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ルドラの秘宝のオープニング

〖目次〗以下の4種類のオープニングを掲載しています
 • 総合プロローグ
 • シオンの章
 • サーレントの章
 • リザの章


はるか昔‥‥
大地がまだ混沌の内に存在したころ

(月をバックに映しだされる遺跡群のシルエット)

天は大地の混沌をはらうべく
天は大地に強き力をあたえるべく
そして天は大地に長き栄えもたらすべく

大地をおさめる生命を生みおとした

(巨大な石柱と、4種類の種族の顔が映し出される)

たぐいなき知恵をもつもの
ダナン神族

海原を自在にわたる力をもつもの
水棲族

志高き精神をもつもの
ハ虫類族

あらゆる環境に耐えうる肉体をもつもの
巨人族

しかし‥‥
天が望むほどの力は彼らにはなく

時の流れゆくままに
彼らは大地より消えていった

(先ほど出現した4種族が消えて行く)

(そして人間種族4名=この物語の主役の顔が映し出される)

そして‥‥
また天は大地に生命を生みおとした

大地に長き栄えをもたらすべく‥‥

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(舞台は「クリューヌ城」。子供1人と男戦士1人が高台から見張っている)

ダグ
「おそいねー、アニキ。」

シオン
「‥‥」

ダグ
「いったいどんな野郎かなあ‥‥ 教団員をつかまえた奴って?

 あっ! 来たよアニキ。」

(シオンの仲間であるロスタム&ヒューイの間に挟まれるように、
 ローブを着た男と女戦士が歩いている)

衛兵
「お帰りなさい。ロスタム様。」

ロスタム
「門をあけろ!」

(場内に連れて行かれる教団員)

シオン
「オンナ?!」

ダグ
「ねえロスタムー、つかまった教団員って 女の人だったんだー。」

ロスタム
「ばか!! この方は教団員をつかまえた エレミア家のフォクシーさんだ!」

シオン&ダグ
「ええーっ!!」

(そう、女戦士フォクシーもロスタム&ヒューイの仲間であり、
 ローブを着た男が教団員だった)

ヒューイ
「シオン!
 フォクシーさんは2階の客間にお通ししておく。
 われわれは教団員をろう屋にいれてくる。しばらくフォクシーさんの相手をまかせたぞ!」

シオン
「おい、ちょっと待てよ!」

フォクシー
「よろしくね。」

ダグ
「おいら、ダグ! よろしくねー!
 アニキ、先行くよ!」

(そして、城の2階の客間にて)

ダグ
「すげえや!! エレミア家って 東の大陸の大金持ちじゃないですか。」

フォクシー
「大金持ちかどうかはともかく クリューヌの王様と父は知り合いみたいね。」

ダグ
「すごい。すごい。
 あっ、アニキー。フォクシーってすごいんだよ。」

フォクシー
「武人の塔に挑戦する人ってあなたね?」

シオン
「ああ。おまえが、教団員をつかまえたのか?」

フォクシー
「そうよ。私の住む東の大陸では 最近、人がいなくなるって事件が多発してるの。
 町の人達にたのまれて子供をみはってたら‥‥」

シオン
「子供? あいつら子供をさらうのか?」

フォクシー
「詳しい取り調べは今やってると思うけど 何でも『ルドラ』様のいけにえにするとか言ってたわ。」

シオン
「『ルドラ』様? なんだそりゃ?」

フォクシー
「教団のあがめてる神様よ。その『ルドラ』様を信仰してると 次の時代も生きていけるそうよ。」

シオン
「くだらねえ‥‥」

フォクシー
「ねえ、そんなことより 武人の塔への挑戦ってもうすぐよね。勝つ自信あるの?」

シオン
「あたりまえだ!」

フォクシー
「へえー、たいした自信ね。楽しみだわ。」

シオン
「?

 ダグ、教団員は地下ろうか?」

ダグ
「うん。そのはずだよ。」

フォクシー
「ここにいてもたいくつね。ちょっと城の中を見学させてもらうわよ。」

ダグ
「おいらが案内するよ。」

フォクシー
「ありがとう、ダグ。行きましょう。」

(去っていく2人。シオンは地下牢の様子を見に行く。)

シオン
「まだやってんのか?」

衛兵
「はい。なかなか、強情な奴です。」

(赤・青・緑の豪華な3色の宝箱がシオンの目に留まる)

シオン
「この宝箱は?」

衛兵
「教団員が持っていた物です。不思議なことにどれも全然あかないのです。
 何か特別な鍵が必要なのかもしれません。」

(牢屋の中ではロスタム&ヒューイが取調べ中)

シオン
「おいヒューイ、俺にやらせろ!」

ヒューイ
「えんりょするよ。
 ターレス隊長をさがすせっかくの手がかりだ
 おまえにまかせたら聞けるものも聞けなくなっちまう。」

シオン
「そんな野郎は ぶんなぐった方が早いぜ。」

ヒューイ
「わかった。わかった。
 もうちょっと取り調べて何も言わないようなら おまえにまかせるよ。」

(地下牢の部屋を出たシオンに衛兵が駆け寄ってくる)

衛兵
「そろそろ、武人の塔の説明の時間だ。
 ロスタム様、ヒューイ様をよんでくるゆえ 先に王室へ急いでくれ。」

(玉座にて)

大臣
「ロスタム、ヒューイはどうした?」

シオン
「まだ教団員を取り調べています。」

クリューヌ王
「あの者たちには伝えたことじゃ。大臣、シオンにも説明してあげなさい。」

大臣
「はは。

 あと2日で、武人の塔への挑戦の日じゃ。
 ターレスが城をあとにして、はや1年。そろそろ正式な後継者を決めねばならぬ。」

シオン
「まかせてくれ。ターレス隊長に負けたあの日から ずっと修行してきたんだ。かならず勝つ。」

大臣
「自信をもつのはよいことだな。
 ではターレスから言いつかった 挑戦のルールを伝えよう。」

シオン
「挑戦のルール?!」

大臣
「塔への挑戦は、シオン・ロスタム・ヒューイの3人に加え、クリューヌ王の選んだ戦士1人が参加する。」

シオン
「王様の選んだ戦士だって?! 王様、悪いけど俺たちだけで十分だ。」

クリューヌ王
「シオンよ これはターレスの意思じゃ。全員で勝ち進むことが後継者の条件ということじゃ。」

大臣
「シオン。そなたももう会っておるだろう。エレミアのフォクシー様がその最後の1人だ。」

シオン
「フォクシー?! じょうだんじゃ‥‥!!」

(そこに衛兵が入ってくる)

衛兵
「たっ大変です! 教団員が脱走しました!」

シオン
「何!」

衛兵
「いっ今、ロスタム様とヒューイ様が後を追ってます。」

シオン
「なんで、あいつらがついていながら! みすみす、のがしてたまるか!」

大臣
「シオン! とり逃すでないぞ!」

(城の西門に出ることができる)

衛兵たち
「すまない、シオン! 教団員を取り逃がしてしまった。今、そこの門を抜けて逃げていったところだ。」
「シオン、こっちだ! 教団員はその門から 南にある町『ヴァド』へ逃げて行った!」

ヴァドの町の衛兵の1人
「ロスタムと、ヒューイは教団員を追って 町の南へ抜けた。シオン、おくれをとるな!」

(南には巨人の塔があるので、いざ突入)

衛兵
「おそかったな。ロスタム様とヒューイ様は すでに乗り込んでいるぞ。」

シオン
「おまえは、ここで見張ってろ。」

巨人の塔
10数年前ミュンヒ博士により
巨人族の『ルドラ』がうまった
ラゴウ石が発見される

『ルドラ』とは?

それまでの種族を、滅ぼす
破壊神であり
次なる種族の始祖として
4000年の周期で現れる者

ここ巨人の塔には
8000年前から
巨人族の『ルドラ』が
今も、静かにねむっている

みずからがまねいた汚染により
陽の光をうしない
海までも汚染しきった
人間の時代も

あと16日で
4000年の時を
むかえようとしていた

(巨人の塔・屋上。逃げた教団員が、巨人族の『ルドラ』に近づく)

教団員
「敵地に飛び込む教祖様の作戦‥‥ まんまと、図に当たったな。
 これで『ジェイド』は手に入れたも同然。」

(教団員は『ジェイド』なる宝を狙ってここに来たのだろうか。
 しかし、そこには先客がいた…。それも巨人族である)

スルト
「これが我が一族の始祖、『ルドラ』か‥‥」

教団員
「何者!!」

(巨大な石柱の中央に、石像が埋まっている。
 これが、眠っている『ルドラ』のようだ。
 そしてその『ルドラ』の中央には光り輝く玉が! これが『ジェイド』らしい)

スルト
「『ジェイド』!! こうもたやすく手に入るとは‥‥ クックックックッ‥‥」

教団員
「まっ、待て! それにふれてはならぬ!」

スルト
「人間?! ふん! もうおそい! 『ジェイド』はわたさぬ。
 おまえたち人間は滅びる運命にあるのよ。この世界は、再びわが巨人族が支配するのだ。
 ハーハッハッハッハッ! ついに、ついに手に入れたぞ!」

教団員
「やめろーっ!

 それは選ばれし『ルドラ』様のみが持つことをゆるされし物‥‥ そうでない者が持てば
 !! おっ、おい! どうした!」

スルト
「何っ!」

(ジェイドがスルトの手に渡った瞬間、膨大なエネルギーが集中。
 体が赤く変色するスルト。)

(一方、頂上手前の最上階まで乗り込んだシオン一行は…)

シオン
「おい! 教団員は!?」

ロスタム
「しーっ! 屋上だ‥‥」

シオン
「なぜ、のりこまねえ?!」

ヒューイ
「教団員以外の気配を感じる‥‥ 仲間と落ち合うつもりだったのかもしれんな。」

シオン
「だったらいっしょに ふんづかまえりゃいいじゃねえか!」

ヒューイ
「おい、待てシオン!」

(ヒューイの制止を振りきって屋上へ出るシオン。仕方なく、ロスタム&ヒューイも後を追う。
 そして屋上で…)

ロスタム
「なんだ、この妖気は!」

ヒューイ
「教団員だけじゃなさそうだな。」

教団員
「さあ、おとなしく『ジェイド』をわたせ! さもなくば、力づくでとるまでだ!!」

(次の瞬間、あっさりと吹っ飛ばされる教団員)

ヒューイ
「何!!」

シオン
「仲間でもねえか‥‥ 武人への挑戦を前に、いいカタならしができそうだ。いくぜ、ロスタム!!」

ヒューイ
「シオン、待てっ!」

(教団員をふっ飛ばした相手…巨人スルトに向かっていくシオン)

ロスタム
「きょ、巨人! まさか、巨人族の『ルドラ』が復活したのか?」

ヒューイ
「いや 『ラゴウ石』には別の巨人がうまってる。」

(この巨大な石柱を『ラゴウ石』という。役目を終えた『ルドラ』が眠りについている場所。)

ロスタム
「それじゃ、なんだこいつは!」

シオン
「どっちだって、かまわねえ! 復活したんなら、もう一度あの世に送り返すだけだ。」

スルト
「なっ、なんだー、きさまら? あーん?
 きっ、きさまらも ジェ、ジェ、『ジェイド』をねらってやがるのかー
 わたさん‥わたさんぞーっ! 人間めーっ!!」

ヒューイ
「『ジェイド』だと?!」

シオン
「今だ! 行くぞ!!」

(巨人「スルト」とオートバトル!!)

巨人
「ぐおおお」

シオン
「いくぞ、ロスタム、ヒューイ!」

(激しい戦い。圧倒的な力の前に満身創痍になるロスタム&ヒューイ。
 その時、シオンが剣を振りかぶって…)

シオン
「ばけものめ、これでもくらえ!」

(一閃。なんとスルトの片腕を切り落とした。だがその時の衝撃波でロスタムとヒューイも倒れる。
 さらに、スルトに埋まっていたジェイドが、シオンの右目に入る。
 結局シオンも倒れてしまう)

(後を追ってきたダグ)

ダグ
「アニキー!!」

スルト
「俺はいったい‥‥ 『ジェイド』を手にしたまでは覚えているが‥‥
 うん?‥‥」

(正気に戻り、体の変色も消えたスルト)

ダグ
「アニキーっ! しっかりしてくれよーっ!」

シオン
「め、目を‥‥ 目がーっ‥‥」

ダグ
「くっそーっ、よくもアニキ達をーっ!」

スルト
「そうか! 『ジェイド』にふれた時に怒りが‥‥ やはり、『ジェイド』は持ち主を選ぶという事か‥‥」

ダグ
「やっ、やい、こっちを見ろーっ!」

スルト
「ひとまず、傷の手当てをせねば‥‥」

(倒れているロスタム&ヒューイをふっ飛ばし、自分も飛び降りて塔から出るスルト)

(フォクシーもシオン達を追ってここに来た)

フォクシー
「巨人?! 今の巨人族なの?」

ダグ
「アニキーっ! 目をさましてよーっ」

フォクシー
「あの声は、ダグ!」

ダグ
「あーん、フォクシー。アニキがー‥‥」

フォクシー
「ひどい傷‥‥
 ダグ、ないてる場合じゃないわよ。ひとまず、町へつれてかえりましょう。」

(次の日、自宅で目を覚ますシオン)

シオン
「‥‥夢? こっ、ここは‥‥
 ここは、俺の家じゃねえか?! いったいどうなってんだ‥‥?」

(窓辺にいるフォクシー)

シオン
「フォクシー‥‥?! なんで、おまえが俺の家にいるんだ?」

フォクシー
「何、寝ぼけてんのよ。あんたゆうべ、巨人の塔で大ケガして ここへかつぎ込まれてきたのよ。」

シオン
「巨人の塔‥‥ そうだ! ロスタムとヒューイは?」

フォクシー
「今、ダグが兵をつれて調べに行ってるわ。あんたが気がついたら、来るように言われてるけど
 目、だいじょうぶ? 眼帯はしておいたけど‥‥」

シオン
「目? ああ、ぜんぜんなんともねえ! それよりダグが心配だ。巨人の塔へ行くぜ!」

フォクシーが仲間に加わった。

(2人は巨人の塔に再び向かう)

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無量暦3980年
巨人の塔にて
表面に生物が埋め込まれた
巨大な石柱が、発見される

やがて石柱は
発見者ミュンヒ博士により
滅亡と再生をもたらす化石
『ラゴウ石』と命名される

19年後、竜神の遺跡
ミュンヒ博士は、再び
『ラゴウ石』を、発見する

(その竜神の遺跡内にて、たくさんの発掘人が調査をしている。
 そこに2人の青年の姿が。主役のサーレントと仲間のレギン。)

レギン
「博士、これが『ラゴウ石』ですか?」

ミュンヒ
「そうじゃ。ハ虫類族の『ラゴウ石』だぞい。表面の化石は『ルドラ』と呼ばれておるぞい。
 サーレント、君なら感じると思うが 『ラゴウ石』からは、何か強い力が出ておるぞい。
 『予言者ソロン』は何も言ってなかったかね?」

サーレント
「いえ、『ラゴウ石』を追えとだけ‥‥
 確かに、何か強い力を感じます。特にこの玉から強く感じるんですが‥‥」

ミュンヒ
「まだ、大した事はわかっとらんが
 石の側面に書かれておる古代文字を調べたところ 玉は『ジェイド』と呼ばれておるとわかったぞい。」

レギン
「博士、これを研究所に持ってかえるのは 危険じゃないですか?」

ミュンヒ
「それについては考えがあるぞい。エレミア殿の持つ『聖杯』を借りるぞい。
 それを使えば、だいじょうぶなはずじゃ。」

レギン
「博士、こいつは以前博士が発掘した 巨人族の『ラゴウ石』とは 同じ時期に作られた物なんでしょうか?」

ミュンヒ
「いや、巨人族は8千年前のものじゃったが これは1万2千年前。4千年のひらきがあるぞい。」

レギン
「すると、あの4千年ごとにおとずれる 種族の滅亡に何か関係が?」

ミュンヒ
「うむ。それをつきとめねばならぬぞな。人間が生まれて間もなく4千年。急がねば‥‥」

サーレント
「人間が滅亡するなんて 信じがたい話ですね。」

ミュンヒ
「いや、現実に世界は汚染によって 大きく環境を変え始めておるぞい。このままでは滅亡は見えておるぞい。
 サーレント、レギン。さっき言った『聖杯』を受け取ってきておくれ。エレミア殿には話は通っておるぞい。」

サーレント
「わかりました。」

ミュンヒ
「大事なものゆえ気を付けて借りて来るぞな。」

レギン
「博士たちはどうするんです?」

ミュンヒ
「『ラゴウ石』をオリアブの町から船ではこぶぞい。宿で待っているから、たのんだぞい。」

レギン
「わかりました。行こう! サーレント。」

レギンが仲間に加わった。

(遺跡の外へ出る2人。入口の扉の上にも紋章があるのを見たレギン)

レギン
「なんだろう? 『ルドラ』にうまっていた玉にも 同じ文字がきざまれてたけど‥‥」

発掘隊員
「『ジェイド』の紋章ですよ。
 『ジェイド』には、いくつか種類があるという事がわかっています。
 『ラゴウ石』のある遺跡には 『ルドラ』に埋まった『ジェイド』と同じ文字が きざまれているんです。」

サーレント
「紋章によって『ラゴウ石』も違うか‥‥」

レギン
「おっと、紋章どころじゃなかった。
 サーレント、聖杯を借りに行こう。エレミアさんと言えば、このあたり1の金持ちさ。」

発掘隊員
「エレミアさんの洋館へ行かれるんですか?
 この遺跡を出て西へまっすぐ行けばすぐですよ。レギンさんはオリアブに住んでるからわかりますね?」

レギン
「このへんで洋館て言ったらあそこだけだからね。」

(入口の紋章が鈍く光る)

(一行はエレミアの洋館へ。しかしなにやら裏口に忍び込む怪しい2人の影がある。
 2人はそれに気づくことなく、館内へ)

エレミア
「おぅ。サーレント君だね。話は博士からきいておるよ。『聖杯』だったね?」

サーレント
「えぇ、そうです。博士の研究も、いよいよおおづめです。」

エレミア
「しかし『ラゴウ石』は 大変なエネルギーを秘めているそうじゃないか。危険ではないのかね?」

レギン
「だから、『聖杯』です。」

エレミア
「なるほど! たしかに『聖杯』には エネルギーを封じる力があるとは聞いておったが‥‥
 まさか『ラゴウ石』のエネルギーを封じるのに使おうとはな。」

サーレント
「お借りできますか?」

エレミア
「いいだろう。しかし、あつかいには気をつけてくれたまえ。
 『聖杯』に強いショックをあたえると とんでもない事が起こると言われておる。」

サーレント
「わかりました。」

エレミア
「『聖杯』はこっちだ。ついて来なさい。」

(館の聖杯の部屋へ行く一行だが、そこには先程の怪しい2人組がいた。
 安置していた聖杯を奪われた!)

???
「いただき! それじゃーな!」

サーレント
「だいじょうぶですか?」

エレミア
「だ、だいじょうぶだ。しかし、『聖杯』を取られてしまった。」

レギン
「え?! そりゃ大変だ!」

エレミア
「警備の者につかまえさせます。ドロボウだ! ドロボウをつかまえろーっ!」

(しかし逃げ足の早い2人。もう館の外へ出ていた。
 だが、やっとのことで脱出した時、『聖杯』をうっかり地面に落としてしまう。
 「強いショック」をあたえてしまったもんだから…)

(『聖杯』が光り、なんと世界中に雨を降らせてしまった!!)

???
「これは? まさか‥‥雨?」

???
「お、おい、デューン。なんかヤバイよぉ。」

(その隙に、番犬2頭が怪しい2人を取り囲む)

???
「こ、こらっあっち行け! あっち行けってば!」

レギン
「いいぞワン公! おい、コソドロ! 『聖杯』を返しな!」

???
「コソドロだとーっ!? 俺たちは、とれー、トレー‥‥!?」

???
「トレジャー・ハンターだ。悪いがこのお宝はいただくぜ!」

(身軽な動きで逃亡)

レギン
「くそー、なんて身軽な奴らだ。」

サーレント
「しかし、この雨はいったい‥‥?」

レギン
「そういえば『聖杯』に強いショックを与えると、大変な事がおきるっていってたけど‥‥」

サーレント
「奴らは、いったい何者なんだ?」

レギン
「しかし、まいったな。とにかくエレミアさんに報告しとこう。」

サーレント
「そうだな。」

エレミア
「最近、変な奴らがうろついていると聞いていましたが、『聖杯』をねらっていたとは‥‥」

サーレント
「エレミアさん、すみません。つかまえる事ができませんでした。」

エレミア
「いや、奴らの身のこなしはただ者じゃない。この警備をかいくぐるとは‥‥
 それより、博士の研究ができなくなる方が心配だ。」

レギン
「困ったな‥‥ 博士に報告しなきゃ。」

サーレント
「『聖杯』は私たちが取りかえします。」

エレミア
「ありがとうございます。『聖杯』のかわりの物でもあればいいのですが。」

レギン
「サーレント。こうなりゃミュンヒ博士に相談してみるしかないね。」

滅亡まであと 15日

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(汚染されていく世界)

(舞台は北の大陸にあるカーンの町。1人の老人と1人の少女がいる。
 少女の名前はこの物語の主役・リザ)

僧侶ゼクウ
「リザよ‥‥」

リザ
「おじいちゃん。」

ゼクウ
「どうしても行くのか?」

リザ
「ええ‥‥ これ以上、心のいたみをガマンできないの‥」

ゼクウ
「感じとっておったのじゃな。世界の終わりが近いことを‥‥」

リザ
「風、大地、海 そして全ての生命ある者の救いを求める声が聞こえる‥
 私には感じとれるの この星は、昔とても美しい星だったってことが。」

ゼクウ
「‥‥
 やはり‥ 運命(さだめ)は変えられぬか。」

リザ
「運命?」

ゼクウ
「実は、そなたの母親は生きておる。そなたが生まれた日 ある使命を持って、この村を出たのじゃ。
 そなたのひたいに埋まっておる 救世主の証『ホーリージェイド』。
 その力が導く、つらくきびしい運命を変えるために‥‥」

リザ
「救世主? 『ジェイド』? なぜ、このひたいの印のために!?」

ゼクウ
「『ダナンの予言書』は知っておろう。」

リザ
「ええ。
 『光の中で、おどる者』
 『闇の底より、めばえる者』
 『青い命をまもる者』
 をしたがえる救世主をうたった予言書。でもこれは‥‥ おとぎ話でしょ?」

ゼクウ
「いや、単なるおとぎ話ではない。予言書の最後のくだりには そなたがまだ知らぬ言葉がかくされておる。
 『全ての生命が滅亡の使者をむかえる時
  その者、体に光る印を宿す選ばれし者の一人としてこの世に生をうける。』」

リザ
「私が!?」

ゼクウ
「そうじゃ。そなたの母は そなたの自然を再生する力が目覚める前に
 この星の汚染を浄化しようと、ここを出たんじゃ。」

リザ
「そんな‥‥ 母さんはどこへ?」

ゼクウ
「わからぬ‥‥が
 そなたに、さだめられた道をたどっていけば そなたの母さんの行方も、つかめるのではないかな。」

リザ
「私に、さだめられた道?」

ゼクウ
「うむ。この町の南に『バベル』という都市があるのじゃが‥‥
 そこは、この全てが汚染にまみれた星で唯一キレイな空気があるという。
 まず、『バベル』に行ってみることじゃ。」

リザ
「バベルに行ってみるわ。そうすれば、母さんの行方もつかめるかも。」

ゼクウ
「運命の門は開かれた! これから長く苦しい旅が続くじゃろう。
 だが、そなたが、おさない頃から学んできた『言霊』。その力が、必ずや役立つはずじゃ。
 ゴホ、ゴホッ‥‥ せめて、村のはずれまで見おくろうかのぅ‥」

(ところで街のマップ左上には地蔵が。1つだけお願いをすることができる。
 後で必ず選択に見合った報酬が手に入るので、ぜひお願いしておこう)

リザ
「おじぞう様に何かおいのりしようかな?」

(「おいのりする。」を選択)

リザ
「何をおいのりしようか?」

 • 町の人がシアワセになる ⇒ 地蔵「アンタはイイ子じゃね‥」
 • よい言霊を発見できる ⇒ 地蔵「本をたくさん読むんじゃね‥」
 • よい物にめぐり合える ⇒ 地蔵「心がけしだいじゃね‥」

(街の入口)

ゼクウ
「気をつけてな‥ 無理をしてはいかんぞ。」

(バベルに向かう途中にある「レムの森」。なにやら騒がしい)


「小僧、まてーっ!」

?????
「やなこった!」

(1人の青年が走ってくる)

?????
「おっと、あぶねえ!!」

(そして逃走)

リザ
「な、何なの!?」

青年を追いかけてきた人たち2人組
「オイ女! 怪しい男を見なかったか??」

(選択肢はどちらでもいいが、「見なかった」を選ぶと得。ここではこの場合の科白を掲載。)

2人組
「おかしいな? しかたない、行くぞ!!」

(さらに進むと、さらに騒がしい物音がする)


「バカな奴め! 市長様にたてつこうなんて。」
「もっと、こらしめてやりましょう!」
「やめろーっ!!!」
「これだけやれば、こりただろう。行くぞ!!」

(さっき逃げていた青年が倒れている)

リザ
「はっ、死んでる?!」

?????
「くんくん‥ イイにおいがする?」

(倒れていた青年、なんと平然と起き上がる)

?????
「ああっ! さっきのおじょうさん?! あいつらに乱ボーされてねぇか?」

リザ
「私は、だいじょうぶ。あなたこそ、ケガはないの?」

?????
「へへっ、俺は何ともねぇよ。ガキの頃から、うたれ強いからな。」

リザ
「あきれた人ね。それより、あなたいったい何をしたの?」

?????
「俺は『ガーライル』。バベルの反乱軍の隊長なんだ。
 バベルは今、悪とく市長に支配されているんだ。だから、市長の悪だくみをぶっつぶしてやろうとしているのさ。」

リザ
「悪だくみ?」

ガーライル
「ああ、そうさ。空気も海もみーんな汚染されちまったこの大陸で
 その汚染を利用して金をもうけてる奴がいたら ゆるせねぇだろ? だから、戦ってるんだ!
 ところで、おじょうさんこそ こんな危険なとこで何やってんだ?」

リザ
「私は、バベルに行こうと思って‥」

ガーライル
「あんな、ぶっそうな所 ひとりで行くもんじゃねぇぜ。
 とりあえず、俺のアジトに身を隠しなよ。おじょうさん、び、美人だしね
 きっと、子分たちも、よろこぶにちがいねぇよ。」

リザ
「まぁ、それより、おじょうさんって呼ばれるのはなんかくすぐったいわ。
 私の名前は、リザっていうの。」

ガーライル
「じゃ、じゃあ、リザさん。いや、リザちゃん!! まずは『バベル』へ戻ろう。
 さっきの奴らから何のカギか、わかんねぇけどくすねてやったしな。」

リザ
「あきれた人ね、もう。」

???
「カギ、カギ! 『そうこのカギ』を落としちまった。」

(さきほどの2人組が戻ってきた)

2人組
「あっ? キサマ、まだ生きてやがったか!」

(けいびへい×2とバトル!!)

ガーライル
「リザちゃん? 見かけによらず、強えーじゃねぇか!!」

リザ
「えっ? 軽い運動のつもりだったんだけど。」

ガーライル
「か、かるい‥‥? とりあえず、ここを出よう。」

ガーライルが仲間に加わった。
バベルのかぎを手に入れた。(先程の選択肢によっては手に入らない)

(森を出ると、大雨が降ってくる)

リザ
「つめたいっ?!」

ガーライル
「うわっ、空から水が落ちてくるなんて いったいどうした事なんだ?」

リザ
「もしかしたら これが『雨』なのかしら?」

ガーライル
「『アメ』? それじゃあ、あまい味がするんじゃねぇのか?」

リザ
「わからない。私も初めて見たもの。」

リザ「ア ー ン」
ガーライル「ア ー ン」

ガーライル
「オエッ、にげぇ!! 汚れた空のアメ玉はマズイや。」

リザ
「空がキレイになったら あまくなるかもしれないわね。」

ガーライル
「それなら、早くキレイにしなきゃ! 子分たちのおやつ代もバカになんねぇしな。」

(そしてバベルへと向かう2人であった)

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