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世界はあたしでまわってる・オープニング

あなたは、ノーブル・キャピタルに住む貴族の娘です。
可愛くて、お金持ちで、わがままな、15歳。
美しく長い髪が自慢、ドレスでも宝石でも何でも手に入ります。
そんなあなたにも、まだ欲しいものがあります。
ステキな恋人。
今日もお父様におねだりして、舞踏会を開いてもらいました。
素敵な出会いがあるはずだと思って。
いつものように上流階級のお坊ちゃまがどっと現れ、あなたにダンスを申し込みます。
でもそんなのじゃ満足できない。
いいところのボンボンなんて、あなたは見あきているのです。
そんなあなたの目に入ったのは・・・一人の若者。
そんじょそこらのお坊ちゃまとはレベルが違います。
その美形ぶり、レベル99。
あなた「なんてりりしいお顔♪どこかの国の王子様?
 神様、あたしのためにこんなステキな出会いをありがとう。
 やっぱり神様って、あたしのためにいるのね♪」
若者「お嬢様。
 今日は素晴らしいパーティーにお招きくださってありがとうございます。
 え、私が王子? いいえ、ただの冒険者です。
 せっかくのパーティーですから少しきれいな格好もしてきましたが、
 いつもは泥んこになって野山を駆け回っていますよ」
あなた「まあ、冒険者?
 悪い魔物を追って毎日戦っていらっしゃるのね」
話をすればするほど、あなたの胸は高まってきます。
あなたは確信しました。
この出会いは神様が用意してくれたもの、うまくいかないはずがない。
となれば、遠回りは無用。
あなた「一緒に連れて行っていただきたいわ、
 あなたの人生に、あたしを一緒に」
冒険者「もちろんです。私も今すぐ、お嬢様をさらっていきたい。
 冒険の旅には危険なこともあるでしょうが、
 私が命にかえてあなたをお守りします。
 さあ、一緒に参りましょう」
と言ってくれるものと思っていたら。
冒険者「は? あなたが一緒に?
 やれやれ、うわさどおりの困ったお嬢様だ。
 冗談は自分の人生だけになさい、お嬢さん」
あなた「冗談?あたしの人生が?」
冒険者「美しい髪の毛、きらびやかなドレス、尽きることのないわがまま。
 それだけがあなたの人生ですよ。あなたに何ができます?
 私は武器を使えます。仲間は魔法も使えます。
 あなたにできることと言ったら、わがままを言って相手を困らせることくらいだ。
 冒険の旅なんてできっこない、ひどい足手まといです。
 私についていきたいとおっしゃるなら、まずはその長い髪をどうにかなさい。
 上品なだけのドレスも脱ぎすてて、防具に着替えるんだ。
 戦いの経験をつみ、一人前と言われるようになったら、またお会いしましょう。
 ま、無理はなさらないほうがいいと思いますがね。
 では失礼します−−−」
あなた「何で?何で思い通りにいかないの?
 これは運命の出会いじゃないの?」
一目で恋に落ち、5分でふられてしまったあなたは、泣きながら考えました。
きれいなドレスは、欲しいと言えば、三日で出来上がる。
自慢の長い髪、何年もかけて美しく伸ばした。
欲しいものは何でも手に入る、待ってさえいれば。
庭師のおじいさんが言っていたことを思い出しました。
「待ってるだけで美しい花が咲くわけではありません。
 自分の手で育ててあげなくてはね」
自分の手で・・・
そうだわ、自分の力で手に入れればいいんじゃない。
あたしの手に入らないものなんて、ないんだから!
そうよ、そうしましょう。
待っていただけで手に入ったものは全部捨てて、
これからは自分の手で欲しいものを手に入れるのよ!
そして翌日。
長かった髪の毛をばっさり切り落とし−−−
ドレスを脱ぎ捨て−−−
防具を身に着けて、あなたはお父様に言ったのです。
あなた「あたし、冒険の旅に出る。
 一人前になるまで帰らないから!」
お父様はそりゃびっくり。
あなたは、普段ならお小遣いにもならないようなちょっぴりのお金を持って、
屋敷を飛び出してしまいました。
あわててお父様は、国一番の剣士を呼びました。
戦士ネロ「何の用だ、お金持ちのおっさんよ。お嬢様のボディガード?
 ふうん、冒険に出ちまった、ねえ。連れ戻せって話じゃないんだ?
 わがままを言い出すと誰にも止められないってか。
 一人前の冒険者になるっていってるんだろう、
 それならボディガードなんかいらねえよ。
 誰かに守られながら旅をして、腕が上がるもんかい。
 守るよりきたえてやらなくちゃな。よし、俺が姫様のじゃまをしてやろう。
 負けずに冒険を続けられたら、いつかヒーローになれるぜ。
 あ、お姫様だからヒロインか」
そういわれて、お父様は、
じゃまをしてもらえば帰ってくるかも知れないと思い、戦士に任せることにしました。

 この物語の主人公であるわがままなお嬢様の名前を入力したら、
 いよいよ冒険の始まりです!

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