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クロノ・トリガー
〈童話風〉

〜Opening〜


登場人物の名前は、好きな名前に変えることが出来ますが、
今回は、すべて、初めから設定されている名前を使用します。
また、これはシンプルにニューゲームを進めた場合のオープニングです。


これは、時の引き金を引いてしまった者の宿命の物語。
忘れられし悠久の過去へ、
想像を絶する遥かな未来へ…。
そこにはさまざまな事件や出会いが 君を待っている。
さあ、時空を超える大冒険に 旅立とう!!
―解説書より引用―


ガルディア王国に、穏やかな朝がやってきました。
いいお天気!遠くの海では、かもめがうれしそうに歌を唄っています。
あら?町のリーネ広場が、とてもにぎやかですね…。
花火が上がったり、色とりどりの風船が、たくさん飛んでいます。
どうやら、今日はお祭りのようです…。

「クロノ……クロノ! クロノったら!」
お母さんが、このゲームの主人公の少年を起こしにきました。
広場から、『リーネの鐘』と呼ばれている、町のみんなの大好きな鐘の音が、
クロノの家まで、よく聞こえてきます。
「いつまでねてるの?いいかげん起きなさい!」
お母さんは、クロノの部屋のカーテンを開けました。
「ああ、リーネの鐘があんなに気持ちよさそうに歌ってる。」
…クロノは、まだ眠っています。
「どうせゆうべ、こうふんしてねつけなかったんでしょ?
ま、建国千年のお祭りだから無理ないけど…。
あんまり調子に乗って、ハシャぎすぎるんじゃないわよ!
さ、いいかげん起きなさい!」
お母さんは、そう言って、階段をおりて行きました。
クロノは、やっと起き上がると、「う〜〜ん!」と背伸び。
それから、スクワットを少々…。
さぁ、準備はOKです!
階段を駆け下りて、お母さんの所へ行きました。
「やっと起きたのね。そうそう、あの、幼なじみの発明好きな子…
ええっと、そう、ルッカ! ルッカの発明見に行くんでしょ?
あんまり、おそくならないようにね。さ、行ってらっしゃい。」
クロノは、お母さんから、しっかり200Gおこづかいをもらって、
家を飛び出して行きました。

クロノが、走ってリーネ広場に行ってみると、もうすでに人がいっぱい!
たくさんのお店も、並んでいますよ。
クロノは、もうワクワクです!
何から買ったらいいのでしょう?迷っちゃいますね。
レースで一等賞になる人を当てるゲームや、
自分でこしらえた剣を売っている、おじいさんなんかもいます。
そんな中、クロノが一番に選んだのは、見せ物小屋。
「世にも恐ろしい見せ物小屋」なんですって…。
小屋の中には、何があるのでしょうか?!
でも、この小屋には、ポイントをためてからでないと入れないみたいなので、
ポイントをためて、後で、ルッカを誘って来ることにしました。
あまり、ポイントをためることばかりに、夢中にならなきゃいいのだけれど…。
ルッカといえば、大発明したすごい物を、お祭りでみんなに見せるって言ってたんでした。
クロノは、とりあえず、ルッカとルッカのお父さんを探そうと決めました。
今度は、いったい何を発明したのでしょう?
クロノは、今までにも、いろいろルッカの発明品を見せてもらったことがありますが、
失敗〜!なんてことも、何度かありました。
でも、それを「成功のもと」にしてがんばるルッカって、
本当にすごいなーって、クロノは思っていました。
そう。ルッカのチャレンジ精神は、女の子の中で一番かもしれません。
「リーネの鐘の先にある、広っぱにルッカがいた。」
と聞いて、クロノは、大急ぎでリーネの鐘への階段を
駆け上がって行きました。すると…!!
「キャッ!」
クロノは、知らない女の子と、すごい勢いでぶつかってしまったのです!
―その時、なぜか、リーネの鐘が、3回…?―
「いったー……」
女の子は、転んでおしりをぶったみたいですが、すぐ起き上がって
クロノのそばに来て、言いました。
「ゴ、ゴメンなさい!だいじょうぶ?」
そして、
「ア、アラ?ペンダントが…」
その女の子は、クロノとぶつかった拍子に、ペンダントを無くしてしまったみたい。
責任を感じて、クロノもいっしょに、ペンダントを探してあげることに…。
あっ!ありました!ありました!
クロノは、女の子に、みつけたペンダントを見せました。
「ありがとう!!そのペンダント私のよ。古ぼけてるけど
とっても大事な物なの。返してくれる?」
もちろん、クロノは、返してあげました。
するとその子は、こんなことを言い出しました。
「私、お祭り見に来たんだ。ねぇ、あなた、この町の人でしょ?
一人じゃ面白くないもん。いっしょに回ろうよ!いいでしょ?ね、ね?」
あらあら、積極的ですね〜。
ほら!クロノは、おろおろして、首を横に振ってます…。
「そんなー!か弱い女のコを助けると思って、お願いッ(は〜と)」
女の子にそこまで言われては、クロノだって…ネ?
「わーい、やったーッ!」
おしりをぶったはずなのに、女の子は飛び跳ねてよろこんでますよ。
「あ、名前言ってなかったね。私はマールって言うの。あなたは?」
クロノは、ちょっとはにかんで自分の名前を言いました。
「クロノか、いい名前だね!よろしくね、クロノ!さ、早く行こう!」
クロノはたじたじ…、でも、悪い子じゃなさそうです。
瞳のきれいな、ブロンドの髪がよく似合う、とってもステキな女の子。
でも、マールって名前……?
…ま、その話は、後にしましょう。
クロノは、マールをつれて、色んなところを回りました。
ジュースの早飲みにチャレンジしたり、太古のリズムにあわせてダンスを踊ったり、
小さな子の、迷子のネコを見つけてあげたりもしました。
ちょっぴりいいところを、マールに見せたかったのかな?
そのたびに、マールはキラキラとまぶしいくらいに笑うのです。
クロノとマールは、すっかり仲良しになりました。
でも、クロノ!ルッカの発明はいいの?
フフ…どうやら、思い出したようですね…。
マールも、見てみたいんですって!ルッカの大発明。
そこで、2人は、広場の奥へ行ってみることにしたのです。
途中、キャンディのお店で、マールはキャンディを買いたいと言いました。
まるで、キャンディを始めて見るみたいにはしゃいで、どれにしようか、
すごく迷っているようですね…。
ルッカのことも気になるけれど、ここは、気のすむまで選ばせてあげましょうよ。
女の子のお買い物に付き合うには、これくらい我慢しないと…ね!
「お待たせ〜!」
さぁ、ルッカのところへ、急ぎましょう。


よかった!間に合ったみたい。
たくさんの人たちの前で、ルッカとルッカのお父さんが、発明品の準備をしています。
それにしても、今回の発明は、ずいぶん大掛かりのようですね。
ルッカのお父さんより背が高い、傘のようなものの付いた台が、右と左に1台ずつ。
あれは、いったい、何なのでしょうか?
クロノが、ドキドキし始めたとき、ルッカのお父さんの名調子が聞こえてきました。
「さあさあ、お時間と勇気のある方はお立会い!これこそ、せいきの大発明!
超次元物質転送マシン1号だ!!
早い話が、こっちに乗っかると、こっちに転送されるって、夢のような装置だあ!
こいつを発明したのが、頭脳めいせき、さいしょくけんびの、この俺の一人娘ルッカだ!」
つまり、瞬間的に、左から右の台へ、物が移動するってことみたいです。
…面白そうだけど、大丈夫なのでしょうか?
クロノは、早速、ルッカたちのところへ行ってみました。
「クロノ!待ってたわよ!だーれも、このテレポッドの転送に、挑戦しないんだもの。
こうなったら、あんたやってくれない?」
いくら幼なじみのルッカの頼みでも…クロノは、ちょっと迷っていました。
だって、前に、ボン!ていうの、何度も見ていますし…。
でも、その時、
「面白そう!やってみなよ。私、見ててあげる!」
マールが、そう言い出したのです。ルッカも、
「左のポッドにのればいいのよ!」
なーんて言っています。
2人の女の子が、期待しているのに、やらない!なんてとても言えませんよね。
クロノは、しかたなく左側のポッドに乗りました。
「スイッチオン!」
「エネルギーじゅうてん開始!」
ものすごい音がしています…。
クロノったら、(やっぱり、やめればよかった)って顔してますよ。
けど、あら不思議…!
あっという間に、クロノが、左のポッドから右のポッドへ瞬間移動したではありませんか。
これは、大成功です!
見ていた人たちも、びっくり!ルッカのお父さんも…びっくり?
もちろん、マールも、大喜び!、そして、こんなことを言いました。
「面白そうね、私もやる!」
これにはルッカが、びっくり!
「ヘェ?ちょ、ちょっとクロノ、あんたいつの間に、こんなカワイイ子口説いたのよ。」
ちがうのよ、ルッカ、これには深〜い事情が…。
「ね、いいでしょクロノ?ここで待ってて。どこにも行っちゃやだよ!」
マールは、やる気満々です。
「さあさあ、挑戦するのは何と、こんなにカワイらしい娘さんだ!ささ、どーぞこちらへ!」
ルッカのお父さんは、そう言いながら、でも、少し不安そう。
「エヘヘ。じゃ、ちょっと行ってくるね!」
「だいじょうぶかい?やめるんだったら今のうちだぜ…」
「へっちゃらだよ!全然こわくなんかないもん。」
ルッカのお父さんの言葉なんか、気にする様子もなく、マールはポッドへ乗りました。
「それでは、みなさん!このカワイイ娘さんが見事消えましたら、はくしゅかっさい。」
「スイッチオン!」
「エネルギーじゅうてん開始!」
その時です。マールの首のペンダントが、突然光り出したのです!
「何これ?ペンダントが……」
!!機械の様子も、なんだか変です!!
すごい火花が、飛び始めて…。
ルッカもお父さんも、あわててその機械から離れました。
すると、ポッドとポッドの間の空間に、ぽっかりと大きな穴ができたのです!
あっ!マールが…マールがポッドから消えて、その穴の中へ!!
そして、またたく間に、マールごと、その穴は閉じてしまったのです。
「おい、ルッカ、出て来ねーぞ?…ハ、ハイ!ごらんの通り影も形もありません!
こ、これにてオシマイ!!」
見ていた人たちは、ただ、ボーぜんと、その場を去って行きました。
「おい、ルッカ!いったいどうなってんだ?あのコはどうしちまったんだ!?」
ルッカのお父さんは、大あわてで、オロオロ…。
「あのコの消え方、テレポッドの転送の消え方じゃない。
あの空間のゆがみ方…ペンダントが反応していたようにも…
もっと別の…何かが…。」
ルッカは、すでに、冷静に分析を始めているようです。
「あのコは………んっ?そういえばあのコ、どこかで見たことがあるような?」
あっ、クロノが…ポッドの上に残されていたマールのペンダントを!!
「クロノ!!」
それを拾い上げて、クロノはポッドに乗りました!
「おーッ!後を追うってのかクロノ。さすがは男だぜ!」
ルッカのお父さんが、クロノをほめましたが、クロノはもちろんニコリともしません。
「そうね!あの空間の先に何があるのかわからないけど、
それ以外に方法は、なさそうね。」
「でも、都合よくまたあなが現れるとはかぎらないぜ。」
「やってみるかちはあるわ!きっとペンダントがキーになってるのよ!
クロノ!しっかりそれをにぎってて。きっと同じことが起こるはずよ!」
クロノは、マールのペンダントをぎゅっとにぎりしめました。
心の中に、もう怖いなんて気持ちは全然ありません。
とにかく、マールのことだけが心配なのです。
「スイッチオン!」
「エネルギーじゅうてん開始!」
「もっと、出力をあげて!!」
「あいさ!!」
「もっと!もっと!」
「あいさ!!」
ルッカも、ルッカのお父さんも、汗びっしょり、必死にさっきと同じ状況を作ろうとしています。
その時、機械から、火花が散り始めました!
マールの時とおんなじです。
「ビンゴ!!うまくいきそうよ!!」
ルッカの言葉どおり、空間にあなが開きました。
そして、クロノは、そのあなの中に吸い込まれて行ったのです!
マールのペンダントをにぎりしめて…。
「私も、原因を究明したら後を追うわ!たのんだわよ、クロノ!」
ルッカが、クロノにそう叫んだ時、そのあなは、閉じてしまいました。

クロノは、不思議な空間の中を、飛ばされているような、流されているような気分で、
ただ、進んでいました…。
これから、どこへ行くのでしょう?!
マールは!…マールは無事なのでしょうか?
そして、クロノは、いったいどうなってしまうのでしょう…?


そうそう、それにしても、マールって…
彼女は、いったい誰なのでしょう?
もしかすると……!


クロノ・トリガー  Start…


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