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FINAL FANTASY ]−2


― Opening ―



青い空…カモメの舞う穏やかな空…
スピラ第2の都市、ルカ。
そのコンサートは、今まさに始まろうとしていた。
2年前、ブリッツボールが行われていたあの会場で…

湧き上がる歓声…
満員の観客はすでに総立ちで、踊るようにして待っていた…
ユウナのコンサートの始まりを…!

会場外の廊下
床に倒れた警備員…ズルズルと引きずられていくと、
その向こうに、一人の女が走っていくのが見える。
その女は、こちらに向かってちょっと合図を送り、走り去った。
合図を受けたのは…リュック。
2年前より、少し大人びた彼女は、長いマフラーを首に巻き…
そして、スレンダーなボディを惜しげもなくさらけ出したコスチューム。
「ユ・リ・パ レディ ミッション・スタート!」
リュックは小声で、小さなマイクに向かってそう話す…

コンサートが始まった…
レーザー光線を放つ機械が会場内を飛び回り、
ギタリスト達も、光る羽のついたジェットスキーのような機械に乗り
観客の頭の上を飛んでいる。
やがて、その真ん中に浮かび上がったガラスのようなステージ。
カウントダウンの声…「…ワン…ゼロ!!」
そして、ステージ上に姿を現したのは!!!
あの頃の…2年前の召喚士姿のユウナだった。
物憂げに眼差しを落とし…
しかし、イントロと共に歩き出したユウナが、曲に合わせてリズムを刻むと、
くるくるとリボンのように召喚士の服が、体から離れ、
その下は、大胆なブルーのコスチュームがユウナの体を包んでいた。
まるで、人が変わったように歌い、踊るユウナ。
その様子を、客席の上の方から、望遠鏡で覗いているリュック。
「おい!」
警備員が、リュックの肩をたたき、にらみ付ける。
リュックは、一瞬(しまった!)という表情を見せたが、
すぐ、ニッコリ微笑んで…
一発、二発、三発!!
あっという間に、その警備員をのしてしまった。
ステージでは、ユウナが、二人のダンサーと共に熱く踊り続けている。
今度は、別の客席の階段で、先ほどリュックに合図を送った女が、
警備員に発見されたが…
こちらはとび蹴り、回し蹴り…警備員など敵ではないらしい。
その女の名は、パイン。
黒いセクシーな戦闘服…、腹部の素肌に巻きつけた4本のベルト、
肩から下げた真っ赤なガーターベルトで、ブーツを吊っている。
髪は短く、無造作に下がった前髪の間からのぞく瞳は、鋭い。
パインは、滑るように階段を降りると、
リュックの乗った、ギタリストが乗っていた機械に飛び乗った。
ステージでは、ユウナが二曲目のイントロに合わせて踊っていた。
そこへ!!
「あれ、返しなさいよ!」
リュックが、そう言ってステージへ飛び降りた。
「ふん!おまえたち!」
ユウナが言った…しかし声が…?
ダンサーが、突然、マスクで顔を覆った戦闘員になる。
「あたしのステージで踊っていきな!」
踊りながら、そう吐き捨てるユウナ。
「ついてこられるのか?」
パインは、そう言って大きな剣を振り下ろす。
そして、ステージ上で、戦闘が始まった。
…ユウナと戦闘!?
とにかく、倒すしかない。
そして戦いの末、リュックとパインが勝利をおさめた。
「まだまだ踊り足りないな。」
パインが再び、大きな剣をくるりと回す。
「残念、ここで終演さ。」
ステージを去るユウナ。

会場の外
逃げるユウナを、追いかけるリュックとパイン。
「待て〜っ!」
途中、次々襲い掛かる戦闘員達を倒しながら、
二人は、ユウナを追った。
「どこだ、こらー!」
そう叫んで、周りを見渡すリュック。
「こっちだよ、娘さん。」
「ダハハハハハ!ミッション終了!」
そう言ってリュックたちに近づいてくる二人の男。
背の高い、目のつりあがったサノー。
太っていて豪快に笑うウノー。
「まずっ!」 リュックがちょっと顔をしかめる。
「こっちだ!」 パインがゲートの方に走る。
後に続くリュック。
「ほーれ、ほーれ。」 「だはははは!」
二人を追う、サノーとウノー。
その時!!
バンバンバンバンバンバン…!!!
サノーとウノーの足元に、拳銃の弾が打ち込まれたっ!
見ると、二丁の拳銃を構えた女が一人。
その女は、サノーの背中を踏み台にジャンプすると、
空中で一回転しながら、弾の雨を降らせ着地。
その横に、大剣を構えて立つパイン。
両手の武器をクルクルまわしながら歩み寄るリュック。
その真ん中で、ニッコリ微笑むその顔は…!
そう、これこそが本物のユウナだった。
召喚士の服は脱ぎ捨て、髪を短く切ったユウナ…。
2年という歳月が、彼女をたくましく、そして美しくしていた。
あの頃、長いスカートで覆われていた足はブロンズ色に染まり、
胸の真ん中が開いた服は、彼女の闘志を感じさせた。
今、ユ(ユウナ)・リ(リュック)・パ(パイン)
三人の美女が、揃った!
サノーとウノーが、三人に攻撃を仕掛けてくる。
しかし、三人揃ってしまえば、何のことはない。
簡単に、サノーとウノーを片付けた三人。
「やられたぁ〜っ!」
「あじゃぁ〜っ!」
情けない声をあげて倒れる二人。
そこへ…
「死んじまうみたいな声、出すんじゃないよ。」
そう言って現れたのは、そう、さっきステージで歌い踊っていたもう一人のユウナ!
「しつこいねえ…」
偽ユウナは、あきれたように言って、ユウナの真正面に立った。
「返して!」 ユウナは、偽ユウナをキッとにらんで、手を出す。
「リザルトプレート、返しなさいよ!」 リュックが言った。
「しつこい上にケチんぼだねえ。」
「返しなさい!」 ユウナは斜に構え、その美しい顔が厳しい表情に変わる。
「はいはい、返すよ!」 リザルトプレートを、放り投げる偽ユウナ。
「あっ!」
そして、鋼鉄のような扇で顔を隠したかと思うと、
偽ユウナが、正体を現した!
ルブラン…ユウナ達をライバル視する一味の女ボスだ。
紫色のコスチュームを身にまとい、
大きく開いた胸の真ん中に、真っ赤なハートのタトゥー(?)がきらめく。
「もう一度、奪い取るだけさ!」
ルブランが、攻撃を仕掛けてきた。
ユウナ達は、今、手に戻ったリザルトプレートにセットされたドレススフィアで、
ドレスアップ!
スフィアも、2年間で随分様変わりしたようで、
彼女達は、戦闘中、様々なドレスを身にまとうことで、能力を変化させるらしい。
「ガンナーのドレス」から「歌姫のドレス」へドレスアップして戦うユウナ。
「ちょっと恥ずかしい…」と言いながら、それでも「くらやみダンス」を
踊り続ける。
リュックとパインも、ドレスアップしながら戦い、
そして、ルブランを倒した。
「今度会ったら、泣かせてやる!」
そう言い残し、走り去るルブラン、そしてサノーとウノー。
「逃げるなー!」 追いかけようとするリュック。
「リュック…」 パインが、ユウナを見てリュックを呼ぶ。
見ると…!
「あれっ?…あ、あれ…ふふ…うふふっ…」
…どうやらダンスが、止まらなくなってしまったらしい。
ユウナは笑顔を輝かせ、ステップを踏み続けた…

― Mission Complete! ―


〜 体が勝手に踊り出して…怖かった
何が起こっているのかわからなくて
でも 踊っているうちに いつのまにか― 〜


空を飛ぶ真っ赤な飛空艇―
そこに乗っているユウナ達。
「ユウナ、楽しそうだったよね〜」
リュックが言った。
「うん、誰かの楽しい気持ちが、流れ込んできたみたいな…」
ユウナの言葉に、横からシンラが口をはさむ。
「リザルトプレート使うと、そういうことあるし…
スフィアに映っている人の気持ち、入ってきちゃうみたいだし。」
彼は、アルベドの天才少年。
マスクで、顔を全部覆っているため、その表情をうかがい知る事はできない。
「なんか危なくない?」 と、リュック。
「なんとも言えないし。」 そっけなくシンラ。
「おまえが作ったんだろうが。」
やはりアルベド族のダチが、そう言うと、
「僕まだ子供だし。」 シンラは立ち上がってダチを見た。
「ウォホン…オホン!…ユウナのダンス、俺も見たい!」
アニキ(リュックの兄)が、なぜかこぶしを突き上げる。
「…高いよ?」 ユウナが冗談まじりに答えると、
「そうなのか…」 アニキのこぶしが、力なく下がった…。
「本気?」 パインがユウナをチラッと見る。
「…違うのか。」 アニキが再びこぶしをあげようとした、その時!
ビイビイビイビイ…何かを知らせる警報が鳴り始めた!
「ギョフロフガ!カモメダン マミヒシユテ!」
アルベド語でそう叫び、操縦席に戻るアニキ。

パインの横に立つユウナ。
〜 この子はパイン スフィアハンターの先輩…っていうか仲間だね
パインのことは まだよくわからない
おしゃべりする方じゃないから
私より少し先にカモメ団に入っていたらしいけど―
リュックもよく知らないんだって 〜
「どうしたんだ?」 ちょっと男っぽく尋ねるパイン。
「内緒!」

ダチの横に立つユウナ。
〜 ダチさんはアニキさんの幼なじみ
2年前も一緒に飛んでたんだって
「知らなかった」って言ったら がっかりしてたよ 〜

アニキの横に立つユウナ。
「ユウナ 俺の言葉 うまくなったか?」 アニキが照れくさそうに言った。
〜 ねぇ 本当にうまくなったんだよ
あのね…私と もっと話したいから練習したんだって 〜

リュックの横に立つユウナ。
「楽しんでる?」 リュックの問いかけに
「もちろん!」 笑顔で答えるユウナ。
〜 きっかけは キミに似た人が映っているスフィアを見たから
キミかもしれないし 似ているだけかもしれない
他にもそんなスフィアがあるかも―って
リュックたちのカモメ団に入ったんだ
カモメ団っていうのはスフィアハンターで
スフィアハンターっていうのは― ウフフッ!こんな感じ
今は毎日元気にあちこち飛び回って 楽しいです 〜
「ちょっと気にしてたんだよね、ムリヤリ連れ出したみたいでさ。」
「ううん、そんなことないよ。」

シンラの横に立つユウナ。
「僕 いろいろ知ってるし。」
〜 この子はシンラ君 アルベド族の天才少年! 〜
シンラのお宝スフィアコレクションから
「旅のきっかけ」というスフィアを見せてもらうユウナ。
「旅のきっかけ」…ユウナがスフィアハンターになったきっかけのスフィア
撮影時期等はいっさい不明…

― 檻のようなところに入れられている一人の青年が叫ぶ!
『なんで俺が逮捕されるんだ!納得いかないっての!
なぁ 聞こえてるんだろ?あいつがあんたの彼女だったらどう思う?
敵の機械兵器使って どこが悪いんだよ!
召喚士を守るには ああするしかなかったんだ!
自分ならどうするか考えろよ!
出してくれよ!
あいつに…会わせてくれ』
泣き崩れる青年… ―

ブリッジを出てエレベーターに乗り、居住区へ行ってみると
バーのカウンターに、ハイペロ族のマスターがいる。
ちょっと奇妙な外見…
青いカマキリのような…宇宙戦争(?)の映画に出てきそうな…
「ユウナさん いらっしゃ〜い。」
〜 ハイペロ族のマスターさん
本当の名前は誰も知らなくて 勝手にそう呼んでるんだ
アニキさんに拾われて 飛空艇で働いてるんだって 〜

と、その時!!
スピーカーから、アニキの声がとどろいた。
「スフィアマ かミヘき キュフニュフ!
カモメ団全員集合ー!」
ブリッジへ戻るユウナ。

ダチが言った。
「ガガゼトで発見された遺跡で、お宝スフィア反応だ!」
「やった♪」 喜ぶリュック。
「ガガゼトケ キュップーユ!」
こぶしを突き出す、操縦席のアニキ。


「キミ」は今、どうしているのか…
どんな運命が、ユウナを待っているのか…

よりたくましく…そして、美しくなったユウナを乗せ、
真っ赤な飛空艇は、ガガゼトへと向かう…


― FF]−2 start ―


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