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モンスターファーム バトルカード

☆ オープニング ☆



これもまたモンスターファームの時代…
モンスターブリーダーになる資格を得ることの出来ない子供達の間で、
その登場とともに爆発的な人気を博したゲームがあった。
「バトルカード」である。
やがてバトルカードの人気は、子供達だけでなく大人達の間にも急速に広まり、
本格的な戦いの場を求める声が巷にあふれ始めた。
こうした状況に対応するためにFIMBAとIMaは
(どちらも、モンスター協会といったところ)
「バトルカード」の公式の大会を運営する組織として
MCAを設立することになったのである。

MCAとは…
FIMBAとIMaの共同運営による団体。
設立の目的は「ルールの普及」「大会の管理・運営」。
なお、「バトルカード」の優勝者には、モンスターブリーダーの資格を
無条件で与えるという特典も定めている。



そんな時代の、ある日のことであった・・・

(今回、主人公の名前は『ともひろ』とします)

ファーム
ともひろは、モンスターのトップブリーダーを目指す少年。
助手をしてくれているコルトという14歳の少女と、
日夜、モンスターの育成に精を出している。
そんなともひろを尋ねてきたパブス先生。
パブス先生とは、コルトの師匠にあたる、60歳のおじいさんである。
「久しぶりじゃな、ともひろ。わしと弟子のコルトがお主のファームに来てから
どのくらい経つかのう…。
あの頃、お主はかけだしのモンスターブリーダー。
コルトはブリーダー助手になりたてで、
こんなコンビでうまくやっていけるのかと心配したもんじゃよ。
でも、そんなコルトも明日で15歳じゃ。
時間が経つのは早いのう…。
明日はコルトのために、誕生パーティーを開いてくれるそうじゃのう。
ともひろのようなブリーダーの助手になれて、
コルトも幸せモノじゃわい。
さて、プレゼントじゃが、何がええかのう…
そうじゃ!!
あれならばコルトも喜ぶじゃろう!
わしのプレゼントは決まったが…
ともひろ、お主は何をあげるのじゃ?
ここはひとつ、わしがお主のプレゼントを当ててみるとするかのう…
…うーむ。
モンスターブリーダーたるもの、助手の好みくらいは知っておるはず…
コルトが『バトルカード』に夢中になっておるのも、
当然知っておるじゃろ。
うむ、わかったぞ!!
ともひろが父親からもらった…『ヒノトリ』のカードをやるのじゃろ?」
パブス先生の問いに、ともひろはうなずいた。
「うむ、やはりそうか。さすがはともひろ、やさしいのう。
まぁ、お互いにコルトの喜ぶ顔を思うと、明日が楽しみじゃな。」

そして、次の日…

ともひろ主催の、ささやかながら心のこもった
コルトの誕生パーティーが開かれた。
「今日は、私の誕生パーティーを開いてくれて、本当にありがとう。
キューもわざわざ来てくれて…」
ショートカットのかわいいコルトが、みんなの前でお礼のあいさつ。
一同、拍手。
すると、コルトと同い年の友だち、
こちらはポニーテールが良く似合うキューリー(キュー)が、
赤いバラの花束を、コルトに差し出した。
「コルト、お誕生日おめでとう。はい、これプレゼント。」
「わぁ!!きれいなお花ね。ありがとう、キュー。」
「どういたしまして。…コルトがファームでお世話になっているのはこの方ね。
はじめまして、ともひろさん。私の名前はキューリーといいます。
私のことは、キューって呼んでくださいね。」
キューは、ともひろにあいさつをした。
「キューは、私の幼なじみで、カードブリーダーなんですよ。
私は遊びでやってるくらいですけど…
キューは、バトルカードの大会にも出場してるんですよ。」
コルトがキューをともひろに紹介した時、
パブス先生が、言った。
「バトルカードといえば、コルト、お前もずいぶんと
モンスターカードを集めたようじゃの。」
「はい、ここまで集めるのは大変でしたよ。」
「…そこで、わしからのプレゼントじゃ!!」
ニッコリ笑って、コルトにあるものを渡すパブス先生。
「これは、何ですか?」
ちょっと怪訝そうな顔のコルト。
「それは、モンスタープレートじゃ。
プレートにカードをはめる場所がついておるじゃろ。
ここにモンスターのカードをはめていくんじゃ。」
コルトは、パブス先生の説明を聞いて、急に笑顔になり
「ありがとうございます。
さっそく、私の持っているモンスターカードをはめてみますね。」
と、カードを取り出し、夢中でカードを入れ始めた。
しかし、まだカードを集め始めて間もないので、
プレートは、スカスカ…
「うーん、半分もうまらないや。
まだまだいっぱい集めなきゃ…」
ちょっと悲しそうなコルト。
そんなコルトを見て、カードブリーダーのキューが、
「…あっ、私が持っているのを合わせれば、
プレートが完成するんじゃない?ためしにうめてみない?」
そう言って、自分のカードをコルトに渡した。
「うん、それじゃモンスターカード借りるね。」
キューのカードを入れ始めるコルト。
「あ、ダメだ。ヒノトリのカードがないと…。」
コルトは、一ヶ所だけうまらないプレートを
残念そうにみつめる。
「でも、ヒノトリのカードはすごく貴重だから…
手に入れるのはむずかしいわね。」
さすがのキューも、ヒノトリのカードだけは
なかなか手に入れられないのだろう。
ともひろは、ヒノトリのカードをプレゼントしようと思っているのに、
きっかけがつかめずもじもじ…。
そんなともひろに気付いたパブス先生は…
「…ゴホン!そ、そういえば、ともひろからも
プレゼントがあるようじゃよ。」
そう話をふってくれた。
「え!?パーティーを開いてくれたうえにプレゼントまで!?」
驚くコルトに、ともひろはヒノトリのカードを差し出した。
「あっ!!ヒノトリのカード!!!!
それって、お父様からもらった大事なカードじゃないですか!!
本当にいいんですか?」
黙ってうなづくともひろ。
「ありがとう!!、ともひろさん。」
コルトは、とても嬉しそう!
「これでプレートが完成するわね。」
キューもにっこり微笑んだ。
「うん。それじゃ、
さっそくパブス先生からもらったプレートにはめてみるね。」
コルトは、その真っ赤に燃えるヒノトリのカードを
プレートの一ヶ所だけ空いている部分にはめこんだ…
その時だった。
突然、まばゆい光が!!
思わず目を覆うみんな。
「あ!!!!!!」
「おおぉぉぉ!!!!!」
「キャー!!!!!!」
その光は、あっという間にプレートを飲み込んだかと思うと、
20枚のモンスターカードを、あっという間に消し去ってしまった!!
「…せ、先生!!ともひろさん!!コルトがいないよ!!
プレートのカードも全部なくなってる…。」
辺りを見回すキュー。
しかし、コルトの姿はどこにも見えない。
「いったい!!何が起こったというのじゃ!
…ま、まさか。」
表情をくもらせるパブス先生。
「まさかって…、先生!!何か知ってるんですか!?」
「このプレートには、伝説があるんじゃ…。
プレートにすべてのカードをはめた者は、
モンスターの楽園に導かれるというものじゃ…。
…今までは全くのでまかせだと思っておったのじゃが。」
「そ、それじゃコルトは、その楽園に行っちゃったの?」
不安そうにパブス先生をみつめるキュー。
「…うむ、そのようじゃな…。
モンスターの楽園には、変わったモンスターがおるらしい。
それが、どんなモンスターなのか…
コルトが無事だとよいのじゃが…。」
パブス先生は、そう言って、プレートに視線を落とした。
持ち主も、今、確かに全部うめられたカードもなく、
ただ、そこに残されたからっぽのモンスタープレート…。
「それじゃあ、コルトを探しに行かなきゃ。」
キューが決心したようにつぶやく。
「そうじゃな、それにはまず、プレートにはめるモンスターカードを
3人で集めなくてはならんな。」
「…さっきので、私のモンスターカードは全部なくなっちゃいました。
それにモンスターカードを手に入れるには…。」
「…うむ、どうやら、初めからモンスターカードを集めねばならんようじゃな。
とりあえずキューは、ともひろの手伝いをしてやってくれ。
…まずは、バトル協会までの案内じゃな。
モンスターカードを集めるのなら、協会に登録するのが、
一番の近道じゃからな。」
「そうですね、わかりました。
それでは、ともひろさん、協会があるBCセンターへ行きましょう。」

こうしてともひろは、キューと共に助手のコルトを探しに行くため、
カードコレクターへの道を歩み始めることになったのだった。

純血種20種類のモンスターカードを全て集めることは、
そう容易いことではない。
強豪ひしめく大会やチャンピオンズカップを、
次々勝ち抜いていかなければならない。

今の時点で、モンスターカードを1枚も持たないともひろが、
はたして、全部のカードを集めることができるのかっ!?

「モンスターの楽園」とは、いったいどんなところなのかっっ!?

そこへ導かれたと思われる、コルトの運命はっっっ!?


☆ ゲーム スタート!! ☆

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