戻る TOPへ

グラニット孤児院にて養育されていた少女、ジェニファーと友人達のもとに

養女としてひきとりたいという要望がまいこんだのは

その年の9月のことである・・・・




鳥の鳴き声が聞こえる、緑の森に囲まれた一本の道で、一人の老女と、四人の養女として引き取られた少女達がいた。
養女として引き取られた少女達の名はアン、ロッテ、ローラ、そしてこの物語の主人公となるジェニファー・シンプソンである。

ロッテ「ローラ、はやく! 屋敷に付く前に日が暮れちゃう!」
ショートな赤髪の少女ロッテは張り切りながら、後から歩いているローラを急かそうとした。

ジェニファー「メアリー先生・・・」
メアリー「何?」
ジェニファー「私達のこれから住むところってどんなお屋敷なんですか?」
長くて綺麗な黒髪のジェニファーは気にしながらも、メアリー・バロウズと言う老女に問い掛けた。
メアリー「ふふっ、ゆうべからもう5回目ね。 心配しないで。 とってもすてきなお屋敷よ。」

メアリー「もうすぐ見えると思うわ。 ほら・・・」
彼女が指を指すと、その先には大きな屋敷があった。 その屋敷には時計台も付いていて、見るからにも美しかった。
しかしジェニファー達が辿り着いた頃には、明るかったはずの空は暗雲に包まれていた・・・

ジェニファー達は屋敷内の大広間にいた。 その大広間はその名の通り広く、綺麗であった。
ローラ「おっきい家・・・。」
アン「ほんと。 大広間だけでこんなに大きいなんて・・・。」
椅子に座りながらゆっくりしていたローラとアンは、大広間の全体を見て感心していた。

メアリー「先生は屋敷の方にごあいさつしてきます。 みなさんはここにいるのですよ。」
彼女はそう言った後、そのまま部屋から出た。
しかしその間のジェニファーは、メアリーや屋敷に関する不安が余りにも収まらず、しばらく友人達に話し掛けてみた。

ジェニファー「ねえ、アン・・・」
彼女は長い茶髪の少女アンに話し掛けてみた。
アン「バロウズさんてどんな人なのかな? でしょ。」
ジェニファー「うん。」

ローラ「なんだか・・・」
長い金髪の少女ローラは突然言い出した。
ジェニファー「え?」
ローラ「広すぎて落ち着かないね。」

ロッテ「ここ、私はすきになれそうにないわ。」
多少嫌そうになりながら、ロッテはそう言った。
ジェニファー「・・・?」
アン「ロッテはねえ、心配性なのよ。」
気にする事もなく、アンはジェニファーにそう答えた。
ロッテ「・・・・・。」
アンとは正反対なロッテは、気にしながら沈黙した。
しかし会話を終えた後、メアリーはまだ戻って来てない。 ジェニファーは再び友人達に話し掛けてみた。

アン「ね、ちょっと先生の様子をみてきてよ。」
ローラ「先生どうしたのかな。」
ロッテ「先生、おそいわ。 私ちょっと見てこようか?」
ジェニファー「いいわ、私見てくる。」
余りにも帰りの遅いメアリーに対し、三人は不安に思い始めた。 ジェニファーはそんな頼みを引き受けて、
メアリーの様子を伺いに大広間から出た。

暗くてどんよりとした廊下・・・大広間とは違って余りにも殺風景で気味が悪かった。
しかしそんなジェニファーは先を進んでいる最中、突然大広間から悲鳴が聞こえた。
ジェニファー「!? 大広間からだわ!」
悲鳴を聞こえたジェニファーは、メアリーの様子を見に行く事を後にし、一度出た大広間へ戻る事にした。

しかし大広間に戻った時には、アン、ロッテ、ローラの三人がいなかった。
しかもついていたはずの明かりも、戻って来た頃には既に消えていた。
ジェニファー「みんな・・・? ちょっと、イタズラは止めてよ!」
彼女はそう思いながら三人を呼んでみたが、返事はなかった。
ジェニファー「・・・。」
ひとりぼっちになってしまった彼女は、早速三人を探すために、大広間から出る。

・・・だがその時から彼女は知らなかった・・・。 これから彼女が経験する事は・・・
人生の中でも最も味わった事ない・・・絶対恐怖をと言う物語を・・・。

inserted by FC2 system