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-魔界…ガマ親分の賭博場、サイコロ道場-

『妖怪道中記』にあるサイコロ道場にて、ある二人がサイコロ勝負をしていた。 一人は茶髪で青いタンクトップに短パンを
していた少年と、もう一人は煙管を加え、アイパッチをした大きな赤いガマガエルがいた。 彼らは『妖怪道中記』に登場した
主人公の『たろすけ』と、サイコロ道場の親方『ガマ親分』である。

たろすけ「よし! じゃあ…四六の丁ッ!」
ガマ親分「ふむ…。」

彼がサイコロを振り出すと、二つのサイコロから四と六の数字が見えていた。

たろすけ「へへっ! もらいっ!」
ガマ親分「…う〜む、やられた。」

たろすけ「…あのさ、親分。」
ガマ親分「ん〜?」
たろすけ「オイラに…何かあるんじゃない?」
ガマ親分「む…ん…まあ…なあ。」
たろすけ「歯切れ悪いなあ、なんなんだよ、親分! さっきから上の空じゃんよ!」
ガマ親分「う〜ん、まあ…言わなけりゃならんことだからなぁ。」
たろすけ「なんなんだよ、もう! そう簡単には驚かないっての!」
ガマ親分「………」

ガマ親分「…閻魔大王様がお呼びだ。」
たろすけ「ゲェーーーーーーーッ!?」
自分で言っていたのに、簡単に驚いた。


-超未来…辺境惑星、古代遺跡-

とある惑星にあるとある古代遺跡…不気味さを漂わせる複数の穴のある壁…その内部に一人の女性がいた。
その女性は茶髪で、オレンジのスペーススーツをしていた。 彼女は『バラデューク』に登場する『KISSY』と言うあだ名を
持った主人公で、後に『ミスタードリラー』シリーズで『ホリ・ススム』の母親になる、『トビ・マスヨ』である。
彼女はこの遺跡に来て、何かの調査をしていた。

マスヨ「ここは…間違いない。 忘れるもんですか…スーツ越しでも感じるこの感覚…。」

その時、どこかからジェット音が流れ、何者かがマスヨの前に現れた。 その人物は長い髪に青とピンクのスーツを着ていた
女性で、バイクのような赤いジェット機に乗っていた。 彼女はマスヨの後輩で、『バーニングフォース』に登場した主人公の
『天現寺ひろみ』である。

ひろみ「マスヨ先輩! どうしたんですか? こんな辺境の遺跡に…。 え…!? な、なんです? この気持ち悪い壁…。
     すごい趣味の悪さですけど…。」
マスヨ「違うわ…“造り直された”のよ。」
ひろみ「…へ…?」
マスヨ「ひろみちゃん、本部に緊急連絡!」
ひろみ「え?」
マスヨ「それから、この遺跡の近辺に来ている、すべての人物、団体に対して、全周波数で避難勧告を出してちょうだい。
     最近見つかったこの遺跡には、かなりの数のディグアウターが入り込んでいるはずよ。」
ひろみ「え? え!? ちょっと先輩、急にどうしたんですか!? そんな事したら、私達『辺境警備隊』がここに来ている事が、
     トロン・ボーンにバレちゃいますよ! せっかく居場所を掴んだのに!」
マスヨ「“元”辺境警備隊よ。 ひろみちゃん。 あいつら…空賊ボーン一家を捕まえるのは後よ。 後。 連絡、急いで!」
ひろみ「もう! 説明してくださいよ、先輩!」

余りにもわけのわからない事でイライラするひろみだが、その途中地震が発生し始めた。

ひろみ「わわっ! な、なに!?」
マスヨ「…遅かったようね。 これが答えよ、ひろみちゃん。」
ひろみ「何が起きてるんです!? 先輩には…これが何だかわかっているんですか!?」
マスヨ「急いで! すぐに脱出よッ! さっきの勧告を大至急! 本部への連絡よりも優先してッ!」
ひろみ「コ、了解(コピー)! わ、わわっ!」

しかし、全て遅し。 大地が激しく揺れ、終いには空間が歪み始めた。 そして突然光が発生し、マスヨとひろみを飲み込ませた。

マスヨ「なぜ、“ここ”が!? どうして…!? …タイゾウ…君…!」

そして二人は、光の中へ消えて行った…。


-魍魎界…上ノ伊城近辺、竹林-

『上ノ伊城』の近くにある竹林に、一人の男が歩いていた。 その男は黒髪で、赤い甲冑をしている侍であった。

???「この先か。 上ノ伊城……ぶっ潰れてだいぶ経つがな。」

???「………」

その間に、もう一人の人物が彼の背後に立っていた。

???「…おい。 どこの誰だか知らねえが…コソコソしてるんじゃねえ。 どこの乱波だ!」

???「ふん…勘だけは一人前だな、御剣平四郎。」

そう、この侍は『ソウルエッジ』、及び『ソウルキャリバー』シリーズに登場するキャラクター、『御剣平四郎』である。

御剣「…また貴様か! いい加減にしろッ!」

彼が振り向くと、そこにいたのは長いお下げの黒髪で、甲冑に赤いタイツのような服を着た女性がいた。

???「フッ…懲りない奴。」
御剣「遊びじゃねえッ!」
???「いい加減にするのは貴様だ、御剣。 あの『剣』は、貴様のような田舎侍にどうこうできる代物ではない。」
御剣「それを決めるのはタキ、貴様じゃねえ。 …この俺だ。」

そう、このくの一は御剣と同じく『ソウルエッジ』、及び『ソウルキャリバー』シリーズに登場するキャラクター、『タキ』である。

御剣「邪魔をするなら…ここで勝負をつけるか? あぁッ!」
彼はそう言いながら手に刀を当てるが、そんなタキは全くのやる気を出していない。
タキ「ふん、この単細胞が。 話にならん。」
そう言いながら、彼女はその場から立ち去った。

御剣「ケッ、ほざきやがる。 …だが、これで確信が持てたぜ。 あの女がここにいるって事は、あの『剣』もここにあるって事だ。
    …『そうるえっじ』がな。」


-魔界…三途の川-

魔界…或いはあの世に近い空間、三途の川にて、一人の男が目を覚ました。

???「……ここは? そうか…我(われ)は…。」

彼がそう呟くと、隣に何者かが現れた。 その人物は…人間ではないが、白い着物と赤いはかまをして、
背後にはまるで心霊写真に出てくるような複数の不気味な顔が複数浮かび上がらせている老婆であった。

???「ひゃひゃひゃ…久しいのう。 …平景清(たいらのかげきよ)よ。」

そう、目覚めた男は『源平討魔伝』に登場した主人公で、平家一族の一人、『平景清』である。

景清「…安駄婆(あんだば)…。 なぜ、我(われ)を眠りから呼び醒ました…。」

彼が話している老婆も、景清と同じく『源平討魔伝』に登場する三途の川の渡し守、『安駄婆』である

安駄婆「もう…400年近く前になるかのう…。 ひゃひゃ…まるで昨日の事のようじゃ。」
景清「…安駄婆。」
安駄婆「…おぬしを黄泉帰らせる理由など、いくつもあるまい。 滅びし平家の恨み…忘れたわけではあるまいな。」
景清「……!! …馬鹿を申すな、安駄婆。 彼の者は、我(われ)が斬った…間違いはない。」
安駄婆「ひゃひゃひゃ…じゃが、その“諸悪の王”を斬ったおぬしも、一度は討ち死にし…黄泉より帰りし者ではなかったかのう。」
景清「………」
安駄婆「そうじゃ、黄泉帰りよ。 …一族郎党、すべてな。」
景清「………。 承知した。 …参る。」
安駄婆「待つのじゃ。 …時が流れ、人の世も変わった。 おぬしだけでは何かと不便じゃろう。」
景清「……?」
安駄婆「水先案内人を用意した。 閻魔大王様のお心遣いに感謝せい、景清。 …たろすけや、待たせたの。」

その後、たろすけが現れた。

たろすけ「なんだよ〜、なんでおいらがこんなトコに…。 …って、わ! ナニこの人! 怖ッ!」
景清「…この童(わらし)は?」
安駄婆「ひゃひゃひゃ…名はたろすけ。 おぬしの相棒になる者よ。」
景清「…いらぬ。 我(われ)一人で事足りる。」
安駄婆「たわけ。 これは閻魔大王様の勅命じゃ。 おぬしに拒否する権利などない。」
景清「………」

たろすけ「いやぁ、でも、本人が嫌だって言ってるしさぁ。 …じゃあ、安駄婆の婆ちゃん! おいらはこれで!」
彼はその場から帰ろうとするが…。
安駄婆「…それならば、帰り道は三途の川底じゃ。 ちと寒いが達者でのう、たろすけや。」
たろすけ「もう! どうすりゃいいんだよッ!」

景清「………」
彼は無言のまま、もちろんたろすけを残したまま、歩き去った。

たろすけ「あ! ちょっと待ってよ! おいらの立場も考えてくれってばよ!」
彼も怒りながら、景清の後を追った。

安駄婆「…ひゃひゃ…再びこの日がやって来るとはの。 じゃが、二人とも…忘れるでないぞ…。 …諸悪の王、
     頼朝を倒すには、『曲玉』『剣』『鏡』の三種の神器の他に、正しい心が必要じゃ。 ひたすらに信心を忘れなさるな。
     よいな、信心じゃぞ…。」


-魍魎界…上ノ伊城・桜台門-

『ソウルキャリバー』シリーズにある上ノ伊城の桜台門にて、一人の侍がいた。 彼は長い赤髪、赤と黒の甲冑をしていて、
白い服装をしていたが、黒い目に顔は白く、見た目は人間ではない事が分かる。 彼の背後には、『妖怪道中記』に登場した
雑魚敵の『槍骸骨』三体いた。 彼らは城の屋根に突き刺さっている、『ソウルエッジ』、及び『ソウルキャリバー』シリーズに登場した
邪剣『ソウルエッジ』を眺めていた。

???「なんと禍々しい気を放つ剣(つるぎ)か。 だが、それ故に…鎌倉殿には相応しい…。 ひょひょひょ…。」

???「ハッ、そんな事ぁねェな!」

突然謎の男の背後から誰かが話しかけた。

???「む…?」

彼は振り向くと、そこには御剣が現れた。

御剣「その剣…『そうるえっじ』は俺がもらう。」

???「ひょひょひょ…いきなり現れて、面白い事を言う。 『そうるえっじ』と申すか、この剣は。」

御剣「そんな事も知らずに、手ェ出そうとしてやがったか。」

???「後から現れおったというのに、ふざけた男よ。 しばらく居らぬうちに、侍も落ちたものよな。」

御剣「ごたくなんぞ聞いちゃいねえ!」
彼は手を刀に当てるが、その時何かを思っていた。

御剣(…しばらく居らぬうち…だと? それに、こいつの格好…いつの時代の甲冑だ? …おまけに取り巻きは
    妖(あやかし)の類ときてやがる。)

???「まあよい。 …どの道、見られたからには生かしておく道理もない。 この義経の手にかかる事を警れにするがよい。」

そう、この男は『源平討魔伝』に登場した悪役、源氏一族の一人、『源義経』である。

御剣「へへ…わかりやすくて安心したぜ。 強い奴の総取り…そうでなくっちゃなッ!」

義経「わかったような口を利く! 無粋な野武士風情が…殺して進ぜよう!」

御剣「御剣だ! 覚えとけッ!」


『プロローグ3 戦国の用心棒』








御剣は見事に一体の槍骸骨を倒せた。

御剣「ひとォーーつ!」

義経「…ふん、やるではないか。」

御剣「痩せっぽちの骸骨風情に、俺をどうこうできるかッ! 次は貴様だ、覚悟しろ!」

???「なかなか威勢のいい男だ。 久しい…久しいぞ、この空気…。 この男、戦場(いくさば)に流れる気を纏うておる。」

御剣「なに…!?」

その時、突然義経の隣に何者かが現れた。 その人物は布で顔を隠し、刺鉄球の付いた棒を片手に持った山伏のようだが、
目が赤いため、人間ではない事が分かる。

義経「…うぬか。」
???「よもやと思うて来てみれば…難儀のようで。 牛若様。」
義経「ひょひょひょ…遊んでおっただけよ、鬼若。 うぬの力、借りるまでもない。」

御剣「牛若に…鬼若? どこかで聞いたような名だが、関係ねえ! まとめて相手にしてやるぜッ!」

???「くっくっく…我らの名も地に落ちたものよ。」

???「…牛若は源九郎義経、そして鬼若、武蔵坊弁慶…数百年前にそのような者達がいたと聞く。」

突然聞こえて来た謎の女の声…彼女が言っていた大男は、『源平討魔伝』に登場した悪役、源氏一族の一員、
『武蔵坊弁慶』であった。

義経「むう…?」
弁慶「気配がない…何奴?」

御剣「…ちッ! またかッ!」

彼らが振り向くと、その場にタキが現れた。

タキ「騙りか、はたまた本人か…そこまではわからぬがな。」

御剣「貴様…今までずっと見ていやがったな。」

タキ「当然だ。 うっとうしい猪武者が斬られるまで待つつもりだったが、状況が変わったようなのでな。」

弁慶「面白いぞ…娘。 で、どうする?」

タキ「知られた事。 貴様ら人外の者を封じ…『そうるえっじ』を頂く。」

御剣「けっ、面倒くせえ! 貴様らまとめて、刀の錆だッ!」

タキ「この阿呆侍が! 後で相手をしてやる! 今はこの者達を先にせい!」
彼女はそう言いながら、小太刀を構える。

御剣「………。」
彼はタキに向けて刀を構えるが、途中で下ろす。
御剣「…ふん、確かにそうか。 けっ…仕方ねえ。 そんな事言っといて、背中から俺を斬るんじゃねえぞ。」

タキ「…なるほど、それも手か。」

御剣「ぬかせ! いくぞッ!」
互いが敵同士である事を一時的に忘れ、二人は自分達の武器を敵に向かせながら、義経と弁慶に立ち向かった。







弁慶が戦いに出ている間に、突然笑い始めた。

弁慶「ぬわっはっはっは! やるではないか! ぬしら程の兵(つわもの)が欲する剣…わしにも興味が出てきた!
    決めたぞ! 一千本目の武器…『そうるえっじ』に!」

義経「ひょひょひょ。 鎌倉殿…兄者がお許しになればだが、手に入れなければ始まらんぞ、鬼若。」

弁慶「承知! こやつらを討ち倒し、我が手に!」

御剣「それはこっちの台詞だ! 抜け駆けは許ねえッ!」

タキ「なにが抜け駆けだ。 後から来たのは貴様だろうに…。 うっ!?」

突然タキの小太刀、『滅鬼丸』から何かを感じた。 それはソウルエッジからの反応であるらしい。

タキ(滅鬼丸が…『そうるえっじ』と共鳴している!?)

突然大地が揺れ始め、空間が歪み、御剣達の前に何者かが現れた。 それは『バラデューク』に登場した雑魚敵
『ギリィ・オクティ』一体、そして『ロックマンDASH』シリーズに登場した『リーバード』の『ホロッコ」三体であった。

ギリィ・オクティ「………。」

御剣「な、なんだ、こいつらはッ!?」
タキ「ちっ、妖魔の類か。 こやつらの仲間…?」

タキ(だが…妖気を感じないだと?)

弁慶「…牛若様、この者達は…?」

義経「捨て置け。 …黄泉の道が開いたのだ。 我らと同じく、出てくる者もいよう。」

タキ(“黄泉の道”…!? やはり、こやつら…本物の…!?)

しかし突然大地が再び揺れ、空間も再び歪み、御剣達の前にまたもや何者かが現れた。 それは四人組で、
二人はマスヨとひろみだが、もう二人は違う…。 一人は変わった髪型をしていて、ピンクのワンピースに黒いタイツをしていて、
ピンクの機械『グスタフ』に乗った少女と、その隣にいるもう一人は某ブロックおもちゃによく似たロボットである。 
この二人は『ロックマンDASH』シリーズに登場する悪役で、『トロンにコブン』では主人公でもある、空賊ボーン一家の長女、
『トロン・ボーン』とそのロボット『コブン』であった。

トロン「あたた…いきなり目の前が真っ白になったと思ったら…一体何事ですの…?」
コブン1号「ト、トロン様ぁ…。」
トロン「1号、状況報告お願い!」
コブン1号「え〜と、そのぉ〜…。」

御剣「なんなんだ、貴様らッ!」

コブン17号「なんか怖い人と…。」

ギリィ・オクティ「………」

コブン28号「なんか怪生物と…。」

マスヨ「ひろみちゃん、大丈夫?」
ひろみ「あうう…一体、何がどうなったんですかぁ、先輩…。」

コブン1号「なんかボク達を追っかけてる元辺境警備隊の人達です〜。」
トロン「辺境警備隊って…えええ!? 爆突野郎のっ!?」
マスヨ「誰が爆突野郎ですってぇ!? 私は女よ!」
トロン「う…ま、まずいですわねぇ。 こんな時に…。」

ひろみ「先輩、先輩! あれを!」

ギリィ・オクティ「………」

マスヨ「オクティ…! 間違いない…オクティ族だわ…!」

コブン1号「トロン様ぁ! リーバードもいますぅ!」
トロン「ああ〜もう! 何が起こってるのよォ!」

弁慶「騒がしくなって来おったな。 なまった体をほぐすには丁度いい! まとめて薙ぎ倒してくれようぞ!」

御剣「何だかわからんが、確かに邪魔だな。 …ぶった斬るか。」
タキ「待て、御剣。 …ここは利用するのが手だ。」
御剣「あぁ?」
タキ「敵の数が多い。 こちらに引き込めるようなら引き込む。 それに、今出てきた化け物の事を知っている様子…
    情報が欲しい。」
御剣「なるほどな、邪魔なら後で始末すりゃいいって事か。」
タキ「ほう、多少は物分りが良くなったな。 犬や猫よりはマシになったぞ。」
御剣「ぬかせ。」

御剣「おい、貴様ら! こいつらは…。 …あ〜、その、何だ…敵だ! 死にたくなけりゃ戦え!」

トロン「へ?」

タキ「…この阿呆が…もっとうまい言い方があるだろうに。」
御剣の説明不足に対し、彼女は呆れていた。

ひろみ「ど、どうします? 先輩…。」
マスヨ「…彼らの方について、戦いましょう。 どの道、オクティやリーバードは相手をしなければならないわ。
     トロンちゃん、あなたもいいわね?」

トロン「い、いきなりちゃん付けとは馴れ馴れしいですわね。 …この際、仕方ありませんわね。 わかりましたわ。」

ひろみ「先輩…いいんですか?」
マスヨ「とりあえず、よ。 この場を切り抜けて、情報を集めるの。 その後は…邪魔なら始末してしまえばいいでしょ?
     トロンを縛り上げて、バイクで引きずっていけばいいし。」
ひろみ「………」
腹黒いマスヨに対して、冷や汗を垂らすひろみであった。

コブン「アワ、アワワ…。」
トロン「聞こえてる、聞こえてる! トビ・マスヨ…噂通り恐ろしい女ですわ…。」

御剣「やるのか、やらねえのかッ! はっきりしろ、貴様ら!」

マスヨ「やるわよッ!」







戦いが続いている中、弁慶は再び笑い始めた。

弁慶「フフフ…ぬはははははは! 面白い…面白いぞ! やはり戦(いくさ)こそ華よ! こうでなければならぬ!
    ぬはははは!」

マスヨ「な、なんなの…!?」

マスヨ(それに…さっきからこの場所の特定ができない。 ここは一体…?)

義経「ひょひょひょ。 まさにその通り…敵を斬り捨て、野に晒す…至上の悦楽よ。」

トロン「め、滅茶苦茶言ってますわね…。」

マスヨ「…ひとり斬ってもらって、うっとりしているうちに射殺するっていうのはどうかしら?」
コブン28号「……ッ!」
ひろみ「あの、先輩…そういう考えはどうかと。」
マスヨ「…ひろみちゃん、これが戦術よ。」
ひろみ「…な、なんか、騙されてる…。」
そんな彼女の腹黒さに恐怖心を隠せないひろみとコブン28号であった。

???「至上の悦楽…とな? …ならば、斬り捨てられ…野に晒される覚悟もできているような。」

義経「な……ッ!?」

弁慶「こ…この…声はッ!?」

義経と弁慶の前に、景清とたろすけが現れた。

景清「…久しいな。 義経、弁慶…。」

弁慶「ぬ…ぬうう…!」

義経「景清…うぬかァッ!」

御剣「今度は何モンだ? 様子がおかしいぞ。」
タキ(カゲキヨ…? 連中が過去の亡霊の類と考えれば、同時代…悪七兵衛景清の事か…!?)

たろすけ「お、タキ姉ちゃんだ! お〜い!」

タキ「な…たろすけか!? なぜおまえが!?」

たろすけ「相変わらずたまらん格好してるじゃん…デヘヘ。」
彼は怪しい目をしながらタキの方へ見詰めていた。

ひろみ「セ、セクハラ…。」

タキ「ふざけるな! 質問に答えろ!」
御剣「誰でえ、あの小僧は。」
タキ「たろすけ…人の身でありながら、魔界と天界を歩き通した童(わっぱ)だ。」

たろすけ「三途の川を抜け出した連中を退治しなきゃならなくてさぁ。」

トロン「サンズノカワ…? そしてテンカイとマカイ…? ちょっと、何を言ってるんですの!?」

マスヨ「…少し読めたわ。」
ひろみ「先輩?」

タキ「たろすけ! その男は味方と考えていいんだな!?」

たろすけ「そういう事! な、景清の兄ちゃん。」

景清「………。 すべて…斬る…!」
たろすけ「駄ぁ〜目だっつうの! あの姉ちゃん達が戦ってる相手だけにしろってば!」
景清「………」
注意されるどころか、景清はたろすけに睨み付いた。
たろすけ「あ、あの…悪い奴らだけでお願いします。」
景清「………。 …承知。」
たろすけ(疲れるなぁ…。)

義経「景清…よもやうぬまでが…!」

景清「問答無用…参る…ッ!」







戦いが続く中、弁慶に勝ち抜いた景清達…。

弁慶「くくく…この痛み…わしは戻って来た。 ぬははは! わしは再び戻って来た!」

景清「…そしてここで終わりだ、弁慶よ。」

弁慶「景清よ、お互い現世に黄水帰ったばかり…おぬしの太刀筋もなまっておるぞ! 鍛えなおすがいい! 景清!」

景清「………」

弁慶「おお、そうだ…言わせてもらおうか。 これで勝ったと思うなよ? ぬははは!」

そう言い残し、彼はその場から離脱した。







戦いが続く中、義経に勝ち抜いた景清達…。

義経「まだ体が思うように動かぬ…。 今宵はここまでにしようぞ…景清!」
景清「…逃げるか、義経。」
義経「ひょひょひょ、そう急ぐな。 まだ始まりに過ぎぬ故な。 また会おうぞ、景清。 …そして忘れぬぞ、御剣とやら。」
御剣「けっ、逃げ口上なんぞ聞きたかねえッ!」
景清「………」

そして義経はその場から離脱した。

槍骸骨、ギリィ・オクティ、ホロッコを全滅し、義経と弁慶は逃げてしまったが、完全勝利を尽くした御剣、タキ、マスヨとひろみ、
トロンにコブン、そして景清とたろすけ。 戦いが終わった後、武器をしまい、一時休息する。

景清「…義経に弁慶…その後ろには…きゃつがいる…!」
たろすけ「まあまあ、熱くなんなよ、兄ちゃん。 まだ始まったばかりなんだしさ。」

御剣「ふう…色々あったが、片付いたぜ。 よし! 『そうるえっじ』を!」

タキ「待て、御剣!」

その時、何らかの波動により、ソウルエッジはその場から消えた。

御剣「なにいッ!? 消えたッ!? どういうこった! 『そうるえっじ』はどこへ消えたッ!」

トロン「空間転移…!? エネルギー反応…測定値オーバー。 グスタフの機能じゃここまでが限度!?
     なんてエネルギーゲインなの!?」

マスヨ「“空間転移”…それが答えよ。 私達は、あの辺境惑星から…この世界に転移されて来た。」
ひろみ「ええ!? ホントですか!?」
マスヨ「…そう考えるのが、一番自然よ。」

マスヨ(そう…そして、すべてが一本の線でつながっている…そんな気がする…。)

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