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-幻想界…オベロン社秘密工場、海底洞窟-

『テイルズ・オブ・デスティニー』で使われたオベロン社秘密工場の海底洞窟にて、三人の人物がいた。
一人は長い金髪に白い甲冑とバンダナをした青年、もう一人はショートな黒髪で黒と赤を基調とした軽装をした女性、
そしてその反対にショートな黒髪に青いスーツに赤いマントをした青年であった。 彼らは『ソーディアンマスター』の
『スタン・エルロン』、『ルーティ・カトレット』、そして『リオン・マグナス』である。 この海底洞窟で、スタンとルーティは
リオンに立ち向かっていた。

スタン「なんのマネだ…リオン!」
リオン「見ての通りだ。 …ここから先へ進みたければ、僕を倒してからにするがいい。」
ルーティ「なに言ってんのよ、あんたッ! 今が非常時だって事くらい、わかってんでしょッ!?」
リオン「…そんな事は関係ない。 僕は与えられた役割を果たすだけだ。 おまえ達を殺すという、な。」
スタン「目を覚ますんだ、リオン…! おまえはヒューゴに利用されているだけなんだぞ!」
リオン「その通りだ。 僕はヒューゴにとって、使い捨てのコマの一つに過ぎない。」
ルーティ「そんな! …そこまでわかってて、どうして…!?」
リオン「…僕には守るべきものがある…それだけの事だ。 覚悟はいいか! いくぞッ、スタン!」

リオンはスタンに戦い込んだ。 しばらくにして、お互いの動きを止めた。

スタン「リオン! こんな事を…こんな事をしてる場合じゃないんだ! 『神の眼』は、人間が持っていてはいけない物なんだッ!」
リオン「そんな事は僕には関係ないッ!」
スタン「世界中で、何かが起こってる! 『時の鍵』の話は知ってるんだろ!?」
リオン「知っている。 …どこぞの悪魔に奪われたっていう神界の至宝だろう? だが…そんな事は関係ないと言ったぞ、スタン!」
スタン「リオン…ッ! う…うおおーーッ! 獅子ッ! 戦吼ォーーッ!」

スタンの怒りにより、必殺技『獅子戦吼』でリオンに攻撃した。 その一撃のダメージが大きく、リオンは体制を崩した。

リオン「かはっ…!」
スタン「リオン…なんで…!」
リオン「…スタン…。 …まだだ…まだ、終わりじゃない。」
スタン「もうよせ、リオン!」
リオン「後を…追わせるわけには…いかない…。」

その時、どこかから流れるような音が聞こえ、洞窟全体が揺れ始めた。

スタン「な、なんだ!?」
リオン「…フ…フフフ…始まった…な。 僕の…勝ちだ…。」
スタン「なんだと!?」
リオン「終末の時計は…動き…出した…。 もう…誰にも…止められ……ない…。」
スタン「この音は…まさか、水が流れ込んで来ているのか!?」

その時、スタンとルーティの『ソーディアン』、『ディムロス』と『アトワイト』が話し出した。

ディムロス『まずい、崩れるぞ!』
アトワイト『でも、彼が!』
ルーティ「ダメ! 間に合わないッ!」
スタン「リオォォーーン!」

スタンとルーティは、リオンを取り残し、海底洞窟から脱出した。

リオン「ふふ…さよなら…マリアン…。」

彼が最後にそれを言い残した後、濁流に飲み込まれ、死を遂げた…。


-同時刻…ブリーガルの村-

『風のクロノア』シリーズにある風の村ブリーガルにて、一人の少年がいた。 その少年は長い耳を持ち、青いキャップに
Tシャツと短パンをしていた。 彼こそが『風のクロノア』シリーズの主人公、『クロノア』である。 ここで彼は誰かと
待ち伏せしていた。

クロノア「遅いなあ…なにやってんだよ、あいつ。」

イライラしながらも誰かと待ち伏せをしているクロノア。 するとどこかからバイクの音が聞こえて来た。

クロノア「ん! この音!」

彼の前にバイクが止まり、ある人物が現れた。 彼は尖った耳を持ち、頭にゴーグル、赤いジャケットに黒い長ズボン、
そして腰に二丁拳銃が収めてあった。 彼こそはクロノアの仲間である、『金色の死神』と言う異名を持つ賞金稼ぎ、
『ガンツ』であった。

ガンツ「よう、待たせたな、クロノア。」
クロノア「なんだよ、呼び出しといて、遅すぎるって!」
ガンツ「ピーピーわめくンじゃねえよ、相変わらずガキだな。 こっちにも色々ツゴウがあンだよ。」
クロノア「ガキが気言うなよ。 なんだよ、ツゴーって?」
ガンツ「ここんとこ、世の中騒がしくなってきてンだろ?」
クロノア「え…そうなの?」
何も気付かなかったかのようにクロノアがそう言うと、ガンツは彼に対して呆れ出した。
ガンツ「まったく…これだから、この村は困るぜ。 平和すぎんだよ。」

クロノア「で、で! その“騒ぎ”ってなんなのさ!」
ガンツ「へへ、食いついてきたな。」
クロノア「また幻獣騒ぎ? だったら退治に行こうよ!」
ガンツ「モンスター退治っちゃあ、モンスター退治だが…相手は幻獣じゃねェ。 今回はちとヤバそうでよ。」
クロノア「ヤバそうって?」
ガンツ「…どうやら、『黄金の騎士』が動くらしいぜ。」
クロノア「えっ!? 黄金の騎士って…あの『黄金の騎士』!?」
その名前を聞いて、彼は驚いた。
ガンツ「そういうこった。 “あの戦い”から数年…そっから黄金の騎士の戦いは記録にはねえ。」
クロノア「そうだよ、なんで急に…。」
ガンツ「逆に考えてみな。 …黄金の騎士が動かなきゃならねえほどの奴らが相手だとしたら?」
クロノア「あっ…!」
ガンツ「おそらくそれがビンゴだ。 …だがよ、相当ヤバいぜ? ちょいと突つきゃ、逃げ出しちまうような幻獣どもとは
     比べモンにならねェだろうな。 だが、ホントにそんだけの奴らが相手なら報酬も期待できる…ってコトさ。
     オレぁ、それ目当てで行くつもりだ。」
クロノア「………。」
ガンツ「そういうわけでだ。 今回ばかりにおめェを連れてくかどうか迷ってる。 ま、無理にたぁ…。」

クロノア「…面白くなってきたじゃん、ガンツ。」
ガンツ「そう来たか。 へへ…面白いってコトは重要だぜ? 決まりだな。 …行くか!」
クロノア「もち! …って、王宮なんか行っても、簡単には入れてくれないんじゃないの? まさか…城門ぶち破る気じゃ…。」
ガンツ「おめェ…オレをどういう目で見てやがる。 どこに行くかなんて決まってンだろ? …『黄金の騎士』と言えば?」
クロノア「そうか、そうだね!」


-同時刻…サンドランド、街道-

『サンドラの大冒険』にあるマーベルランドの片田舎、サンドランドの街道にて、一人の青年がいた。 
彼は緑色の姿をしているが、黄金の甲冑を身に着けていた。 彼こそはかつて『ワルキューレ』の仲間として
行動していた『サンドラ族』、『クリノ・サンドラ』である。 彼は一人、森に囲まれた街道に歩いていた。

クリノ「………。」

???「…待ちなよ。」

彼の背後から何者かが現れ、彼に話しかけた。

クリノ「………。」
???「…話は聞いたよ。 相変わらず無茶するな、あんたは。」
クリノ「サビーヌ、君か。」

彼が振り向くと、そこには悪魔のような紫色のローブを着た、空色の髪をした人物がいた。 彼は以前ワルキューレと
クリノに救われ、仲間として行動した『コアクマン族』の『サビーヌ』である。

サビーヌ「さっき、族長さんと話しをした。 …女神イシター様が、今回の事件にサンドラ族が関わる事を禁じたそうじゃないか。」
クリノ「…ああ。」
サビーヌ「あんたの行動は、女神様に対する反逆だ。 “英雄”と呼ばれた男の決断としては…お粗末だな。」
クリノ「…肩書きなんて関係ない。 オイラは“あの時”…えんえん砂漠のピラミッドであの方に救われた時に…決めたんだ。
    オイラの残りの命は、家族のため…。 そして、ワルキューレ様のために使うんだって。」
彼はそう言うと、サビーヌは呆れそうに溜め息を吐いた。
サビーヌ「は! ご立派、ご立派。 その結果が、見送りもなし、荷物は鎧と槍一本だけ…惨めなもんだ。」
クリノ「いや、族長には感謝してる。 一族の反逆者として処断せず…村を追放してくれたんだ。 それに、
    家族の事も心配しなくていいと言ってくれた…これ以上望む事はないさ。」
彼はそう言うと、サビーヌは寂しそうな表情に変わった。
サビーヌ「…いつも…一人なんだね、あんたは。 オレと母さんを助けてくれた時も…あんたは一人でやって来て、
      そして一人で『幻の塔』へ挑んだ。」
クリノ「…昔の話さ、サビーヌ。」
サビーヌ「………。」

サビーヌ「…さて“元”サンドラ族の英雄サマ、これからどちらへ?」
クリノ「“あの塔”の跡へ。 今回の件…絶対に関係がある。」
サビーヌ「なんだ、オレと同じ方向か。 偶然だな。」

彼がそう言うと、クリノは彼に振り向き、驚いた。

クリノ「……! 駄目だよ、サビーヌ。 オイラは反逆者だ。 …君まで一緒になる必要はない。」
サビーヌ「は? オレは行きたい時に、行きたい所へ行くだけさ。 …ま、偶然、あんたと同じ道を歩くかも知れないけどな。」
クリノ「………。 変わったね、君は。 あの頃の君なら、口が裂けてもそんな事は言わなかった。」
サビーヌ「ふふ…昔の話だよ、クリノ。」
二人は笑顔で向き合い、一緒に“あの塔”へ向かった…。


-幻想界…ドルアーガの塔、廃墟跡-

『ドルアーガの塔』にある塔、ドルアーガの塔。 しかしこの塔は『黄金の騎士』の活躍以来、廃墟状態となっていた。
誰もいないこの跡地にて、あのスタンとルーティがいた。

スタン「………」
ルーティ「スタン…。」
この時のスタンは、海底洞窟で起こった戦いと、リオンを死なせた事で後悔していた。

スタン「なあ、ルーティ…。 あの時…俺がやった事は…正しかったのかな…?」
ルーティ「…他に方法があった? それとも何? 自分が斬られればよかった…って事? じゃあ『神の眼』は
      誰が追いかけるのよ。 言いたかないけど…。 アレは“世界を滅ぼせる”代物なのよ。」
スタン「…世界、か。 俺は世界を救うとか…そんな目的のために戦ってるわけじゃないんだ。」
ルーティ「…?? じゃあ、なんで戦うのよ?」
スタン「ん…。 うまく言えないけどさ、俺はただ…大切な人を、家族を、友達を守りたいから戦ってるだけなんだ。
     ほら、俺…田舎者だからさ。 “世界”なんて言われたって、ピンと来ないんだよな。 やっぱり、こんなんじゃ
     いけないのかな…。」
ルーティ「いいんじゃない? 別に。 あたしだって似たようなもんだから、お互い様ね。」
スタン「ルーティにそう言ってもらえると、なんだか気が楽になった感じがするよ。」
ルーティ「そうそう、それでこそいつものスタンよ。 そうじゃないと張り合いがないわよ。」
スタン「………」

ルーティ「それにしても…遅いわねえ。 人を呼び出しておいて、先に来てないってのはどういう事!?」
スタン「忙しい人らしいから、しょうがないんじゃない?」
ルーティ「そんな事関係ないわよ! 大体…こんな所、いつまでも居たくないでしょ!」
スタン「まあ、ね。」

実はこの時、スタンとルーティは誰かに呼ばれて、ドルアーガの塔の廃墟跡に来ていたのだ。 普通ではスタンとルーティは
この塔とは何の縁もないはず…。 恐らくこの塔に関係する者と待ち合わせしているのだろう。

スタン(ドルアーガの塔…この塔を崩壊させた人が、俺達に一体何の用があるっていうんだろう…?)

ルーティ「…遅い。」
スタン「だから落ち着けよ、ルーティ。 遅い遅いって…まだ約束の時間が10分しか…。」
ルーティ「じゅ〜〜ぶんよッ! レディを待たせるなんて、黄金の騎士も底が見えたわね!」
スタン「はぁ…。 あ、黄金の騎士!」
ルーティ「…え!?」
スタンの掛け声に、ルーティは急いで後ろへ振り向いた。
ルーティ「あ、いや、あの…私達も今来たところで〜す! もう、私ったらせっかちさんで! おほ、おほほほ…。」
彼女は無理に誤魔化そうとするが、目を開けると、そこには誰もいなかった。 そんなスタンは静かに笑っていた。
スタン「………」
ルーティ「…って、あら? 誰も来てないじゃない。 スタン! 騙したわね!」
スタン「ルーティはわかりやす過ぎだよ…。 …ん!?」

突然スタンは何かを感じた。 彼らは振り向くと、そこには『ドルアーガの塔』、及び『イシターの復活』に登場した雑魚敵、
『グリーンスライム』三体が現れた。

ルーティ「モンスター!? …ほら見なさい、こんな所でウダウダやってるから、こんなのに絡まれるんじゃないの!」
スタン「怒ってないで、なんとかしなきゃまずいんじゃない?」
ルーティ「言われなくたってわかってるわよ! 何よ、たかがスライム…ストレスを解消させてもらうからね!」


『プロローグ2 宿命の物語』








スタンとルーティが一体のグリーンスライムを倒すと、今度はグリーンスライムと同じく『ドルアーガの塔』、
及び『イシターの復活』に登場した雑魚敵、『ブラックスライム』三体が出現した。

ルーティ「また出て来た!?」
スタン「黒い…スライム…!?」
ルーティ「うっとうしいわねえ。 スタン、まとめて片付けるわよ!」
スタン「待って、ルーティ! 黒いスライム…これって、もしかして…!」

しかし、そんな戦いの最中、どこかからバイクの音が聞こえて来た。 その音が流れた後、
スタンとルーティの前にクロノアとガンツが現れた。

ガンツ「おらよ! 到着だぜ!」
クロノア「ひゅ〜! 思ったより早くついたね。」

スタン「だ、誰だ!?」
ルーティ「あのカッコ…マーベルランドの住人じゃないの?」

ガンツ「あん? なんでえ、おめェら。 チッ、デートならヨソでやンな。」
クロノア「よせよ、ガンツ。 悪いじゃん。」

ルーティ「デ、デ、デートォ!? 誰がこんな田舎モンと!」
スタン「ちょっと、ルーティ!」
ルーティ「あによ!」
スタン「スライム、スライム!」

クロノア「なんか…ド真ん中に飛び込んでない?」
彼がそう言うと、遠くにいるブラックスライムを眺めてみた。
クロノア「お、珍し〜い! 黒いスライムだ。」

ガンツ「ケッ、メンド臭え! おっしゃ、クロノア。 『黄金の騎士』が出て来るまで、ちょいと遊ぶとしようぜ。」
彼は銃を構えながらそう言った。
クロノア「ワッフゥ! ウォーミングアップってやつだね!」

ルーティ「黄金の騎士!? まさか…あんた達も!?」
クロノア「え? どういう事?」

スタン「話は後だ! ルーティ!」
ルーティ「もう、わかったわよ。 たかがスライムに何を熱くなってるんだか…。」

スタン(黒いスライム…噂通りなら、このモンスターって…!)







スタンとルーティ、クロノアとガンツの活躍により、異色のスライム二体を倒す事に成功した。

ガンツ「これであと3匹か。 姉ちゃん、やるじゃねえかよ。」

ルーティ「あったり前でしょ。 あたしを誰だと思ってんのよ。」

スタン「………」

クロノア「なんか…こっちはすごい気合入ってるけど。」

その時、ソーディアンのディムロスがスタンに話しかけた。

ディムロス『スタン、まずいぞ。』
ルーティ「え…?」
スタン「ああ……すごく嫌な雰囲気がする…。」

次にソーディアンのアトワイトもルーティに話しかけた。

アトワイト『ルーティ、この近辺の空間が…微妙に歪んでいるようなの。』
ルーティ「ちょっと、それってどういう事!?」

クロノア「…な、なんか…急に誰かと話し始めちゃったよ、この人達。」
ガンツ「…アブねえ奴らだったのか? まさにナントカに刃物だな。」
ルーティ「だ〜れがアブないですってぇ! ソーディアンの声はねえ、その使い手達にしか…。」
アトワイト『ルーティ! 来るわ! 集中して!』

話に取り込んでいる最中、異色スライムと同じく『ドルアーガの塔』、及び『イシターの復活』に登場した雑魚敵、
『ブルーナイト』三体が出現した。

スタン「青い騎士…!? なんだってこんな所に…。」
ディムロス『スタン、油断するな! 奴ら、人間ではないぞ!』
ルーティ「なんですって!?」

クロノア「…知り合い?」

スタン「まさか。 たぶん…いや、間違いなく敵だ…!」

ガンツ「チッ、肝心の騎士に比べて、ずいぶん安っぽいのが来たな。 おまけに敵かよ。 …やるぜ、クロノア!」
彼は再び銃を構えながらそう言った。
クロノア「おーらいっ!」

スタン「ディムロス、こいつらって…。」
ディムロス『考えたくはないが、やはり“あの悪魔”は…。』







戦いの最中、突然もう二人組の人物が現れた。 その人物の正体はクリノ・サンドラとサビーヌである。

クリノ「あれはブルーナイト…やはりね。」

スタン「また誰か来た…!」
ルーティ「金色の鎧…? 黄金の騎士…なわけないわよね。」

クリノ「他にも人が? なんだってこんな所に…。」
サビーヌ「まとめてやるか? クリノ。」
クリノ「いや、やっちゃ駄目だよ、サビーヌ。 君達、ここは危険だ! こいつらは…間違いなく悪魔ドルアーガの手の者達だ!」

スタン「…やっぱり…!」

ガンツ「いきなり出てきて、なんだぁ? テメェは。」
クロノア「ガンツ、ガンツ! あの人…クリノだ! サンドランドのクリノ・サンドラだよ!」

ルーティ「え? 誰?」

ガンツ「あンだって…? …って、あれか!? 乙女の騎士…ワルキューレの!」
クロノア「そうだよ! すごいすごい! 本物だ!」
ガンツ「悪魔ドルアーガに、“英雄”クリノ…? おいおい…話がでかくなってンじゃねェか?」

サビーヌ「…有名人だな、クリノ。」
クリノ「ワルキューレ様が有名なだけだよ。 …見たところ、彼らも武器を持ってるみたいだ。 ここは協力してなんとかしよう。」
サビーヌ「わかったよ。」

ルーティ「なんだか知らないけど、味方って事でいいのよね?」
クリノ「ああ、詳しい説明は後でするよ。 今は、こいつらをここら一帯から出しちゃいけない…!」
彼は槍を手に持ち、戦闘に備えた。

スタン(悪魔ドルアーガ…。 でも、数年前に倒されたはず…。)







戦いが進んでいると、突然新手が出現した。 ドルアーガの塔の瓦礫の上に、二体の可愛い顔と姿をした赤いモンスターと、
ピエロの顔と丸い体をした奇妙な人物が現れた。

クロノア「幻獣!? なんだってこんな時に!」

???「おンや〜〜? ひと騒動起こっているかと思って来てみれば…。 どうやら予想外の事態のようですねェ。」

ルーティ「なんなのよ、あんた!」

???「これは失礼…ご紹介が遅れました。 ワタクシはジョーカー。 以後、お見知りおきを。 …もっとも、
     再びお会いできるかどうかわかりませんがねェ。」

彼が言うように、彼は『風のクロノア』シリーズに登場した悪役の『ジョーカー』で、その連れであるモンスター達は
同シリーズに登場した幻獣『ムゥ』であった。

クリノ「おまえがドルアーガの配下を動かしているのか?」

ジョーカー「…おや? おやおやおや〜ン? これはこれはクリノ・サンドラ殿。 なるほど…ドルアーガ様の手駒としては
       低ランクの者達とはいえ…苦戦の理由はアナタでしたか。」

スタン(ドルアーガ様…!?)

その時、スタンのソーディアン、ディムロスが話しかけた。

ディムロス『スタン、聞いたか?』
スタン「ああ、ドルアーガ様…そう言った。 …って事は…。」

クロノア「あいつはドルアーガを尊敬してる…ってコトか。」
ガンツ「違ェよ! ドルアーガが生きてるって事だろうがッ!」

ジョーカー「ご名答。 そっちのちっこいのはアレですが、性格の悪そうなツリ目の方は、なかなかイケてますねえ。」

ガンツ「ほめてねェだろ、テメェ。」

ジョーカー「のほほほほほ。 …ですが、これから始まる『計画』には、邪魔ですねェ。」

ルーティ「『計画』…? なんなのよ、それ! …ははァ〜ん、わかった。 強い悪魔の名を借りて、好き勝手やろうってハラね。
      ドルアーガが生きてるって話も怪しいもんだわ。」

ジョーカー「ん〜〜! おっしいですねェ! でも、これ以上はお話しできませんので、あしからず。」

???「冥土の土産に教えてもらいたいな。」

クリノ「……!!」
突然どこかから聞こえた声に対し、クリノは反応した。

ジョーカー「ふむ…そうですねェ。 どの道、あなた方にはここで消えてもらうわけですから…。 冥土の土産…というのは、
       い〜い響きですねェ。」

???「奴は『時の狭間』に追いやられたはずだ。」

ジョーカー「そのとぉ〜り! ですが『時の狭間』への扉が開き…。 …って、ちょっとちょっと待った〜っ! なぜその事を!?」

彼が振り向くと、そこには黄金の鎧と剣と盾を武装した男性と、白いドレスと手に杖を持った女性が現れた。

???「やはり『時の狭間』は開放されたのか。」
???「ギル、『時の鍵』を再び盗み出したのは…やはり…。」

ルーティ「あの人…!」

クリノ「かつてドルアーガを倒した『黄金の騎士』…。」

スタン「ギルガメス…!」

彼らが言う黄金の騎士は、『ドルアーガの塔』、及び『イシターの復活』に登場した主人公の『ギルガメス』である。
そして彼の傍にいる女性は、同じく『ドルアーガの塔』、及び『イシターの復活』に登場したヒロインの『カイ』である。

ジョーカー「む、むむむ…アナタはもう引退したと聞いていましたがねェ。」

ギル「奴が存在する限り…僕は生涯現役さ。 君の言葉で、今回の事件…大体の想像がついた。」
カイ「感謝するわね、ピエロさん。」

ジョーカー「ムッキィ〜! 誘導尋問とは! なんたる卑怯な! なんたるハレンチな! …こ〜なれば、
       ワタクシのプライドが許しません! この場でギッタギタにして差し上げましょう!」

サビーヌ「…逆ギレしたぞ、あいつ。」
クロノア「へへん! 最初っからぶっ飛ばすつもりだったんだからわかりやすくていいじゃん!」

ギル「そうだ、君達は…?」

クリノ「味方です、騎士ギルガメス。」

カイ「あなた…クリノさんね? イシター様から、お話は聞いていますよ。」

クリノ「………」

ジョーカー「さァさァ、ショータイムと行きましょうか!」

スタン「来るぞ!」







戦いが続ける中、ジョーカーの体力は半分に削られてしまっていた。

ジョーカー「おやおやおや…まさかここまでデキる人達だったとは…誤算でしたねェ。 しかも黄金の騎士まで復帰となると…
       いやはや、もはやここまで。」

サビーヌ「…様子見のくせによく言うよ。」

ジョーカー「さて、何の事やら。 それでは皆様、アディオ〜…。」
彼がその場から離れようとしたその時…。

ギル「…ドルアーガに伝えてほしい。 待っていろ、とね。」

ジョーカー「………。 …いいでしょう。 アナタ方とはまたお会いできそうですねェ。」

クロノア「会いたくないよ! このニヤケピエロ!」

ジョーカー「のほほほほほ。 ではでは、ア〜ディオ〜ス!」
彼がそう言った後、その場から離脱した。

グリーンスライム、ブラックスライム、ブルーナイト、そしてムゥを全滅させ、ジョーカーは逃げてしまったが、完全勝利を得た
スタンとルーティ、クロノアとガンツ、クリノとサビーヌ、そしてギルとカイ。 戦いが終わった後、全員は一時休息した。

ギル「これですべて片付いたみたいだな。 英雄クリノ、君は…。」

クリノ「黄金の騎士、ギルガメス。 今のオイラは…もう英雄ではありません…。 行こう、サビーヌ。」
サビーヌ「ちょ、おいおい、クリノ!」
二人はその場から離れた。

カイ「待って! クリノさん!」
ギル「………」

スタン「ギルガメスさん…俺は…。」

ギル「ギルで構わないよ、スタン・エルロン君。」

ルーティ「あたし達に用事って…なんなの?」

ギル「『神の眼』の事で…残念な知らせがある。」

スタン「神の…眼…!!」

カイ「ギル、話は道中で。 私は大巫女様の所へ行くわ。」
ギル「…そうだったね。 頼む、カイ。」

ガンツ「チッ、こりゃデカいヤマに顔突っ込んじまったかぁ? …賞金どころじゃねェ気がしてきたぜ。」
クロノア「でも…。 やっぱり面白くなってきたじゃん、ガンツ。」

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