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モノローグ:シグザール王国の首都、城塞都市ザールブルグ。この街に暮らすマルローネことマリーとエルフィール・トラウムことエリーは、王立魔術学校アカデミーを卒業した錬金術士。二人は、職人どおりに錬金術のお店を開き、日々忙しく暮らしていました。大きなお店ではありませんが、二人のお店の評判は少しずつ広がっています。そんなある日のこと……。

マリー:エリー、遠心分離機とって!
エリー:ありませーん、マリーさん!
マリー:あっ、そういえば調合に使う道具一式はアカデミーに譲っちゃったんだっけ……。道具が無くても調合できるけど、ちょっと不便になったね。
エリー:アカデミーも道具が足りなくて大変だったみたいですし、仕方ないですよ。今度建てる大図書館に相当予算使ってるみたいですからね。
マリー:うーん……。
エリー:あ、おきゃくさん!
マリー:はあい、どなた?
イングリド:こんにちは。
エリー:イングリド先生、こんにちは。
イングリド:どう、ちゃんとやってる?
エリー:はい!
マリー:あのう、何か御用でしょうか?
イングリド:あら、かつての教え子がしっかりやっているかどうかはいつも心配なものよ。それとも……私は自分の都合のいいときだけここに来るといいたいのかしら、マルローネ?
マリー:いえ、そんなことありません!心配していただけて光栄です!
イングリド:よろしい。でも、用事があることは確かよ。二人とも、ちょっと時間もらえるかしら?まずは、お礼を言わせて貰うわ。あなたたちがお金と道具を寄付してくれたお陰で随分助かりました。
マリー:お役に立てて何よりです。
エリー:私たちはまた、買い揃えていけばいいですから。
イングリド:ありがとう。さて……今日はもう一つ話があります。あなたたちも大図書館が建築されることは知っていますね?
エリー:はい、知ってます。
イングリド:では、手短に言います。新しい図書館のための本を執筆して欲しいの。
マリー:執筆って……あたしたちが本を書くんですか!?
イングリド:その通り。
エリー:本ってどこからか集めてくるんじゃないんですか?
イングリド:もちろん、集めるけど、私たちは卒業生の書いた本も欲しいのよ。
マリー:でも、あたしたちそんな立派な本なんて書いたことありませんよ。
イングリド:それは承知の上です。だからこそ、これはあなたたちにとってもいい機会だと私は考えます。あなたたちの残した本は未来の誰かの役に立つことになるわよ。
エリー:未来の誰か……。どう思います、マリーさん?
マリー:うーん……。
エリー:私は面白そうかなと思うんですけど……。
マリー:へへ、あたしも同じこと考えてたりして……。イングリド先生、そのお仕事、あたしたちにやらせてください!
イングリド:よろしい。ではこれからあなたたちに執筆をお願いします。5年後の大図書館歓声まで一年に一冊書いてもらいます。提出期限は毎年8月30日。必ず機嫌までに書きなさい。それから、本を提出する際にサンプルが一つ必要になるから、忘れないようにしてね。執筆は建築中の大図書館で行うことができるわ。
マリー:わかりました。
イングリド:それと、他の人と内容の重複を防ぐために、本のカテゴリを先に決めてもらいます。
エリー:カテゴリに沿った内容のアイテムについての本を書けばいいんですね?
イングリド:そういうことです。では、書きたい本のカテゴリを選んでちょうだい。

*「食べ物」か「薬」の選択肢が出ます。ここでは「食べ物」を選択しました。

イングリド:わかりました。ではそれをお願いするわ。いい本を書いてね。こんなこと言いたくないけど、ヘルミーナのところには負けない本をお願いするわ。でないと何言われるか判ったものではないわ。
エリー:ヘルミーナ先生も誰かに本を頼んでいるんですか?
イングリド:そのはずよ。もしかしたらあなたちにも声が掛かるかも知れないわ。だけど、あの女の本なんて、気味が悪いものばかり書くハメになるわよ。もっとも、決めるのはあなたたちだし、どうしてもというなら止めないけど……。……とにかく頼んだわ。あなたたちには期待しています。裏切ったりしたらどうなるか……判っていますね?
マリー:は、はいぃ!
エリー:わ、わかりました、先生!

*イングリドは帰った。

マリー:……本の執筆かあ。どういう本がいいんだろう?
エリー:せっかく書くんだから、他の人が書かないような内容にしたいですよね。
マリー:他の人が書かないような本……。
エリー:いっそ当たらしアイテムだけで本を書くってのはどうですか?まったくの新発見は無理でも、存在しているけど誰も調合で作らなかったものとか。……できるかどうかが不安ですけど。
マリー:できないこともないと思うけど……。
エリー:本当ですか!?
マリー:うん。普通、レシピからの調合は何を作りたいかを先に決めて、後から材料を用意するよね?逆にカテゴリから連想できるアイテムを強引に作るっていうのはどうかな?
エリー:どんなアイテムが完成するか予想しづらい分だけ、難しそうですね。
マリー:普通の調合より難しいけど、今のあたしたちならなんとかなると思うよ。
エリー:…………わかりました。とにかくやってみましょう!やり方を教えてください。
マリー:うん!あたしたちの本には新しい調合で発見したものだけ入れよう!それでいいよね?
エリー:はい!

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