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*城のテラスにゲドラーが立っている。城の前には多くの人々が集まっている。

ゲドラー:100年前、勇者パインさまは、邪悪なるゾーラの手より我らを救われた。一人の少女がパインさまに道を印した……。
エルル:私はエルル。ああ、今日の日をどんなに待ったことでしょう!パイン!旅立ちの時が来たのです。
エルル:ゾーラ!やめて!あなたは愛されたいのに……人を支配しても、誰も愛してはくれないわ。
ゾーラ:儂に愛などいらん!
パイン:エルル!!
ゲドラー:更にパインさまは、ラの乱れから生まれた禁断の森を止めてくだされた!ゾーラの残党たちは、愚かにも、この世界の力の源(ラ)を乱した。
アグ・ウー:ヨピナス!これが(魔法戦争)のころ造られた魔物製造機だ!
ヨピナス:よし!これで魔物を造り、ゾーラさまのかたきを取ろう!
ヨピナス:ギャッ!
アグ・ウー:ま……魔物製造機が!
ゲドラー:(ラ)の乱れは奇妙な森を生み出した。その森は瞬く間に広がり、町や村を呑み込んでいった。パインさまは再び立ち上がると、森に入ってゆかれた。パインさまは戻ってこなかった。しかし、森は動きを止めた……パインさまは、二度までもエルファリアを救われたのだ。パインさまは書き残された。(メルド)をやめよ!と。……でなければ……。
レーナ:勇者……勇者が来ます!
ゲドラー:何!?どうしたというのだ、レーナよ!
レーナ:この世界を再生する勇者が現れます!
ゲドラー:何を言っているのだ!誰か聖女レーナを止めよ!
ラモン:レーナさま、お気を確かに!あなたは聖女としてパインさまのお言葉を伝えるのが役目!予言などしてはなりません!
レーナ:勇者が!……!
ゲドラー:勇者だと……?何とたわけたことを!皆の者!うろたえるでない!勇者は勇者とはパインさまお一人だけだ!パインさまの名において、何人たりとも勇者の名を語ることを禁ずる!我は大神官ゲドラー。パインさまのしもべ、パインさまの代理人なり!ゆえにパインさまに代わりて汝らに命ず!メルドはラの流れを乱す悪法なり!ラが乱れれば禁断の森も大きくなる!さあ、皆の者、身を正してパインさまに祈れ!禁断の森が動かぬように!ラの流れを乱さぬように!(メルド)をやめよ!!

*所変わってボアの町。キバの回想。

ベータ:これが……あのボアの町か!こんなに荒れ果てて……ラの力の使い方を誤った者たちがこの森を生み出し、幾つもの町が森に呑み込まれてしまった……。これは……エルフの遺跡だ……ここも、昔はエルフが住んでいたのか……。キバよ、ご覧!昔は人とエルフは共に住んでいた……そんな時代にあったんだよ……。さあ行くぞ、もっと奥へ!
キバ:父さん、ボク怖いよ!もう行きたくない!
ベータ:泣くんじゃない!キバ!わたしはやらなければならないんだ……。わたしの過ちで水の生地ハンブを沈めてしまった……。わたしは罪を償わなければいけない……。(ラの杖)……(ラの杖)さえあれば、この森を消し去ることができるかも知れないのだ……。

*二人の前に変な光が現れ、ぐるぐる回って北の方へ飛んでいった。

キバ:父さん、あれ!何?あの光は何?
ベータ:判らん……なんだ?……行ってみよう!
キバ:やだ!帰りたいよー!母さんの所に帰りたいよー!母さーん!
ベータ:うるさい!母さんのことは言うな!行きたくないならいつまでもそこにいろ!
キバ:わーん!怖いよー、待ってよ父さーん!
ベータ:……(ラの杖)だ!キバ!(ラの杖)があったぞ!遂に……遂に見つけたぞ!これで母さんを……マリアを見返してやれる……わたしはハンブの償いができる!
キバ:ああーん!グズグズ……これで母さんの所に帰れるの?この杖があれば、みんなで一緒に暮らせるの?父さん……?

*キバの回想終了。

キバ:母さん……か……。
シャンゴ:ウウウ……ウウ?
キバ:あ、ああ!シャンゴ!ごめん……。昔親父とこの辺りに来たことがあるんだ……それを思い出してたんだ……。
シャンゴ:ウウウ……。
キバ:ああ!気にしないくていい!親父のヤツ……時々研究の材料を探しに行って、帰ってこないなんてこと……よくあるんだ……。心配ないよ!2,3日もすれば戻ってくるさ!さあ、魔物を探してやっつけよう!オレたちはハンターだ!仕事をしなくちゃな!
???:フフフ……。
キバ:誰だ!
キール:フフフ……俺は知っているぜ……お前の親父が、今どこにいるのか……をな。
キバ:何!?
キール:フフフ……一緒に来るなら、教えてやってもいいぜ。
キバ:お前だな!最近ローズの神官たちを襲っているって言う噂のエルフは……。
キール:フフンッ、怖いのか?
キバ:怖くなんかない!
キール:フフンッ!ならばついてこい!そっちのでかいのも一緒にな!
キバ:待て!どこへ行くんだ!
キール:ザザ寺院!

*ザザ寺院にて。

キール:ここだ!ザザ寺院にこんなとこがあるなんて、人間たちは知らなかったろ!
キバ:こんなところがあったなんて……。
キール:ザザ寺院を何だと思ってた?古代のエルフ王エルザードの墓なんだ。ここはその封印の間だ。さてと……。
キバ:それは!
キール:フン!(ラの杖)ってんだ。
キバ:それはオレの親父が持っていたものだ!親父をどうした!どこにいる!?
キール:フン!お前に用はないんだ。用があるのはそっちのシャンゴだ!シャンゴには、俺がエルザードになるための影になってもらう!この場所にはラの力が満ちている。(ラの杖)はその力を集める!
リーファ:やめてキール!エルザードになるなんて!
キール:リーファ……何しに来た!邪魔するな!何故だ!何故何も起こらない!ぐわっ!
ルーク:あっ!(エルルのかけら)が……。
シャンゴ:ウウウ……エルル……。
キール:く……くそ!リーファ!俺を追うな!俺は力を得て、エルファリアをエルフだけの国にしてやる!それまでみんなと待つんだ!
キバ:待て!親父をどこへやった!う……動けない……。
エルザード:わたしを呼ぶ者は誰だ……。わたしを呼ぶ者は誰だ……。わたしを呼ぶ者は……わたし。わたしが……わたしを呼んでいる。世界は消え去るべきか、再び生まれ出るべきか……決めるために。わたしは時を越えて勇者を待つ。わたしが……わたしを呼んでいる……。
リーファ:……エルザード……消えたわ……。
キバ:……動けるようになった!……なんだったんだ?……今の……。ちくしょう!何か親父はとんでもないことに巻き込まれたんだ……シャンゴ!あいつを追うぞ!
リーファ:待って!あたしも連れてって!
キバ:なんだお前たち?あいつの知り合いか?
リーファ:キールのいる場所……あたしなら、わかるかも知れない……。
シャンゴ:ウウウ。
キバ:なんだよシャンゴ!連れて行けってのか?ちぇっ!判ったよ!よし!行こう!ぐずぐずするな!

*ザザ寺院の上の方。

ラモン:エルザードは現れなかった……お前の言ったとおりだね……レーナ。でもこれが……始まりなのだね。
レーナ:はい……ラモンさま。
ラモン:見ていろよ、ゲドラー!今度こそ、お前の息の根を止めてやる!

*ザザの町。

プーカ:キバ!
キバ:どうした?プーカ。
プーカ:禁止官に追われてんだ……助けてくれ!僕をこのザザの町から出して欲しいんだ!
キバ:よし!
禁止官A:おい!ちょっと待て!
禁止官B:お前、ハンターのキバだな!プーカを知ってるだろ!見なかったか?
キバ:見てないよ。
禁止官A:隠すとためにならんぞ。どうもハンターというのは胡散臭い。お前、まさか(チャージ)や(メルド)をやったりなんかしてないだろうな!?
キバ:(メルド)なんか、したくたってできないさ!誰もやりかたを知らないんだから!(チャージ)だって、あんたたちが(メルドマスター)をみんな捕まえたから、教えてくれる人がいなくてできないよ!
禁止官B:ほう!聞き捨てならんな!我々を非難する気か!
禁止官A:お前、(チャージ)が使いたいのか?パインさまの教えに背く気か!
キバ:そ……それは。
レーナ:どうしたのです?
禁止官B:これはラモンさま!レーナさま!
レーナ:みだりに人を脅してはいけません。禁止官はパインさまの教えを広め、人々を助けるのが役目です。この子は私もよく知っています。(チャージ)など、していませんよ。
禁止官A:…………!なに?シルフェス様が!ちぇ、お前に構ってる暇はなくなった!
禁止官B:(チャージ)になど手を出すなよ。そのときはお前を捕まえなきゃならん!フフフ。
禁止官A:レーナめ!勇者がくる……とか口走って、このザザへ流されて来たくせに!威張りやがって!フン!あのラモンは、ギストの工場にきた神官だろ。どうしてこんなところをうろついているんだ?
禁止官A:レーナを見張っているという話だ。なかなか切れ者だという噂だよ。いずれ、反乱軍の奴らがレーナに近づく……とゲドラー様に進言したそうだ。
禁止官B:レーナは囮……というわけか。
禁止官C:それより、シルフェス様がいらっしゃる。準備をしなければ!
キバ:レーナさん、ありがとう!
ラモン:さあレーナ、行くぞ。
レーナ:いいのよ……。気をつけてね……。
プーカ:ありがとうキバ!助かった……。
キバ:プーカ、前にも言っただろ!反乱軍なんて危ないからやめろって!
プーカ:禁止官なんて、あんな連中を放っておけるか!!そうだ!俺を(風が丘)まで連れてってくれないか?そこに反乱軍の味とがあるんだ。このザザの町の南にある丘の上さ!
キバ:悪いけど、親父のことで、今はそれどころじゃないんだ。
プーカ:反乱軍の連中なら、親父さんのこと、何か知っているかもしれないよ。
キバ:えっ!?
プーカ:お前の親父さん、反乱軍に協力してたんだ。
キバ:判った。(風が丘)に行こう!

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