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ファイナルファンタジー4のオープニング

五機の飛空挺が帰還するためバロンに向っていた。

兵士「セシル隊長!まもなく バロンにつきます!」
セシル「ああ・・・・」

顔を下に向けるセシル。
兵士「やはり 隊長も・・・・」
兵士「いくら 命令とはいえ・・・・」
兵士「罪もない人から クリスタルを・・・・」

兵士「我々 赤い翼の 誇り高き日空挺団!
    か弱いものから 略奪など!」
セシル「やめるんだ!」
黙っていたセシルが怒鳴った。
兵士「しかし 隊長!」
兵士「無抵抗な 魔道士たちから 略奪するなんて!」
セシル「いいか みんな!
     クリスタルは わがバロン国の繁栄のため どうしても 必要だ。
     ミシディアの 者達は クリスタルの 秘密を知りすぎているとの陛下の ご判断だ。
     われわれは バロン国 飛空挺団 バロンの赤い翼だ!
     陛下の 命令は 絶対なのだ・・・・」
兵士「隊長・・・・」

先頭に立っていた兵士がセシルのもとにやってくる。
兵士「隊長 魔物が!」
セシル「総員 戦闘配備!」

何とか魔物をたおしたセシルたち。
兵士「ぐわっ!」
セシル「大丈夫か?」
兵士「まだ 来ます!」
セシル「くそッ!」

またもや魔物が襲来したが、セシルたちによって倒された。

セシル「みんな 無事か?」
兵士「はい!」
兵士「しかし 近頃 魔物の数が・・・・」
兵士「たしかに あまりに 多すぎる。」
セシル「なにかが・・・・おころうとしているのか?」

兵士「バロンに 到着しました!」
セシル「よし 着陸だ。」

 〜バロン〜

ベイガン「おお クリスタルを 手に入れたのですね。」
セシル「・・・・しかし ミシディアの 人々は まるで無抵抗だった・・・・」
ベイガン「何をおっしゃるのです。 さあ 陛下がお待ちです。」

ベイガンに連れられて陛下のもとに向う。
バロン王の待つ部屋の前で・・・
ベイガン「セシル殿 しばしお待ちください。」

一人だけ部屋に入るベイガン。
そして、バロン王に耳打ちするベイガン。
ベイガン「陛下・・・・
      おそれながら セシルのやつめが 陛下に 不信を抱いている様子です。」
バロン王「まことか!
      さすがは このえへいちょう。」
      よく知らせてくれた!だが クリスタルさえ 手に入れば 良い。
      セシルを よんでまいれ。」
ベイガン「は。」

ベイガン「セシル殿 陛下がお呼びです。どうぞ。」
セシルが王の部屋に入る。
バロン王「セシル ご苦労であった。
      で クリスタルは?」
セシル「はっ こちらに。」
セシルはベイガンに水のクリスタルを手渡した。
ベイガン「本物のようです。」
バロン王「そうか! おおなんとまばゆい!下がってよいぞセシル!」
セシルは部屋を去ろうとするが、王のもとに引き返す。
セシル「へいか!」
バロン王「な なんじゃ!」
ベイガン「な なんです!」
セシル「陛下は いったいどういうおつもりです? みな 陛下に不信を抱いております!」
バロン王「お前を はじめとしてか?」
セシル「! けして そのような・・・・」
バロン王「わたしが何も知らぬとでもおもっているか!
      お前ほどのものが私を信頼してくれぬとはな・・・・
      残念だがこれ以上お前に赤い翼をまかせてはおけん!
      今より飛空挺部隊長の任をとく!」
セシル「陛下!」
バロン王「かわって幻獣討伐の任につけい!
      ミストの谷付近に幻の魔物幻獣が出没するそうだ。
      その魔物を倒しミストの村へこのボムの指輪を届けるのだ。
      出発は明日の朝だ!」
反対しようとするセシル。そこへ・・・

カイン「おまちください!」
カインが入ってくる。
カイン「セシルはそんな・・・・」
バロン王「カイン。こやつのことが心配ならお前もセシルと共に行け!」
セシル「陛下!」
バロン王「もう 話す事は無い!その指輪をもち さがるがよい!」
セシルはボムの指輪を渡される。
セシル「陛下!」
兵士に部屋からつまみ出されるセシルとカイン。

セシル「すまないカイン お前まで・・・・」
カイン「その幻獣とやらを倒せば 陛下も許してくださる。
    また赤い翼に戻れるさ。」
セシル「・・・・」
カイン「気にするな。準備は俺に任せて今夜はゆっくり休め。」

セシルは自分の部屋に向う。
その途中、ローザに声をかけられる。
ローザ「セシル!」

ローザ「よかった 無事だったのね。
    あまり急な任務だったので心配したわ。」
セシル「無事さ 僕らは・・・・
     無抵抗な魔道士相手に傷など負いはしない・・・・」
ローザ「セシル!
     あとであなたの部屋にいくわ・・・・・」
セシル「ああ・・・・」

さらにその途中、シドにも声をかけられる。
シド「もどったかー セシル!」

シド「ローザが心配しとったぞ!ローザを泣かせたらこのワシがゆるさんからな!
   ところで ワシのかわいい飛空挺は無事か?
   お前の部下は荒っぽくていかん。
   なんじゃ 浮かない顔して!」
セシル「じつは シド・・・・」
シド「なんじゃと?幻獣の討伐に?
   お前以外に赤い翼をしきれるヤツがおるか!
   まったく陛下はどうされたんじゃ。
   新型の飛空挺をつくれとおっしゃるが・・・・
   ワシは飛空挺を人殺しの道具になぞしたくないんじゃ!
   町の者も不思議がっとる・・・・
   ともかく 気をつけてな! 幻獣なぞ お前の暗黒剣で一撃じゃ!
   ワシは家に帰る。最近かえっとらんので娘がうるさくてな!」


自室にもどったセシルはベッドにもぐる。
セシル「陛下は・・・・どうされたのだ?
     以前はナイトとしても名をはせ優しく強いお方だった。
     みなしごの僕やカインを自分の子どものように育ててくれた。
     ミシディアのクリスタル・・・・
     無抵抗な村人から奪ってまで手に入れねばならぬほどのものなのか・・・・
     命令とはいえあんな事は!」

眠りにつこうとするセシル。
ローザ「セシル!」
そこにローザが部屋に入ってくる。
ローザ「なにがあったの?急にミシディアへいったかと思えば幻獣討伐に行くなんて・・・・
    それに戻ってきてから変よ。」
セシル「いや なんでもない・・・・」
ローザ「だったら こっちをむいて。」
しかし、セシルはローザの目を見なかった。
セシル「僕はミシディアで・・・・
     罪も無い人々からクリスタルを!
     この暗黒騎士の姿同様 僕の心も・・・・!」
ローザ「・・・・あなたは そんな人じゃないわ。」
セシル「僕は陛下には逆らえない臆病な暗黒騎士さ・・・・」
ローザ「赤い翼のセシルはそんな弱音ははかないはずよ!
    わたしの好きなセシルは・・・・
    明日は ミストへ行くんでしょ。
    あなたに もしものことがあったら わたし・・・・」
セシル「心配要らないさ。カインもいっしょだ・・・・
     もう遅い・・・・君も休むんだ。」
ローザ「気をつけてね・・・・!」
部屋から去っていくローザ。

セシル「ありがとう ローザ・・・・
     だが僕は暗黒騎士。きみとは・・・・」


 〜翌朝〜
カイン「行くか セシル。」
セシル「あてにしてるぜ カイン。」
カイン「フッ まかせておけ。」



   かくして バロン国 飛空挺団
   「赤い翼」の 部隊長であった
      暗黒騎士 セシルは
     その座を はくだつされ
   竜騎士部隊長 カインと共に
    辺境の村 ミストを 目指し
    霧深く 立ち込める 谷へと
     バロン城を後にした・・・・

      人々の 夢であった
    天かける船 飛空挺・・・・
  だが その飛空挺の 機動力は
      夢の 実現ばかりか
 欲望を満たす 手段にまでなりえた。

     飛空挺団「赤い翼」により
 最強の 軍事国家となった バロン国。
 なぜ その強大な力を持つ バロンが
    クリスタルを もとめたのか・・・
そしてなぜ あまたの 魔物が はくじつのもとに
   その姿を あらわしはじめたのか・・・・

     クリスタルは ただ しずかに
     その光を たたえていた・・・・

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