戻る TOPへ

ダブルキャストのグッドエンディング (2)


学校祭。

主人公が校舎の廊下に、映研のポスターを貼っている。

(あの時はイチかバチかだった)

回想。
校舎の屋上から落下する主人公と志穂。
2人が落下したのは、地面ではなくマットの上。
遥と二村がとっさに用意しておいたのだ。

(美月の人格から目覚めない時は、屋上から一緒に飛び降りてショックを与えてみるっていう計画だった)

志穂「コラ!」

その声に、現実に引き戻される主人公。

志穂「なに考えごとしてんの? 手の方が休んでるよ!」
主人公「美……志穂……」

(彼女はもどった、僕のよく知っている美月に)
(そう、本来の彼女、志穂さんではなく、ふたりの姉妹が同居している実際には存在しないはずの人格)
(僕らを襲った美月にも、心に傷を持った志穂さんにも変わらず)
(……まるで以前から彼女はそうだったように)


ベンチに掛け、校舎の屋上を見上げる主人公。

(彼女は記憶を失っていた)
(ただ、美月と志穂さんのことだけを。辛い思い出のみを自ら封印したように)
(実際森崎先生は、そういう事もあると話してくれたが、僕はそうじゃないように思う)
(きっと美月と志穂さんはお互いを受け入れて、姉妹一緒に生きることを望んだ)
(そういう気がしてならない……)

志穂「なにボ〜ッとしてんの?」
主人公「志穂のお姉さんの事を考えてた……」
志穂「そっか、美月姉さんのこと…… 思い出せないけど、なんか、いまだに……こう すごく近くにいるような気がする……」
主人公「志穂……」

志穂「ねぇねぇ、5時からライブが始まるんだって、行こ行こ!」
主人公「その前になにか食べようよ。志穂だって朝からずっと先輩たちにコキ使われて、何も食べてないだろう? なんでわざわざ手伝うなんて言い出したんだよ」
志穂「だぁってぇ!」

主人公の手を引っ張り、ベンチから立たせる志穂。

志穂「ずっと一緒にいたかったから…… それって、迷惑?」
主人公「迷惑だなんて……嬉しいよ」


志穂「あはっ! なにたべよっか? お好み焼き? タコ焼き? 焼き鳥? それとも焼きそば?」


The End


志穂
Good End 02
inserted by FC2 system