戻る TOPへ

アンセムを倒し、ハートレスをキングダムハーツに封印したキーブレードの使い、ソラ…。
キングダムハーツと供に姿を消したリクと王様ミッキーを探すために、ソラ、ドナルド・ダック、そしてグーフィーの旅は続いていた…。
果てしない道が続く草原にて、ソラは国王ミッキーの手紙を加えているプルートと再会する。 けど再会にもかかわらず、
プルートは逃げ出した。 まるで彼らを案内しているかのように…。 そんなプルートを追うために、ソラ達は笑顔で走り出した。

あれからどれくらい経ったのだろう…。 時刻は夜…丸くて大きい満月の下で、ソラは眠りから起き上がった。
しかしながらドナルドとグーフィーはまだ気持ちよく眠ったままであった。 起こすと悪いと思ったソラは、草原から出て、
再び果てしなくて長い一本道に足を踏み入れた…。

少しだけ先を進むと、ソラは十字路の中心に立ち止まり、夜空へ見上げた。

???「おまえに必要なものがこの先にある。」

突然何者かがソラの背後から現れたが、ソラが振り向いた瞬間、そこには誰もいなかった。 ソラは周囲を見回り、
再び後ろへ振り向く。 そこには黒いコートを着た謎の男がいるが、フッドを被っているため、素顔が見えない。

???「ただし、それを手に入れるには、大切な何かを失う事になる。」

彼がそう言い残し、再び姿を消した。 ソラは彼に追いつこうとしたが、手遅れであった…。


一方…どこかにある白い部屋にて、一人の少女がスケッチブックに絵を描いていた…。 部屋はただ真っ白で、
そこにあるのは白いテーブルと、女の子の人形が入った鳥かごだけ…。 少女がスケッチブックに描いていた絵は、
ある城の絵…。

ソラはその城に辿り着いた…。 辺りは絶壁で、空には雲や星が一つも見当たらない真っ黒な空間となっていた…。




KINGDOM HEARTS Re:CHAIN OF MEMORIES




城の門前に辿り着いたソラ、ドナルドとグーフィー…。 ドナルドとグーフィーはお互い何かを話していたが、ソラは
城全体を見上げていたため、彼らの話を耳にしなかった。 しかし、ソラとドナルドは城の方から何かを感じたのか、
全員揃って中に入る事にした…。

城の扉を開け、ソラ達は中へ入った。 中は明らかに真っ白なホール…その先にあるのはもう一つの扉…。
ソラ達はそのホールの中央に立ち止まった。

グーフィー「ねえ、勝手に入っていいの?」
ドナルド「探してる人がいる気がするんだ。」
グーフィー「えっ!? 王様がいるの?」
ドナルド「そう決まったわけじゃないよ。 カンだよ。」
グーフィー「なあんだ。 でも、僕もなんとなくそんな気がしてたんだよね。」
ソラ「ほんとか? 俺もだぞ。 この城を見た時、俺も感じた。 大切な友達が、ここにいる。」
グーフィー「僕たち、気が合うねえ。」

その後、ソラのフッドからジミニー・クリケットが飛び出し、ソラの肩に乗り上がった。

ジミニー「ちょ、ちょっと待った! 気が合うということではすまないぞ!」
ドナルド「どうして、ジミニー? ひょっとして---」
ジミニー「ああ、私もなんだ! 私も同じことを感じたんだよ。」
グーフィー「やっぱり僕たち気が合うんだね。」
ドナルド「でも、ちょっと変だよ! よく調べてみよう!」
ソラ「そうだな。」
彼がそう言った後、早速前へ進み始める。

ドナルド「えっ!? いきなり行っちゃうの?」
ソラ「だって、調べるんだろ? 怖いのか?」
ドナルド「そ、そんなことあるもんか! さあ行こう、グーフィー!」
グーフィー「だったら、入ってきたドアをちゃんと閉めておかなくちゃね」

彼が城の扉を閉めに行こうと振り向いたその時…。

グーフィー「ソラ!?」

ソラ達が振り向くと、入り口前にはあの黒いコートを着た謎の男がいた。 彼がそこに立っている間に、
扉は自動的に閉じた。

ソラ「おまえ、さっきの!」
警戒しながらも、ソラはキーブレードを取り出した。 ドナルドとグーフィーも、自分の武器も取り出した。
ドナルド「ハートレスだ! よーし、僕の魔法で! ファイア!」
彼は炎魔法・ファイアを唱えたが、杖から何も出てこなかった。
ドナルド「あれ? ファイア! ファイア!」
何度もファイアを唱えたが、それでも何も出てこなかった。 もちろん杖を振っても何も起こらなかった。
その間にもソラとグーフィーは彼の方を見続けていた。
ドナルド「えーと、ブリザド! サンダー!」
次に氷魔法・ブリザドや雷魔法・サンダーを唱えるが、それも結果は同じであった。 その間にも、
謎の男はソラ達の方へ歩き進み、立ち止まった。

ドナルド「魔法が使えないよ!?」
魔法が使えなくなっている事で、ドナルドは落ち込んだ。
???「まだ気づかないのか? この城に入った瞬間に、おまえたちは技も魔法もすべて忘れ去った。
     手に入れるかわりに失い、失うかわりに手に入れる。 それが『忘却の城』だ。」
ソラ「忘却の城---」

その後、謎の男の姿は闇に包まれ、その場から姿を消した。 その瞬間にソラ達は戸惑うが、その間にその男は
ソラの背後から現れた。 それに気付いたソラ達は、彼の方へ振り向く。

???「この城でおまえたちはなつかしい人物と---大切な人物と出会うだろう。」
ソラ「大切な---?」
その言葉を聞いて、ソラは何かに気付いた。
ソラ「リクか!? リクがここにいるのか!?」
???「会いたいか? 会いたければ---」

すると謎の男の手から衝撃波を放ち、ソラに襲い掛かった。 黒い閃光に赤い花びら…それを全てソラに放つ。
ソラはキーブレードで身を防ぐが、その瞬間にその男はソラに貫通した。 その後ソラは彼に振り向き、
高く飛び上がり、キーブレードで攻撃するが、その男は花びらを散らしながら素早く姿を消した。 その後ソラは
ホールの先にある扉の方へ振り向き、その扉の前にあの男が再び現れた。

ソラ「こいつっ!」
怒りを込めながら、ソラ達は彼の前に構える。
???「おまえの記憶にふれただけだ。 そして作り出した。」

彼が取り出したのは、一枚のカード…。 そのカードには、前回、ソラ達が最初に訪れた世界…『トラヴァースタウン』の
絵が載っていた。

???「大切な存在に再会したければ---」
男はカードをソラに投げ、ソラはそれを受け取った。
ソラ「なんだよ、このカード?」
???「それが再会の約束となるだろう。 カードをかざせば扉は開き、新しい世界が広がる。 進むがいい、ソラ。
     手に入れて失うために、あるいは失って手に入れるために。」

彼がそう言い残し、再び闇に包み、姿を消した。 ソラ達はそんな彼を止める事が出来ず、ソラが持つカードを眺めた。
もちろん、ソラのフッドから出て来たジミニーも、そのカードを見ていた。

ソラ「行こう、みんな。」
全員頷いた後、扉の方へ進む…。

果たしてソラは何を手に入れ、何を失うのか…。

inserted by FC2 system