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-神界…イシター神殿-

イシター神殿にて、二人の女性がいた。 一人は長い金髪で白いドレスを着ていて、もう一人は同じく長い金髪で、
羽の付いたヘルメットと緑色の甲冑をした女性がいた。 一人は『ドルアーガの塔』、及び『イシターの復活』に登場した
女神『イシター』と、もう一人は『ワルキューレの伝説』シリーズに登場した主人公で、乙女の騎士の『ワルキューレ』である。

イシター「本当に…一人で行くのですか?」
ワルキューレ「はい。 今回の件がどれほど危険なものか…十分にわかっているつもりです。」
イシター「ならば、なぜ“従者”の同行を…。」
ワルキューレ「お言葉ですが、イシター様…“彼”には守るべき家族がいます。 『幻の薬』『時の鍵』『黄金の種』…
         あらゆる事件において、彼は家庭を省みず、戦ってくれました…。」
イシター「………」
ワルキューレ「これ以上…クリノを戦いに巻き込みたくはありません。」
イシター「ですが、今あらゆる世界で生じている事象…あなただけの力で終息させる事は不可能なのでは在りませんか?」
ワルキューレ「申し訳ありません、イシター様…。 それでも…彼を巻き込みたくはありません。」
イシター「………。 …サンドラ族の族長には、その旨をすでに伝えてあります。 もしこの言いつけを破れば…
      その者は反逆者としての汚名を着る事になるでしょう。 これで…いいのですか?」
ワルキューレ「………。 ありがとうございます。」 

ワルキューレ「…では、これからすぐに参ります。」
イシター「『黄金の騎士』、そして『白銀の騎士』…せめてその二人の尽力を仰ぐべきではありませんか?」
ワルキューレ「…彼らの戦いも、あの時…終わりました。 今ある彼らの穏やかな生活を、忌まわしい記憶によって
         脅かしたくはありません…。 このまま何事もなく終わらせられれば…それが一番いいと思います。」
イシター「………」
ワルキューレ「では…参ります。」
彼女はそう言い残し、剣と盾を構えて、歩き去った。

イシター「………」

イシター(ワルキューレ…あなたほどの戦士でも…わかっていないようですね…。 人の身でありながら、
      “あの戦い”を駆け抜けた男たちの事を…。 そしてなにより…あのサンドラ族の若者の事を…。)


-魔界…デミトリの城、中央ホール-

『ヴァンパイア』シリーズにあるデミトリのステージとして使われた城の中央ホールにて、一人の男がいた。 彼は
青いスーツと赤いマントをしていて、体から不気味なオーラを漂わせていた。 彼は『ヴァンパイア』シリーズに登場する
キャラクターで、ドラキュラの『デミトリ=モキシモフ』である。

デミトリ「………。 …………。 ……………。 退屈極まりない…そうは思わんかね。」

???「そうね、その意見には賛成だわ。」

デミトリ「何をしに来た、モリガン。」

彼の前に現れたのは、薄緑の長い髪、黒いタイツにこうもりの羽をしたセクシーな女性…。 彼女はデミトリと同じく
『ヴァンパイア』シリーズに登場したキャラクター、サキュバスの『モリガン=アーンスランド』である。

モリガン「ふふ…ご挨拶ね。 淑女(レディ)が殿方の寝所にまで足を運んだのよ? やさしく接するのが紳士の
      たしなみじゃなくって?」
デミトリ「…決着をつけに来たのか。」
モリガン「さあ? 当ててご覧なさいな。」
デミトリ「フン…当たり外れなど関係ない。 さあ、アーンスランドの主よ、この私と戦え。 魔界最強を賭けて…
     闇を統べる資格を賭けて!」
彼は戦闘に備えるが、逆にモリガンはやる気なし。

モリガン「あ〜あ、やめやめ。」
デミトリ「ぬ…。」
モリガン「楽しみは取っておくタイプなのよ、私は。 …でなければ、退屈で死んでしまうわ。 それに…
      今のあなたは少しもそそられないもの。 楽しみにもならないわ。」
デミトリ「貴様…いい加減に…。」
モリガン「だったら、この場で私を引き裂いたらいかが? それであなたはこの魔界の王。 …あら、
      その前にエンマを始末しないといけないわね。」
デミトリ「…そんな貴様に勝ったとて、意味がない…!」
モリガン「ふふ、そうよね。 …そこがつまらないと言ってるのよ。 わからないでしょうけどね、今のあなたには。」
デミトリ「…くだらん。」
モリガン「うふふ…あまりからかっても可哀想だし、少し楽しいお話をしましょうか。」

モリガン「…悪魔ドルアーガ…知っているわよね?」
デミトリ「かつて、人間どもに『時の狭間』へ追いやられた悪魔か。 ふん、そいつがどうかしたと…。」
モリガン「んもう、話は最後まで聞いて。 …それから魔王ゾウナ、魔王アスタロト、邪剣ソウルエッジ…。」
デミトリ「待て。 そいつらは過去、すべて『時の狭間』に…。 …そうか『時の狭間』…!」
モリガン「そう、開いたのよ。 都合の悪いもの全てを押し込めた、パンドラの箱がね。」

デミトリ「クク…ハハハ…。」
モリガン「ふふふ…でしょう? 面白い…すごく面白くなりそうだと思わない? うふふ…。」
デミトリ「ならば、“あの村”も再び現れるという事か。 フフフ…フハハハハハハ!」


-魔界…魔界村・エントランス-

『魔界村』シリーズにある魔界村の入り口にいたのは、ワルキューレと、『魔界村』シリーズに登場する雑魚敵『死神』…。
ワルキューレはこのエリアで、死神達と戦っていた。

ワルキューレ「はぁはぁ…。 これで…最後の1体…! いつまでも、こんな所で足止めをされているわけには…。」

しかし、一体の死神の背後に、もう二体の死神が出現した。

ワルキューレ「く…また…! このまま消耗戦になってしまえば、私の方が不利…。」

更に、もう二体の死神も増え、全部で五体の死神が揃った。

ワルキューレ「…彼がいてくれれば…。 ………。 いえ…それは私が決めた事。 …参ります!」
彼女はそう言いながら、剣と盾を構え、一体の死神に立ち向かった。







一体の死神を倒したワルキューレは、エントランスへの道を発見する。

ワルキューレ「…見えた! 抜ける…っ!」

彼女はそのまま敵を無視し、真っ直ぐ魔界村のエントランスへ向かうが、扉の向こうに辿り着いた時には、
同じ場所に戻っていた。

ワルキューレ「え…!? そんな…! 同じ場所!? なんてこと…。 空間が歪められている…!
         入り込む事さえできないなんて…。 …これが…魔界村…!」


『プロローグ4 Ghouls & Ghosts』







一体の死神を倒した後、ワルキューレは思い始めた。

ワルキューレ「…どこかに空間のほころびがあるはず。 そこを見つけなければ…!」

しかし、そう思った後、突然魔界村とは全く関係のない、二体のブラックスライムが出現した。

ワルキューレ「…え!? 魔界村の悪魔ではないのですか…!?」

その次に『ドルアーガの塔』、及び『イシターの復活』に登場した二体の『メイジ』も出現した。

ワルキューレ「それでは、この先に…魔界村の中に…あの塔が!? そんな…そんな事って…!」







一体の死神を見事に倒せたが、ワルキューレの体力もそろそろ限界に近くなっていた。

ワルキューレ「はぁ…はぁ…。 いけない…このままでは…。」

???「ほう…先客がいるようだ。」
???「先を越されちゃったみたいねえ。」

ワルキューレ「!? 誰です!」

彼女が振り向くと、目の前にデミトリとモリガンが現れた。

デミトリ「魔界村…か。 ふん、本当に以前と変わらんな。」
モリガン「改装くらいすればいいのにね。 ガーデニングとか。」

ワルキューレ「…あなた方は…!」

モリガン「あら…これはこれは。」
デミトリ「ほほう…まさかこんな場所でお会いしようとはな。 女神イシター直属の『乙女の騎士』…ワルキューレ。」

ワルキューレ「………」

モリガン「ふうん…“清純派”っていうのも、悪くないものね。 …人気あるでしょ? あなた。」

ワルキューレ「…あなた方も、魔界村の軍門に降ったのですか? デミトリ=モキシモフ…モリガン=アーンスランド。」

デミトリ「…口の利き方に気をつけろ。 悪魔どもの手にかかる前に、私が始末をつけてもいいのだぞ。」

ワルキューレ「…かかって来るならば、私はかまいません。」
彼女はそう言いながら、剣と盾を構えるが、途中でモリガンが間を割り切る。

モリガン「はいはい、そこまで。 もう、生真面目なんだから…軽く流せばいいのよ。 あなたも大人気ないわよ、デミデミ。」
デミトリ「…おかしな呼び名を付けるな。」

ワルキューレ「魔界村と無関係だというのならば…どうしてこちらに?」

モリガン「面白そうだったから…じゃ答えになってないかしら? 少なくとも、刺激的な体験はできそうじゃなくて?」

ワルキューレ「…そんなに甘いものではありません。」

デミトリ「ふん、この程度の連中にてこずるようでは、乙女の騎士の実力もたかが知れているようだな。」
モリガン「あんまり気にしないでね、ワルちゃん。 こいつ、言う事は大きいから。」
デミトリ「…モリガン。」

ワルキューレ「…奇妙な呼び方はやめてください。」

モリガン「うふふ…さて、楽しみましょうか。」







ワルキューレ、デミトリ、そしてモリガンの活躍により、複数の敵を倒し続き、その数も減りつつあった。

モリガン「だいぶ数は減ったわね。」
デミトリ「もう少し楽しめるかと思えば、つまらん。」

ワルキューレ「………」

ワルキューレ(問題はどうやって先に進むか…。 …やはりあの方の力を借りなければ…。)

モリガン「さてと…残りを片付けましょうか。」
デミトリ「これでおしまいとは…他愛もない。 夜はこれからだというのに。」

???「それはどうかな?」

デミトリ「なに…?」

デミトリが振り向くと、エントランスの前に更なる敵が出現した。 死神三体…『ドルアーガの塔』、及び『イシターの復活』に
登場した雑魚敵の『ブラックナイト』二体とブルーナイト二体と『リザードマン』、『ソーサラー』、『ドルイド』、『ウィザード』、
『メイジゴースト』、『ドルイドゴースト』、そして『ウィザードゴースト』…『魔界村』シリーズに登場した『レッドアリーマー』四体
と言った軍隊が現れた。

デミトリ「ぬう…!」
モリガン「ちょっとちょっと…すごい数。」

ワルキューレ「これが…本隊!?」

ワルキューレ(やはり、半数近くがドルアーガの軍勢…。 魔界村と…ドルアーガの塔…そんな恐ろしい事が!?)

その時、空から何者かが舞い降りて来た。 それは赤い皮膚に悪魔の翼、そして鋼鉄の鎧を身に着けた悪魔であった。

???「騒がしいと思って来てみれば…なかなか豪華な顔ぶれだな。 マキシモフ家、アーンスランド家の両当主…それから…。」

ワルキューレ「あなたは…。」

???「乙女の騎士…ワルキューレとはな。 む…? 相棒の姿が見えないようだが…ついに命を落としたか?」

ワルキューレ「…そうさせないために、私一人なのです。」

???「なるほど、お優しい事だ。 …だが、本当の戦士にとって、それはこの上のない屈辱だ。 その男が、
     並みの戦死である事を祈るのだな。」

ワルキューレ「………」

デミトリ「何の話をしている。 だが、これだけの数…クク…ようやく面白くなってきたようだ。」
モリガン「…多すぎるわよ、いくらなんでも。 ちょっとまずいかもね…どうしたものかしら。」

???「…退くならば見逃す。」

デミトリ「なに…!?」
ワルキューレ「…え…?」

???「…退くならば見逃す。 来るならば容赦はせん。」

モリガン「ふふ…どういう腹積もりなのかしらね。」

ワルキューレ「…お心遣いに感謝します。 …“紋章に導かれし赤き魔物”よ。」

???「……!」

モリガン「…赤き魔物…? 紋章…?」

???「その呼び名…久しいぞ、乙女の騎士よ。 …今の俺はジョーカー。 魔界村討伐隊、『デモンズ・ブレイゾン」の
     レッドアリーマー・ジョーカーだ。」

『レッドアリーマー・ジョーカー』…『魔界村』シリーズに登場する悪役で、その上『レッドアリーマー 魔界村外伝』などの
主人公として登場した事がある、レッドアリーマーの頂点に立つ誇り高き戦士である。

ワルキューレ(デモンズ・ブレイゾン…やはり…!)

ワルキューレ「…撤退します。 デミトリ=マキシモフ、そしてモリガン=アーンスランド…ご協力に感謝します。
         あなた方もここから立ち去りなさい。」
デミトリ「…この私に、敵に背を向けろというのか。 乙女の騎士よ!」
ワルキューレ「勝利を得るために、ここを通り抜けるために…ある人物の力が必要になります。 そしてあの“赤き魔物”…
         彼が私達を見逃すのも、それが理由でしょう。」

レッドアリーマー・ジョーカー「………」

ワルキューレ「再び戦わなければならない時が来ます。 間違いなく…この場所で。」
彼女はそう言い残し、撤退した。

モリガン「…ふう。 なんか…興醒めしちゃったわ。」
デミトリ「…つまらぬ。」
彼はそう愚痴をこぼし、撤退した。

レッドアリーマー・ジョーカー「おまえはどうする、アーンスランド家の当主よ。」

モリガン「おいとまするわ。 次は“彼”…お目当ての『白銀の騎士』を連れて来てあげようかしらね。」

レッドアリーマー・ジョーカー「…楽しみにしている。」

モリガン「ふふ…それじゃあね。」
そして彼女もその場から撤退した。

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