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ワイルドアームズ エンディング


●エンディングまでの流れ
宇宙コロニー・”マルドゥーク”を利用してファルガイアを滅ぼそうとするジークフリード(の身体を奪ったマザー)。

これを阻止せんとするロディ、ザック、セシリアの3人はマルドゥークに攻め入り、
マザーがジークフリードを取り込んで変形した”マザーフリード”を倒した。

だが、ファルガイアへ帰ろうと転送装置から亜空間に入ったロディたちを、マザーの支配から抜け出した”ジークツヴァイ”が急襲。

死闘の末、これを倒したロディたちだが・・・・・










●エンディング













  (倒されたジークツヴァイが消滅。亜空間を漂うロディたちもまた光に包まれていく)




  (マルドゥークと繋がる軌道エレベーター”カ・ディンギル”が火を噴き、崩壊しつつある)

  (カ・ディンギル入り口前。アースガルズが佇むそこにロディたち3人が転送されてきた)

  (起き上がり塔を見る3人)

ザック「転送座標がズレている・・・」
   「やべぇぞ、さっきの戦闘の負荷がカ・ディンギルにのしかかっているッ!」
   「だめだッ! まにあわねぇッ!」

  (絶望の声を上げるザック。すると・・・)

  ガゴン、ガゴン(アースガルズが歩き出す)

セシリア「アースガルズッ!? そんな、何もお願いしてないのにっ!?」

  (3人の前に立ったアースガルズ。両腕を上げてバリアを張る)

ザック「そうか『対消滅バリア』かッ! だが、受けとめられるのか?」
   「くるぞッ! 塔が負荷に耐えられないッ! 『対消滅バリア』を信じるしか・・・」



  (火を噴いていた塔はついに木っ端微塵となり、すさまじい衝撃がロディたちに襲いかかる)

  (だが、アースガルズのバリアが衝撃を防いでいる)

ザック「す、すげえ・・・防御機構に優れた機体とは、よくいったぜ」
   「姫さん、このままアースガルズにカ・ディンギルの爆発がおさまるまでしっかりバリアを頼んでくれよ」
セシリア「違う、違うのです・・・わたしの言葉で動いていないのです・・・」
    「勝手に動いているのです・・・まるで、自分の意思を持っているかのように・・・」

  ドガン!(負荷がかかったのか、アースガルズの右腕が爆発する)

セシリア「お願いッ! やめて、アースガルズッ! このままではあなたまでも・・・」

  (セシリアの叫び。しかしアースガルズは微動だにしない)

セシリア「・・・アースガルズ・・・」
    「ありがとう、あなたの心が・・・こんなにもハッキリと伝わってくる・・・」
    「そう、あなたは戦うだけの機械じゃないわ」




  (やがて全てが暗闇につつまれる)

  (その中で落ちていく輝き。それはセシリアの涙なのか・・・・)
  





  (瓦礫に下半身を埋もれさせたまま動かないアースガルズ。その前に立つセシリア)

  (アースガルズに駆け寄るセシリア)

セシリア「アースガルズ・・・ねぇ、眠っているの・・・?」
    「そうか・・・アースガルズはがんばったもんね」
    「いつまでもアースガルズの側でこうしていたい、けれど・・・」
    「わたしには、やらなきゃいけないことがファルガイアにたくさんあるの・・・」
    「今度、アースガルズが目を覚ました時には争いのない平和なファルガイアを見せてあげるわ」
    「人も、風も、花も、鳥もみんながアースガルズを囲んでやさしい歌声を聴かせてくれるわ・・・」
    「だから、いつかその日がくるまで・・・おやすみなさい・・・アースガルズ・・・」

  (セシリアの持つ”なみだのかけら”の輝きがアースガルズを包んでいく)










セシリア「・・・おやすみなさい・・・」












  (戦いが終わり、平穏を取り戻したファルガイア)

  (森の中をロディとザックが歩いている)

ザック「・・・なあ、ロディ」
   「今、こうして旅をしているってのがときどき、信じられないことがあるんだ。あの大爆発から、生還できたなんて・・・」
   「目が覚めると朝だった。お前と姫さんが出発の支度をしていた・・・なんて気がしてならないんだ」

  (そう呟くザックの前に出てくるハンペン)

ハンペン「らしくないじゃない。それとも、実感わかない?」

  (ハンペンの問いかけに答えないザック)

ザック「そうだ、姫さんから手紙、預かってたっけ。城を出てから読んでほしいって言ってたな」
   「おい、ハンペン、読んでみな」
ハンペン「オイラがッ!?」
ザック「そ、お前のお仕事なの」

  (言われたハンペン、ロディの元に移動して手紙を見る)







  (アーデルハイド城。ベッドで横たわるセシリア。ロディやザック、城の人々が周りを囲んでいる)

  (セシリアが光に包まれ目を覚ます)



「この手紙を読んでいるときみんなは、どこの空の下でしょうか?」
「晴れているのかしら? それとも、雨でも降っているのかしら?」
「あの苦しい戦いを乗りこえてきたせいかもしれません」
「今のわたしにはこの、何でもない日常がとてつもなくなつかしく感じられるのです」



  (瓦礫に埋もれたアースガルズの姿)



「アースガルズが守ってくれたおかげでわたしたちは、こうして再びファルガイアに帰ることができました」
「でも、アースガルズはまた眠りにつくことになったのです」
「それは二度と目覚めることのない眠り。もう戦う機械である必要はないのです」
「・・・おやすみなさい、アースガルズ。あなたが静かに眠れる時こそやさしい光と平和に満ちた世界」
「これでよかったのかもしれません・・・でも、わたしは寂しさでいっぱいです」



  (父の墓に花を添えるセシリア。ふと涙が見える)
  (セシリアを迎えに来たロディとザック)



「二人がまた、旅に出ると聞いたとき正直いって驚きました。いつまでもずっといっしょだと思ってました」



  (アーデルハイド城のバルコニーに佇むセシリア)



「ファルガイアの運命なんて、信じられないほど大きなものを背負っていた忘れられない、あの戦いの日々・・・」

  (セシリアの右隣にザックが現われる)

「ひとりでかかえこんでしまえば押しつぶされそうな使命も、みんなといっしょだったからなんとか果たすことができたと信じています」

  (左隣にロディも現われる)

「せつなくなるほど、ひとりぼっちの心に手を差し伸べてくれる仲間がいたから、つらい旅を乗り越えることができたと信じています」

  (入り口から兵士がやってくる。セシリアが振りむいた瞬間、ザックとロディは消え去った・・・・)

「だからでしょうか。いつまでも、わたしたち三人がいっしょにいられるなんて勝手な思いこみをいだいていたのかもしれません・・・」





  (アーデルハイドの城下町で子供たちと遊ぶロディ、ザック)


  (ロディを先頭に歩いている3人)
  (と、なぜか後ろからすごい勢いで走ってくる人達。ザックを追いかけていく)
  (ザックを追って走る人々・・・・と、思いきやハンペンの方を追っかけている。ファンクラブだろうか?)


  (兵士や大臣らに囲まれ、城から城下町までパレードするロディたち)
  (兵士や町の人々が見守り、花吹雪が舞う)



「『ファルガイアからモンスターの脅威が完全になくなったわけではない』」
「『俺の剣を必要としている人々がいなくなったわけではない・・・だから、旅立つ・・・』」
「なんて、以前のザックならぜったいに口にしないことじゃないかしら」
「そう、今までに感じられなかった想いが胸の内にあるのは、わたしだけではなかったのですね」



  (花吹雪が舞う中、旅立っていくロディとザック)



「これからは胸の内の想いを守っていくことを決心したからこそ、二人は旅立ったのですね」



  (城の中で本を読むセシリア。ふと窓に近づき開く)

  (バルコニーに出たセシリア。風が髪の毛を揺らしている)



「私も、今の想いを守るために何かをすることを決心したところです」
「それは、アーデルハイドの公女として決して、誉められることではありません」
「でも、公女ではないわたしの気持ちなのです」
「わたしはもう、背伸びをしてまで理想の公女を演じたりはしないつもりです」
「17歳の女の子なりに一生懸命考えて、自分の気持ちに正直に行動するつもりです」



  (自分の部屋のセシリア。服やら杖やらを並べ、トランクを引きずっている)



「誰かに大切に想われたいのならまず、誰かを大切にすることから始めなきゃいけない・・・」
「そう教えてくれたのは・・・ロディ、あなたでしたね・・・」



  (大臣の元に詰め寄るセシリア。なにやら驚いた様子の大臣)



「わたしは・・・わたしの大切なファルガイアが荒廃していくのを見過ごすことができません」
「だから、わたしもがんばってみるつもりです」



  (大臣に背を向け歩いていくセシリア)
  (追いかけようとする大臣だが、途中で足を止め首を振る)



「大切なものを、大切にしたい・・・これが今のわたしの想いなのです」



  (城下町を歩いていくセシリア)
  (出口で後ろを振り向くセシリア。風が髪の毛を揺らしている)



「今日も、アーデルハイドに西風が吹きました。繁栄を約束してくれる西からの風・・・」
「この風の向こうにわたしの想いが届くことを祈って・・・」



「追伸」
「そろそろ、アーデルハイドから二人の忘れ物が届く頃じゃないかしら」
「面倒くさがらずに、ちゃんと受け取ってくださいね」








  (手紙を読み終えたロディたち)

ザック「そうか・・・姫さんも歩きだしたんだな」
ハンペン「えッ、どこにッ!?」
ザック「どこだっていいのさッ! 自分で考え、行動することが大事なのさ」
   「姫さんなら、アーデルハイドをきっといい国に治めてくれるはずさ」
ハンペン「あれ、以前はあんなに王族を嫌っていたのにッ!?」
ザック「まあ、あれだな、王族にも色々あるのさ」
   「なあッ、ロディッ!!」

  (深くうなずくロディ)

  (歩き出すロディとザック)

ザック「そういやあ、忘れ物が何とかって書いてあったよな・・・」
   「ロディ、お前だろう? いったい何を忘れたんだよ。しょうがないヤツだぜ」
ハンペン「ザックじゃないんだから・・・でも、いったい何だろうね?」
ザック「・・・ったく、面倒くさいぜ。俺は知らないからな」



  (歩き続けるロディとザック・・・・と、突然二人の背後にある木の影から現われたのは・・・・)



セシリア「ほら、やっぱり面倒くさがってるッ!」

  (驚いて振り向くロディとザック、およびハンペン)

ザック「・・・な、なんで姫さんがここにいるんだよッ!?」
セシリア「いけませんか?」
    「わたし、みんなの忘れ物を届けに来たのですよ」

  (セシリアの言葉に顔を見合わせるロディとハンペン)

ハンペン「で、その忘れ物って・・・」
セシリア「まだ、わかりませんか?」

  (くるくると回るセシリア)

セシリア「では、今後ともよろしくお願いしますね」
ザック「ちょっと待ったッ!」
   「手紙には、自分のやるべきことを見つけたみたいなことが書いてあったぞッ!!」
   「だいたい、アーデルハイドはどうするつもりだよッ!」
セシリア「ザックの言うとおりよ」
    「わたしも大切なファルガイアを荒廃から守るために何かしなくちゃいけないからね」
    「アーデルハイドには大臣のヨハンおじ様がいるから心配いらないわ」
    「わたし、自分の胸の中の想いに正直に生きることにしたの」
    「今日は偶然、みんなといっしょの方向を歩いているだけよ」
ハンペン「今日はッ!? 偶然ッ!? ホントかなぁ・・・」
セシリア「そうよ、偶然よ。今日も、明日も、この先もずうっとッ!」
    「それは、ぜったいにぜったいですッ!」
    「そうでしょ、ロディッ!」

  (ロディの返事も聞かず、強引にその手をとって連れて行くセシリア)

ザック「こ、こらッ! 俺たちを置いて行くなッ!!」

  (ハンペンを乗せて、慌てて後を追うザック)





  (森を抜け、高台にたどり着いた3人。眼下には豊かな木々が生い茂っている)

ザック「・・・見ろよ。俺たちの守ってきた大地だ・・・」
セシリア「わたしたちの力だけではないわ」
    「エマ博士に、ジェーンとマクダレンさん、船長さん、そしてマリエル・・・」
    「ファルガイアに生きる全ての想いと、そして・・・」

  (ゆっくりと振り向く3人。それはあたかも、画面の向こうのプレイヤーに対しているかのようだ・・・・・)






  (緑溢れる森の上は、青い空にまぶしい太陽)





  (その空を、渡り鳥の群れが飛び立っていく・・・・・・)
  















                               END

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