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*何もない空間に、女の子(主人公)が出てくる

主人公:ようこそ!私があなたを案内するこの世界の主人公です。どうぞよろしく!!名前がまだないので、私に名前を付けてくださいね!

*ここでは仮にアリスと付けました

*ペットショップの中、おばあちゃんがうろうろしている。

おばあちゃん:アリス!アリスはどこ行ったんだい!……ああ、そこにいたんだね。おばあちゃんは月に一度の健康診断に行ってくるから、その間、ちょっとお店番をお願いね。ブンジ(犬です)、いつもの通り、病院までお供してくれるかい?それじゃアリスや、おばあちゃんは行ってくるからね。そうそう……今日はまだ、ニボシ(猫です)の姿が見えないけど、どこにいるのかねぇ?二階のベッドだろうか……。まだ寝ているようだったら、そろそろ起こしておくれ。それじゃ、行ってくるよ。ブンジ、おいで……。

*アリスはニボシを起こしに行く

ニボシ:ムニャムニャ……もう食べられないニャ……
ナレーション:ニボシはだらしないかっこうでぐっすり眠っている。

*庭に出て、見回りをしているアリスのもとへ、お手伝いロボットがやってくる。

ロボット:アネゴ!電話がナッテイマスゼ!電話デヤンス!

*電話に出るアリス

ドクター:……もしもし、君はアリスちゃんかい?わしは病院のドクターだが、話があるのですぐに病院へ来てくれるかい?では待っているよ。
ナレーション:……カチャ……プー・プー……。

*アリスは病院に向かった。おばあちゃんの部屋に行くと、ドクターがやってくる。部屋の入り口付近にはブンジが控えている。

ドクター:やあ、アリス。実はおばあちゃんが『安泰病』という難しい病気にかかっていることが判ったんだよ。『安泰病』はお年寄りがかかる病気で、じっとしていれば命に別状ないのだが、歩いたり運動すると身体が弱まってしまうという、実に変わった病気なんだ。治療法はただ一つ、『まんねんがん』という薬なんだが、材料の『まんねんそう』がとても珍しい薬草で、どこに生えているか判らないんだ……おばあちゃんは入院することになるが、『まんねんそう』が見つかるまで、この病気は誰にも治せないんだよ……。

*ブンジがどこかに走り去っていく

ドクター:わたしも長年医者をやっとるが、この病気は初めてだ。君も大変だとは思うが、おばあちゃんとよく話し合って、今後のことを決めたまえ。幸い、この病気はお喋りしても悪化しないからね……。では、他の診察があるのでわたしはこれで失礼するよ。
おばあちゃん:アリス……すまないね、こんなことになって……。おばあちゃんのことは、心配ないよ。ドクターや看護婦さんがいるから大丈夫……それより、お店のことが気掛かりだねお前以外にお店のことを頼める人もいないけど、一人でちゃんとやれるかい?お前は普段からよく手伝ってくれていたし、おばあちゃんはお前なら、立派に出来ると思うんだよ。おばあちゃんに代わって、あの小さなペットショップを、しばらくアリス一人でやっておくれ……。簡単なペットの世話や依頼の締め切りの管理は、優秀な育成ロボット『テヤンデ1号』がしっかりやってくれるはずだから、頼りにできるよ。ちょっとした相談なら、お店から電話を掛けてごらん。おばあちゃんにも、少しは手助けできることがあるからね……。さあさあ、ひとまずお店に戻って、今日はいつも通りお店を開けてくれるかい?頼んだよ。しっかりね……!!

*ペットショップに戻ろうとすると、近所の悪ガキに通せんぼされた。

悪ガキ:よーよー、お前んちの変な色の猫、今日はいないのか?あと、お前んちのブンジをそのへんに放しておくなよナ!あいつが駆け回るもんだから、俺、もう少しであいつを踏んづけそうになったぞ!ヘッ!!

*悪ガキを無視してペットショップに戻る。ニボシがアリスに近寄ってくる。

ニボシ:たっ、大変ニャ!アリス!……ブンジが……ブンジが出て行ってしまったニャー!!!!!!!!!……実は……ブンジがさっき病院から一人で戻ってきて……。

*ニボシの回想

ブンジ:……ニボシ…………おばあちゃんが、大変な病気にかかってしまったワン!!もう治らないかもしれない大変な病気だワン!ああ……!僕はどうすればいいのワン……!
ニボシ:ブンジ!どこに行くニャ!

*回想終了、再びペットショップにて

ニボシ:……というわけニャ!アリス、どうしようニャー……。えっ?お店を開けるのかニャ?……そうか、アリスはおばあちゃんのお願いを叶えてあげるのニャ!!判ったニャ!ブンジのことも心配だが、今はおばあちゃんのことが大切ニャ!!ブンジのことニャ、きっとそのうち帰ってくるニャー!アリス、あたしは二階にいるニャ!嫌なお客がいたらスッ飛んで来るニャ!!心配しないでお店を開けるニャー!!
ナレーション:こうしてアリスはお店番を始めました……

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