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ダブルキャストのバッドエンディング (11)
映画の試写の行なわれている部室に、主人公と遥と2人。
美月が飛び込んでくる。
美月「ごめんなさ〜い、遅くなりました……」
遥「いいや、ちょうど始まったトコだから」
美月「あ、できたんだ、映画」
主人公「まださ、NGのシーンをカットして粗くつないだだけだから」
美月「ふ〜ん、そうなんだ…… 他の部員の人たちは?」
主人公「あとは二村が来るはずなんだけど……」
遥の携帯が鳴る。
遥「はい、あたし。どうしたの? もう始まってるよ…… えぇ? あ、そう……それでどんなふうなの? ……わかった、私も顔出すわ」
主人公「どうかしたんですか?」
遥「えぇ、二村君がケガしたみたい。くわしくはわからないけど、手を機材に挟んだとか言ってたわ。ちょっと見てくる。大した事ないみたいだけど、とりあえず私、部長だからね」
主人公「じゃあ僕も行きます……」
遥「平気よ、すぐもどるから留守番してて」
遥が部室を出る。
主人公「二村のヤツ、大丈夫かな……あれ?」
スクリーンに映っている美月が、右手でドアを開けている。
主人公「美月見て……今気づいたんだけどこのカット、なにかおかしくない?……」
美月「そう?」
スクリーンの中、左手に持ったコーヒーカップに口をつける美月。
主人公「あれ、なにかな? なんか気になるんだけど……」
美月「気のせいじゃないかしら」
主人公「そうかな…… いや、絶対おかしいよ……」
スクリーンを見つめて考え込む主人公。
背後に立つ美月。その手には鉄パイプが……。
主人公「え、あぁそうか!」
美月「わかったの?」
主人公「うん、つまり……」
美月「フン!!」
パイプが振り下ろされる。
スクリーンが血に染まる──。
真犯人 (1)
Bad End 11
ダブルキャストのバッドエンディング (12)
バッドエンディング(11)の主人公「いや、絶対おかしいよ」より続く。
殴打音。
主人公「ぐっ……なんなんだ、急に」
振り向くと、そこには鉄パイプを手にした美月が。
主人公「美月……なんで、なんで僕を殴る?」
美月「フン!!」
夜の校舎に、にぶい殴打音と美月の笑い声が響き渡る──。
真犯人 (2)
Bad End 12