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*ロアーヌ城内、モニカがいる。

モニカ:嫌な天気だわ……。お兄様は大丈夫かしら。玉座の間から声がしたような……誰かいるの?

*玉座の間。ゴドウィン男爵と大臣がいる。

ゴドウィン:今夜決行しよう。
大臣:ええ、こんなチャンスは二度とありません。
ゴドウィン:ミカエルは僅かな兵と出陣している。このロアーヌの町を押さえてしまえば、ミカエルも手の打ちようがない。そこでミカエルに代わって、わたしがロアーヌ候になる。
大臣:そのときにはわたしのことをお忘れなく、ゴドウィン男爵、いや、ロアーヌ侯ゴドウィン閣下。
ゴドウィン:ハハハハハハッ。
大臣:イヒヒヒッ。
ゴドウィン:もう一つ、モニカを捕らえておくように。念には念を入れねば。
大臣:わかりました。いざというときの切り札ですな。

*話を聞いたモニカは、急いでカタリナのもとへ向かう。

モニカ:カタリナ、大変なの!!
カタリナ:どうしました、モニカ様?
モニカ:それが、ゴドウィン男爵と大臣が……。
カタリナ:では私がミカエル様のところへ知らせに走りましょう。
モニカ:待って。私が自分で行きます。危険なのは判っているわ。でも、このままここにいては男爵に捕らわれてしまうし、一石二鳥の手でしょう。あなたはここで、私がいなくなったことを気付かれないようにして。できるだけ長い間ね。
カタリナ:わかりました。
モニカ:カタリナ……。お兄様が戻っていらっしゃれば、全て解決するわ。
カタリナ:モニカ様もお気をつけて。無事にミカエル様の陣営までたどり着いてください。

*モニカは馬を駆って城を去る。

カタリナ:モニカ様……。さて、まずはモニカ様の替え玉を用意しなくては。

*カタリナは一人の侍女を連れてくる。

侍女:なんでしょう、カタリナ様。
カタリナ:これを着て、このベッドに寝なさい。
侍女:そ、そんな!これはモニカ様のお寝間着にベッド。そんな大それた事を……。
カタリナ:いいから、早くしなさい!声を出さないようにね。
侍女:は……。

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