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ファイアーエムブレム紋章の謎・第2部(英雄戦争編)オープニング

(地竜メディウスがマルスの一撃で倒される絵)
5年の永きに わたり 人々を苦しめ
後に「暗黒戦争」と呼ばれた ドルーア帝国との 壮絶な戦いは
地竜王 メディウスの 消滅と共に 終わりをつげた
(同盟軍の旗が翻り、歓声が挙がる)
炎の紋章の下に 集いし 戦士達も それぞれの国に帰り 荒れはてた祖国の再建に 力を 尽くした
かつて アカネイアの七王国と 呼ばれた国々のうち グラとグルニアはすでに滅亡
アリティア オレルアン マケドニア タリスは ふかいきずあとを残し
大国アカネイアも また 再建途上にあった
そんな まだ戦乱冷めやらぬ 王都パレスで 一つの重大な出来事がおこった
(ハーディンとニーナの姿、そしてカミユの姿)
オレルアンの王弟ハーディンが ニーナ王女と結ばれ アカネイアの 第24代国王と なったのである
王位についたハーディンは その 強引とも思える やり方で またたくまに国力を回復し
多くの兵を集めて 強大な軍隊を 作り上げた
そして アカネイア神聖帝国の 再興を 宣言
自ら皇帝となったのである
(軍勢と傷ついた兵士の姿)
ドルーアとの戦いが 終わって 一年あまり
世界は おだやかに 時を きざんでいるかのように 見えた
だが どこかで 運命の歯車が 狂いだしていた

〜第2部 1章 グルニア遠征〜
(城に佇むジェネラルの姿)
暗黒戦争が終わって1年の後。
戦乱に荒れたアリティア王国も、マルス王子らの努力によって、ようやくおちつきをとり戻し始めていた。
騎士ジェイガンは、病に倒れたモロゾフ伯の後を継いで王子の後見役となり、彼のそば近くに仕えて 国政を助けた。
そして、シーダ王女をアリティアに迎え、マルス王子との婚礼を発表したのである。
アリティアの人々は、二人のしあわせそうな姿にだれもが喜びをわかちあい、シーダを暖かく迎え入れた。
だが しかし… 婚礼を間近に迎えたある日、突然 帝都パレスから、一通の命令書がもたらされた。
<親愛なるアリティアの マルス王子に告ぐ
 アカネイアの占領下にある グルニア王国で大規模な 反乱が起こったもよう
 ついては 貴国にグルニア 討伐の手助けを要請したい
 王子はアリティアの全軍を 率いて ただちに出撃し グルニアの反乱を制圧されよ> アカネイア皇帝▼
アカネイア王国は、アリティアにとって父なる国。その命令は絶対である。
やむなくマルスは、騎士カインに祖国の守りを命じ
ジェイガンらと共に、グルニア遠征へと旅立ったのであった。

(グルニアの辺境の地。山賊たちが洞窟から出てくる。南方にアリティア軍が到着する)
マルス「ジェイガン やっと 着いたのか あれが反乱軍のたてこもる砦?」
ジェイガン「そのことについては 占領軍の司令官 ラング将軍がお見えですから お話下さい」
(ジェネラルがマルスの近くにやってくる)
ラング「おおこれは マルス殿 今ごろおいでとは のんきなことですな
反乱軍は あらかた我らが 討伐し 後はあの砦ひとつを 残すのみ
まあ せっかくだから 反乱軍のリーダー ロレンス将軍の始末は 貴公におまかせしよう」
マルス「え!? 反乱軍を率いているのは ロレンス将軍なのですか!?なぜ 彼が反乱などを…」
ラング「さあな… わしは そんなことは知らん
ただ ヤツがグルニアの王子を かくまっていることは事実だ
多分グルニア王国の再興でも ゆめ見たのではないか
しかし ヤツもバカな男よ 我らにさからって 勝てるとでも思ったのか
マルス殿 ロレンスを殺し ヤツがかくまっている グルニア王家の子供達を とらえるのだ
我らは ここをおぬしらに 任せて 逃げた反乱兵どもを 追いかける
グルニアのバカどもに わしに はむかった報いを 思い知らせてやらねば ならぬのでな」
マルス「ラング将軍…いったい何を!?」
ラング「知れたことよ 反乱に参加した者達の 家族を皆殺しにする
それに 反乱兵をかくまった 村は すべて焼きはらい 二度と 我らにはむかわぬよう せねばならん
わっはっはっ ヤツらの泣きさけぶかおが 見えるようだの」
マルス「ばかな!何も そこまでしなくとも…」
ラング「ば ばかとはなんだ!
貴公は わしの命令に従って はたらけばよいのだ よけいなことは かんがえるな!!
それとも アリティアもまたわがアカネイアにさからって反乱でもおこすと言うのか!」
マルス「まさか! そんなことは…」
ラング「ならば おとなしく 命令に 従われよ!!
マルス殿 のぼせあがってはこまる おぬしなど わしから見れば 弱小国の王子に すぎぬ
わが帝国の力をもってすればいつでもたたきつぶせることを 忘れるな!」
(ラング、もう話す事はない、とばかりに去って行く)
マルス「…ジェイガン これは いったいどういうことだ ハーディンは あんな男に この国を まかせたのか…」
ジェイガン「ラング将軍は もともと アカネイアの貴族なのですが 前の戦いの時には ドルーア帝国に取り入って
人々から 金をまきあげ しふくをこやしたと うわさされる人物です
おそらく グルニアでも 同じようなことをして 人々を苦しめているのでしょう
ロレンス将軍の反乱も うなずけぬわけでは ありませんな」
マルス「ジェイガン!そんなのんきなことを 言っていて いいのか
はやく ハーディンに この事実を 伝えなければ また罪もない人達が 殺されてしまう」
ジェイガン「王子 お気持ちは分かります
ですが ロレンスが反乱を おこしたのは事実 まずは彼を何とかせねばなりません
とにかく人々から話をきき この国でいったい何がおこっているのかをたしかめるのです
その上で 王子ご自身が ロレンス将軍と話をされてみては いかがですか」
マルス「だけど 反乱兵達は我らがアリティア軍だとは知らないのだろう 無事に砦まで行けるのだろうか」
ジェイガン「それは 心配ないでしょう
反乱軍は ほとんど逃げ去り 残っているのはロレンス将軍と 砦の中にいる子供達だけのようです
ただ 混乱に乗じて 山賊どもが あばれまわっていますが 奴らなど我らの敵ではありません
聖騎士アランに命じて 一気にけちらしましょう
ですが王子 わが軍の中にも 戦いの経験がない新兵がおります
彼らにとっては 山賊と言えども まだまだ強敵 決して 無理をさせてはなりません
わたしも できれば戦いたいのですが このトシでは もうそれもなりますまい
わたしは王子のおそばにあって軍師をつとめさせていただきましょう
では王子 まいりますぞ!」

 そしてこれが、「英雄戦争」と呼ばれる新たな戦乱の幕開けとなった…

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