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-FINALFANTASY X-   AFTER ED



5年後のスピラにて…


*この話は,FINALFANTASY]INTERNATIONALの付録,アナザーストーリー『永遠のナギ節』を全く無視した内容になっています。


私の名前はユウナ――…。召喚士です。
[シン]との闘いの後…。私は,ビサイドに住んでいます。
私は,この寺院の後ろに立って,海を眺めるのが日課となってしまいました。
指笛を吹けば,きっと彼が戻ってくる…そんな気がして―――…。


「ユウナ様!!」
1人の少年がブリッツボールを持って,私の方へ駆け寄ってきます。
――…少年の名前は『チャップ』。…もう誰の子だかは解るよね?
「だめよチャップ,ユウナの邪魔しちゃ。」
「大丈夫だよ,ルールー。それより,ワッカさんの風邪は大丈夫?」
その通り。チャップはルールーの子供なの。そして,そのチャップのお父さんは…。
「ああ,あの人なら大丈夫よ。ワッカも馬鹿よね。いくら息子のためとはいえ,あんな格好で
ゆきだるまを作るなんて…。ねぇチャップ?」
「お父さんは馬鹿じゃないよ!!ボクのためにわざわざゆきまるださん持ってきてくれたんだよ!!」
「ゆきまるだ…じゃなくて,ゆきだるまです。」
「………………お父さ―――――――ん!!!!!」
チャップは家の方へ走って行っちゃいました。
ワッカさんとルールーは結婚していて,このようにチャップも生まれ,仲良く暮らしてます。
チャップはワッカさんに似て,少しおっとりしたところもあるけれど,ルールーに似て,機敏に物事を
行うことができる子です。なんでもこの前,アーロンさん達のお墓参りにザナルカンドに行った帰りに,
ゆきだるまを持ってきて!とワッカさんと約束したみたいで…。そのおかげでワッカさんは今,風邪をひいて寝込んでます。
「なんとかは風邪ひかないって言うけど,あれ,嘘ね。」
なんてルールーは言ってるけれど,実は心配してるんだよね?

――そうそう,リュックとキマリ!!
2人はスピラ各地を回って,機械の使い方を教えています。
キマリは必死に勉強したみたい。
ガガゼト山には,少しばかりのロンゾ族がのこって,山を守っているみたいなので,アーロンさんと,ジェクトさん,父さんと,そして,彼のお墓は安心だね?
そうそう,お墓といえば。今日はリュックの船に乗って,彼のお墓に行く予定なんです。
え?どうしてかって?


「ユウナん,着いたよ!ザナルカンド遺跡。」
「ありがとうリュック。忙しいのにゴメンネ?」
「いいのいいの!!じゃ,また後で!!」
そうしてリュックの船は,お仕事へと戻っていきました。

ここはアーロンさんの,ジェクトさんの,父さんの…そして,彼のお墓のあるところ…。
お墓の下に,父さん達が眠っているわけではないけれど,
形だけでも,一緒にいさせてあげたかったので,4人一緒の場所に,お墓を立てました。
もちろん!彼のお墓はジェクトさんのお墓の隣。彼,怒るかな?
でも…,もうそんなことはどうでもいいんです。
もう このお墓とはお別れなんだから………。
今日はこの,彼のお墓に,お別れを言いに来たんです。
だって――――――………。



「ユウナ!!!」



振り返るとそこには……そう,彼が!!!
あれ?私一度も彼がいないなんて言ってませんよ?
彼はちゃんと,私の世界――…このスピラにいるんです。
「遅かったね?」
「わりぃ…,ほらさ?ベベルの連中が,なかなか行かせてくれなくてさ?」
彼はザナルカンドが栄えていた時のことを,色々聞かれているみたいで……。
今までベベルにいたんです。
「もうサ,早くユウナに会いたくて,これでも飛んで来たんスよ!!」
そういって彼は,ニッコリと微笑みました。

まだ私の話をしてませんでしたね?私,来月結婚するんです。
えっ?相手ですか? もちろん彼と…!
それで今日は,私の父さんとジェクトさんに,報告にきたところなんんです。
あと,彼のお墓を取り壊しに…。
「ひどいッスね〜,オレの墓作るなんて…。しかも親父の隣だし…。」
「そういうこと言わないの!」
やっぱり怒ったね。


…………………
「…ジェクトさんになんて言ったの?」
「…大っ嫌いだ。」
彼はムスっとした表情で言いました。
「あと……さようなら……かな?」
そして,にこっと白い歯を見せました。
「ユウナは親父さんになんて言ったんだ?」
「今まで…お世話になりました…かな?」
私がそう言うと,彼はすこしうつむいて,私の手を握ってくれました。
「オレはユウナの親父さんに,『必ず幸せにしてみせます!』って誓ったから。」
「うん!!!」



平和です。とても平和です。
そして 私は幸せです。
たくさんの犠牲があったけど,今こうして幸せに生きていることができて,
私は今まで頑張ってきて,本当によかったと思っています。
これからも,この幸せが続くように,努力していきたいです。


「リュックが迎えに来るって いったんだろ?」
「うん。でもいいよね?マカラーニャの森まで行っても。」
「いいッスけど…じゃ,待ってて。チョコボ借りてくるから。」
「いいの!!…歩いていこ?…,手,つないで…。ネ?」
「えっ?だって,遠いッスよ…。」
「…歩きたいの…2人で……。」
「………了解ッス!!」




-END-




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