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 遥か昔、ウェイアードの世界には、錬金術の法則が存在したという。
 鉄を金に変えることすらできる……その力はこの世界に多くの文明をもたらしたが、沢山の戦いも引き起こした。
 なぜなら、その力を極めたとき、人は全ての力と全ての富を手にいれ、全てを支配し、永遠の命を得ると、されていたからであった。
 しかしその力ある限りはやがて世界は滅びてしまうことから、この力は勇気ある者たちの手により、いつのころかに封印されたのだった。

  −前作のあらすじー

 3年前の嵐の日に家族を失ったハイディアの少年ロビンと少女ジャスミンは、ある日村の掟を破り、決して開いてはならぬ封印を解いてしまった。
 それは村にやってきた旅の戦士サテュロスたちの罠だったが、それには3年前に死んだはずのジャスミンの兄ガルシアも加わっていた。
 これによって奪われた宝玉は、錬金術の封印を解くためのカギだったのである。
 更に仲間のジャスミンと学者のスクレータまで、連れ去られてしまったのである。
 4つの宝玉を、水と地と風と火の4つのエレメンタルの灯台に使われ、4つの灯台の全てが灯った時、錬金術の封印が解かれてしまうことから、ロビンたちはサテュロスたちの後を追ったのであった。
 旅の途中、イワンを仲間に加え、彼らがたどり着いたのは、水の灯台のある地、イミルだった。
 そこで出会った灯台を守る少女メアリィとともに、ロビンたちは灯台に上ったサテュロスたちの後を追った。
 しかしロビンたちは灯台が灯るのを防ぐことが出来ず、サテュロスたちにも逃げられ、再び後を追うことになる。
 アンガラ大陸で数々の危険を乗り越えて、たどり着いたのは、西の果てにある、大陸最大の街トレビだった。
 ロビンたちは、街の支配者バビがある目的のために行っていた、大陸一の戦士を決める「コロッセオ」という競技に出場することになる。
 ロビンはこの競技に勝利し、バビが150年以上も生きてこられたのは、海の彼方にある古代人の都レムリアの薬のお陰だと知った。
 そして地の灯台のある大陸ゴンドワナへ渡ったロビンたちは、スハーラ砂漠を抜け、灯台のある町ラリベロへ。
 そしてついに、サテュロスたちを追い詰め、倒したロビンたちだったが、地の灯台は灯されてしまう。
 その時の大陸の異変で灯台から落ちていったシバを追いかけて海に飛び込んだガルシアの行方は判らず、ジャスミンたちもついに見つかることはなかったのだった。
 ロビンたちはバビからレムリアを探してほしいと頼まれ、次の灯台に行くには船が必要であることから頼みを聞き入れ、バビの船で旅立った。

 今回の物語は、地の灯台が灯る直前のジャスミンたちの行動から始まる。

*ヴィーナス灯台にて。ガルシアがムーブのエナジーで仕掛けを解き、ジャスミンたちに出口への道を開く。そしてガルシア本人は、灯台の頂上へ戻る。ジャスミンは学者スクレータとともに残される。

ジャスミン:私たちここから出ちゃっていいのかしら。
スクレータ:?
ジャスミン:この出口を出たら……灯台には戻れないのよ。やっぱり兄さん……止めるべきだたかなぁ。
スクレータ:ジャスミンや。何を心配しているんじゃ。
ジャスミン:胸騒ぎがするの……。
スクレータ:胸騒ぎじゃと……?
ジャスミン:なんだか、嫌なことが起こりそうな気がするのよ。

*アレクスが現れる

アレクス:ジャスミンらしくない……。どうしました、二人とも……。
スクレータ:ア、アレクス……聞いておったのか?
アレクス:ガルシアがいませんね。彼はどうしました?
ジャスミン:兄さんとは……別れたの……。
アレクス:ガルシアは別行動で何をしているんです……?
スクレータ:ガルシアは今……シバが心配になって上へ戻っていったわい。
アレクス:ここまで来たのにですか……私は、もうとっくに灯台を出たのだと思ってました。今頃まで、灯台の中で何をしていたんです?
スクレータ:ガルシアが上に行くのを引き止めていたんじゃが……。
アレクス:一度言い出したら……あとにひかなかったとは、ガルシアらしいですね……。
ジャスミン:さっき言ってたわねアレクス……。私らしくないって……どういうこと……アレクス?
アレクス:胸騒ぎなんて言葉をジャスミンから聞くとは、思わなかったからですよ。しかし、まさかガルシアが上に戻ったとは……。
ジャスミン:ごまかさないで。アレクス、さっきの言葉……どういう意味だったの?私が気が強いって言いたいわけ……!
アレクス:そんなふうに聞こえたなら、言い方が悪かったですね。この通り、謝りましょう。
スクレータ:もういいじゃろう、ジャスミン。アレクスにそんなふうに突っかからんでも……。
ジャスミン:私、突っかかったりしてないわ、スクレータ。アレクスがあんなことを私に言うからよ!
アレクス:もう問い詰めませんから、そのことはどうか……許して下さい、ジャスミン。
ジャスミン:…………。
アレクス:胸騒ぎでしたよね、ジャスミン……?
ジャスミン:そうなの。私たち……このヴィーナス灯台から出て行っていいのかしら?
スクレータ:出て行かないつもりかの!
アレクス:まさか戻るつもりではありませんよね……?
スクレータ:それは駄目じゃぞ、ジャスミン。足手まといになるだけじゃ。
ジャスミン:ロビンたちが来てるのよ。ヴィーナスの灯台へ……。
スクレータ:そうらしいのう……。
ジャスミン:ロビンたちは灯台の火を灯させないつもりだわ。戻っていった兄さんがロビンと出会ったら……きっと戦いになるわ。
アレクス:もしも灯台の火を灯す前に出会ってしまったら……戦いになるでしょうね。
スクレータ:ガルシアは言い訳……しない男だからじゃのう。
ジャスミン:男って、どうしてこうガンコなんだろ。
スクレータ:そこがガルシアのいいところであり、悪いところでもある。
ジャスミン:だからよ。だから私が話せばロビンたちはきっと判ってくれるわ。私、どうして……今までそんなことに気付かなかったのかしら。ねっ、いいでしょ……灯台の上に引き返し、ロビンたちに会いましょ。
アレクス:それは無理です……。
ジャスミン:どうして、アレクス……。
アレクス:彼らは敵だからです。
ジャスミン:ロビンが、てき……。
アレクス:あなたたちと私とは、狙いは違いますが、目的は同じです。
スクレータ:エレメンタルの灯台の火を灯すことじゃな。
アレクス:しかしロビンたちは……その目的を邪魔しにここへやってきています。
ジャスミン:だから、敵……。
アレクス:大丈夫。ロビンたちは、きっとサテュロスたちが倒してくれますとも!そうですか。ガルシアは上へ戻りましたか?
スクレータ:どうしたんじゃ、アレクス。何か嬉しそうじゃな。
アレクス:そ、そうですか。それは……もうすぐヴィーナスの灯台に火が灯るからでしょう……。
ジャスミン:アレクス。あなた……どうしてそんなに灯台を灯したがるの?
アレクス:今度はこの私が質問される番ですね。かつてこの世界には、錬金術のあることは普通のことでした……。そうですよね、スクレータ?
スクレータ:そ、その通りじゃ……。
アレクス:その普通だった世界を見てみたい。そして……。
ジャスミン:そして、何……アレクス?
アレクス:話が長くなります……この続きはまた今度することにしましょう……。さあ、灯台の火が灯ります。急いでヴィーナス灯台を離れましょう。
スクレータ:アレクスの言う通り……約束の場所へ行き、ガルシアを待つことにしよう。
ジャスミン:判ったわ、スクレータ。言う通りにするわ。

*スクレータとアレクスが加わり、ジャスミンは灯台を下りることにする。   

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