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妖符魔界OP

かつては治安と平和に守られていたこの都市は
ある日の≪魔震≫によって、脆くも崩れ去ってしまう…
街は異様な妖気と怪物に溢れ、この区域は魔界となった。
そんな街へ用心棒は一人降り立つ。
魔の巣窟へ足を踏み入れたという少年を探しに…

第一部 紅蓮

私は見た。妖符の中に。

何を見たのか、永遠の疑問を人々に記憶させたまま、詩は伝説となった。
そして、今…夜空には春の新月が輝き、≪区外≫側から
「西新宿ゲート」に近づく影は、詩人でも詩集の創り手でもなかった。

不意に広々とした空間へ出た。
用心棒は馬を止め、辺りを窺った。

馬の足が白いものを踏み砕いた。細い骨だ。
よく見ると、地面のあちこちが白っぽい。
前方に通路らしい曲がり角が見えた。
用心棒は素早く馬を降りて、近くの大岩に跳びこんだ。

通路から現れた男はまるでカジノのディーラーのように
手元のカードをシャッフルさせながら用心棒に近づいていった。
突然そのカードの中からトカゲのような怪物が現れた。
用心棒は素早く腰の日本刀をそのトカゲに振りかざした。
だが刀は怪物の体を通り抜ける。
カードから抜き出た怪物が消えると再びディーラーのような男は
カードをシャッフルし始めた。
用心棒は区長からの紹介状に同封されていたカードの束を取り出した。
≪妖符≫を。

「これが、この世界のルールか」

【用心棒】VS【GATE KEEPER】

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