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FINAL FANTASY Ⅳ THE AFTER 〜月の帰還〜のオープニング

※Wii版を基準にしています。

かつて…
人々の祈りが、この青き星を救った。
そして、ふたつの月は、ひとつとなり
時は流れた…。
聖なる騎士の血を受け継ぐ少年は
旅立ちの日を迎える。

天翔る船、飛空艇より見上げる空。
そこには、ふたつの月が浮かんでいた。
大きさを増すもうひとつの月。
なぜ、あの月は戻ってきたのか?
新たな運命が大きく動き始めた。
クリスタルは、今も変わらず
ただ静かに光をたたえていた。

(1台の赤い飛空艇が航行している。その飛空艇の甲板に幾人もの兵士たちがいる…)

兵士
「ビッグス隊長 アダマン島が見えてきました!」

ビッグス
「…うむ」

ウェッジ
「セオドア様 お顔の色がすぐれませんが…」

セオドア
「……」

ウェッジ
「はじめての遠征ですから 緊張なさるのも無理ありません。
 兵士たちと会話でもして 気を落ち着けてはいかがですか?」

(みんなと話ができる)

ウェッジ
「今、向かっているのは アダマン島という小さな島。
 騎士になるための試練が セオドア様を待ち受けているのです。
 セオドア様が遠征に参加されたのを お父上のセシル様も とても喜んでおられましたよ」

ビッグス
「魔物は平等だ。王族だろうが平民だろうが 区別しない。…まあ、それは この赤き翼でも同じだがな。
 ここでは身分など関係ない。たとえ、わがバロン国の 第一王子でもな」

兵士
「お父上のセシル国王も こうして騎士になるための 試練を乗り越えていかれました。
 王になる前には、この赤き翼で部隊長も務めていたのですよ」

兵士
「飛空艇団【赤き翼】は われらがバロン王国の誇る精鋭部隊です。
 世の中が、いかに平和でも 決してきびしい訓練をおこたることはありません!」

兵士
「アダマン島は 一見平穏な島。
 ですが、そこにある洞窟は騎士を目指す者が必ず訪れる 聖地とも呼ぶべき場所なのです」

(全員と話し終えると)

ウェッジ
「いかがですか? 少しは落ち着かれましたか?」

セオドア
「…はい」

ウェッジ
「ご心配なされる気持ちも わかりますが… ご自身に流れる血を もっと信じるべきかと」

セオドア
「ぼくに流れる血…」

ウェッジ
「さようです。聖騎士のセシル様 そして白魔道士ローザ様…
 セオドア様は、おふたりの血を 受け継がれているのですから」

セオドア
「…関係ない。今のぼくは騎士を目指す ただの一兵士だ…」

ビッグス
「思い上がるな…! 今のおまえは、兵士以前の見習いにすぎん。
 この飛空艇団【赤き翼】は セシル様の時代ほど甘くはない」

セオドア
「わかっている。ぼくも、そのつもりでここに…」

(突き飛ばされるセオドア)

ウェッジ
「…セ、セオドア様!」

ビッグス
「どうやら口の利き方から 鍛え直さねばならんようだな」

兵士
「アダマン島に到着します!」

ビッグス
「…よし、着陸態勢に入れ!」

(かくして飛空艇はアダマン島にある「ミスリルの村」近くに着陸した)

ビッグス
「セオドアよ、ここが目的地のアダマン島だ。ひとまずこの先にある ミスリルの村で待機する。わかったな?」

セオドア
「はい…」

ビッグス
「声が小さい! もっと腹から声を出せ!」

セオドア
「はい! わかりましたっ!」

ビッグス
「…ふん。話にならんな。行くぞ」

(一行はミスリルの村へ)

ビッグス
「貴様に課せられた試練は アダマン島の洞窟深くに眠る【騎士の証】を手に入れること。
 …ただし! 洞窟へ入るのは、月が満ち 満月となってからだ。それまでに準備を整え 覚悟を決めておけ」

セオドア
「満月になってから…? 何か意味があるのですか?」

ビッグス
「ふん…、そんなことも知らんのか。これは先が思いやられるな」

ウェッジ
「月の光は 青き星に生きるすべての生命に影響をあたえます。
 セオドア様も、そして魔物も例外ではありません。
 黒魔法、白魔法…そして武器による物理攻撃も 月の相の影響を受けるわけです。
 ただし…!
 月は時間の経過とともに その相を変えていきます。
 つまり生き延びるためには 月の相に応じた戦い方が必要になるわけですね」

(前作「FINAL FANTASY Ⅳ」には無かった新システム「月齢」。月の満ち欠けは時間経過や宿泊のたびに変化する。)

兵士
「アダマンの洞窟で ビッグス隊長がお待ちです。お急ぎください」

(そして満月となった状態でアダマン島の洞窟へ)


ビッグス
「見習いのくせに遅れてくるとは…いい身分だな。
 これよりアダマンの洞窟へ潜入する。改めて言うまでもないが お前がなすべきは【騎士の証】を手に入れることだ。
 だが、しょせんは甘やかされてきた王子様だ。逃げ出すなら今のうちだぞ」

セオドア
「……」

ビッグス
「一人前に悔しがってるヒマがあったら、さっさと宝箱を開け 準備をしろッ!」

ウェッジ
「セオドア様! ご武運をお祈りしております」

兵士
「セシル様のような立派な騎士になったセオドア様が目に浮かぶようです!」

(宝箱を開けてアイテムを取ればいよいよ出発)

ビッグス
「ようやく覚悟を決めたか。では、出発だ!」

【ビッグス】と【ウェッジ】が仲間になった。

入口の門番
「ほう、あんたが【騎士の証】をね…。気をつけて行ってきな!」

(階段を下って進むと…)

ビッグス
「フフ、来るぞセオドア!」

(ゴブリン×3とバトル!!)

ウェッジ
「月の相によって戦況が変化することは もうご存知だと思います。
 今は満月ですから 黒魔法は力を増し 白魔法は変化しません。
 しかし…武器による物理攻撃は威力が半減しています!
 コマンドを見てください」

(コマンドを見ると「たたかう」の文字が赤色のたたかう▼」になっている。
 同じく、「くろまほう」の文字も緑色の「くろまほう▲」になっている)

ウェッジ
「月の影響を受けて コマンドの色が変化しているのがわかりますね。
 強くなっているものは緑に 弱まっているものは赤で 表示されているはずです。
 これに注意して行動を選択することが 戦局を大きく左右します!」

(こうして最初のバトルに勝つと、またアドバイスがある)

ウェッジ
「つぎは【バンド】について お教えしましょう!
 【バンド】とは…強力な連携攻撃です。相手との絆がなければ バンドは成立しません!」

セオドア
「絆…」

ウェッジ
「ええ、私とビッグス隊長の【バンド】をお見せしましょう
 まず「誰と」バンドするかを決めます。そして、相手のコマンドを選択します。
 私とビッグス隊長のバンドは 相手が「たたかう」のコマンドを選ぶことで成立します」

セオドア
「ビッグス隊長が「たたかう」以外を選んだら…?」

ウェッジ
「残念ながらバンドは失敗です。
 では、お見せしましょう!」

(ビッグス+ウェッジ VS ゴブリン×4のバトル!!)

ウェッジ
「私のコマンド入力のとき
 十字ボタンの右で 【バンド】コマンドを表示します。
 【バンド】を選択し 次に「相手」を選びます。この場合ビッグス隊長です。
 そしてビッグス隊長のコマンド入力のとき「たたかう」を選択します。
 これで準備が整いました。そして、Ⓐボタンを押してこの【バンド】を実行します。
 やってみましょう!」

(2人がバンド技「バイブレイ・エッジ」でゴブリン全員を見事に倒す)

ビッグス
「なんだ貴様。見ていなかったのか?」

(「いいえ」を選んで続行)

ウェッジ
「成功したバンドは『バンド技』として登録されます。
 次回からは『バンド技』の名前を選択することで実行できます」

ビッグス
「バンドは実行すると 参加メンバー全員のMPを消費する。調子に乗って使いすぎるなということだ」

(次のフロアに行くと…)

ビッグス
「ここからはセオドア…おまえ一人で行け」

ウェッジ
「大丈夫ですよ。セオドア様には、セシル様やローザ様の…」

セオドア
「関係ありません!」

ウェッジ
「セオドア様…!?」

ビッグス
「多少は意地があるようだな。生きて戻ってこれないヤツは 赤き翼には必要ない」

セオドア
「…はい!」

【ビッグス】、【ウェッジ】と別れた。

(最深部に到着。いかにもといった感じの宝箱がある)

セオドア
「……!
 あれが…【騎士の証】…!」

(開けた途端、サンドウォームとバトル!!
 しかし敵の攻撃「たつまき」で瀕死に追い込まれる。そこに、こっそり後をつけてきたビッグスとウェッジが合流)

ウェッジ
「セ、セオドア様! ご無事ですか!?」

セオドア
「下がっていてください…!」

ビッグス
「……!」

セオドア
「これは…ぼくの戦いなんだ!」

ウェッジ
「む、無茶ですっ!」

セオドア
「父上は…関係ない…。母上も…。
 ぼくは…、ぼくは… 自分の力で進みたいんだ…!!」

(サンドウォームと、もう一度バトル!!)

セオドアの流れる血が…覚醒した!

(新アビリティ「かくせい」が発動しパワーアップ。そして見事に撃破)

【騎士の証】を手に入れた!
セオドアは【かくせい】を使えるようになった!


(次の瞬間、倒れこんでしまうセオドア)

ウェッジ
「セオドア様…!」

ビッグス
「ウェッジ!」

ウェッジ
「ケアルラ!」

(ウェッジの回復魔法でHPを回復して元気を取り戻す)

セオドア
「…すみません、ありがとうございます」

ウェッジ
「さすがはセオドア様! すばらしい力を秘めておられた…!」

セオドア
「……」

ウェッジ
「これでセオドア様も 騎士の仲間入りですね!」

ビッグス
「戻るぞ、ウェッジ、用事はすんだ」

【ビッグス】と【ウェッジ】が仲間になった。

(そして洞窟の入り口に戻ってくると…)

セオドア
「あの…ビッグスさん、ウェッジさん…。どうも…ありがとうございました!」

(黙って去っていくビッグス)

セオドア
「ビッグスさん…」

ウェッジ
「へえ…、さすがですね、セオドア様」

セオドア
「え…?」

ウェッジ
「飛空艇へ急ぎましょう。遅れると、また大目玉ですよ」

【ビッグス】と別れた。

(飛空艇で兵士と話せばバロンに帰ることになる)

兵士
「セオドア様! おめでとうございます!
 バロン城へと帰還しますが…準備はよろしいですか?」

(「はい」を選択して出発)

ビッグス
「どうだ、セオドア?」

セオドア
「はい…?」

ビッグス
「騎士となった感想は?」

セオドア
「それが…よくわかりません」

ビッグス
「当たり前だ。【騎士の証】とは名ばかり。おまえが苦労して手に入れたのは ねずみのしっぽのミイラだ
 …わかるか? 証を手に入れたから騎士になったのではない。
 騎士になろうとする その意思を確かめたに過ぎん。
 おまえは、ようやくスタート地点に立つことができた。…それだけのことだ。
 赤き翼の一兵士となるには まだまだこれからだ」

セオドア
「はい…ッ!」

ウェッジ
「さすがセオドア様。将来はセシル様に負けぬ 立派な聖騎士になりますぞ」

セオドア
「まだ聖騎士を目指すと決めたわけじゃありません」

ウェッジ
「…なぜです? セシル様とローザ様の血を引くセオドア様ならば…」

(その時、1人の兵士が駆け込んできた)

兵士
「魔物の襲撃ですッ!!」

ビッグス
「取り乱すな! 貴様、それでも赤き翼か?」

兵士
「で、ですが…! む、無数の! 無数の魔物がこちらに…!!」

セオドア
「え!? …来る!」

ビッグス
「セオドア! 油断するな!」

(ビッグスも加わり、ベルフェゴール×2とバトル!!)

(からくも勝利するが、飛空艇を確かに無数の魔物が取り囲んでいる)

ビッグス
「クッ…! この数、どういうことだ!?」

兵士
「バロンの方角から 火の手が上がっています!」

セオドア
「え…!?」

ビッグス
「全速前進!」

ウェッジ
「セオドア様!」

(魔物の大群をにらみつけるセオドアを、ウェッジが諌める)


(同じ頃、バロン城では玉座にいるセシル王の下に兵士が状況を報告に来ていた)

兵士
「セシル様、大変です! 魔物の大群がこちらに…!」

セシル
「なに!?」

(城が揺れている)

ローザ
「魔物の数は減っているのに…!?」

セシル
「君は、ここにいるんだ」

(近衛兵にローザを警護させる)

セシル
「ローザを頼む」

近衛兵
「ハッ!」

(再び城が揺れている
。出撃を決めたセシル)

ローザ
「セシル…」

セシル
「心配いらない。ここを離れるな」

(中央広間にて)

セシル
「魔物は、どこから?」

兵士
「わかりません! あまりの数で…」

セシル
「ここで待機していろ」

兵士
「ハッ! 玉座を死守します!」

セシル
「…む!?」

(自由に操作できる。しかし、魔物はすぐそこまで来ていた。ガーゴイル×2とバトル!!)

セシル
「すでに城内にまで入りこんでいるとは…!」

(城の外側で、ズー+コカトリス×3とバトル!!)

セシル
「城門は封鎖されている。なのに、なぜ魔物が…!?」

(見張り塔の最上階で住民が魔物に襲われている)


「きゃーッ!」

(オーガとバトル!!)


「セシル様…!」

セシル
「ここは危険だ。城の奥へ!」


「は、はい…!」

(城の中央広間から反対側へ行かれるようになる。しかしその通路から兵士が…)

セシル
「だいじょうぶか!?」

兵士
「も、申し訳ありません…!」

(そこに魔物がやってきた。ケンタウロナイトとバトル!!)

セシル
「しっかりしろ!」

兵士
「す…すみません、陛下…」

(先に進もうとするセシルだったが、後ろから声が)

ローザ
「セシル…!」

セシル
「ローザ!」

ローザ
「私も行くわ」

セシル
「ダメだ。君を危険な目には…」

ローザ
「それは私のセリフよ。私がいれば あなたは戦うことに専念できる」

セシル
「…わかった。でも約束してほしい。もしものときは、君だけでも逃げのびるんだ」

ローザ
「…あなたを見捨てて?」

セシル
「そうだ。セオドアのために…!」

ローザ
「ええ…!」

【ローザ】が仲間になった。

(城がまた揺れている)

セシル
「そうか…! この魔物の群れは、空から…」

ローザ
「セシル、月が…!」

(1つだったはずの月。その傍らに、もう1つの月が現れた。何を意味しているのか…)

(同じ頃、飛空艇に乗るリディアは地底人のルカが、
 ホブス山では修行中のヤンと娘のアーシュラが、
 船ではギルバートと秘書のハルが、
 トロイアではパロムと見習い神官レオノーラが、
 ミシディアではポロムと倒れた長老が、
 エブラーナ城ではエッジと配下の忍者4人組が、
 みんな、新しく出現した謎の月を見ていた…)


(ここで改めてタイトル画面出現。)

(話をバロン城に戻す。
 セシルは前作でもう1つの月に乗って去っていったゴルベーザとフースーヤを思い出す。
 月ごと戻ってきたのだろうか? 真相はまだわからず…)


セシル
「あれは…兄さんたちの…? いったい、どうして…」

(城の頂上にシドの姿を見つけた)

シド
「遅いぞ! 何しとったんじゃ、セシル!」

ローザ
「シド、無事だったのね」

シド
「当たり前じゃ! まだまだ、なまっとらんわい! じゃが、なんでまた魔物たちが!?」

セシル
「わからない…」

シド
「セオドアは、どうした?」

セシル
「騎士の証を手に入れるため 赤き翼で遠征に出たまま…」

シド
「まだ戻ってきとらんのか!」

セシル
「ビッグスたちがついている、心配はないはずだ…」

シド
「なら、祝いの宴のためにも こいつらを片づけておかんとの!」

【シド】が仲間になった。

(頂上から改めて状況確認)

セシル
「城門は破られていない…」

シド
「となると、きゃつらは 空から…!」

ローザ
「…来たわ!」

(ベルフェゴール×2とバトル!!)

シド
「セシル! こやつら、さっきまでとは別モンじゃぞ…!!」

(アーリマン+スピリット×3とバトル!!)

ローザ
「キリがないわ!」

(ストラトエイビス+コカトリス×3とバトル!!)

(なんとか魔物を退ける3人。しかしさっきより強く城が揺れている)

セシル
「…シド、頼みがある」

シド
「なんじゃ?」

セシル
「ローザを連れて脱出してくれ」

ローザ
「セシル!?」

(城の揺れは先程から連続して発生している)

セシル
「このままではバロンは落ちる…」

ローザ
「セシル…!」

シド
「バロンと最期を共にするつもりか…」

ローザ
「私も残るわ!」

セシル
「これは…国王としての命だ セオドアを頼む…!」

ローザ
「……!」

シド
「ったく…相変わらずガンコ者じゃな…」

セシル
「頼む、シド…!」

シド
「任せとかんかい! じゃが…、死ぬなよ」

ローザ
「セシル…!」

(揺れ続ける城。2人はセシルの命令通り逃げていった)

【ローザ】、【シド】と別れた。

セシル
「ローザ…セオドアを頼む…!」

(上空を見るセシル。目に映ったのは、月から一直線に突っ込んでくる、…竜だった)

セシル
「バハムート…!?」

(そのバハムートから、見たこともない女性が降りてくる)

セシル
「リディア…! いや、違う…」

謎の少女
「おまえが、セシルか…」

セシル
「私を知っているのか?」

(バハムートとバトル!! …勝てるわけないです)

謎の少女
「やはり半分の血…この程度か…」


(同じ頃、魔物の大群から全速力で逃げる赤き翼の飛空艇でもトラブルが起こっていた)

セオドア
「この感じ… まさか、父さんが…!?」

ビッグス
「急げッ!! エンジンがどうなってもかまわん!」

兵士
「もうすでに限界を超えています!」

セオドア
「航路が…ずれてる!?」

(飛空艇が爆発を始めた。船体が揺れている)

兵士
「右翼に損傷ッ! 操舵不能です…!!」

セオドア
「うわぁっ!」

(衝撃で倒れこんでしまうセオドア)

ウェッジ
「セオドア様!」

ビッグス
「!!」

(飛空艇から爆発が止まらない。なんとビッグスがセオドアを庇った)


(その頃、幻獣界ではリディアと幻獣王たちが暮らしていたが、異常を察知したのか…)

幻獣王
「……!」

リディア
「…どうかしたの?」

幻獣王
「いや…ときにリディア…すぐに、ここを離れるのじゃ」

リディア
「え、どういうこと…!?」

王妃
「心配はいりません」

リディア
「!!」

(強制テレポートでリディアを避難させる)

幻獣王
「何用じゃ…?」

(現れたのは、バロンを襲撃した謎の少女)

謎の少女
「おまえたちの力…もらい受ける」

王妃
「簡単に言ってくれる…」

謎の少女
「すでにバハムートは われらが手中…」

幻獣王
「幻獣神様が…!?」

(謎の少女が魔力を解き放つ)

幻獣王
「!!」

(一瞬で石化してしまう2人)


(そして、エブラーナ城でも…)

エッジ
「あれは…! バブイルの塔が…」

(月とのエレベータの役割を持っているこの塔が、赤く光り始めた)


(この異常事態はドワーフの城にも知らせが届いていた)

ドワーフ
「ジオット王! バブイルの塔が…!」

ジオット王
「…なんじゃと!」

(やはり地底側でも光っている。謎の少女の襲来と同じくして起こったこの事態も、まだ真相は謎…)


(そして… 赤き翼の飛空艇は不時着していた…。全員が倒れている)

セオドア
「う…、うう…」

(まともに動けるのはビッグスに庇われたセオドア1人だけだった)

セオドア
「……! ビッグスさん! …ビッグスさん。ぼくをかばって…
 ぼくが…ぼくが、もっとしっかりしてれば ビッグスさんは…
 ビ…ビッグスさん… …ウェッジさん ウェッジさん! ウェッジさあああああんっ!
 ね、ねえ…! しっか…り… この人も… 死ん…でる… みんな…みんな死んでしまった…」

ビッグス
「う…、うう…」

(まだ息があるビッグス)

セオドア
「え…?」

ビッグス
「ご無事でしたか…セオドア…様…」

セオドア
「しゃべっちゃダメです! 誰か! 誰か助けを呼んできます…!」

ビッグス
「申し訳…ありません…。セオドア様を…バロンへ…無事に…お連れできず…」

セオドア
「ビッグス…さん…」

ビッグス
「さあ…早く…ここから…」

セオドア
「やめてください ビッグスさん! ぼくは…ぼくは、赤き翼の見習いです!
 やめてください…そんな…言い方…」

ビッグス
「見習い…か…」

(死の淵、ビッグスはかつて赤き翼でセシルに言われたことを思い出していた。
 余談だがこれは前作FF4のオープニング場面である。)


ビッグス
「われわれ赤き翼は 誇り高き飛空艇団! か弱い者から略奪など!」

セシル
「やめるんだ!」

ウェッジ
「しかし、隊長! 無抵抗な魔道士たちから略奪するなんて!」

(その時言われた言葉をセオドアに伝える。)

ビッグス
「では…よく聞け…セオドア… 何としても…戻るのだ…わが…バロンへ…。
 これが…、オレの…最後の…命令だ…」

セオドア
「は、はい…!」

ビッグス
「よし…それでこそ…赤き…翼だ…」

セオドア
「はい…!」

ビッグス
「おまえが…最後の…赤き翼だ…。
 われわれ赤き翼は…バロン王国の…誇り高き…飛空艇団…! 命令は…絶対なの…だ…」

セオドア
「…!!
 バロン王国飛空艇団…赤き翼… これよりバロンへ帰還します…!」

(こうして、セオドアの旅が幕を開ける…)

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