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ゲーム 鋼の錬金術師
      ― 翔べない天使 ―


人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない

何かを得るためには 同等の代価が必要となる

それが錬金術における等価交換の原則だ―



 エドワード・エルリック

12歳で国家錬金術師の資格を獲得、天才錬金術師として
世に知られている少年。現在15歳。

ふたつ名の「鋼の錬金術師」は、彼の右腕と左足が
鋼の義肢「機械鎧(オートメイル)」であることに
由来している。


 アルフォンス・エルリック

エドワードの弟。14歳。
見た目は鎧の巨漢だが、中身は巨体に似つかわぬ
心優しき少年。

今は魂だけの存在となっており、鎧の中には
何も入っていない。



エルリック兄弟は、幼き日に亡くした母親を
錬金術で蘇らそうと試みる。

だが、その結果は無残なものだった。

「人体練成」の禁忌を犯した二人は、その代償に
エドは左脚、アルは肉体のすべてを失ってしまう。

とっさにエドは自らの右腕を代償にアルの魂を練成、
近くにあった鎧に定着させる事には成功したが…

母親が蘇ることはなく、二人が失った物は
あまりにも大きかった。

自分達の身体を元に戻し、すべてを取り戻すために

エルリック兄弟は、伝説の「賢者の石」を探し求める
旅に出たのであった…




〜 セントラル鉄道 〜
山間を走る、赤茶色の列車に乗っているエド(エドワード)とアル(アルフォンス)。
ボックス違いの座席には、軍服を着た男。
その一つ前の車両に乗っていた二人の男が…
突然立ち上がり、羽織っていた上着を脱ぎ捨てる。

エドは、窓からぼんやり空を眺めていた。
エ ド「あー…、それにしても退屈だな。
    まだ中央(セントラル)には着かないのかよ…。」
ア ル「ははは。リゼンブール滞在中から、
    ずっと退屈のしっぱなしだね、兄さん。
    賢者の石の資料は確かに気になるけど、
    たまにはこういうのんびりした旅も良いんじゃない?」
エ ド「ヒマなのは性に合わねぇ〜っ!!」
ア ル「(またそれか…)」
頭をかくアル。
すると、ボックス違いの席に座っていた軍服の男、
アームストロング少佐が言った。
少佐「むぅ…情けない。忍耐が足りんぞ、エドワード・エルリック。
     この先のヒースガルドを迂回すれば、中央までは、
     もう目と鼻の先である。もうしばし我慢するのだ。」
ア ル「ヒースガルド?そっか。この辺は、もうヒースガルドに近いんだ。
    なんだか懐かしいね、兄さん。」
エ ド「ん?ああ。そういえばそうだな。」
少佐「む?なんだ二人とも、ヒースガルドに来たことがあるのか?」
ア ル「はい。何年か前に一度だけ。
    師匠に連れられて来たことがあるんです。」
エ ド「ヴィルヘルムっていうおっさんに会いに行ったんだよな、確か。
    師匠並にすげー錬金術師だったっけ。」
ア ル「そうそう。思い出してきた。ヴィルヘルム教授にはセレネって娘がいて、
    その子も術師なんですよ。
    ボクたちと同じくらいの年だったのに、
    大人顔負けの技術を持ってたよね。」
少佐「ほほぅ。なるほど。天才少女錬金術師というわけだな。」
エ ド「天才でも、薄情なヤツだったよ。
    あんなに仲良くしてやったのに、オレたちがダブリスに帰る日、
    見送りにも来なかったんだからな。」
ア ル「そんなこともあったね。
    きっと急に風邪でもひいたんだよ。」
少佐「あるいは、別れが辛かっただけであろう。」
ア ル「今でも研究を続けているのかなぁ。
    きっと良い錬金術師になってると思うんだけど…」
と、その時、突然爆音をともに、列車が激しく揺れた!
エ ド「うわぁ!!」
ア ル「なんだろう…爆発?」
音のした方を振り返るアルとアームストロング。
すると、スピーカーから男の声が…
『我々は、東部人民革命戦線。この列車は我々が占拠した。繰り返す…』
ア ル「東部人民革命戦線?なんだか色々切って貼った様な名前だね。」
少佐「確かに聞かん名だな…」
エ ド「はぁ〜、また新手の過激派かなんかだろ。
    世も末だよ、まったく…。」
三人とも、あまり相手にしている様子はない。
特にエドは、呆れたように頬杖を付いたまま、外を見ているし…。
少佐「…なんとかせんのか?」
エ ド「あ?なんでオレがぁ?」
そんなやる気のなさそうなエドを、グッと睨みつけるアームストロング。
その、ただならぬ表情にギョッとしたエドは、バッと立ち上がり
エ ド「だ、だ、だって、ほらっ!あんな連中、少佐一人で十分でしょ?」
と、あたふた…。
すると…少佐の瞳がキラ〜ン☆と輝き、
少佐「ふんっ…、いかにも!!」
と、立ち上がって上着を脱ぎ捨てポーズを取るアームストロング少佐。
そして、鍛え上げられた大胸筋をピクピクっ!
少佐「この『豪腕の錬金術師』アレックス・ルイ・アームストロングの乗する列車を
     乗っ取ろうなどとはなあ!ふっはっはっは…!!!
     賊どもめ、己が不運をその身をもって知らせてくれるわ!」
すっかりその気のアームストロング少佐だった。
そこへ、銃を構えた二人組みの男が!!
…まさに、『飛んで火に入る夏の虫』状態とも知らずにやって来た。
まず、アームストロングのポージングを見て、ある意味ビビる賊。
賊 1「どぉあ〜っっ……」
賊 2「なんなんだ、おまえら!放送は聞いたな。
   この列車は俺たち『東部開放連盟』が占拠した!」
ア ル「…さっきの放送と、名前が変わってるね…」
エ ド「まったくつきあいきれねーなぁ…。
    あん?そういえば最近、似たようなことなかったっけ?」
ア ル「あったね。」
エ ド「…もしかして呪われてる??オレたち…」
その時、賊の一人が、命知らずなことを…
賊 1「おいっ!そこの鎧と
チビ勝手にしゃべってんじゃねぇ!
    おとなしく金目のモン出せっ!」
ヒクヒク…ワナワナ…、案の定、エドの体が小刻みに震え出した。
賊 2「ちょうどいい、オマエがそのデカイのと鎧の金目のモノ集めて
    こっちへ来い。
チビッ!!
あ〜あ…、『火に油を注ぐ』とは、まさにこのこと…。
エ ド「………チビって・い・う・の・は…」
賊 2「オマエに決まってんだろ!他に誰がいるんだ、この
チビ
エドの頭の中のこだま『チビ…チビ…チビ…チビ…』
ブチッ!←エドのブチ切れた音。
(ちなみに…この「チビ」という言葉は、エドに対して「殺してください」と
言っているのと同じこと。
つまり、エドは身長が低いことを異常に気にしてるわけだ)
エ ド「
だ〜れがギネス級チビかあ〜!!!!!
エドは、走りながら練成のため両手を合わせ、
賊の一人に、怒りの鉄拳を一発!
ソイツは、そのまま車両の壁をブチ破って空の彼方へ…。
少佐「ん!見事だ、エドワード・エルリック!」
それを見て後ずさりするもう一人の賊。
賊 1「れ、錬金術師…!!」
慌てて自分もポケットから練成陣の書かれた布を出し対抗しようとしたが、
それを見たアームストロングが、7席向こうから錬金術の波動を放つと、
次々座席の背もたれを突き破り、あっという間に賊に命中!
何もさせてもらえないまま、残りの一人もぶっ飛んだ。
少佐「ふんっ、甘いわ…」
ア ル「一体なんなんだろうね、あの人たち。」
エ ド「やっぱり呪われてんだわ、オレたち…」
がっくりうなだれるエド。
ア ル「好かれてるんじゃない?」
エ ド「あん?なににっっ?」
そこへ、もう一人賊がやって来た。
賊 3「なに?どうした!?」
…が、目の前のデカイ鎧のアルを見てびっくり!
アルが軽〜く一撃を浴びせると、簡単に気絶…。
ア ル「こういう人たちにさっ!」
エ ド「はぁ〜…、しゃーない、少佐、後ろの方頼むわ。
    何か爆発してたみたいだし。」
少佐「うむ、了解した。」
エドは、さっき賊が落とした練成陣の描かれた布を拾い上げた。
エ ド「なんか錬金術師も混ざってるみたいだし、
    お互い気をつけるってことで。」
少佐「肝に銘じよう。」
ア ル「じゃぁ!」
少佐「うむ。」

エ ド「行くぜっ!!」


GAME START!!

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