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>遺跡の中

冒険者:こっちだ!
謎の兵士:逃げたぞ!追うんだ!

謎の兵士:いたぞ!
研究員:!?
少女:!
冒険者:くそっ!
謎の兵士:何っ!?
冒険者:参ったな。思ったより気付かれるのが早かったな。これじゃすぐに追いつかれちまう……。しょうがねえ、ここで奴らを食い止めるしかないか。お前たちは、なんとしてもここから逃げ切るんだ!
研究員:待ってください!あなた一人じゃ無理だ!一緒に逃げましょう!
冒険者:駄目だ。それじゃあ、全員仲良く捕まっちまう。
研究員:でも、一人でなんて、そんなっ……!あなたが犠牲になるだけじゃないですか!
少女:……。
冒険者:……心配するな!これでも昔はちっとは名の知れた冒険者だったんだぜ。しばらく足止めするだけだ、やられたりはしないさ。
研究員:でも……。
冒険者:絶対に、この子を奴らに渡すわけにはいかん。
研究員:……そうですね、この子だけは……。
冒険者:この髪飾りを君にやろう。
少女:これは……?
冒険者:お守りみたいなものさ。つけていれば、きっといいことがある。
少女:うん、わかった。
冒険者:……心配しなくていい。必ず君を逃がしてみせる。絶対に、この人の側から離れるんじゃないぞ。
少女:……うん。
冒険者:さあ、早く行け!追手が迫っている!ぐずぐずしてると奴らに追いつかれるぞ!ちっ、遅かったか……。お前は早くこの子を連れて逃げろ。
研究員:……ご無事で。必ずまた会いましょう。
冒険者:この子のことは頼んだぜ!
少女:また……。
冒険者:あぁ、必ずな……。二人とも、うまく逃げ延びてくれよ……。
謎の兵士:少女が逃げたぞ!
謎の兵士:逃がすな、追うんだ!
冒険者:おっと……。ここを通すわけにはいかないなあ。
謎の兵士:ちっ、先に片付けるぞ!
冒険者:フフ、お前達にできるかな?さあ!派手にいこうかっ!

>森の中

研究員:ハァ……ハァ……。ここまで来れば……。追手!?まさか……。あの人がやられたのか!?
少女:!?
謎の兵士:いたぞ!捕まえろ!いいか、少女は生け捕りにするんだぞ!
研究員:くそっ……。

>崖っぷち

謎の兵士:観念するんだな……。おとなしく少女を渡せ。
研究員:くそっ……どうしたら……。うわぁぁぁ……。


>どこかの海沿い。墓の前、主人公が一人立っている。

主人公:母さん……。とうとうオレ一人になっちゃったな……。ごめん……。オレにもっと力があれば、母さんを助けることができたかもしれないのに……。そもそも親父が家を出て行かなければ……母さんは死なずに済んだはずだ!俺たち家族をほったらかしにして好き勝手に各地を点々としたあげく、旅先で勝手に死んじまって……。あんたがいなくなってから母さんはオレを育てるために、必死に働いてたんだ!でも、そのせいで母さんはっ!オレはあんたを許さない!家族を……母さんを捨てて出て行っちまったあんたを!見ててくれ母さん。オレは親父のような奴にはならない。立派に独り立ちして、母さんを安心させてみせる。だけど、今までみたいに冒険者の真似事をしてただけじゃあ、母さんも不安だろうと思うから。だから……。オレは本物の冒険者になって自分のギルドを作るんだ。そしてたくさんの依頼をこなし、一人前の冒険者になるよ。そうすれば、母さんも天国で安心できるよね……。母さん、そろそろ行くね。まずはユシドラの洞窟に行ってみるよ。本当は、すぐにでもプロンテラに行って一人前の冒険者を目指したいけど、プロンテラみたいな街でやっていくにはお金が必要だからね。ユシドラの洞窟には、高く売れるきれいな石があるらしいから、それを資金にしようと思うんだ。洞窟にいるモンスターはそれほど凶暴じゃないから、腕試しにもちょうどいいしね。一人前の冒険者になることができたら、またここに戻ってくるよ。無茶なことはしないから、心配しないでね……母さん。それじゃあ、母さん。行ってくるよ。

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