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*人名・地名で、パソコンでは出なかった漢字があるものについては、カタカナ表記してあります。


序章:英傑起つ

時は二世紀末。栄華を極めた漢王朝も既にその力を失い、大陸は果てのない反乱と暴動に覆われていた。
この乱世に、圧倒的な武力で登場したのが董卓である。董卓は朝廷を意のままに操り、存分に権力を振るっていた。
【漢の首都 洛陽の宮殿】
董卓:陛下。ご心配には及びません。政治は私にすべてお任せを。
献帝:…………。
董卓:では失礼いたします。
李儒:董卓様、陛下のご機嫌はいかがでしたかな?
董卓:不貞腐れておったわ。わしがいなければ、漢朝などとうに滅びていたものを。まあよい、皇帝なんぞは飾りにすぎん。天下はこの董卓のものよ。
献帝:おのれ、董卓!朕に董卓と争う力があれば……。
董承:陛下、ご辛抱ください。董卓に逆らえば、何をされるかわかりません。
献帝:この国のために、董卓を討ち果たしてくれる英傑は現れぬものか……。

【反董卓連合軍 陳留の幕舎】
董卓の横暴を止めるべく、真っ先に立ち上がったのは曹操である。
「董卓討つべし!」
曹操の発した檄文に応じた諸侯は陳留に終結した。
曹操:袁紹度の、袁術度の、檄文にご賛同いただきお礼を申し上げます。
袁紹:うむ、近頃の董卓は目に余る。逆賊等卓を討ち、漢王朝の意向を取り戻さねば。
袁術:我ら袁一族が来た以上、董卓の好きにはさせぬ。我が兵の力、見せてくれるわ!
曹操:おお、陶謙殿に孔融殿、よくいらっしゃいました。
陶謙:連合軍に加えていただきたく参りました。
孔融:我らは漢の臣、董卓の横暴は許せませぬ。
曹操:コウソンサン殿、遠方よりお越しいただきありがとうございます。
コウソンサン:漢朝のためとあらば当然のこと。
集まった諸侯の中から袁紹が総大将に選ばれ、ここに、反董卓連合軍が結成された。

【洛陽の宮殿】
これに対して董卓は、華雄と呂布、二人の猛将に連合軍を迎え討たせる。
董卓:華雄よ、シスイカンの守りは任せたぞ。
華雄:はっ。
呂布:義父上、なぜ華雄にだけ出陣をお命じになるのです。この呂布をお忘れですか。
董卓:誰が忘れるものか。虎牢関の守りは、呂布、お前に任せる。
呂布:はっ。ありがとうございます。吉報をお待ちくだされ。

華雄:この戦、わし一人で十分だ。呂布はゆっくり昼寝でもしてるがいい。
呂布:寄せ集めの軍隊が、華雄を相手にどこまでやるか。とくと見せてもらおう。

【陳留の幕舎】
反董卓連合軍の先陣は、猛将華雄の前に敗退した。苦戦を強いられた連合軍は次の手を出しあぐねていた。
武官:袁紹様!華雄の軍勢が攻め寄せて参りました。我らだけでは支えきれません!
袁紹:わかった。すぐに援軍を出そう。下がってよいぞ。
武官:はっ。
袁紹:とは言ったものの、誰を向かわせればよいのか……。
曹操:誰か、華雄に立ち向かおうという者はおらぬか?
孔融:恥ずかしながら、我が軍の力では太刀打ちできません。
袁術:わしが兵を出してもよいのだが、残念ながら体の具合が悪い。いやいや、まことに残念だわい。
曹操:……誰もおらぬのか。
劉備:我ら兄弟が参りましょう。
名を劉備、字を玄徳という。この人物こそ、物語の主人公である。
袁紹:はて、失礼だがどなたかな?
コウソンサン:この者は劉備と申します。先の黄巾討伐の戦いでは、抜群の功を上げました。後ろに控えているのは劉備の義弟で、関羽と張飛でございます。
袁術:劉備とは聞かぬ名だ。大将を務めるからには、相応の身分なのであろうな。
コウソンサン:平原の役人でございます。
袁術:なんだと、ただの役人だと!小役人の分際でこの大役を果たせるものか。
曹操:まあ、袁術殿、名乗り出たからには、よほど自信があるのでしょう。任せてみようではありませぬか。
袁術:ふん、勝手にせい!
曹操:では早速、出陣の準備を。軍資金は存分に使うがいい。おい、道具屋を呼べ。
金500を手に入れた!
コウソンサン:劉備殿、あれが道具屋だ。戦場で役に立つ道具を売ってくれる。それと、出陣する前に、他の人に声をかけてみるといい。何かと役に立つ話が聞けるだろう。

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