんを貰ったな〜〜。ちょっと、気が強いのがたまに傷だけどよ…。
「なんか、言った?」
いっ?いやいや…、何にも!!

そうそう。雪遊びってのはな?
この前、アイツとジェクトさんとブラスカ様の墓参りに行った時、
チャップに、みやげは、
「ゆきまるださん!!」
って言われて…。
ついつい断れずに、こんな格好でゆきだるまなんか造っちまった。
お陰でこの通り…げほげほ……。
「ちゃんと薬飲んでよね?いつもオレは平気〜とかなんとか言って飲まないんだから。」
「あぁ、解ってるって、ちゃぁんと飲むよぉ。」
「お父さん!!」
おっ!オレの可愛い〜ガキが、帰ってきたぜ。
「お父さん」っつうガラじゃねえって言ってるのに、ルーのやつが結構うるせえんだ…。
「なんか、言った?」
なんにも、なんにも…!
「おう、お帰り!!」
「あのね!お母さんがね!」
「ちょっとチャップ、なんであんた私より先に家に向かったのに、こんなに帰ってくるのが遅いの?」
「!お母さん…いたのぉ…?」
「なぁにぃ?いちゃいけないの?」
ルー、怖いぞぉ……。
「お、おいルー。チャップ虐めちゃだめだぞぉ?んなぁ、チャップ。」
「そうなんだよ!お父さん!お母さんったらボクのこと、いぢめるんだよぉ。」
「別に虐めてるわけじゃないでしょう?まったく、人聞きが悪いったらありゃしない…。私は、小さい頃から、ちゃんとしないと、お父さんのように…。」
「…お父さんの、ように?…」
「お父さんのように、立派な人になれないって、言ってるの!」
!!!
――…ま、そんなこんなで我家は、毎日元気にやってるわけだ。

家…といえば…。
ジャッシュが、このあいだ結婚して、家建てたんだっけなぁ〜。
ブリッツでも、結構速攻型だったけどよ、結婚も早かったな。
それが、嫁さんがすっげぇ美人で、(ま、ルーには負けっけど?)
他の仲間が羨ましがってたなぁ。
特に、キッパの羨ましがりようといったら…。
なんか、ジャッシュに掴み掛かりそうな勢いだったからなぁ。
最近様子も変だし…。
「ワッカさん、オレ、やせますっ!」とか、いきなり言ってきたり…?
どうしたんだ?キッパの奴。

あ、そうそう。結婚と言えば…。
ユウナとアイツも、来月には結婚かぁ〜。
早いなぁ…。よくよく考えてみれば、「シン」を倒してもう5年になるのかァ…。
結婚式は、このビサイドでやるらしいから、今から準備だなんだで大忙し!
ウエディングドレスは、ベベルの連中が用意するとか?
いやぁ、大召喚師様の結婚も大変だぁ。
アイツはアイツで、ベベルから色々聞き出されてるみたいでよ、
「あぁ〜〜面倒くさいっ!!これ以上聞いたら怒るッスよ――っ!!」
とか言ってキレたとか…。もともと、気のなげぇやつじゃなかったからなぁ…。
…アイツ、結婚したら、なにやって食ってくつもりなんだ?
やっぱりブリッツで稼ぐのか?それとも思い切って、ベベルで働くとか?
最近流行りの、チョコボレーサーって手もあるけどな。
就職口は今のうちから決めとかんと、結婚してからじゃぁ遅いからな〜。
ユウナが「シン」を倒して、平和になったから、もうモンスターはでねぇし、
モンスター倒して金かぜぎ〜ってわけにはいかないからな。
よし、今度会ったら、オレがガツーンと言ってやるか!ユウナのためにも、ガツーンと!
「なんか、言った?」
だから、なんにも言ってないって…!
「じゃぁちょっと、結婚式のことで出掛けて来るから、おとなしく寝てて頂戴ね?」
「あ、おぉ。気ぃつけてな。」
「チャップ、行くわよ。」
「え〜〜っ、ボク、お父さんといるぅ!」
「あんまりそばにいると、風邪うつっちゃうわよ?ほら、行くわよ!」
「…は〜い。お父さん、いってきまぁす。」
「おう!行って来い!」
…もうそんなに準備してるのかァ…。早いなぁ……。
ま、オレの妹分のユウナの結婚式だ。オレもそれらしいスピーチ考えとかねえと…。

こりゃ、鼻水たらして寝てる場合じゃねえぞ。よし、オレも準備に参加するかぁ!


「お〜いルー、俺も手伝うぞーっ?」
「ちょっと!ちゃんと寝ててって言ったじゃない!」
「だいじょうぶだ〜っ。オレもほら、結婚式の準備がしたくてよ〜〜〜。」
「でも、あんたの出来る仕事なんてないわよ?」
「は?」
「だって、男のあんたに飾り付けとか、料理の相談って言っても無理でしょう?」
「…え?」
「だから、ここにぼ〜っと突っ立ってられても困るわけ。解る?」
「そんなぁ〜〜〜…。」
はぁ、役立たずってわけか。寂しいね…。
オレだって、可愛いユウナとアイツのために、何かしたくって…。
「じゃぁ…。」
「…?」
「結婚式にやる、一発芸の練習でもしたら?」
「はぃっ!??」
「この前言ってたじゃない。オレは式を盛り上げるんだ…って。」
そういえば、酔った勢いでそんなこといったような…。
「ほぉら、あんたにもやることがあったじゃない!何やるのかは知らないけど、せいぜい頑張ってね?」
そう言ってルーは、忙しそうに寺院に入っていっちまった…。


一発芸かぁ…。何やったらいいんだ?
腹踊りでもするか?いや、ユウナが可愛そうだ…。
「スフィアのたたき売り」ってのも、今じゃスフィアのほとんどが子供のおもちゃだしな…。
………………あっ!!!
ジェクトシュート、そうだ、ジェクトシュートだ!!!
このオレ様だって出来るってところを見せてやる!!
そうすりゃ、アイツも、オレのことを今までとはチョット違う目で見るにちがいねぇ!!
よぉし、そうと決まったら早速練習だぁ!!


ん?で、アイツ どうやってシュートしてたんだっけ?
え〜っと…。

ジャンップ!

おー!視界にパーっと青空が広がって、さしずめルカのシアターってとこだな。
そんな空を見てたら、なんとなく、ユウナとアイツの姿が浮かんできやがった。


おい、ユウナを幸せにしろよ…。

オレの大切な!…大切な妹なんだからな……。


なぁんて考えてたら、おぉぉぉっ!いきなり目の前に地面がぁぁぁぁぁ!!!!


ごちん!


「いってぇぇぇぇ〜〜〜〜〜っっっっっ!!!


-THE END-



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