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RATCHET & CLANK
〜 ラチェット & クランク 〜


― Opening ―


辺境の惑星ベルディン 〜 カイゼル高原で…
(現地時間11:13am)


この星に住むラチェットが、船(宇宙船)を組み立てている。

ラチェット…朽ち果てたソーラーシステムなどを分解し、独学で改造しているうち、
メカニックとエンジニアのスキルを身につけたメカマニア。
宇宙のヒーロー キャプテン・クォークに憧れる少年。
外見は、トラのようでもあり、ネコのようでもあり…
耳はウサギの様でもあり…
とにかく、黄色い毛に全身おおわれている。
ズボンのベルトをキュッとしめ、逆三角の体つきは、
かなり鍛えられているものと思われる。
もちろん、カワイイしっぽもある。

「これでどうだぁ?」
ラチェットは、船のボルトをレンチで締めてみた。
…しかし、船が動く様子はない。
ラチェットは、ガックリ肩を落とし、
腕にはめているレシーバーのボタンを押してみる。
『宇宙船をスタートさせるには、キイとなるロボットが必要です。
装着してください!』
ヘルプ音声が、そう告げた。
「はぁ…」 ますますがっかりして、空を見上げるラチェット。


その頃、ある惑星のロボット工場では…

工場のベルトコンベアーで、次々運ばれてくる
出来上がったばかりのロボット。
大きく厳ついロボット…
作業が順調に進んでいたその時、
チェックシステムが、作動!
モニターに、大きな×印が出た!
そして、コロンと転がってきたのは…
今までのロボットの頭ほどの大きさしかない小さなロボット!
これが、何を隠そう、ラチェットの相棒になるクランクなのである。
だが、小さくてもちゃんとロボットの格好をしている。
頭もなかなか切れそうだ。
見張りのロボットが、不良品と感知されたクランクを廃棄処分にしようと
クランクに近づくが、またの間をさっと潜り抜け、外へ飛び出した。
そして、止めてあった宇宙船に飛び乗ったかと思うと、
大宇宙へと発進!!


惑星ベルディンへ接近中…
(現地時間11:47am)


クランクの乗った宇宙船を、2台の宇宙船が追いかけてきた!
いずれも、見張りロボットが操作、
ミサイル攻撃を仕掛けてくる。
機体を傾けて、それを避けるクランク。
しかし…ついにロックオン!
ピシューーーッ! ボウン!
ミサイルをまともにくらい、クランクの宇宙船は、
きりもみ状態で、近くにあった惑星に落下していった。

その星は、ラチェットの住む惑星ベルディンだった。
まだ、自作の宇宙船をいじっていたラチェットの上空を、
何かが煙を上げながら通り過ぎ、地響きを立ててそのまま墜落。
(外へ投げ出されるクランク)
その様子を見ていたラチェットは、興味深々…!
とりあえず宇宙船の墜落場所へ、行ってみることにした。
自慢の、ブーメラン機能を兼ね備えたレンチを持って…。
途中、ボルトを拾いながら煙の上がるほうへと向かうラチェット。
(このボルトは、言ってみればお金と同じ)
墜落場所へ着くと、燃え上がる機体の横に、
ちいさなロボットが転がっている。
ラチェットは、ちょっとあたりを見回し、
そのロボットを拾い上げた。
…振ってみたが、動く様子はない。
それでもラチェットは、その小型ロボットを抱いて、
自分の宇宙船のところへ戻った。

「♪フンフフフン…フンフン…♪」
少し離れたところにロボットを置き、
鼻歌まじりでラチェットは、再び宇宙船の整備を始めた。
その時、クランクの目に緑色の光が…!
[出来たッスカ?]
突然、真後ろから声を掛けられ、踏み台から落ちるラチェット。
「うわぁ!」
見ると、さっきまで動かなかった小型ロボットが、
すぐ近くに立って、ラチェットを見ているではないか!
[船を造ってるッスネ。]
ラチェットは起き上がると、お尻についた土を払いながら言った。
「そうさ、…君はどこから来たの?何してるんだい?」
[宇宙の危機を救ってくれるヒーローを探しているッス。
あの方は、いわゆるヒーローッスネ?]
クランクは、ラチェットのピットの壁にでかでかと貼ってある
キャプテン・クォークのポスターを指差した。
それは、オモチャが大活躍する映画に登場するヒーローにちょっと似ていて、
ラチェットは、言わばキャプテン・クォークの崇拝者なのだ。
「そう!キャプテン・クォークって有名人。
会ったことは…ないや。
ねっ、宇宙の危機ってどういうことさ?教えてよ。」
[では…]
クランクは、お腹のあたりから、小さなインフォボットを出す…
すると、インフォボットは、モニターに姿を変えた。
そこに映し出されたのは…
目をグリーンに光らせた、頭のとがった一人の男だった。
『耳を傾けよ、この惑星の住民よ…
我々ブラーグの抱える問題、それは爆発的な人口増加、
環境汚染により、死の星になってしまったこと。
だが私、ビッグボスは考え付いた。
新たな惑星を一から作り出し、そこに移住すればよいのだ。
それが、諸君にとってどう関係するか?
我々の高度な技術により、惑星の移植が可能になったのだ。
ついては、この惑星の一部を切り取って、頂戴したいと考えている。
不幸なことに、切り取られた後の惑星は、バランスを崩してしまい、
軌道を離れ、太陽に近づき、蒸発してしまうだろうが、
まぁ、どうかご了承願いたい。ヘッヘ、ご静聴感謝する。
………
これだけ丁寧な態度を装っておけば、バカで愚かで鈍い奴らは、
あっという間に、皆殺しにできるわ。
?まだ撮ってる?早く消さんか!このバカチン!!」
プツン…
インフォボットは、元の小さな小さなロボットに戻り、
クランクの体に入った。
「なんだかすっごい話だな…
じゃあ、頑張ってキャプテン・クォークを見つけてね。」
他人事のようにそう言うラチェット。
するとクランクは…
[あなたにも手伝って欲しいッス。今のインフォボットが
指し示す惑星に行って、色々な手ががりを手に入れたいッスヨ。]
「手伝ってあげたいけどダメなんだ。
この船、部品が足りないみたいで…」
クランクは、素早くサーチ…
[フム……ロボット起動システムッスネ。]
「なんでわかるのさ?」
[私の体にも、起動キイが装備されてるッス。
どんな船でもスタートさせられるッスヨ。]
「あ〜!それなら大丈夫だね。オイラも手伝えるよ。
じゃ、準備するから待っててくれる?」
そこへ、さっきクランクを追ってきた宇宙船が!!
[急いだ方がいいッスネ…追っ手がやってきたッス。]
「…だね。」


ビックボス・ドレックの旗艦・スペースシップBB
惑星ベルディン軌道上


惑星ベルディンを飛び出して行く、ラチェットの宇宙船を
スペースシップから見ているビッグボス。
「見過ごせんな、これは…やってこい!」
「ははぁ。」
ビッグボスに、そう命じられた男…
が、この特徴あるシルエット、どこかで見たような…?

一方、ラチェットとクランクを乗せた宇宙船では…

「うわぁ〜すっげーや、これ!オイラの造った船、ちゃんと飛んでる!」
ラチェットは、かなり興奮気味!
[ご主人様、よそ見運転は非情に危険ッスヨ。]
クランクは、あくまで冷静。
「は?オイラ?ああ、なに…ご主人なんてやめてくんないかな。
ラチェットってんだ!」
[…登録完了ッス、はい。]
「君の名は?」
[シリアルナンバーは、B5429…]
突然、揺れる宇宙船。
「おっと…言いにくいから、クランクって呼ぶよ。
行っくぜ〜!!」

こうして、ラチェットとクランクは、宇宙の危機を救うため、
コンビを組んだ。

ビッグボスとは…?
そして、あのシルエットの男は…?

ラチェットとクランクの行く手に、
果たして、どんな冒険が待ち受けているのかっ?!


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