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*主人公たちの名前は、公式名であるナオト、ケンスケ、ミキにしてあります。
*ファントムの世界にて。勇者ミカ・アルダン、仲間の僧侶と魔法使いが、魔王と対峙している。

ミカ・アルダン:やっと見つけたぞ、魔王!これ以上、お前の思い通りにはさせん!
魔王:貴様らがこのわたしを倒すというのか?フハハハ……おもしろい!貴様らの経験と力では、わたしに触ることすらできぬわ!
ミカ・アルダン:我々が戦いを急ぎすぎたことは判っている……だが、あっちの世界へは行かせん!
魔王:わたしはあっちの世界にゆかねばならない……貴様らと無駄な時間を過ごしている暇はない。
ミカ・アルダン:待て!行くな、魔王!!

*次元の通路に消える魔王。それを追って、ミカ・アルダンたちも次元の通路に消える。無人になったそこに、サンドマンが現れる。

サンドマン:魔王もアルダンも、あっちの世界に行ってしまったか……

*あっちの世界。どこかの古びた倉庫のような場所で、魔王とミカ・アルダンたちは再び対峙する。

ミカ・アルダン:待て!魔王!!ここでお前を倒す!!
魔王:よかろう。そこまで死にたいのならば、このわたしの手で貴様らを消滅させてやろうではないか。そして二つの世界の人間は、皆滅びるのだ!!
ミカ・アルダン:そうはさせるか!行くぞ!魔王!!

*画面反転、学校の前にて

ナレーション:ここは国分町。
ナオト:やばーっ、遅くなっちゃった。ケンスケとミキ、待たせちゃったかな……。ごめんごめん、待った?
ケンスケ:そんなに慌てなくても大丈夫だぜ。
ミキ:塾までまだ時間があるわ。急がなくても大丈夫よ。

*街を歩く三人。林の前を通りがかったとき、妙な物音が聞こえる。

ナオト:何だろう……今の音。
ミキ:林の中から聞こえたわ!
ケンスケ:木の間を抜けて行ってみようぜ!

*木々の間を抜け、とある小屋の前にたどり着く。

ケンスケ:小屋の中が騒々しいぞ。
ナオト:中で何かが暴れてるみたいだ。
ミキ:エーッ、なんか怖いよ……。
ケンスケ:ちょっと覗いてみようぜ。
ナオト:ええっ……うそ……ファンタジーだよ……これ……。

*小屋の中ではミカ・アルダンたちと魔王との死闘が続いている。

ミカ・アルダン:なぜだ。今の一撃は、確かに効いたはずなのに……やはり力の差がありすぎるのか?
魔王:勇者どもよ。なかなかやるな……だが!遊びは終わりだ!わたしの本当の力を思い知るがよい!!とどめだ、食らえっ!ハァーッ!!

*ミカ・アルダンたちは、なすすべもなくやられる。

魔王:これで全ては予定通り……最後の勇者が力尽きた今、ファントムの世界はわたしのものとなったも同然。次はこっちの世界だ……グフッ……このわたしが傷つくとは……一度城へ戻って、この身体を癒すことにしよう……。

*魔王は次元の通路からファントムの世界へ消えた。その一部始終を、小屋の外から見ていたナオトたち三人。互いに顔を見合わせる。

ケンスケ:何なんだ、これは??
ミキ:ファントムの世界って……どういうことかしら……。
ナオト:ファントムって……もしかすると……。

*ナオトたちは小屋の中に入る。

ミカ・アルダン:ハッ!君たちは……そうか、見ていたのか……わたしはファントムの世界の勇者ミカ・アルダン……ゴホッ。
ナオト:じゃあファントムって、やっぱり!事故で消えた、あの幻のロールプレイングゲームの……!!
ミキ:うそっ!この人、ゲームの世界の人なの!?
ミカ・アルダン:君たちは、わたしたちの世界を知っているのか!?……ゴホッ……ゴホッ。
ナオト:あっ、いえ、そういうわけじゃ……。
ミカ・アルダン:わたしは……こっちの世界と並行して存在する別の世界から来た……わたしたちの世界のほとんどは、魔王に支配されている……ゴホッ。わたしは魔王を倒し、世界に平和を取り戻すために戦ってきた……ゴホッ。そして戦いの中で……わたしたちの世界とこっちの……君たちの世界が……つながっていることを……知った……更に、魔王がこっちの世界を侵略しようとしていることも……だからわたしは魔王との戦いを急いだ……魔王にこっちの世界まで……支配させるわけにはいかないと……しかし……結果は君たちも見た通り……このざまだ……ゴホッわたしは戦いを急ぎすぎたようだ……ゴホッ、ゴホッ。だがこのままでは……わたしたちの世界はもちろんのこと、君たちの世界も危ない……ゴホッ。わたしたちの代わりに、誰かが魔王を倒さねば……ゴホッ……わたしたちは力尽きてしまった。間もなく、消滅してしまうだろう。そのとき、ここに……光の玉が……残る……それを……君たちに受け継いで……もらいたい……光の玉を持つ者にしか……世界は……救えない……頼んだぞ……。
ナオト:えっ!ちょっと待ってよ!

*ミカ・アルダンたちの身体が消滅し、光の玉が三つ残る。

ケンスケ:どうする……ナオト。今消えちまったのは、あのファントムの主人公らしいぜ……どこかにゲームの世界が、本当にあるみたいだな……。
ミキ:そこから私たちの世界に魔王がやってくるってことなの!?
ケンスケ:俺たちが勇者の跡継ぎを任されたってことか……でも、ちょっとおもしろそうだな!
ナオト:ロールプレイングゲームの世界を僕たちが冒険するのか……。
ミキ:凄いことになっちゃったね……でも、興味あるなァ。
ケンスケ:おう!やろうぜナオト!俺たちだけのロールプレイングゲームだ!!
ナオト:……よーし!やってみようか!!

*三人は光の玉を継承した。
*場面は変わって、ファントムの世界。サンドマンが一人でいる。

サンドマン:戻って来たのは魔王だけ……もしやアルダンたちは……。

*サンドマンはナオトたちの世界に現れた。

サンドマン:ああっ!?光の玉!!アルダンたちは敗れたのか!!ああ……何てことだ……子供たちが英雄の魂を受け継いでしまったぞ!!
ナレーション:ナオトたちはそれぞれ英雄の魂を受け継いだ。ナオトは勇者の力を……ケンスケは僧侶の力を……ミキは魔法使いの力を……それぞれが身に付けた。
ナオト:うわっ!!びっくりした……誰っ……?
サンドマン:わたしはサンドマン。ファントムの世界の住人です。君たちが今受け継いだ光の玉は、英雄の魂と呼ばれており、それを身に付けた者に、特別な力を授けるものと言われています……。
ケンスケ:それじゃあ俺たちは、その……特別な力……?をもう持っているのかい?
サンドマン:そうです。英雄の魂を持つ人間にしか、魔王の破壊的な力には対抗できません……したがって、君たちは世界を救う可能性を持った、たった三人の人間となったのです。
ミキ:私たちは、あの勇者たちの代わりに戦うことに決めたの。だから、あなたたちの世界に案内してください。
サンドマン:ここがわたしたちの世界へ続く入り口です。さあ、行きましょう。

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