＊ユリアン、トーマス、エレン、サラのオープニングは共通です。
＊シノンの村、ユリアン、トーマス、エレン、サラの四人が集まる。
ユリアン：異常なし！ってところかな。
エレン：雷も鳴り出したし、今夜はは安心ね。
サラ：どうして雷が鳴るとモンスターが来ないの？
トーマス：稲光が嫌いなモンスターも多いんだ。ゴブリンみたいに。
エレン：サラと同じね。
エレン、ユリアン、トーマス：はははははっ。
ユリアン：降り出す前に引き上げようぜ。
＊森の中、馬を駆るモニカ。しかし、馬は止まってしまう。
モニカ：どうしたの？お願い、走って！！
＊しかし、馬は走らず、モニカは一人、馬を下りて先を急ぐ。
＊同じ頃、ユリアンたちは村の酒場らしきところに入る。
マスター：見回りご苦労さん。
ユリアン：とうとう降りだしたぜ。この嵐じゃ、ゴブリンたちも夜遊びには出掛けられないな。トム、エレンと話がしたいんだけど。
トーマス：ああ、わかったよ。サラ、ちょっと手伝って。何か食べるものを作るから。マスター、キッチン使うよ。
ユリアン：なあエレン、ヤーマスからの船が、ミュルスの港に着いたそうだぜ。
エレン：そうなんだ。それで？
ユリアン：色んなものがロアーヌまで運ばれて来てるんだ。一緒に見に行かないか？何か買うのもいいし。
エレン：一緒に行くのは構わないけど。でもねユリアン、あたしはね、あんたと恋人とか、そういうのにはなれないと思うんだ。子供の頃から知りすぎてるよ。そりゃ、昔はお嫁さんごっことかやったけどね。
＊そこにモニカが入ってくる。
モニカ：馬を……馬を貸して……お願い……。
ユリアン：大丈夫か？！こんな嵐の夜に、いったいどうしたんだ？
マスター：馬ならあるよ、娘さん。
ハリード：関わり合いにならん方がいいと思うぞ。その人はロアーヌ候ミカエルの妹モニカ姫だ。こんな田舎の村にずぶ濡れでやってくるとは、ただごとじゃあない。面倒に巻き込まれるのがおちだぜ。
ユリアン：モニカ姫！ミカエル様の妹！！それじゃあ、なおさら助けなきゃ。モニカ様、いったい何があったのですか？
モニカ：お兄様に、ミカエルお兄様にお知らせしなければならないことが……早く……。
ユリアン：マスター、馬を出してくれ。
マスター：こんな夜中にモンスターのいる森を突っ切ろうって言うのか、危険すぎる。
ユリアン：何だか急ぎのようだ。今行くしかないだろう。
エレン：マスターの言うとおり、一人じゃ危険だよ。あたしも行くよ。
ハリード：ふーっ。
エレン：おっさん、あんた口は達者だけど、その曲刀は、ただの飾りかい？
ハリード：先代のロアーヌ候フランツが死んでから、まだ３ヶ月だ。ミカエルが跡を継ぐと決まったときにも、ごたごたがあったようだ。怪しいと思わんか。侯爵位を狙っている奴がいるんだよ。そして、ミカエルがロアーヌを留守にしている今こそ、奴らが事を起こす絶好の機会なわけだ。ミカエルが侯爵でなくなれば、モニカ様を助けても、１オーラムの儲けにもならん。それに、モニカ様、あんた今、金持ってないだろう？オレは前金じゃなきゃ、仕事はしない主義なんだ。
ユリアン：先代のフランツ様も、今のミカエル様も、オレたち開拓者のために、モンスターどもと戦ってくれてる。どういう事情だろうとオレは行くぜ。
マスター：お客さん、随分腕が立ちそうではないですか。ここにも金はありませんが、馬ならあります。モニカ様を助けていただけませんか？
ハリード：馬か……よかろう。で、一緒に行くのは、そこの兄ちゃんとねえちゃんか？
トーマス：ユリアン、オレも行こう。
ユリアン：トム！そう言ってくれると思ったよ。
サラ：お姉ちゃん、私も行くわ。
エレン：あんたはいいのよ。家に帰ってなさい。
ユリアン：サラを除け者にしなくてもいいだろう。
エレン：除け者になんてしてないでしょう！あたしはサラが心配なだけよ。
ハリード：どうでもいいが、さっさと決めろよ。
トーマス：この４人で行くよ。
エレン：トーマス！
ハリード：メンバーは決まったわけだ。まあ、この曲刀カムシーンの名にかけて無事に送り届けてやるさ。
マスター：曲刀カムシーン！お客さん、あんたあの有名なトルネードかい！
ハリード：オレをそう呼ぶ奴もいるな。オレの名はハリードだ。
ユリアン：ユリアン・ノールだ。
エレン：エレンよ。エレン・カーソン。
サラ：妹のサラです。
トーマス：トーマス、トーマス・ベントだ。
モニカ：モニカと申します。
ハリード：これはご丁寧に、モニカ姫。まずは一眠りだ。起きたら、腹ごしらえをして、夜明け前に出発だ。
モニカ：待ってください。すぐ出発しましょう。
ハリード：駄目だ、モニカ様。あんたの様子じゃ、出発して１０分ともたない。さあ、休んだ休んだ！
＊しばらくして、一行は森へと出発する。
ハリード：モニカ様をきっちりガードしてろよ。モンスターや追っ手はオレが始末する。